2016年07月07日

「司法試験平成27年出題趣旨の読み方(民法)」を発売しました

 Amazonより、「司法試験平成27年出題趣旨の読み方(民法)」を発売しました。
 本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外の端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

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【内容紹介】

 本書は、平成27年司法試験における出題趣旨の民法について、各段落ごとに、ポイントとなる事項を説明したものです。

 出題趣旨は、考査委員の想定した「正解」が書いてあります。しかし、必ずしも、常に正しいことが書いてあるわけではない。法科大学院や予備校等では、出題趣旨や採点実感等に関する意見に書いてある内容を所与のものとし、「出題趣旨にこう書いてあります。だから皆さんもこのように書いて下さい。」、「採点実感にこういう書き方はダメだと書いてあります。だから皆さんもこういう書き方はやめて下さい。」というように、なぞるような解説がされがちです。そこに書いてある内容の意味は、厳密にはどのようなものなのか、それは本当に正しいのか、という検証がされる機会は、実はほとんどないのです。しかし、実際に検証してみると、明らかに不適切な記述が見つかることがあります。平成27年の民法の出題趣旨の設問1に関する記述には、単純な誤記(平成28年7月現在でも、法務省HP上で訂正されないままになっています。)だけでなく、内容的にも不適切な記述が散見されます。その意味で、「出題趣旨は絶対ではない。」ということが、よくわかる例といえるでしょう。今回は、特に問題の多い設問1について、詳細に解説しました。
 また、設問2も、簡単なようで、実は緻密な検討を要する内容を含んでいます。本問における対抗要件具備による所有権喪失の抗弁と、対抗要件の抗弁は、典型的なものとは異なります。また、留置権の成否については、単純に「目的物の所有権者と被担保債権の債務者が異なる場合には、留置によって間接的に履行を強制する関係にないので、牽連性が否定される。」という命題を適用してよいのか、という点について、実は難しい問題を含んでいます。それらの点について、詳細に検討しました。
 設問3は、本問で最も単純な設問で、理論的に難しい点は、それほどありません。ただ、現在では、本問が出題される直前に出されたサッカーボール事件判例(最判平27・4・9)や、本問の実施後に出されたJR東海認知症事故事件判例(最判平28・3・1)を参照しつつ検討する必要があります。また、相当因果関係の当てはめを巡っては、予見可能性の具体性の程度との関連で、債権法改正案による改正がされた場合の416条2項の意味と、その改正経緯を参照しつつ、それが現在の解釈論にどのように関わってくるかを考慮する必要があります。設問3では、このような、本問の出題前後に生じた新しい動きを加味した検討を行いました。

 各項目の概要は、以下のとおりです。
 第1段落では、出題趣旨の書出し部分をどのようなことの参考にすればよいかについて説明しました。
 第2段落では、「物権法」と記述され、「担保物権法」とされなかったことについて説明しました。
 第3段落では、所有権留保の法的性質について、現在の判例は、旧司法試験時代の基本書やテキストなどの記載とは異なり、担保権的構成であると評価されていること、倒産実務において、所有権留保は当然に別除権(担保権)と扱われていること、本問と同年に出題された選択科目の倒産法でも所有権留保が出題され、別除権(担保権)と考えることが当然の前提とされていたこと、現在の学説上も、担保権的構成が通説であるとされていること等を示し、それにもかかわらず、出題趣旨が所有権的構成を前提にしなければ理解困難な内容を記載していることを説明しました。
 第4段落では、Cの反論として出題趣旨に挙がっている即時取得について説明した上で、出題趣旨が看過しているその他の反論について説明しました。
 第5段落では、CD間の契約が製作物供給契約であること、付合による償金請求の法的性質、担保権的構成に立った場合の担保権消滅の根拠等について、説明しました。
 第6段落では、248条が適用される場合の703条、704条の要件の検討について、「付合に関する当てはめをする中で,これらの要件を実質的に検討することでも足りる。」とする出題趣旨の記述の意味を説明しました。
 第7段落では、「Aが受けた損失を勘案するならば,AがDに対して請求できる額は150万円にとどまる」という結論は、出題趣旨が前提とする所有権的構成の考え方からは導くことが困難であり、不適切であること、担保権的構成からはどのように考えることが可能であるか等について説明しました。
 第8段落では、Dの反論について、出題趣旨に明らかな誤記があることを指摘した上で、一見しただけでは理解困難な出題趣旨の言おうとする法律構成を解明し、その内容が現在の判例・通説とは距離のある不適切なものであること、転用物訴権が問題となる場面とは異なること等を説明しました。
 第9段落では、出題趣旨が、「対価の控除」の問題を一般的な理解と異なり、「利得の消滅」の場面で考えていることを示した上で、出題趣旨が唐突に仮定の話をした意味を、不当利得類型論における侵害利得と物権的請求権の関係の理解に遡って説明し、「Dにおいて材木2の価値に相当するものを即時取得したと評価することができる場合に,Dの利得について法律上の原因が認められ,DはAの償金請求を拒絶することができる」とする出題趣旨の意味を明らかにするとともに、「Dは,乙建物の鍵のうちの1本をCに交付して仮住まいの家に移っただけであるから,Cを通じて乙建物を間接的に占有していると評価することができ」とする記述が、間接占有の理解としても、請負のための立入りによって占有権を取得するという理解としても、不適切であることを指摘し、その他、問題文にも不自然な点があることを説明しました。
 第10段落及び第11段落では、出題趣旨が、対抗要件具備による所有権喪失の抗弁を本筋として考えていたことを示す記述となっていることを説明しました。
 第12段落では、典型的な二重譲渡の事例における対抗要件具備による所有権喪失の抗弁と対抗要件の抗弁の関係を整理した上で、出題趣旨が、「丸太3をEが所有することを争うことによって」という問題文の文言を強調して引用していることの意味を説明しました。
 第13段落では、請求原因事実の背後にある実体法的な理解について、改めてその理論的な意味を確認しました。
 第14段落では、本問における対抗要件具備による所有権喪失の抗弁の内容と、その実体法的意味を確認した上で、出題趣旨が「厳密に言うと」として言い直していることの意味等を説明しました。
 第15段落では、本問における対抗要件の抗弁の内容と、本問の場合には、典型的な二重譲渡の場合と異なり、対抗要件具備による所有権喪失の抗弁が、対抗要件の抗弁との関係でa+bの関係とならないことを示し、各抗弁事実の実体法的意味が、177条の「第三者」該当性についての理解によって異なること等を説明しました。
 第16段落では、問題文の記述から、Eに対する保管料相当額の費用償還請求権(196条1項)を被担保債権とする留置権の主張が解答とならないこと等を説明しました。
 第17段落では、なぜ、商事留置権が問題とならないのか、出題者側が商法の適用を排除しようとすることの実戦的意味等について説明しました。
 第18段落では、「民事留置権の要件の全て」、「主張・立証責任の所在にも留意しつつ」という出題趣旨の記載の意味等を説明しました。
 第19段落では、留置権の目的物の所有者と被担保債権の債務者が異なる場合の処理について、判例によれば「他人の物」の問題ではなく、牽連性の問題であることを示した上で、2つの典型事例を補助線として、本問が肯否の結論を分ける2つの典型事例の中間的な事例であることに着目しつつ、どちらの事例に近づけて考えるべきか、という観点から、牽連性を詳細に検討しました。
 第20段落では、295条2項との関係について、Gの行為自体が不法行為になる余地があるか、出題趣旨は、Fの不法行為をもってGの占有取得を不法行為と同視する構成を念頭に置いているのではないか、等について説明しました。
 第21段落では、留置権の成立を否定する場合には全ての要件を検討する必要がないことと論点落ちや主張立証責任との関係について説明しました。
 第22段落では、設問3がオーソドックスな問題であったこと等について説明しました。
 第23段落では、法定監督義務者該当性について、JR東海認知症事故事件判例(最判平28・3・1)を参照しつつ説明しました。
 第24段落では、Hの責任能力について説明しました。
 第25段落では、未成年者に責任能力がある場合の監督義務者の責任について、判例が固有の規範を定立していることを示した上で、Cの監督義務違反について、少年院退院者強盗傷害事件判例(最判平18・2・24)及びサッカーボール事件判例(最判平27・4・9)を参照しつつ説明し、相当因果関係については、416条2項の予見可能性の程度との関係で、債権法改正案及びその改正案に係る法制審議会民法(債権関係)部会の資料及び議事録も参照しながら説明しました。
 第26段落及び第27段落については、出題趣旨に付け加えて解説すべきことはありませんでした。
 第28段落では、「判例と異なる構成を採る場合であっても,適切な理由付けが行われ,その要件等が的確に検討されていれば,それに相応した評価がされる」とする出題趣旨の実戦的な意味について説明しました。

 本書が、出題趣旨を読み解く上で少しでも助けになれば幸いです。

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2016年04月03日

「司法試験平成27年採点実感等に関する意見の読み方(行政法) 」を発売しました

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 本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外の端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

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【内容紹介】

 本書は、平成27年司法試験における採点実感等に関する意見の行政法について、各項目、段落ごとに、ポイントとなる事項を説明したものです。

 「司法試験平成27年出題趣旨の読み方(行政法)」では、本問で考査委員が想定していたであろう「正解」について、基本的な知識や法律の基礎的な読み方から、どのように考えていけばよいか、ということを詳細に説明しました。そこでは、本問が大変な難問であったことが明らかになりました。 
 本書では、本問のような難問を、試験現場でどのように処理すれば合格できるのか、より実戦的な観点から、詳細に説明しました。適宜具体的な論述例なども示しながら、実戦で使えるテクニックや考え方、試験現場での心構えなどを紹介しています。 

 各項目の概要は、以下のとおりです。 
 「1 出題の趣旨」では、本書のコンセプトを簡単に説明しました。 
 「2 採点方針」では、「決して知識の量に重点を置くものではない」が嘘であることを指摘しました。 
 「3 答案に求められる水準」では、論文試験の採点基準として明示されている各水準と実際の得点、合格ラインの位置などを確認した上で、各設問ごとに、どの程度のことを書けばどの程度の水準となったのか、具体的な合格ラインはどのくらいなのか、合格ラインを守るためにはどうすればよかったのか等について説明しました。 
 「(1) 設問1」では、法務省の公表する「司法試験における採点及び成績評価等の実施方法・基準について」等を参照しつつ、各水準に具体的な得点との対応関係があることを確認し、実際の合格点から、各水準のうち、現実の合格ラインがどの部分に位置付けられるのか、設問1については、具体的に何を書けばどの水準になったのか、それを踏まえた実戦的な戦略は何か等を説明しました。 
 「(2) 設問2」では、特に難問であった設問2について、各水準と論述内容の対応、実際の合格ラインはどの程度だったのか、実戦的にはどう対応すればよかったのか等を説明しました。 
 「(3) 設問3」では、設問3について、各水準と論述内容の対応、実際の合格ラインはどの程度だったのか、内容的な難しさとは別の実戦的な難しさ等について説明しました。 
 「4 採点実感」では、考査委員の様々な指摘について、それを真に受けるべきなのか、その指摘を受けないようにするにはどうすればよいのか、普段の学習方法との関係、役に立つ受験上のテクニック等について説明しました。 
 「(1) 全体的印象」では、字を丁寧に書くべきか、論文試験の試験時間の厳しさの具体的な意味、会議録のヒントが難解な場合の対処法、条文摘示のミスを直すタイミング、論文試験の答案における基本的な文章の書き方、「書き写す」書き方とはどのようなものか、問いに対する形式的応答の方法、見出しを付けるべきか、「理由付けがほとんどない答案」や「問題文中の事実関係を引き写したにとどまり,法的な考察がされていない答案」とは具体的にはどのような答案か、旧司法試験時代の論証はなぜ長いのか、旧司法試験時代から十分アップデートされていない論証が使えない理由、当てはめで重視すべきこと、会議録のヒントがミスリーディングであったこと、時間配分の考え方等について、適宜具体的な論述例も交えながら説明しました。 
 「(2) 設問1」では、「まず判断基準を述べてから本件の事実関係に当てはめるという,法律論としての「作法」がとられていない答案」とそうでない答案の具体的論述例、規範の明示の重要性、判例の規範を覚える必要性、本問で処分性と原告適格についてやや厚めに書く戦略が考えられる理由、薄く書く場合、厚く書く場合の具体的論述例、意識して覚えるべき訴訟要件と必ずしも覚えなくてもよい訴訟要件の区別、当てはめ事実が資料の方にしかないという行政法特有の傾向、問題文の文言から書くべき事項を特定する方法論を事前に確立しておく必要性等について説明しました。 
 「(3) 設問2」では、設問2で差が付いた理由、上位合格を目指す場合に押さえるべき教材、問題文の読み間違えを誘発しやすい答案の書き方、裁量逸脱濫用の検討が雑な答案が多かった理由、裁量基準に基づく処分についての判断過程審査の枠組みを知らなかった場合の粘り方、「行政の行為形式論を踏まえて論じていない」とは具体的にはどういう意味か、論文試験における行為形式論と行政過程論ないし仕組み解釈の考え方の論理的な構造、「本件基準は市の「内部基準」であることが問題文で明言されており,「委任命令(法規命令)」と理解することができないことは明らかである」という記述がやや不適切であること、裁量基準に基づく処分についての裁量統制に関する採点実感等に関する意見の考え方は必ずしも判例の考え方とはいえないこと、有力説を前提にした解答が求められる場合の対処法、「応用論点が基本論点になる」という現象、本問の会議録の誘導が結果的に「泥船」であったこと、試験現場で「泥船」の存在を考慮すべきか、工業地域に倍数の制限がない旨の記載は「泥船」とは異なること、「会議録の記載をそのまま引き写しただけ」という指摘の正確な意味、「書写し」で適切に書く場合の論述例等を説明しました。 
 「(4) 設問3」では、モービル石油事件判例の知識まで事前に準備しておくべきだったのか、一応の水準レベルの「書き写す」論述例、本件命令の名宛人が特定人であるとして補償を肯定してしまう原因、用途地域の指定替えに触れなくても合否に影響しないこと等について説明しました。 
 「5 今後の法科大学院教育に求めるもの」では、知識の重要性と学習における優先順位、採点実感等に関する意見において考査委員が無意味な記述をしてしまう原因、日本語の論述能力が「近年では最低の水準」とされた原因と対策等について説明しました。 

 本書が、採点実感等に関する意見を読み解く上で少しでも助けになれば幸いです。

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2016年03月11日

「司法試験平成27年出題趣旨の読み方(行政法) 」を発売しました

 Amazonより、「司法試験平成27年出題趣旨の読み方(行政法)」を発売しました。
 本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外の端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

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【内容紹介】

 本書は、平成27年司法試験における出題趣旨の行政法について、各段落、文章ごとに、ポイントとなる事項を説明したものです。

 出題趣旨には、考査委員の想定した「正解」が書いてあります。ただ、その内容が、ときに抽象的であったり、わかりにくかったりする。漫然と読んでいると、正確な意味が読み取れないことも、珍しくありません。 
 特に、今年の行政法は、難問でした。「漫然と解いていると、それが難問であることにすら気が付かない」くらいの難しさです。そして、出題趣旨もまた、漫然と読んだだけでは、その真の意図が読み取れないような文章になっています。 
 例えば、出題趣旨には、「Y市長が本件命令を発するに当たり,裁量が認められるか」という記述がありますが、この「裁量」が、要件裁量を指すのか、効果裁量を指すのか、ぱっと見ただけでは判然としません。漫然と読むと、何となく要件裁量っぽいよね、という感じになる。しかし、詳細に検討すれば、そのような読み方が難しいことがわかります。 
 また、問題文では、危険物政令9条1項1号ただし書の市町村長等が「安全であると認め」る行為が行政処分でないことは明らかであるとされています。他方、出題趣旨では、本件基準が「上記の裁量を前提にすると裁量基準(行政手続法上の処分基準)に当たる」とされている。漫然と読むと、「ああ、やっぱり裁量基準ね。知ってた。」ということになるのですが、それでは、なぜ、「行政手続法上の処分基準」なのか。このことの意味を正確に理解すると、本問の違法事由の捉え方が、実は多くの受験生が現場で考えたものとは異なるものでなければならないということに気付きます。 
 それから、裁量逸脱濫用の判断の場面で、出題趣旨は判断過程審査の方法を用いています。これを漫然と読むと、「ああ判断過程審査は最近のトレンドだからね。これからはいつも裁量は判断過程審査で書けばいいんだね。」という意味で理解してしまいます。しかし、よく検討すると、本問は判断過程審査を採用しなければならない事案だったということがわかるのです。 
 さらに、設問3では、「少なくとも本件取扱所の所有者等が当該事情の発生を本件取扱所の設置時にあらかじめ計画的に回避することが可能であった場合」という言い回しをしていますが、この「少なくとも」には、どのようなことが含意されているのか。これも、言われなければ気が付かないのが普通でしょう。 
 このように、今年の行政法の出題趣旨は、一般的な受験生が独力で読んでも、その正確な意味を読み取ることが極めて困難なようになっています。そこで、本書では、その具体的な意味を、法律の基本的な読み方、行政法の基本的な検討手順を積み重ねながら、詳細に検討しました。そのような、階段を一歩一歩登っていくような地道な作業を経ることによって、ようやく考査委員の想定していた「正解」や、本問がなぜ難問だったのか、ということが見えてきます。そして、そのような検討を経て明らかになった「正解」は、多くの受験生が採る構成とは、かなり違ったものです。だからこそ、「難し過ぎて難問であることにすら気付かないレベル」だったのです。 

 各項目の概要は、以下のとおりです。 
 第1段落では、事案の全体像や設問の骨格を把握することの重要性について説明しました。 
 第2段落では、設問1について、「抗告訴訟」という文言から除外されるもの、行政法と民法、会社法とで仮の救済を検討すべきか否かの判断基準が異なること、「重大な損害を生ずるおそれ」の当てはめ方などを説明しました。 
 第3段落では、とりわけ難問であった設問2について、詳細に検討しました。 
 第1文では、本件命令の根拠法令である消防法12条2項の要件、効果を起点として、本問の関係法令の基本的な条文構造を確認しました。 
 第2文では、出題趣旨のいう「裁量」とは何についての裁量なのか、要件裁量か効果裁量か、本問では解く際の前提となる「市町村長等が「安全であると認め」る行為が行政処分でないことは明らか」という部分は、実際には疑問の余地があること、本件命令の正確な違法事由は何か、本問における利益衡量の在り方と危険物政令9条1項1号ただし書の趣旨などについて、説明しました。 
 第3文では、危険物政令9条1項1号ただし書と同令23条との相互関係の考え方について、趣旨、要件・効果及び適用範囲を具体的に比較して、出題趣旨が想定していたであろう「正解」を明らかにし、そのことが問題文から推測可能であったことを説明しました。 
 第4文では、委任命令と行政規則の見分け方、行政手続法上の「審査基準」と「処分基準」の意義、出題趣旨が本件基準を「行政手続法上の処分基準」とすることの意味、「上記の裁量を前提にすると」との関係、判断過程審査によるほかない理由、本問で個別事情考慮が要求される理由などを説明し、補足として、裁量統制における審査密度の概念の多義性について説明しました。 
 第5文では、本件基準の合理性及びその例外の余地について、30メートルは徒歩表示だと「22.5秒」であるなど、具体的なイメージを示しながら詳細に検討しました。 
 第4段落では、設問3について、例外的な補償の余地を中心に、詳細に検討しました。 
 第1文では、論点抽出自体は極めて容易だったこと、「前提に」と「踏まえて」の司法試験用語としての意味の違いなどを説明しました。 
 第2文では、本問における財産権の制約が一般的なものであることについて、消防法12条の構造からわかる適合性維持義務と本件命令の関係、本件命令の名宛人が特定人であることが制約の一般性とは無関係であること、適合性維持義務の性質をなぜ考慮する必要があるのか、補償の要否の枠組みの中でどのように考慮するのかなどを説明しました。 
 第3文では、本件葬祭場が後から割り込んできたという事情が、例外的に補償を要する事情となるかについて、モービル石油事件と本問との関連性の程度、状態責任の法理と危険責任の法理はほぼ同趣旨であるのに、前者に違和感を持つ受験生が多く、後者に違和感を持つ受験生が少ない理由、状態責任の法理を理解するための正確な対立構造の把握、後から保安物件ができたという事情は法が想定しない事態なのか、などの観点から説明しました。 
 第4文では、用途地域の指定替えの事情が、例外的に補償を要する事情となるかについて、状態責任の法理からの素直な帰結と、それにもかかわらず出題趣旨が「少なくとも」として示す考え方とは何か、「少なくとも」という文言を付した意味などについて説明しました。 
 第5文では、本問が計画的に回避可能な事案であったか否かについて、問題文のどの部分に着目すべきであったかなどを説明しました。 
 第5段落では、配点との関係を簡単に説明しました。 

 本書を読むと、「確かに、ここまで手取り足取り教えてもらえればわかるけれど、こんなの本試験の現場でゼロから考えるのは無理だ。実戦的にはどうしたらよかったんだ。」という感想を持つでしょう。その点については、「採点実感等に関する意見の読み方」において、詳しく説明する予定です。 

 本書が、出題趣旨を読み解く上で少しでも助けになれば幸いです。

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令和2年司法試験受験案内
令和元年司法試験予備試験口述試験(最終)結果
論究ジュリスト(2019年秋号)No.31 「特集 司法制度改革20年・裁判員制度10年」
司法予備試験に476人合格
司法予備試験の合格者が過去最多 「抜け道」受験が増?
面白いほど理解できる商法・会社法 第3版 (W(WASEDA)セミナー)
東京地方検察庁「大学生のための職務説明会+実践編 ~検事はどのような仕事をしているのか~」の開催について
「私も苦学生」奨学金で応援 岐阜の弁護士が1億円基金
労働法実務大系〔第2版〕
法科大学院「未修者コース」に未来はある? 日弁連の見方 「既修」と合格率に大差
法科大学院生・司法修習生の就職を支援 〜法律事務所・企業の説明会や募集要件など、専用の就職情報サイトをオープン〜
労働災害と使用者のリスク責任 (学術選書)
「人生、楽しみの総量が多い方が勝ち」。日本一稼ぐ弁護士のブレない成“幸”術
仮想現実が研修を変える グリーと弁護士がVRコンプライアンス研修を共同開発
会社法重要判例 第3版
DMMの「コンプラ軽視」を法曹資格持つ社員が指摘、亀山会長に解雇されたと提訴
牛丼屋で「代金1130円」払わずに食い逃げ お金とっていないのに強盗で逮捕
スマホで暗記 司法書士 会社法・商法<第2版> (スマホで暗記 司法書士)
服役後5年で司法試験に合格した経営コンサル佐藤真言氏を阻む「不条理の壁」
元受刑者のコンサルが司法試験合格 「負け犬」から奮起
変わる事業承継
京アニ放火の青葉容疑者「死刑になることはわかっている」 京都府警が事情聴取
「MONO消しゴム」にそっくり、小野市「ONO消しゴム」は本当にアウト?
会社法 実務問答集III
洋服屋の「バイト店員」が商品くすねる…「内引き」バレたらどうなる?
ゴルフ練習場側が災害ADR申し立て=台風15号で鉄柱倒壊―千葉・市原
労働法律旬報No.1945 10月上旬号
「給与差し止め判断は違法」加害教員の代理人が会見 教員間暴行
孫揺さぶり死、無罪確定 69歳祖母、検察が上告断念
会社法コンメンタール補巻 平成26年改正
泣く女児の首、2度絞める=弁護側は計画性否定―新潟小2殺害、冒頭陳述
小2女児殺害、25歳男が殺意を否認 新潟地裁
懲戒処分の基本と実務 (BASIC&PRACTICE)
辞退66% 仕事や家事、厳しい両立
「またか」「なぜ続く」被告逃走相次ぐ大阪 住民怒り
新民事訴訟法 第6版
護送車から男逃走 検察の失態に住民らは不安と怒り、東大阪
「手錠きつい」外させ、車のドア開ける…大阪で護送中の男逃走
判例でみる 音楽著作権訴訟の論点80講
「事務官、ただの公務員」「事例知り逃げられると…」 逃走続出の背景
保釈中の再犯急増、10年で3倍 昨年最多258人 「覚醒剤」は10倍
〔改訂版〕裁判上の各種目録記載例集 -当事者目録、物件目録、請求債権目録、差押・仮差押債権目録等-
保釈率、九州で格差拡大 基準なく「裁判官次第
逃走女、傷害容疑などで逮捕 大阪地検
若手法律家のための民事尋問戦略
在日弁護士への懲戒請求は「差別」 静岡地裁判決・男女2人に賠償命令
甥が弁護士を雇い「財産を半分に分けて」と…遺言書ナシの悪夢
アメリカ民事訴訟法の研究
「ご主人、認知症ですよね?」公正証書遺言が無効になった例
無断で和解、「訴訟終わってない」とウソ…弁護士が解決金を着服
国家試験受験のためのよくわかる会社法(第7版)
解決金着服容疑で弁護士逮捕 大阪、承諾なく和解
元稲沢市議、無期判決 中国・麻薬事件、即時上訴の方針
民事保全・非訟マニュアル
二審も医師に無罪=組長の診断書「虚偽」認めず―大阪高裁
湖東病院事件再審 元看護助手に有利な証拠資料 検察に送らず
企業法務のための民事訴訟の実務解説<第2版>
患者殺人で無罪示唆の証拠あった「たんで死亡可能性」 元看護助手の再審向け開示
一審無罪の「コインハイブ事件」、8日から控訴審 「検察側の主張は的外れ」と弁護側
〈概説〉民事訴訟法
家族3人殺害事件、検察側は夫婦仲悪化を強調…妻から叱責受け「死んでほしい」
東電に4億円賠償命令確定 原発事故でゴルフ場被害
現代民事手続法の課題 (春日偉知郎先生古稀祝賀)
光市母子殺害、死刑囚の再審請求を棄却 広島高裁
光市母子殺害、再審認めず 広島高裁、大月死刑囚請求
民事裁判入門 裁判官は何を見ているのか (講談社現代新書)
司法試験委員会 第152回会議(令和元年10月9日)
裁判記録廃棄 史料価値への認識が低すぎる
黒い巨塔 最高裁判所 (講談社文庫)
司法試験シンポジウム~司法試験の内容等の改善方向をめぐって~
参院選「合憲」10件目 1票格差―福岡高裁
7月参院選は「合憲」 福岡高裁、1票の格差で判決
日本の裁判官論: 裁判所の実態とその改革のために (22世紀アート)
カリフォルニアで成立した「ギグ・エコノミー」規制法、日本企業への影響は
第2回 ADRに関する日本企業の裁判例
捜査研究 No.823(2019 6) 特集:基礎から学ぶ取調べ(第2回)/検察官による取調べの真相
米国の法人向け法律事務所トップ243社 フォーブスが初のリスト発表
Cloudflareはパテントトロールに勝った、今後の展開は?
法律書では学べない 弁護士が知っておきたい企業人事労務のリアル
成長鈍化の中国、米国型倒産手続きを受け入れ
インド 宗教対立の聖地めぐり最高裁が判決 全土で警戒
日弁連という病 (扶桑社BOOKS)
印アヨディヤの聖地、ヒンズー教寺院建設のため引き渡し命じる判決 最高裁
寺院土地争い、ヒンズー勝訴 イスラムと対立激化も―インド最高裁判決
条解弁護士法 第5版 (全弁協叢書)
ブラジルのルラ元大統領釈放、最高裁の判決受け
ブラジルのルラ元大統領釈放 有罪未確定理由、政治活動再開へ
破産管財の実務【第3版】
ブラジル、ルラ元大統領が釈放 反政権姿勢を強調
中国がゲーム規制、1日90分
当番弁護士は刑事手続を変えた: 弁護士たちの挑戦
トランプ氏に2.2億円支払い命令、財団の資金流用で NY州最高裁
トランプ氏に2億円支払い命令 NY州最高裁
弁護士の考える幸せの論理
トランプ氏の納税申告書、開示義務の判断は最高裁へ
ペンス氏顧問が証言、下院委の大統領弾劾調査で ボルトン氏は欠席
田中弁護士のつれづれ語り
異なるカーストのインド人夫婦、親族が石で殺害 「名誉殺人」か
「オーダー(静粛に)」1万4000回 あの下院議長は「EU離脱は大戦後、外交上最大の過ち」と断言した
フォルクスワーゲンとダイムラーがドイツ国内で裁かれる
≪法科大学院修了生・在学生対象≫初めての就職活動に向けた個別相談会
【東京】70期・71期弁護士限定~セカンドキャリアをお考えの方向け個別相談会~
新注釈民法(7) -- 物権(4) 373条~398条の22 (有斐閣コンメンタール)
森・新法相「女性や子どもの人権守りたい」養育費不払いや虐待問題への注力を表明
河井法相、辞表を提出 妻の参院選巡り週刊誌報道
記者と国家 西山太吉の遺言
沖縄返還交渉で「密かに情を通じて」いたのは・・・
竹下貴浩の攻略! 改正民法 債権法・相続法 逐条解説
弁護士解説「介護に貢献した場合、義母の遺産が貰えることも」
NTTコム・ブロッキング訴訟、控訴審も「差し止め」棄却…「通信の秘密」侵害には言及
図解 民法(債権) 令和元年版
岡山で中国地方弁護士大会 外国人支援へ通訳拡充要望
富士山滑落、首里城火災......相次ぐ“なりすまし動画“炎上問題 違法性は?弁護士に聞く
楽天に怒り爆発、「送料改革」に出店者が反旗
債権法改正と実務上の課題 (ジュリストブックスProfessional)
法科大学院生・司法修習生の就職を支援
~法律事務所・企業の説明会や募集要件など、専用の就職情報サイトをオープン~

ケース別 債権法 新・旧規定適用判断のポイント
ふるさと納税「除外」で提訴=総務相に取り消し求める-大阪・泉佐野市
泉佐野市、ふるさと納税巡り国提訴 除外取り消し求め
民法II 物権 第3版 (LEGAL QUEST)
埼玉・志木放火殺人 差し戻し審は無期懲役「残虐な犯行」さいたま地裁判決
一審無罪の男に無期懲役=妻子殺害、やり直し裁判員裁判-さいたま
取引基本契約書の作成と審査の実務〔第6版〕
大阪4人殺傷、懲役30年確定へ
「認知症の親が車で事故」の責任を子が負う事例
新しい相続制度の解説―改正相続法の解説と相続制度のあらまし―
「不祥事だと思う」被告女逃走で地検幹部が謝罪
逃走の翌日、団地に宿泊
契約類型別 債権法改正に伴う契約書レビューの実務
大阪・岸和田の逃走被告の弁護人「とにかく出てきて真実を話して」
大阪逃走劇に大阪府・吉村洋文知事「警察と検察は身を引き締めて」
実務にすぐ役立つ 改正債権法・相続法コンパクトガイド
収監直前に逃走の被告の女、身柄確保 一緒に車で逃げた男は傷害容疑で逮捕
収容直前で逃走した女、身柄確保…検察事務官をはねた息子も
レクチャー民法学債権各論 第2版
「車に荷物取りに行きたい」逃走の女、検察官に申し出
大阪無差別殺人、無期維持の公算 最高裁が12月に判決
民事判例19
7月の参院選「一票の格差」は合憲 広島高裁岡山支部
「無罪」ほぼ確実な滋賀の呼吸器外し事件、女心につけ込んだ刑事のでっちあげか
改正民法対応 はじめてでもわかる 売買契約書~図解とチェックリストで抜け漏れ防止~
坂本弁護士一家殺害事件から30年  ~事実や教訓を正しく後世に伝えたい
県庁・市役所前でヘイトスピーチ 行政の無策と放置続く 弁護士「人権守る盾になる勇気を」
明らかに憲法違反の検閲ではないか 三重・伊勢市展、慰安婦像含む作品が展示不許可に
物権 -- エッセンシャル民法2 第2版 (有斐閣ブックス)
辺野古関与取り消し訴訟 沖縄県、最高裁へ上告
在日コリアン弁護士の勝訴確定=ネット呼応、大量の懲戒請求-最高裁
「懲戒請求は差別」確定 在日コリアン弁護士勝訴 最高裁
面白いほど理解できる民法 第4版 (W(WASEDA)セミナー)
【京アニ放火】中津川女子中学生殺害事件の遺族「真実を伝えることが名誉回復」
神戸・加害教員の給与差し止めは「世論に流されすぎ」 悪しき先例となる恐れ
スタートアップ民法・民法総則 (伊藤真試験対策講座 1)
支援者ら「多重債務 被害根絶を」 「秩父事件」の椋神社で決起
N国の危険な戦術、その先にあるもの
新注釈民法(19) -- 相続(1) 882条~959条
「ガラケー女」デマ拡散、提訴した女性側が和解拒否
ウィンカー出さない「名古屋走り」、そもそも違法じゃないの?
家事法の理論・実務・判例3
【話の肖像画】元厚生労働事務次官・村木厚子(63)
娘に性行為、一審無罪の父親に検察側は事実誤認主張
物権変動の法的構造
バイト先店長と不倫、女子大生の深い後悔「お金がなくて慰謝料を支払えません」
警察官が道交法を誤解し誤認逮捕 検察の問い合わせで判明 愛知
債権各論 下巻 民法講義Ⅴ4 (岩波オンデマンドブックス)
目黒虐待、父の実刑確定 検察と弁護側控訴せず
森友学園事件、籠池夫妻にいずれも懲役7年求刑 検察「大幅に工事費水増し」 大阪地裁
改正相続法と家庭裁判所の実務
名神玉突き事故 検察側、トラック運転手に禁固6年求刑 大津地裁
元KAT-TUN田口淳之介・大麻ガサ入れ動画流出
第4版 要件事実民法 (8)相続<補訂版>
座間9遺体、初公判めど立たず=白石被告、責任能力争点か-30日で発覚から2年
習近平首席がブロックチェーン注力を呼びかけ、「監視強化」批判も
コア・ゼミナール民法 2 物権法・担保物権法 (ライブラリ民法コア・ゼミナール 2)
韓国初のラブドール批判学術論文「女性の身体を掌握する意志」
政局展望「首都特別地域政府のマリファナ「解禁」」 (豪州)
民法Ⅱ -- 物権 第4版補訂 (有斐閣Sシリーズ)
徴用工判決から1年 被害者たちが、韓国政府に対して“反撃”を始めた
元徴用工ら、判決履行を要求=釜山に「抗日通り」看板-韓国
星野英一 パリ大学日記―1956年10月~1958年9月
反民主的な「取材封鎖」訓令、直ちに廃止し謝罪すべきだ
「検察記者は書き取ることだけせよ」…これが民主政府なのか=韓国
18歳からはじめる民法〔第4版〕 (From18)
会社法の一部を改正する法律案
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案
民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

刑事訴訟法等の一部を改正する法律について
法曹養成制度関係閣僚会議
法曹養成制度改革の推進について(PDF)
法曹養成制度改革推進会議
法曹養成制度改革顧問会議
令和元年司法試験予備試験の結果について
令和元年司法試験の結果について
司法試験考査委員の不適切行為に関する通報窓口

  【司法研修所教材・講義案・調査官解説等】
事件記録教材 法科大学院教材
調査官解説
事例で考える民事事実認定
プラクティス刑事裁判 平成30年版
プロシーディングス刑事裁判 平成30年版
検察講義案 平成27年版
新問題研究要件事実
紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂
刑事第一審公判手続の概要
刑事判決書起案の手引
民事判決起案の手引
民事訴訟第一審手続の解説
情況証拠の観点から見た事実認定
民事訴訟における要件事実 第2巻
民事訴訟における要件事実 増補 第1巻
書記官研修講義案等