2020年03月17日

「司法試験定義趣旨論証集(物権)【第2版】」を発売しました

Amazonより、「司法試験定義趣旨論証集(物権)【第2版】」を発売しました。
本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外の端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

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【本書の概要】

本書は、司法試験・予備試験の論文式試験対策として、覚えておくと役に立つ民法の物権(担保物権を含む。)の定義(意義)、趣旨、論証をまとめたものです。
重要度に応じて、項目ごとにAAからCまでのランクを付しました。

現在の司法試験・予備試験の論文式試験は、主に判例の規範を示して当てはめるという、事例処理が問われています。
このことは、民法の物権分野でも当てはまることです。
ただ、譲渡担保と所有権留保は例外で、その法的性質から演繹的に結論を導くことができるかという、論理性が問われます。
譲渡担保と所有権留保の分野は、判例を一貫した論理で説明することが困難なだけでなく、判例の評価も含めて学説が錯綜しています。
しかし、論文式試験では、それらの複雑な学説を理解することは求められておらず、素朴な担保権的構成から一貫した論理を示すことができれば、合格答案となるのです。
本書では、そのような傾向を踏まえ、基本的に判例法理を論証化する方針で作成しつつ、譲渡担保と所有権留保に限っては、素朴な担保権的構成から、論理的に結論を導くスタイルの論証を作成しました。

第2版では、いわゆる債権法改正(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号))に伴う条文表記や内容の変更、所有権留保に関する近時の判例の展開(最判平29・12・7、最判平30・12・7など)を踏まえた論証の追加などを行っています。
本書に関わる債権法改正のうち主なものについて、冒頭の【債権法改正について】の項目で、簡単に説明しています。
また、全般的に、より簡素で実戦的な表現となるよう、論証の内容を見直しました。

本書では、通常表示と暗記カード表示の2つの表示形式のものを掲載しました。両者は表示方法が違うだけで、論証の中身は同じです。
暗記カード表示は、論点の項目名と論証の間で改ページがされていますので、論点名を見て論証の中身を思い出し、次のページで内容の確認をするという使い方ができます。
前半に通常表示のものを掲載し、後半に暗記カード表示のものが掲載されていますので、適宜目次などから選んで利用して頂ければと思います。

 

【債権法改正について】

 いわゆる債権法改正(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号))のうち、本書の内容に関わる点について、簡単に説明します。以下の説明において、「改正」というときは、この債権法改正を指します。

1.相殺と抵当権の物上代位の優劣

 相殺と抵当権の物上代位について、判例(最判平13・3・13)は、抵当権設定登記基準説に立ち、抵当権者が差押えをした後は、差押えを受けた債権の第三債務者は、抵当権設定登記の後に取得した債権を自働債権とする相殺をもって抵当権者に対抗できないとします。その趣旨は、抵当権設定登記によって抵当権の効力が及ぶことが公示されているため、その後に取得した債権による相殺の期待は保護する必要がない、というところにありました。

 

(最判平13・3・13より引用。太字強調は筆者。)

 抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することはできないと解するのが相当である。けだし、物上代位権の行使としての差押えのされる前においては、賃借人のする相殺は何ら制限されるものではないが、上記の差押えがされた後においては、抵当権の効力が物上代位の目的となった賃料債権にも及ぶところ、物上代位により抵当権の効力が賃料債権に及ぶことは抵当権設定登記により公示されているとみることができるから、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と物上代位の目的となった賃料債権とを相殺することに対する賃借人の期待を物上代位権の行使により賃料債権に及んでいる抵当権の効力に優先させる理由はないというべきであるからである。

(引用終わり)

 

 これは、改正前の511条に関する無制限説の考え方を採用しつつ、同条を抵当権設定登記の先後を基準とするものに読み替えて適用したものといえます。

 

(改正前511条)
 支払の差止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない。

 

 改正後の511条は、1項で無制限説を採用することを明らかにするとともに、2項で相殺できる範囲を「差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるとき」にまで拡張しています。

 

(改正後511条)
 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
2 前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

(民法(債権関係)の改正に関する中間試案の補足説明(平成25年7月4日補訂)より引用。太字強調は筆者。)

 差し押さえられた債権を自働債権としてする相殺については、差押え時に相殺適状にある必要はなく、自働債権と受働債権の弁済期の先後を問わず、相殺を対抗することができるという見解(無制限説)を採る判例法理(最大判昭和45年6月24日民集24巻6号587頁)を明文化するものである。
 また、破産手続開始の決定前に発生原因が存在する債権であれば、これを自働債権とする相殺をすることができるとする判例(最判平成24年5月28日判時2156号46頁)を踏まえ……(略)……差押え時に具体的に発生していない債権を自働債権とする相殺についても相殺の期待を保護することとしている。受働債権が差し押さえられた場合における相殺の範囲は、債権者平等がより強く要請される破産手続開始の決定後に認められる相殺の範囲よりも狭くないという解釈を条文上明らかにするものである。なお、差押え後に他人の債権を取得した場合には……(略)……差押え時に保護すべき相殺の期待が存しないという点に異論は見られないので、この場合に相殺することができないことを……(略)……明らかにしている。

(引用終わり)

 

 このことを踏まえた上で、相殺と抵当権の物上代位についての前記判例(最判平13・3・13)を改正後の規律として引き写すならば、差押えの先後を基準とする改正後511条を、以下のように抵当権設定登記の先後を基準とするものに読み替えることになるでしょう。

 

(改正後の最判平13・3・13の規律)

 抵当権者の物上代位に基づく差押えを受けた債権の第三債務者は、その抵当権設定登記後に取得した債権による相殺をもって抵当権者に対抗することはできないが、抵当権設定登記前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
 上記にかかわらず、抵当権設定登記後に取得した債権が抵当権設定登記前の原因に基づいて生じたものであるときは、第三債務者は、その債権による相殺をもって抵当権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が抵当権設定登記後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

 

 もっとも、上記をそのまま規範として答案に書いているようでは、文字数と時間のロスが大き過ぎます。本書では、「相殺と抵当権の物上代位の優劣」の項目において、より端的な表現で上記の規律を示し、そのまま当てはめに入ることができるような論証を掲載しています。

2.「法定代位」、「任意代位」の呼称

 改正前民法は、弁済をするについて正当な利益を有する者がする場合には、弁済により当然に代位が生じる(500条)のに対し、弁済をするについて正当な利益がない者がする場合には債権者の承諾が要件とされ(499条1項)、代位を対抗するためには通知・承諾が必要とされていました(同条2項)。

 

(改正前499条)
 債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。
2 第四百六十七条の規定は、前項の場合について準用する。

(改正前500条)
 弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。

 

 そして、499条の代位を「任意代位」、500条の代位を「法定代位」と呼んでいたのでした(各条文見出し参照)。なぜ、このような呼称が用いられたのか。「任意代位」が「何者かの任意による代位」という意味で、「法定代位」は、「その何者かの意思によらないで法律上当然に生じる代位」という意味なのだろう、ということは、容易に推測できます。では、「任意代位」は、誰の任意という意味なのでしょうか。法定代位と任意代位の区別は、弁済者に正当な利益があるか否かによる、という理解を前提にすると、「弁済者に正当な利益がない(すなわち、法的に支払義務がない)のに、任意で支払った場合」、すなわち、「弁済者の任意による代位」という意味で考えることもできそうではあります。しかし実際は、そうではありません。「任意代位」の呼称は、「債権者が任意に代位について承諾を与えた場合」、すなわち、「債権者の任意による代位」という意味であり、古くは「約定代位」とも呼ばれていたのでした(「任意」、「約定」はいずれもフランス語の"conventionnelle"の訳語)。

 

(梅謙次郎『民法原理(債権総則)』(和仏法律学校、明治33年)733-734頁より引用。現代表記化は筆者による。)

(イ)約定代位
 我旧民法及び外国多数の立法例に於ては約定代位を分ちて債権者の意思に因るものと債務者の意思に因るものとの二と為す……(略)……我新民法に於ては唯前者のみを認めて後者を認めず蓋し理論上より言えば債権者自身が自己の有する権利の代位を許容するは即ち可なりと雖も債務者が他人の権利の処分を為すは毫も理由なきのみならず之を実際上より観察するも債務者の意思に因る代位は其弊殊に大なり

(引用終わり)

(梅謙次郎『民法要義巻之三債権編〔訂正増補第三十一版〕』(法政大学ほか、明治43年)298頁より引用。現代表記化は筆者による。)

 代位に二種あり一に曰く任意の代位(Subrogation conventionnelle)二に曰く法定の代位(Subrogation légale)是なり而して本条は任意の代位に付て規定せり旧民法及び数多の外国の法律に於ては任意の代位を別ちて債権者の意思に因る代位と債務者の意思に因る代位との二とせるも新民法に於ては単に債権者の意思に因る代位のみを認めて債務者の意思に因る代位を認めず蓋し債務者の意思に因る代位は権利者に非ざる者が権利を処分するの不条理あるのみならず実際の弊害亦少からざるを以て之を認めざりしなり

(引用終わり)

 

 改正後は、弁済者に正当な利益がない場合であっても、債権者の承諾は要件とはされず、正当な利益を有する者がする場合との違いは、対抗要件として通知・承諾を要する点だけとなりました。

 

(改正後499条)
 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。

(改正後500条)
 第四百六十七条の規定は、前条の場合(弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合を除く。)について準用する。

 

 先に説明した「法定代位」、「任意代位」の呼称の意味・由来を踏まえれば、改正後の規律についての以下のような説明は、表現が適切でないといえます。

 

 「法定代位とは、弁済者が弁済をするについて正当な利益を有する場合であり、任意代位とは、弁済者が弁済をするについて正当な利益を有しない場合である。法定代位と任意代位のいずれにおいても、代位は弁済により当然に生じる(499条)が、任意代位の場合には、対抗要件として通知・承諾が必要である(500条)。」

 

 改正前は、弁済をするについて正当な利益がない者がする場合には債権者の承諾が必要だったので、「債権者の任意による代位」として、「任意代位」の呼称を用いることが適切だったわけですが、改正後は、債権者の承諾は不要となったので、もはや、「任意代位」の呼称を用いることは適切とはいえないのです。改正後も、敢えて改正前の呼称を維持しようと考えるなら、「弁済による代位は、すべて法定代位になった。」と表現すべきでしょう。しかし、それはほとんど意味のないことです。改正後の条文見出しからも、「法定代位」、「任意代位」の呼称は消えています。改正後の規律を正しい表現を用いて記述するなら、以下のようになるでしょう。

 

 「債務者のために弁済をした者は、当然に債権者に代位する(499条)。ただし、弁済者が弁済をするについて正当な利益を有しない場合には、代位の対抗要件として通知・承諾が必要である(500条)。」

 

 以上のことから、本書では、改正前に「法定代位」、「任意代位」と区別して表記していたものを、いずれも、単に「代位」と表記しています。

 

【収録論点一覧】

・物権総則

物権の意義
物権の客体の要件
87条2項(従物は主物の処分に従う)の趣旨
「常用に供する」(87条1項)の意義
「附属させた」(87条1項)の意義
従物の独立性の要件
「自己の所有に属する」(87条1項)のみを欠く場合一物一権主義の意義
一筆の土地の一部の所有権取得の可否
一筆の土地の一部の所有権取得の可否の理由
一筆の土地の一部の所有権登記の可否
一筆の土地の一部の所有権登記の可否の理由
一物一権主義の趣旨
一物一権主義の例外物権法定主義(175条)の趣旨
慣習上の物権は物権法定主義(175条)に反するか
物権的請求権の意義
物権的請求権の根拠
物権的請求権の相手方
建物収去土地明渡請求の相手方
建物収去土地明渡請求の相手方の理由
未登記建物の譲渡人は建物収去土地明渡請求の相手方となるか
単なる名義上の建物所有者は建物収去土地明渡請求の相手方となるか
自己名義登記のある建物譲渡人は建物収去土地明渡請求の相手方となるか
自己名義登記のある建物譲渡人が建物収去土地明渡請求の相手方となる理由
占有補助者・占有機関は土地明渡請求の相手方となるか
占有補助者・占有機関が土地明渡請求の相手方とならない理由
物権的請求権における費用負担
物権的請求権における費用負担の理由
請求者負担とすべき特段の事情の判断基準
物権変動の時期
他人物売買における所有権の移転時期
不特定物売買における所有権の移転時期
二重譲渡の理論的根拠
公示の原則の意義
公信の原則の意義
不動産登記についての公信力の肯否
当事者の相続人は「第三者」(177条)に当たるか
「第三者」(177条)の要件
「第三者」(177条)の要件の理由
背信的悪意者排除論
背信的悪意者該当性の判断基準
単なる悪意者を排除しない理由
未登記の通行地役権の承役地の譲受人と「第三者」(177条)
未登記の通行地役権の承役地の譲受人と「第三者」(177条)の理由
承役地譲受人が登記のないことを主張できる特段の事情の判断基準
未登記の通行地役権者による承役地譲受人に対する債権的登記請求の可否
未登記の通行地役権者による承役地譲受人に対する物権的登記請求の可否
背信的悪意者からの転得者
背信的悪意者からの転得者の理由
背信的悪意者でない第2譲受人からの転得者が背信的悪意者である場合
中間者が所有権を取得する中間省略登記の可否
真正な登記名義の回復を原因とする中間省略登記の可否
第三者のためにする契約による中間省略登記
第三者のためにする契約による中間省略登記における受益の意思表示
第三者のためにする契約による中間省略登記における売主の義務履行の法的性質
第三者のためにする契約による中間省略登記における売買価格秘匿の可否
買主の地位の移転による中間省略登記
買主の地位の移転による中間省略登記における売主の承諾の要否
買主の地位の移転による中間省略登記における売買価格秘匿の可否
申請手続に瑕疵ある登記の効力
偽造文書による登記の効力
権利者の意思によらない違法な登記の抹消
権利者の委任した代理人の錯誤による登記の抹消
滅失建物の保存登記を再築建物に流用できるか
消滅した抵当権の設定登記の流用
無効な登記に係る実体関係の追完
当事者の相続人は「第三者」(178条)に当たるか
「第三者」(178条)の要件
「第三者」(178条)の要件の理由
動産の受寄者は「第三者」(178条)に当たるか
抵当権が設定された土地の所有権と賃借権が同一人に帰属した場合に賃借権は消滅するか
立木の所有権の帰属
土地及び立木の譲受人が立木に行った明認方法の対抗力
立木所有権の留保を対抗するには明認方法を要するか
土地の劣後譲受人が第2譲渡以前に植栽した立木に係る所有権の対抗
明認方法が消失した場合の対抗力の肯否

 

・占有権

占有権の相続の肯否
相続による自主占有への転換の可否
相続による自主占有への転換における所有の意思の立証責任
所有の意思の推定(186条1項)を破るための立証
他主占有権原の意義
解除条件付売買は他主占有権原に当たるか
他主占有事情の意義
他人物売買であることを買主が知っていたことは他主占有事情に当たるか
所有権移転登記手続を求めないことは他主占有事情に当たるか
固定資産税を負担しないことは他主占有事情に当たるか
「承継人」(187条)には相続人を含むか
権利能力のない社団が法人格を取得した場合に187条は適用されるか
自動車は192条の「動産」に当たるか
無権利者から立木を譲り受けた後に自ら伐採した場合の即時取得の可否
取引行為の瑕疵(制限行為能力、意思の瑕疵、無権代理等)と即時取得
占有改定は「占有を始めた」(192条)に当たるか
指図による占有移転が「占有を始めた」(192条)に当たるかの判断基準
指図による占有移転が「占有を始めた」(192条)に当たるかの判断基準の理由
「平穏」(192条)の意義
「公然」(192条)の意義
192条の無過失の意義
192条の無過失は推定されるか
「動産について行使する権利」(192条)に動産賃借権を含むか
「盗品」(193条)の意義
「遺失物」(193条)の意義
「被害者又は遺失者」(193条)の範囲
「被害者又は遺失者」(193条)に質権者は含まれるか
「占有者」(193条)の範囲
盗品・遺失物回復請求(193条)ができる期間中の所有権の帰属
代価弁償(194条)までの占有者の使用収益権の肯否
目的物返還後の代価弁償請求(194条)の可否
代価弁償債務(194条)の遅滞時期
「家畜以外の動物」(195条)の意義
「必要費」(196条1項)の意義
「有益費」(196条2項)の意義
196条2項ただし書(期限の許与)の趣旨
占有補助者・占有機関は個人として占有の訴えを提起できるか
占有補助者・占有機関が個人として占有の訴えを提起できない理由
「占有を奪われたとき」(200条1項)の意義
「侵奪の事実を知っていたとき」(200条2項ただし書)の意義
203条ただし書(「占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない」)の効果

 

・所有権

金銭所有権の帰属
自動車の通行を前提とする210条通行権の成否及び具体的内容の考慮要素
自動車の通行を前提とする210条通行権の成否及び具体的内容の考慮要素の理由
210条通行権の主張に袋地の所有権登記を要するか
「埋蔵物」(241条)の意義
添付制度(付合、混和及び加工)の趣旨
不動産の付合(242条)の要件
「権利を妨げない」(242条ただし書)の意味
242条ただし書の適用されない場合(強い付合)
建前は土地に付合するか
建築途上で放置された建前に第三者が材料を供して独立の建物とした場合の所有権の帰属
主従関係にない2つの建物の一方に抵当権が設定され、両建物が合体(不登法49条)した場合の抵当権の存続
主従関係にない2つの建物の一方に抵当権が設定され、両建物が合体(不登法49条)した場合の抵当権の存続の理由
共有者による単独の抹消登記手続請求の可否
他の共有者に係る不実の持分移転登記の抹消登記手続請求の可否
共有者単独の持分権確認請求の可否
共有地の一部の所有を主張する第三者に対する共有者単独の持分権確認請求の可否
共有者単独の共有関係確認請求の可否
共有地の不法占有者に対して各共有者がなし得る損害賠償請求の範囲
協議を経ずに共有地を占有する共有者に対する他の各共有者による共有地明渡請求の可否
協議を経ずに一部の共有者から共有地の占有を承認された第三者に対する他の各共有者による共有地明渡請求の可否
他の共有者の同意を得ずに共有物に物理的変更を加えた共有者に対する変更行為の禁止請求及び原状回復請求の可否
賃貸借契約の締結は共有物の変更(251条)に当たるか
地上権の設定は共有物の変更(251条)に当たるか
共有物を目的とする賃貸借契約を解除する場合の252条本文と544条1項の適用関係
共有物分割の法的性質
「協議が調わないとき」(258条1項)の意義
一部価格賠償の可否
複数の共有不動産に係る一括分割の可否
一部分割の可否
全面的価格賠償の意義
258条2項に規定のない全面的価格賠償が認められる理由
全面的価格賠償の要件
全面的価格賠償の考慮要素

 

・用益物権

地代の受領遅滞がある場合の地上権消滅請求の可否
通行地役権の時効取得における「継続的に行使」(283条)の要件
通行地役権の時効取得における「継続的に行使」(283条)の要件の理由

 

・留置権

留置権制度の趣旨
「他人の物」(295条1項)の意義
「その物に関して生じた債権」(295条1項)の意義
「その物に関して生じた債権」(295条1項)の考慮要素
その物自体から生じる債権の意義
造作買取請求(借地借家法33条)による造作代金と借家の牽連性
造作買取請求(借地借家法33条)による造作留置権の効力は借家に及ぶか
建物買取請求(借地借家法13条)による建物代金と借地の牽連性
建物買取請求(借地借家法13条)による建物留置権の効力は借地に及ぶか
賃借家屋について費用償還請求権に基づく留置権が成立する場合の居住の可否
借地上の建物賃借人が建物の必要費を支出した場合の借地の留置権の成否
借地上の建物賃借人が建物の必要費を支出した場合の建物留置権の効力は借地に及ぶか
債務者と引渡請求権者が異なる場合の牽連性
二重譲渡の優先譲受人からの引渡請求に対する劣後譲受人の留置権の成否
所有者からの引渡請求に対する他人物売買の買主の留置権の成否
譲渡担保目的物と清算金の牽連性
留置権の対抗力
買主が代金未払のまま転売した場合の転得者からの売主に対する引渡請求と留置権の対抗
譲渡担保の処分清算による取得者の譲渡担保権設定者に対する引渡請求と留置権の対抗
占有の途中で権原を失った場合の295条2項の類推適用
留置権者が留置物の一部を債務者に引き渡した場合における被担保債権の範囲
298条(留置物の保管等)の「債務者」の意義
留置物譲渡後、対抗要件具備前に受けた旧所有者からの使用等の承諾を新所有者に対抗できるか

 

・先取特権

動産先取特権に基づく物上代位と債権譲渡の優劣
動産先取特権に基づく物上代位と債権質の優劣
目的動産を用いた工事の請負代金債権に対する動産売買の先取特権に基づく物上代位の可否
目的動産を用いた工事の請負代金債権に対する動産売買の先取特権に基づく物上代位の可否の理由
目的動産を用いた工事の請負代金債権に対する動産売買の先取特権に基づく物上代位の可否の考慮要素
333条(動産先取特権の追及不可)の引渡しに占有改定を含むか
譲渡担保権者は「第三取得者」(333条)に当たるか
先取特権と動産譲渡担保の競合

 

・質権

質物を設定者に返還した場合の効果
質物を設定者に返還した場合の効果の理由
責任転質の法的性質
責任転質の法的性質の理由
転質権の実行可能時期
転質権の優先弁済権の範囲
原質権設定者に対する対抗力及び弁済禁止効
原質権の被担保債権の弁済期が転質権の被担保債権の弁済期より先に到来した場合
転質権者による原質権の被担保債権の直接取立ての可否
349条(流質契約の禁止)の趣旨
債権質の物権性
債権質設定者の担保価値維持義務
担保価値維持義務に違反する行為
敷金返還請求権を目的とする債権質の設定者である賃借人が、正当な理由なく賃貸人に対する未払債務を発生させた場合
債権質の対第三債務者拘束力
債権質と相殺の優劣

 

・抵当権

金銭消費貸借における金銭授受前の抵当権設定の可否
将来債権を被担保債権とする抵当権設定の可否
将来取得すべき他人の不動産への抵当権設定の可否
消費貸借契約の無効・取消しと抵当権の存続
抵当権侵害の意義
債務者が抵当不動産を損傷した場合の抵当権者の採り得る手段
抵当権の効力の及ぶ動産が抵当不動産から搬出された場合の返還請求の可否
抵当権の効力の及ぶ動産が抵当不動産から搬出された場合の返還請求の可否の理由
抵当権侵害に対する抵当権者の妨害排除請求の可否
抵当権の所有権者から権原の設定を受けた占有者に対する妨害排除請求の可否
抵当権者に対する抵当不動産の明渡請求の可否
抵当権者による抵当不動産の所有者の不法占拠者に対する明渡請求権の代位行使の可否
抵当不動産の所有者の明渡請求権を代位行使する場合の直接抵当権者への明渡請求の可否
直接抵当権者に明渡しがされた場合の抵当権者の取得する占有の法的性質
抵当権に対抗できない占有者に対する抵当権者による賃料相当額の損害賠償請求の可否
抵当権侵害による不法行為を原因とする損害賠償請求の行使可能時
抵当権侵害による不法行為における損害の算定基準時
他に保証人がいることは担保権侵害による損害発生の障害事由となるか
付加一体物(370条)の範囲
物上代位の根拠
抵当建物の滅失による保険金請求権に対する物上代位の可否
抵当不動産の売却代金に対する抵当権の物上代位の可否
賃料債権に対する抵当権の物上代位の可否
転賃料債権に対する抵当権の物上代位の可否
抵当不動産の賃借人を所有者と同視すべき場合の考慮要素
抵当権の物上代位に差押えが必要とされた趣旨
物上代位権行使のための差押えは抵当権者自ら行うことを要するか
債権譲渡と抵当権の物上代位の優劣
債権質と抵当権の物上代位の優劣
一般債権者の債権差押えと抵当権の物上代位の優劣
転付命令と抵当権の物上代位の優劣
相殺と抵当権の物上代位の優劣
相殺と抵当権の物上代位の優劣の理由
物上保証人の事前求償権の肯否
388条(法定地上権)の趣旨
「同一の所有者に属する」(388条前段)というためには登記を要するか
法定地上権について配慮すべき要素
更地に抵当権が設定され、その登記がされた後に建築された建物は、「その上に存する建物」(388条前段)に当たるか
更地の抵当権者が建物建築を承認していた場合に、建築された建物は「その上に存する建物」(388条前段)に当たるか
建物建築を承認していた更地の抵当権者が自ら競落人となった場合に、建築された建物は「その上に存する建物」(388条前段)に当たるか
土地の抵当権設定時には建物が存在したが、その後建物が滅失して更地になった場合の法定地上権の成否
抵当土地上建物の滅失後再築された新建物についての法定地上権の成否
土地建物共同抵当の場合における再築建物についての法定地上権の成否
土地建物共同抵当の場合の再築建物について法定地上権が成立する特段の事情の判断基準
土地建物の所有者が土地に抵当権を設定し、その登記をした後、土地又は建物が第三者に譲渡された場合は「同一の所有者に属する場合」(388条前段)に当たるか
土地建物の所有者が建物に抵当権を設定し、その登記をした後、建物が第三者に譲渡された場合は「同一の所有者に属する場合」(388条前段)に当たるか
土地建物の所有者が建物に抵当権を設定し、その登記をした後、土地が第三者に譲渡された場合は「同一の所有者に属する場合」(388条前段)に当たるか
土地抵当権設定時には土地建物所有権が別々に帰属していたが、その後同一所有者に属するに至った場合は「同一の所有者に属する場合」(388条前段)に当たるか
建物抵当権設定時には土地建物所有権が別々に帰属していたが、その後同一所有者に属するに至った場合は「同一の所有者に属する場合」(388条前段)に当たるか
土地共有者の1人が建物を単独所有し、土地の共有持分又は建物に抵当権を設定した場合の法定地上権の成否
法定地上権の発生をあらかじめ容認していたとみるべき特段の事情の判断基準
法定地上権の発生をあらかじめ容認していたとみるべき特段の事情の判断基準の理由
建物共有者の1人が土地を単独所有し、建物の共有持分又は土地に抵当権を設定した場合の法定地上権の成否
共有建物及び共有土地の双方に共有持分を有する者が建物の共有持分又は土地の共有持分に抵当権を設定した場合の法定地上権の成否
土地に設定された複数の抵当権に係る法定地上権の成立要件の判断基準時
先順位の土地抵当権が解除により消滅した場合順位の変更と法定地上権の成否
建物に設定された複数の抵当権に係る法定地上権の成立要件の判断基準時
後順位抵当権者の代位(392条2項後段)は共同抵当権者の債権が完済されたときに限られるか
債務者所有不動産と物上保証人所有不動産の共同抵当の同時配当(392条1項)における物上保証人所有不動産への割付けの肯否
同一物上保証人所有の共同抵当不動産に係る異時配当の処理
共同抵当の債務者所有不動産の後順位抵当権者の代位(392条2項後段)と物上保証人の代位が衝突する場合の優劣
物上保証人が代位取得(499条、501条1項)した抵当権に対する物上保証人所有不動産の後順位抵当権者の優先弁済権
物上保証人が代位取得(499条、501条1項)した抵当権に対する後順位抵当権者の優先弁済権の行使に登記・差押えを要するか
物上保証人・債権者間の代位権不行使特約の後順位抵当権者に対する効力
債務者所有の共同抵当不動産の後順位抵当権者の代位(392条2項後段)と債務者所有の他の共同抵当不動産の第三取得者の代位(499条、501条1項)の優劣
一部の共同抵当を放棄して残存する共同抵当が実行された場合の後順位抵当権者の代位期待権の保護
共同抵当権の混同
共同抵当不動産の一部に共同抵当権と同順位の他の抵当権がある場合の同時配当の処理
共同抵当不動産の一部に共同抵当権と同順位の抵当権がある場合の同時配当の処理の理由
債務の弁済と抵当権設定登記の抹消は同時履行の関係にあるか
396条(抵当権の消滅時効)は第三取得者・後順位抵当権者に適用されるか
397条(時効取得による抵当権の消滅)の趣旨
時効取得によっても抵当権が消滅しない場合
第三取得者による397条の適用の肯否
確定的に所有権を取得した第三取得者によるその後の自己物の時効取得の可否
確定的に所有権を取得した第三取得者によるその後の自己物の時効取得の可否の理由

 

・非典型担保

譲渡担保の法的性質
譲渡担保の法的性質の理由
譲渡担保権設定者による不法占有者に対する返還請求の可否
弁済期前の譲渡担保権者による処分弁済期後の譲渡担保権者による処分
弁済期後の譲渡担保権者による背信的悪意者に対する処分
譲渡担保権消滅後の譲渡担保権者による処分
受戻権行使前の譲渡担保権設定者による処分
譲渡担保権の重複設定
譲渡担保の私的実行による清算金の発生
帰属清算による被担保債権の消滅時期
処分清算による被担保債権の消滅時期
弁済期経過後の譲渡担保権設定者の受戻権
受戻権の放棄により清算金支払請求権は発生するか
私的実行による目的物の引渡しと清算金の支払は同時履行の関係にあるか
債務の弁済と目的物の受戻しは同時履行の関係にあるか
不動産譲渡担保の及ぶ範囲
第三者の土地上に譲渡担保目的物が存在する場合の譲渡担保権者の撤去義務・不法行為責任
譲渡担保権に基づく物上代位の可否
集合動産譲渡担保の成立要件
集合動産譲渡担保の目的物を特定するための措置
集合動産譲渡担保の対抗要件
集合動産譲渡担保権設定者による構成動産の処分
集合動産譲渡担保の目的である集合物から離脱した動産の処分
集合動産譲渡担保権における物上代位の制限
債権譲渡担保の法的性質
債権譲渡担保の対抗要件
債権譲渡担保の実行方法
債権譲渡担保の被担保債権の範囲
集合債権譲渡担保の成立要件
集合債権譲渡担保が公序良俗違反となる場合
集合債権譲渡担保権設定者による目的債権の取立権
将来債権譲渡担保の法的性質
所有権留保の法的性質
所有権留保の法的性質の理由
登録自動車の留保所有権の対抗要件
動産一般の留保所有権の対抗要件
留保買主の保証人が保証債務を弁済した場合の留保所有権の対抗要件の要否
所有権留保の実行に売買契約の解除を要するか
所有権留保と譲渡担保の競合劣後する留保所有権者・譲渡担保権者の地位
ディーラーがサブディーラーとの間の所有権留保特約に基づいてユーザーに対して自動車の引渡請求をすることはできるか
ディーラーの引渡請求が権利の濫用となる場合のユーザーからの登録移転請求の可否
第三者の土地上に留保目的物が存在する場合の留保所有権者の撤去義務・不法行為責任
代理受領を承認した第三債務者が債務者に弁済した場合の責任 

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2020年03月01日

「司法試験定義趣旨論証集(民法総則)【第2版】」を発売しました

Amazonより、「司法試験定義趣旨論証集(民法総則)【第2版】」を発売しました。
本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外の端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

Kindle for PC(Windows,Mac)
Kindle for Android
Kindle for iPhone,iPad

 

【本書の概要】

 本書は、司法試験の論文式試験対策として、覚えておくと役に立つ民法総則の定義(意義)、趣旨、論証をまとめたものです。
 重要度に応じて、項目ごとにAAからCまでのランクを付しました。

 第2版では、主に、いわゆる債権法改正(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号))に伴う内容の変更と初版以降の判例の追加を行っています。
 本書に関わる債権法改正の内容について、冒頭の【債権法改正について】の項目で、簡単に説明しています。
 また、本書では、通常表示と暗記カード表示の2つの表示形式のものを掲載しました。両者は表示方法が違うだけで、論証の中身は同じです。
 暗記カード表示は、論点の項目名と論証の間で改ページがされていますので、論点名を見て論証の中身を思い出し、次のページで内容の確認をするという使い方ができます。
 前半に通常表示のものを掲載し、後半に暗記カード表示のものが掲載されていますので、適宜目次などから選んで利用して頂ければと思います。

 

【債権法改正について】

 いわゆる債権法改正(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号))のうち、本書の内容に関わる点について、簡単に説明します。以下の説明において、「改正」というときは、この債権法改正を指します。

1.法律行為の有効要件
 改正前は、原始的に不能な法律行為は当然に無効とされていたため、法律行為の有効要件として実現可能性が挙げられていました。しかし、改正後は、原始的に不能であっても、当然には無効とならないこととされました(改正後412条の2第2項)。そのため、改正後は、実現可能性は法律行為の有効要件には含まれないことになります。本書では、「法律行為の有効要件」の項目で、これが反映されています。

2.心裡留保
 改正前は、93条ただし書により無効となる意思表示を前提に法律関係に入った第三者の保護が論点でしたが、改正後は、同条に2項が新設され、同項を適用すれば足りることになりました。

3.錯誤
 錯誤については、その効果が無効から取消しに変更されるとともに、改正前の論点のいくつかが明文化されました。
 改正前は、当てはめの前提として、「錯誤」の意義を示す必要がありましたが、改正後は、95条1項各号において具体的な意義が示されており、「錯誤」の文言自体には、表意者自身が各号該当性を認識していない、という程度の意味しかありません。そのため、「錯誤」の意義を積極的に示す必要性はなくなりました。
 改正前は、「要素」とされていたものが、改正後は「重要なもの」とされました。もっとも、その実質に大きな変更はありません。
 動機の錯誤について、改正前は、それが「錯誤」に当たるかを含めて論点でしたが、改正により、改正前の判例法理が明文化されました(改正後95条1項2号及び同条2項)。したがって、改正後はこれらの規定に当てはめれば足りることになります。もっとも、注意すべき点もあります。最判平28・1・12は、単に動機が表示されただけでは足りず、法律行為の内容とされたことを要求します。その主たる判断基準は、当事者の意思解釈上、誤認が事後的に判明した場合に効力を否定する前提であったか否かです。

 

(最判平28・1・12より引用。太字強調は筆者。)

 被上告人は融資を、上告人は信用保証を行うことをそれぞれ業とする法人であるから、主債務者が反社会的勢力であることが事後的に判明する場合が生じ得ることを想定でき、その場合に上告人が保証債務を履行しないこととするのであれば、その旨をあらかじめ定めるなどの対応を採ることも可能であった。それにもかかわらず、本件基本契約及び本件各保証契約等にその場合の取扱いについての定めが置かれていないことからすると、主債務者が反社会的勢力でないということについては、この点に誤認があったことが事後的に判明した場合に本件各保証契約の効力を否定することまでを被上告人及び上告人の双方が前提としていたとはいえない。……(略)……。
 そうすると、a社が反社会的勢力でないことという上告人の動機は、それが明示又は黙示に表示されていたとしても、当事者の意思解釈上、これが本件各保証契約の内容となっていたとは認められず、上告人の本件各保証契約の意思表示に要素の錯誤はないというべきである。

(引用終わり)

 

 改正後95条1項2号及び同条2項の文言だけをみると、表示だけしか要求されていないようにもみえますが、改正法は、「法律行為の基礎」の文言に上記判例の趣旨を含めています。

 

(法制審議会民法(債権関係)部会第96回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

内田貴委員「法律行為の基礎ですけれども、この部分は従来は意思表示の内容とか法律行為の内容という表現が使われていて、それに対しては、法律行為の内容という言葉の場合が特にそうですけれども、合意の内容とどう違うんだということが随分この部会でも議論され、合意の内容と読めるのだとすると、狭過ぎるではないかということで、部会の中では法律行為の前提としたという表現ではどうかという御意見もあったわけです。そういった御意見を踏まえて、前提ではなく基礎という表現を使って、しかし趣旨としては、意思表示の内容としたという言葉で表現されていたことを表そうとしたのだと思います。ですから、これまでの判例法理の明文化を目指したということは全くそのとおりで、表現も判例法理で使われているワーディングについて生じていた疑義を回避するために、やや異なった表現を用いたということだと思います。」

(引用終わり)

 

 判例が「契約の内容」という表現を用いて要求する実質的な内容が、「当事者の意思解釈上、誤認が事後的に判明した場合に効力を否定する前提であったこと」であるという理解に立てば、それを「法律行為の基礎」という文言で表現しても、特に違和感はないでしょう。このように、「法律行為の基礎」の当てはめには、注意を要するのです。本書では、「「法律行為の基礎」(95条1項2号、同条2項)の判断基準」の項目で、上記の趣旨が反映されています。
 表意者に重過失がある場合について、改正前は相手方が悪意・重過失の場合や共通錯誤の場合が論点でしたが、改正後は、同条3項各号を適用すれば足りることとなりました。
 改正により、第三者保護規定(改正後95条4項)が新設されています。本書では、「95条4項の趣旨」、「「第三者」(95条4項)の意義」、「法律上の利害関係の判断基準」、「「第三者」(95条4項)は対抗力の具備を要するか」の各項目で、これが反映されています。なお、取消後の第三者の保護については、詐欺・強迫取消しとまとめて、「取消後の第三者の保護」の項目で取り扱っています。
 錯誤と担保責任の関係について、改正後は、錯誤があっても取消権が行使されるまでは契約は有効であることから、「錯誤は意思の欠缺による無効なので担保責任に優先する。」という論理が成り立たないことがより明確になりました。そこで、本書では、選択行使可能説を採用することとしました。「錯誤と担保責任の適用関係」の項目で、これが反映されています。もっとも、選択行使可能とする場合、錯誤取消しの消滅時効期間(126条)よりも種類・品質に関する担保責任の期間制限(改正後566条)の方が短いことを考慮する必要があります。本書では、「種類・品質の錯誤に関する期間制限」、「種類・品質の錯誤に関する期間制限の理由」の各項目で、この点が反映されています。

4.詐欺
 改正前は、96条2項、3項の善意に無過失を要するかが論点でしたが、改正により、無過失を要する旨が明文化されました。

5.代理
 改正により、101条に2項が新設されました。この2項自体は、改正前も1項から当然に導出されると解されていた内容ですから、さほど重要ではありません。この2項の新設により、改正前の2項が3項に移されていますが、改正前に存在した「本人の指図」の要件が削除されています。そのため、改正後は本人の指図の要否は問題とならず、代えて、特定の法律行為の委託の要否が問題となります。本書では、「特定の法律行為の委託がない場合の101条3項の適用」の項目において、これが反映されています。
 改正前は、代理権の濫用は論点でしたが、改正後は107条が新設され、同条の適用によって解決されることになりました。本書では、「107条(代理権の濫用)の趣旨」の項目で、これが反映されています。
 改正前108条は、自己契約及び双方代理のみを規定していたため、利益相反行為一般について同条が類推適用されるかは論点でした。しかし、改正後は、同条に2項が新設され、利益相反行為一般が規律されるに至っています。
 改正前は、表見代理規定の重畳適用は論点でしたが、改正により、109条、112条に重畳適用に関する2項が新設されました。改正後は、これを適用すれば足りることになります。
 無権代理人の責任について、改正前は、相手方有過失・無権代理人悪意の場合の無権代理人の責任の肯否は論点でしたが、改正後は、117条2項2号ただし書により、無権代理人の責任が認められることが明確にされました。

6.取り消し得る行為の追認
 改正前124条1項は、取消権の了知を明示的に要件としていなかったことから、その要否が論点でした。しかし、改正後の124条1項は、取消権の了知を明示的に要件としています。本書では、「取消権の了知が追認の要件とされた(124条1項)趣旨」の項目で、これが反映されています。
 上記の124条1項の改正を踏まえると、125条の法定追認についても、当然に取消権の了知を要するとも思えます。しかし、改正後の125条柱書においては、改正前の「前条の規定により」の文言が削除され、単に「追認をすることができる時以後に」とされています。これは、法定追認について取消権の了知を要しないとする判例(大判大12・6・11)を積極的には否定しない趣旨のものです。

 

(法制審議会民法(債権関係)部会第97回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

村松秀樹幹事「ここは平たく言えば、125条に関する判例法理がどうなるかについては、解釈に委ねるのであるということがよろしいのではないかということを申し上げようとしております。まずは恐らくそこの点がどうなのかということが一つあろうかと思います。
 これまでの部会の議論では、125条についても併せて既存の判例が変更を余儀なくされる可能性がありますよということは、申し上げていたつもりですけれども、その点については若干、異論もあると事務当局としては認識しておりましたところ、部会ではその点が余り議論がされないままに来ておりました。果たしてそれでよいのかという点を最後の条文化の段階で、もう一度、見直したときに、125条まで決め打ちしない方がよいのではないかと考えたと。その点がどうなのかという点が1点あろうかと思います。
 仮に事務当局が今、申し上げましたように、この点については決め打ちをしないという方策を採ろうと考えた場合に、条文の方をどのようにしておくのが適切なのかという点で、少なくとも「前条の規定により」という部分を今回、削りましたけれども、その部分について削っておく方がなお解釈論の展開がしやすいだろうということで削ったというのが趣旨でございます。ただ、この点は部会の従前の議論で必ずしも明瞭な議論あるいは結論が出ていたかについて、若干、不安がありましたので、ここでも御説明した上で、これを削ったのはこういう趣旨でありますということを申し上げようとしておりまして、経済界の方から既存の判例について、これを修正するのはよろしくないのではないかという御指摘があるやに個別に聞いておりましたので、そういった辺りとの兼ね合いで判例法理がどうなるか、この点についてはなお解釈に委ねるということにするのかどうかというのがまず一つあるところかなと思います。」

(引用終わり)

 

 すなわち、「前条の規定により」の文言が残っていると、124条1項で取消権の了知を要するとした文言がダイレクトに適用されてしまうので、従来の判例法理のように、取消権の了知を要しないとする解釈の余地がなくなってしまうかもしれない。そこで、「前条の規定により」の文言を削除し、そのような解釈の余地を残したというわけです。そのため、本書でも、「法定追認(125条)における取消権の了知の要否」の論点として存置しています。もっとも、本書では、上記判例とは異なり、取消権の了知を要するとする通説の立場を採用しています。

7.取消権者の範囲
 改正前は、保証人が主債務者の取消権を援用できるかという点が論点でしたが、改正後は、保証人も抗弁権として援用できることが明確にされています(改正後457条3項)。

8.双務契約の無効・取消し
 改正により、双務契約の無効・取消しによる給付利得の返還請求は、改正後121条の2第1項の原状回復請求とされました。そして、改正前は、返還請求の目的物が不可抗力によって滅失したような場合には、危険負担の法理によって解決すべきとする解釈論が有力でした。しかし、改正後は、危険負担が抗弁権と構成された(改正後536条1項)ため、同様の解釈論を採用するのは困難です。改正法は、このような場合について直接の規定を新設していませんが、価額償還請求ができることを当然の前提としています。

 

(民法(債権関係)部会資料66A民法(債権関係)の改正に関する要綱案のたたき台(1)より引用。太字強調及び※注は筆者。)

 原物の返還が不可能になった場合に価額償還義務を負うことは直接的には表現しなくても、素案(1)(※注 121条の2第1項の規律を指す。)で給付受領者は原則として原状回復義務を負うこととされ、有償契約については素案(4)のような規定(※注 121条の2第2項の規律を指す。)が設けられていないのであるから、有償契約においては、原物返還が不可能になった場合でも原状回復義務を免れず、価額で償還しなければならないという解釈を導くことは容易であると考えられる。

(引用終わり)

 

 本書では、「有償契約の無効・取消しによる原状回復請求(121条の2第1項)の目的物が滅失した場合」、「滅失した目的物の価額が代金額を上回る場合の買主の義務」の各項目で、上記の趣旨が反映されています。
 改正後121条の2には、546条(契約の解除と同時履行)のような条文がありません。これは、立案担当者がうっかり忘れていたのではなく、無効・取消しには、詐欺・強迫の場合など、当然に同時履行を認めるべきとはいえない場合があるため、改正前と同様に解釈に委ねるという趣旨です。本書では、「双務契約の無効・取消しによる原状回復請求(121条の2第1項)は同時履行の関係となるか」、「双務契約の無効・取消しによる原状回復請求(121条の2第1項)において反対給付の履行が事実上困難な場合の同時履行の肯否」の各項目で、この点が反映されています。

9.条件及び期限
 改正前は、条件成就の妨害について130条が規律していましたが、故意に条件を成就させた場合については規定がなく、論点でした。しかし、改正により同条に2項が新設され、条件不成就とみなすことができる旨が明確にされています。

10.時効
 時効の援用権者、すなわち、「当事者」(145条)の意義について、改正前は、取得時効と消滅時効のいずれについても、「時効により直接に利益を受ける者」とするのが判例法理でした。しかし、改正後145条は、消滅時効について、括弧書きで「権利の消滅について正当な利益を有する者」であれば「当事者」に当たる旨が明確にされています。したがって、「時効により直接に利益を受ける者」とする「当事者」の意義の解釈は、改正後においては取得時効においてのみ意味のある解釈となります。本書では、「取得時効における「当事者」(145条)の意義」の項目で、これが反映されています。また、145条括弧書きで保証人、物上保証人、第三取得者が列挙されたことに伴い、これらの者が時効援用権者に当たるかという点は、論点ではなくなりました。本書では、その他の消滅時効の援用権者についても、改正後145条括弧書きを踏まえた論証としています。
 改正により、時効障害事由が、「中断」と「停止」から、「更新」と「完成猶予」に改められました(ただし、自然中断(164条)を除く。)。本書では、時効障害が関わる論点について、改正後の「更新」と「完成猶予」の趣旨を踏まえた論証としています。
 改正前に「裁判上の催告」とされていたものは、改正後は、裁判上の請求に準ずる権利主張ないし権利行使があると評価できれば改正後147条1項の完成猶予の効力が生じ、判決等によって権利が確定されたと評価できれば同条2項の更新の効力が生じるということになります。留置権の抗弁については、改正前は、権利主張はあるが、訴訟物である目的物返還請求権とは別個の権利であるという理由で、催告の効力だけが認められていました(最大判昭38・10・30)。これをそのまま改正後に引き写すならば、改正後147条1項の完成猶予の効力は認められるが、同条2項の更新の効力は生じないということになりそうです。しかし、この判例は、留置権の抗弁が認められて引換給付判決がされた場合の主文で示される被担保債権の額について、訴訟物とは別個であり既判力は生じないということを前提とするものです。その後、限定承認による限定責任の留保や不執行の合意について、訴訟物に準ずるものと取り扱う判例が出されました(最判昭49・4・26、最判平5・11・11)。これらの判例の趣旨に照らせば、留置権の抗弁が認められて引換給付判決がされた場合の主文で示される被担保債権の額についても、訴訟物に準ずるものとして取り扱うのが自然です。そうすると、留置権の抗弁が認められて引換給付判決がされた場合には、判決(既判力に準ずる効力)によって被担保債権の存在及び金額が確定されると評価できるわけですから、改正後147条2項の更新の効力まで認めることになるでしょう。本書では、「目的物引渡請求訴訟における留置権の抗弁の原因となる被担保債権」の項目で、上記の趣旨が反映されています。また、債権者代位訴訟や詐害行為取消訴訟の被保全債権については、改正前は裁判上の催告としての効力も認められないとされていました(詐害行為取消訴訟につき最判昭37・10・12)。これは債権者代位訴訟や詐害行為取消訴訟の被告は第三債務者や受益者・転得者であって、債務者に対する権利行使とみることが難しかったからです。しかし、改正後は、債権者代位訴訟と詐害行為取消訴訟のいずれについても、債務者に対する訴訟告知がなされます(改正後423条の6、424条の7第2項)。したがって、少なくとも改正後147条1項の完成猶予の効力は認められることになるでしょう。他方、債権者代位訴訟や詐害行為取消訴訟で請求が認容されても、被保全債権が判決で確定されたということは難しいので、同条2項の更新は生じない。本書では、「債権者代位訴訟において被保全債権の権利主張があるといえるか」、「詐害行為取消訴訟において被保全債権の権利主張があるといえるか」、「債権者代位訴訟における被保全債権」、「詐害行為取消訴訟における被保全債権」の各項目で、上記の趣旨が反映されています。
 改正前は、債務不履行による填補賠償請求権は、履行請求権が転化したものであるという理解の下に、消滅時効の起算点としての行使可能時について、履行請求権を基準として考えていました(最判平10・4・24)。しかし、改正後は、債務不履行による填補賠償請求権は履行請求権とは別個に発生し、履行請求権と併存し得る権利であるという理解が前提となります。このことは、415条2項2号及び3号が、解除する前の時点で填補賠償請求権の発生を認めていることにより、明確にされています。

 

(民法(債権関係)部会資料5-2民法(債権関係)の改正に関する検討事項(1) 詳細版より引用。太字強調は筆者。)

 現行法下の判例及び伝統的理論は……(略)……履行請求権と填補賠償請求権との関係について、履行不能により前者が後者に転化するものとすることで、原則として、履行請求権と填補賠償請求権は併存しないものと解釈してきた(債務転形論)
 しかし、このような解釈は論理必然的なものではなく、履行請求権の限界事由と填補賠償請求権の成立要件を異なるものとすることによって、両者を併存させた上で、債権者に行使の選択権を認めることも可能と解されている。すなわち、債権者はどの時点まで履行請求をしなければいけないのか(債権者はいつの時点から填補賠償を請求できるのか)という問題と、債務者はどの時点まで債権者の履行請求に拘束されるのか(債権者が履行請求をした場合に、債務者がその履行を免れるのはいつの時点か)という問題は、異なった価値判断に対応した別個の問題と考えることが可能であるとされている。特に、不履行に遭遇した債権者を保護するという観点からは、あえて債務転形論を採用することによって、債権者が債権を成立させた当時に獲得しようとしていた利益を当初の予定どおりの形で獲得するか、金銭的価値にして獲得するかという点についての債権者の選択権を否定する理由は乏しいとの指摘がされている。このように考えることは、債権債務関係の当事者にとって必ずしも判断が容易でないことのある「不能」という概念によって行使できる権利の性質を画一的に決するよりも、債権者の実質的な被害回復に資する意義があるとも考えられる。

(引用終わり)

(法制審議会民法(債権関係)部会第3回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

大畑関係官「現行法下の判例は、履行遅滞に基づき填補賠償を請求するためには原則として契約の解除を必要としていますが、その一方で、例外的に解除を要することなく填補賠償請求を認める判例もあります。……(略)……。
 また、学説上も、解除をせずに填補賠償を認めることに実益があるとか、解除を不要とすることで履行請求権と填補賠償請求権の併存を認めることに実益があるなどとして、解除を不要とする見解が主張されています。……(略)……。
 このように解除を不要とすることは、現行法下の判例が前提としている債務転形論、すなわち填補賠償請求権は履行請求権が転化したものであって、両者は併存しないという考え方を採用しないということにもなりますが、そのことが実務に与える影響や問題等も含めまして御意見をいただきたいと思います。」

(引用終わり)

 

 このような改正法の立場からは、従来の判例法理を維持することはできず、填補賠償請求権の行使可能時は、填補賠償請求権の発生時と考えることになります。本書では、「債務不履行に基づく填補賠償請求権(415条2項)の行使可能時」の項目で、上記の趣旨が反映されています。改正後の166条1項1号の時効期間は5年と短いため、履行請求権の行使可能時を基準としたのでは填補賠償請求権の行使の機会が制限されすぎるおそれがあることも、上記の考え方を支持する理由となるでしょう。
 改正により、167条(人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)が新設されました。本書では、「167条(人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)の趣旨」の項目で、これが反映されています。

 

 

【収録論点一覧】

・通則

事情変更の法理の適用要件
契約上の地位の譲渡があった場合における事情変更の法理の判断
権利失効の法理の適用要件
権利行使が権利の濫用となるための一般的要件

 

・権利の主体

「出生」(3条1項)の意義
「既に生まれたものとみなす」(721条、886条1項)の趣旨
胎児を代理してする和解の効力
意思能力(3条の2)の意義
意思無能力でした法律行為の無効の主張権者
21条(詐術による取消制限)の趣旨
「詐術」(21条)の意義
制限行為能力者であることを黙秘した場合
失踪宣告取消前に「善意でした行為」(32条1項後段)の意義
32条2項ただし書(失踪宣告取消しによる返還義務の現存利益制限)は悪意者にも適用されるか
34条(法人の能力)の趣旨
「目的の範囲」(34条)の判断基準(営利法人の場合)
「目的の範囲」(34条)の判断基準(非営利法人の場合)
一般法人法77条5項(代表理事の権限制限の対善意者対抗不可)の趣旨
目的の範囲外であることによる無効を法人が主張できるか
法令に基づく制限は「制限」(一般法人法77条5項)に当たるか
「善意」(一般法人法77条5項)の意義
「善意」(一般法人法77条5項)とはいえない第三者の保護
理事会の決議を欠く代表理事の重要な業務執行(一般法人法90条4項)の効力
一般法人法78条(代表者の不法行為に係る法人の責任)の趣旨
「職務を行うについて」(一般法人法78条)の意義
取引的不法行為における一般法人法78条と民法110条の適用関係
「代表者」(一般法人法78条)に代表理事の選任した任意代理人を含むか
「代表者」(一般法人法78条)に支配人を含むか
一般法人法78条が適用される場合の代表機関の個人責任の肯否
権利能力のない社団の意義
権利能力のない社団の要件
権利能力のない社団の権利義務の帰属
権利能力のない社団の債務に係る構成員の個人責任
権利能力のない社団の債務に係る代表者の個人責任
権利能力のない社団の代表者による不法行為に係る社団の責任
権利能力のない社団の不動産の登記方法
権利能力のない社団の代表者が代表者個人名義で登記された社団の不動産を勝手に処分した場合の94条2項類推適用の可否
権利能力のない社団の構成員の退会の自由
権利能力のない財団の意義
権利能力のない財団の要件

 

・法律行為総則・意思表示

私的自治の原則の意義
法律行為の意義
法律行為の有効要件
暴利行為
法令違反が90条により無効となる場合
公序違反の判断基準時
動機が不法な法律行為の効力
92条の「慣習」の意義
慣習法の意義
92条の趣旨
慣習による意思の推定
法適用通則法3条と92条の適用関係
「真意ではないこと」(93条1項)の意義
93条1項本文の趣旨
93条1項ただし書の趣旨
93条2項の趣旨
「虚偽」(94条)の意義
94条1項の趣旨
94条2項(虚偽表示無効の対善意者対抗不可)の趣旨
相手方のある単独行為に94条は適用されるか
相手方のない単独行為に94条は適用されるか
「第三者」(94条2項)の意義
「善意」(94条2項)に無過失を要するか
「第三者」(94条2項)は対抗力の具備を要するか
善意の第三者(94条2項)からの転得者の地位
悪意者からの転得者は「第三者」(94条2項)に含まれるか
善意の第三者と虚偽表示者からの譲受人との優劣
94条2項の善意の判断基準時
94条2項類推適用
94条2項、110条の類推適用
95条1項(錯誤取消し)の趣旨
「法律行為の基礎」(95条1項2号、同条2項)の判断基準
保証契約における主債務の態様に関する錯誤は95条1項1号の錯誤か同項2号の錯誤か
重要性(95条1項柱書)が要件とされた趣旨
重要性(95条1項柱書)の意義
95条3項柱書の趣旨
95条3項1号の趣旨
95条3項2号の趣旨
95条4項の趣旨
「第三者」(95条4項)の意義
法律上の利害関係の判断基準
「第三者」(95条4項)は対抗力の具備を要するか
錯誤と詐欺の適用関係
錯誤と担保責任の適用関係
種類・品質の錯誤に関する期間制限
種類・品質の錯誤に関する期間制限の理由
錯誤と和解の確定効(696条)の関係
96条1項(詐欺・強迫による取消し)の趣旨
96条2項(第三者による詐欺)の趣旨
相手方の代理人による詐欺
96条2項が強迫を除いた趣旨
96条3項(詐欺取消しの対善意者対抗不可)の趣旨
96条3項が強迫を除いた趣旨
「第三者」(96条3項)の意義
法律上の利害関係の判断基準
「第三者」(96条3項)は対抗力の具備を要するか
取消後の第三者の保護
到達(97条1項)の意義

 

・代理

代理の意義
使者の意義
代理制度の趣旨
代理の本質
代理の他人効の根拠
代理権授与行為の独自性の肯否
事務処理契約の瑕疵
本人による事務処理契約の詐欺取消し
本人による事務処理契約の強迫取消し
本人による事務処理契約の制限行為能力による取消し
授権表示(109条1項)の取消しの可否
事務処理契約が取り消された場合の112条1項(代理権消滅後の表見代理)の適用の可否
本人による事務処理契約の解除
代理人による事務処理契約の詐欺・強迫取消し
代理人による事務処理契約の制限行為能力による取消し
代理人による事務処理契約の解除
101条1項(代理人の意思表示における瑕疵等の代理人基準)の趣旨
101条2項(意思表示の受領における瑕疵等の代理人基準)の趣旨
101条3項(特定の法律行為の委託の例外)の趣旨
特定の法律行為の委託がない場合の101条3項の適用
顕名主義(99条)の趣旨
署名代理の可否
100条本文(顕名欠缺による代理人の責任)の趣旨
100条ただし書(代理意思につき悪意有過失の場合)の趣旨
108条(自己契約及び双方代理等の禁止)の趣旨
108条各項ただし書(債務履行及び本人許諾の例外)の趣旨
108条1項ただし書類推適用
107条(代理権の濫用)の趣旨
代理権の逸脱と濫用の区別
代理人と相手方の通謀虚偽表示
109条1項(授権表示による表見代理)の趣旨
109条1項は法定代理に適用されるか
白紙委任状の被交付者による委任事項の濫用的補充
白紙委任状の被交付者が委任事項を空欄のまま提示した場合
白紙委任状の転得者による代理人欄のみの濫用的補充
白紙委任状の転得者による委任事項の濫用的補充
転々流通を予定した白紙委任状の場合
110条(権限踰越の表見代理)の趣旨
公法上の行為の代理権は基本代理権となり得るか
事実行為の代行権限を基本代理権とする表見代理(110条)の成否
代理人が直接本人の名で権限外の行為をした場合の表見代理の成否
「第三者」(110条)には転得者を含むか
「正当な理由」(110条)の意義
110条(権限踰越の表見代理)と715条(使用者責任)の適用関係
761条(日常家事債務の連帯責任)の趣旨
「日常の家事」(761条)の意義
「日常の家事」該当性の判断
日常の家事についての法定代理権の根拠
110条は法定代理にも適用されるか
日常の家事に関する代理権を基本権限とする表見代理の成否
112条1項(代理権消滅後の表見代理)の趣旨
117条(無権代理人の責任)の趣旨
117条1項の損害賠償の範囲
無権代理人は表見代理の成立を主張して117条の責任を免れることができるか
無権代理人に過失がない場合の117条1項の適用の可否
「過失」(117条2項2号)は重過失に限られるか
無権代理人が無権代理行為の目的物を取得した場合の法律関係
無権代理人と相続(一般論)
無権代理人の本人相続
本人の無権代理人相続
無権代理人の地位と本人の地位を共に相続した場合
本人の地位を無権代理人と他の相続人が共同相続する場合
本人による追認拒絶後に無権代理人が本人を相続した場合
無権代理人の後見人就任(事実上の後見人)
事実上の後見人とは別の者が後見人に就任した場合の事実上の後見人の無権代理行為の追認拒絶の可否

 

・無効及び取消し

取消権の了知が追認の要件とされた(124条1項)趣旨
法定追認(125条)における取消権の了知の要否
「全部又は一部の履行」(125条1号)に弁済の受領は含まれるか
「担保の供与」(125条4号)に担保の取得は含まれるか
取消権者の1人について126条前段の期間が経過した場合
双務契約の無効・取消しによる原状回復請求(121条の2第1項)は同時履行の関係となるか
双務契約の無効・取消しによる原状回復請求(121条の2第1項)において反対給付の履行が事実上困難な場合の同時履行の肯否
有償契約の無効・取消しによる原状回復請求(121条の2第1項)の目的物が滅失した場合
滅失した目的物の価額が代金額を上回る場合の買主の義務
126条の行使期間の法的性質

 

・条件及び期限

条件の意義
期限の意義
停止条件と不確定期限の区別

 

・時効

時効制度の趣旨
144条(時効の遡及効)の趣旨
145条(時効の援用)の趣旨
援用(145条)の法的性質
取得時効における「当事者」(145条)の意義
建物賃借人は賃貸人による敷地所有権の取得時効の「当事者」(145条)に当たるか
売買予約仮登記付不動産につき移転登記を経た第三取得者は予約完結権の消滅時効の「当事者」(145条)に当たるか
売買予約仮登記付不動産につき抵当権設定登記を経た抵当権者は予約完結権の消滅時効の「当事者」(145条)に当たるか
詐害行為の受益者は被保全債権の消滅時効の「当事者」(145条)に当たるか
一般債権者は債務者が負う他の債務の消滅時効の「当事者」(145条)に当たるか
後順位抵当権者は先順位抵当権の被担保債権の消滅時効の「当事者」(145条)に当たるか
援用(145条)の効果の生じる人的範囲
時効援用権の代位行使(423条1項)の可否
時効援用の撤回の可否
146条(時効利益の事前放棄の禁止)の趣旨
時効期間を延長する合意の効力
消滅時効期間を短縮する合意の効力
消滅時効完成後の債務承認の効力
消滅時効完成後の債務承認をした後の再度の消滅時効
被保佐人のする時効完成後の債務承認に保佐人の同意を要するか
保証人が保証債務を承認した後に主債務の消滅時効を援用できるか
主債務者がした時効完成後の債務承認を知って保証債務を承認した保証人による主債務の消滅時効の援用の可否
147条1項(裁判上の請求等による時効の完成猶予)の趣旨
147条2項(裁判上の請求等による時効の更新)の趣旨
148条1項(強制執行等による時効の完成猶予)の趣旨
148条2項(強制執行等による時効の更新)の趣旨
149条(仮差押え等による時効の完成猶予)の趣旨
150条1項(催告による時効の完成猶予)の趣旨
150条2項(再度の催告不可)の趣旨
催告を受けた債務者が調査のため猶予を求めた場合の起算日
151条1項(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)の趣旨
152条1項(承認による時効の更新)の趣旨
152条2項(承認の行為能力・処分権限不要)の趣旨
被保佐人は単独で152条1項の承認をなし得るか
未成年者、成年被後見人は単独で152条1項の承認をなし得るか
物上保証人による被担保債権の承認
裁判内の権利主張による完成猶予
裁判内の権利主張による完成猶予の理由
留置権の抗弁によって被担保債権の権利主張があるといえるか
債権者代位訴訟において被保全債権の権利主張があるといえるか
詐害行為取消訴訟において被保全債権の権利主張があるといえるか
裁判内の権利主張による更新
裁判内の権利主張による更新の理由
権利が判決で確定されたか否かの判断基準
登記手続請求訴訟における被告の所有権
抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟における被担保債権
目的物引渡請求訴訟における留置権の抗弁の原因となる被担保債権
債権者代位訴訟における被保全債権
詐害行為取消訴訟における被保全債権
主債務を相続した保証人が保証債務を弁済した場合の主債務に係る時効の更新の肯否
主債務を相続した保証人が保証債務を弁済した場合の主債務に係る時効の更新の肯否の理由
受託保証人の事前求償権(460条)についての時効障害の効力は事後求償権にも及ぶか
153条(時効障害の相対効)の趣旨
債務者の承認により被担保債権に生じた更新の効力は物上保証人に及ぶか
保証人の主債務者に対する求償権に生じた時効障害の効力は他の共同保証人に対する求償権に及ぶか
154条(時効の利益を受ける者への通知)の趣旨
時効障害の当事者等に対して154条の通知を要するか
158条1項(法定代理人がない場合の完成猶予)の趣旨
時効期間満了前の申立てに基づき時効期間満了後に後見開始の審判がされた場合の158条1項類推適用の可否
所有の意思(162条)の判断基準
他人物売買であることを知っていた買主の所有の意思
解除条件付売買における買主の所有の意思
自己物の時効取得の可否
「平穏」(162条)の意義
善意無過失(162条2項)の意義
不動産賃借権の時効取得の可否
他人の土地に植栽した立木所有権の時効取得の可否
時効完成時の原所有者に対する時効取得に係る対抗要件の要否
時効完成後の譲受人に対する時効取得に係る対抗要件の要否
時効完成後の譲受人が背信的悪意者となるための要件
取得時効の起算点の選択の可否
二重譲渡の劣後譲受人についての取得時効の起算点
再度の時効取得の可否
時効援用により確定的に権利を取得した者による再度の時効取得の可否
抵当権の設定された不動産の賃借権を時効取得した場合に抵当権は消滅するか
抵当権の設定及びその登記後に賃借権を時効取得した場合の賃借権の対抗
時効取得完成後、その援用及び登記前に抵当権設定及びその登記がなされた場合の再度の時効取得により抵当権は消滅するか
166条1項2項(消滅時効の起算点)の趣旨
権利行使可能性(166条1項2項)の要件
被保佐人が保佐人の同意を得られないことは法律上の障害か
債務不履行に基づく填補賠償請求権(415条2項)の行使可能時
取消し・解除により発生する返還請求権の行使可能時
賃料不払時の無催告解除特約がある場合の賃貸借契約解除権の行使可能時
賃料不払時の無催告解除特約がある場合の賃貸借契約解除権の行使可能時の理由
期限の利益喪失特約付き割賦金債権の行使可能時
期限の利益喪失特約付き割賦金債権の行使可能時の理由
166条3項(始期付又は停止条件付債権の目的物の取得時効)の趣旨
167条(人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)の趣旨
所有権の消滅時効
所有権に基づく物権的請求権の消滅時効

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2020年01月22日

「司法試験令和元年最新判例ノート 」を発売しました

 Amazonより、「司法試験令和元年最新判例ノート」を発売しました。
 本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外のスマホ、タブレット端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

Kindle for PC(Windows,Mac)
Kindle for Android
Kindle for iPhone,iPad

 

【本書の概要】

 本書は、令和元年(平成31年)に出された最高裁判例のうち、司法試験対策上重要と考えられるものを掲載したものです。

1.最新判例を学習する意味は、概ね以下の2つです。
 1つは、短答の知識としての意味です。最新判例の判示内容を問う肢が出題された場合には、その場で考えて正解できることもないわけではありませんが、基本的には知っているかどうかで差が付きます。もっとも、短答試験は問題数が多いため、1つの肢が分からない程度で合否に大きく影響することはありません。ですから、短答対策として最新判例を学習する必要性は、それほど高くないといえるでしょう。とはいえ、一度軽く目を通しておけば、それだけで正誤の判断が容易になる場合もありますから、軽く一読する程度の学習は、費用対効果という面で、それなりに意味のあることだろうと思います。
 もう1つの意味は、論文における問題の所在を把握するヒントとしての意味です。論文試験では、最新判例の事案と類似していたり、共通の問題意識が背景となっているような出題がされることがあります。例えば、平成28年司法試験の刑事系第2問では、最決平27・5・25と類似の事案が出題され、同判例が判示した論点が直接に問われています。

 

(最決平27・5・25より引用。太字強調は筆者。)

 「公判前整理手続は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため、事件の争点及び証拠を整理する手続であり、訴訟関係人は、その実施に関して協力する義務を負う上、被告人又は弁護人は、刑訴法316条の17第1項所定の主張明示義務を負うのであるから、公判期日においてすることを予定している主張があるにもかかわらず、これを明示しないということは許されない。こうしてみると、公判前整理手続終了後の新たな主張を制限する規定はなく、公判期日で新たな主張に沿った被告人の供述を当然に制限できるとは解し得ないものの、公判前整理手続における被告人又は弁護人の予定主張の明示状況(裁判所の求釈明に対する釈明の状況を含む。)、新たな主張がされるに至った経緯、新たな主張の内容等の諸般の事情を総合的に考慮し、前記主張明示義務に違反したものと認められ、かつ、公判前整理手続で明示されなかった主張に関して被告人の供述を求める行為(質問)やこれに応じた被告人の供述を許すことが、公判前整理手続を行った意味を失わせるものと認められる場合(例えば、公判前整理手続において、裁判所の求釈明にもかかわらず、「アリバイの主張をする予定である。具体的内容は被告人質問において明らかにする。」という限度でしか主張を明示しなかったような場合)には、新たな主張に係る事項の重要性等も踏まえた上で、公判期日でその具体的内容に関する質問や被告人の供述が、刑訴法295条1項により制限されることがあり得るというべきである。」

 (引用終わり)

(平成28年司法試験論文式試験出題の趣旨より引用。太字強調は筆者。)

 「本設問に関連し、公判前整理手続で明示されたアリバイ主張に関し、その内容を更に具体化する被告人質問等を刑事訴訟法第295条第1項により制限することの可否について判示した最高裁判所決定がある(最二決平成27年5月25日刑集69巻4号636頁)。本設問の解答に当たっては、同決定を踏まえた論述まで求めるものではないが、被告人及び弁護人には、公判前整理手続終了後における主張制限の規定が置かれておらず、新たな主張に沿った被告人の供述を当然に制限することはできないことに留意しつつ、公判前整理手続の趣旨に遡り、被告人質問を制限できる場合に関する自説を論じた上、本設問における公判前整理手続の経過及び結果並びに乙が公判期日で供述しようとした内容を抽出・指摘しながら、当てはめを行う必要がある。」

(引用終わり)

 

 上記の出題の趣旨では、「同決定を踏まえた論述まで求めるものではないが」とされていますが、その後に続く内容は、判例の判示内容と重なっています。事前に判例を一読していたか、そうでなかったかというだけで、どのような観点から規範を定立すべきなのか、どの事実に着目すべきなのか等の点について、現場での把握の容易さが大きく違うでしょう。
 最新判例と類似の事案が出題された場合、既存の知識を使って適切な解答にたどり着くことは不可能ではありませんが、判例を知らないと問題の所在を的確に把握できず、的外れな論述になってしまうおそれがあります。上記の例でいえば、現場で確認可能な情報は、刑訴法295条1項ですが、これは以下のような条文です。

(刑訴法295条1項)
 裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても同様である。

 上記の判例を知らないと、普通はこの条文の文言に素直に当てはめようとするでしょう。そうなると、「訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき」に当たるか、「事件に関係のない事項にわたるとき」に当たるか、「その他相当でないとき」に当たるか、「訴訟関係人の本質的な権利を害しない」といえるか、等を羅列的に当てはめるような答案になってしまいます。これでは、出題の趣旨に沿った解答にはなりません。判例を知っているか、知らないかということは、とても大きいのです。
 注意したいのは、平成28年の司法試験で、平成27年の判例が出題されている、ということです。これは、本書に収録した令和元年(平成31年)の判例との関係でいえば、令和2年の司法試験で出題されてもおかしくない、ということを示しています。論文は設問の数が少ないですから、ある設問で問題意識を大きく外してしまうと、予定された配点を丸々落としてしまい、合否に大きく影響することになります。入り口の問題把握を誤って、出題意図と全く関係のない論述に終始してしまうというのは、不合格答案の典型例です。これを避けるために、最新判例を学習するのです。この意味において、最新判例を学習する必要性はそれなりに高い、ということができると思います。他方で、最新判例については、ほとんどの場合、既存の重要判例とは異なり、厳密に規範を覚えたり、射程範囲を理解するところまでは、必要ではありません。重要なことは、上記のような論述の入り口を把握できずに、問題意識を大きく外して的外れな論述になるという事態を避けるということです。その程度のレベルであれば、一度軽く目を通し、一応の理解をする程度で足ります。この程度のことをやっているだけでも、問題の所在の把握の容易さは大きく変わります。このことは、本試験の現場で、限られた時間の中において答案構成をするときに、大きな差となって表れてくるでしょう。
 本書では、上記のような観点から、試験前に一度は目を通しておくとよいだろうと思われる判例に絞って収録しました。
 憲法6、行政法2、民法5、商法1、民訴法4、刑法1、刑訴法2の合計21の判例を収録しています。
 各判例には、重要度に応じてAAからCまでのランクを付しました。もっとも、今年に関しては、AAランク及びAランクに該当するものはありません。

2.司法試験対策として判例を学習する場合には、原文に当たるのが基本です。特に最新判例については、何よりもまず、どのような事案でどのような判示がされたのか、ということ自体を把握することが重要です。それが従来の学説の理解との関係でどのように位置付けられるか、射程範囲はどうか、等については、学者の間で議論がまとまるまで、一定の時間を要するからです。すなわち、「とにかくそんな判例がある。」ことを知っておくことが重要だ、ということです。最新判例を出題する側の立場になって考えてみればわかることですが、短答で正誤を問うにしても、学説の理解が定まっていない状況では、原文と照らし合わせて容易に正誤が分かるものしか出せません。論文で出題するにしても、その判例の射程について学説の理解が定まっていない状況では、出せる事案の幅に限界があるのです。ですから、学者の評釈などはあまり気にせずに、原文を軽く一読しておく、というのが、前記の最新判例を学習する意義との関係でも有益です。その意味では、市販の判例集は、学者の評釈部分が長すぎる反面で、肝心の判旨部分が短すぎる傾向があるように感じます。
 そこで、本書では、原文を要約することなく、そのまま掲載することを基本としています。もっとも、Kindle用書籍ということを考慮し、できる限りコンパクトにまとめるよう努力しました。その関係で、収録するのは多数意見の重要部分に限るものとし、個別意見については、チェックテスト(後記4参照)の解答における参考として紹介する場合を除き、収録は見送りました。事案についても、判旨の理解に不要な場合は、掲載を省いたり、簡略化したものを掲載しました。

3.市販の判例集を読んで挫折する要因の1つに、細部に目が行ってしまうということがあります。判例の事案や判旨には、「被上告人は、○県○市○町(○年に行われた合併により、現在は○市)の…であり、…であったところ、○年○月○日に…(なお、…は…であり、…とされたものである。)」など、判旨の本質的理解に必ずしも必要のない細かい部分の記述が含まれています。これは、内容の正確性、特定性を確保するために必要な記述です。しかし、そのような記述があるために、何度読んでも事案の概要や判旨が頭に入って来ず、挫折してしまう、ということが起きるのです。しかし、だからといって、安易に要約をしてしまうのは、原文を学習するという前記の意義が薄れてしまいますし、詳細が気になった場合には、かえって困ることになります。そこで、本書では、骨格読み(スケルトンリーディング)の手法を用い、基本的に原文をそのまま掲載しつつ、本質的理解に必要な部分を太字とし、太字部分だけを繋いで目を通せば、概要をつかめるようにしています。まずは太字部分だけに目を通し、詳細が気になった場合に、前後を注意して読み直すと、効率良く理解できるでしょう。

4.判例を学習する際、ただ漫然と目を通しても頭に入ってこない、という人が多いと思います。与えられた文字を読む場合には、どうしても脳は受動的となり、活発に働かなくなるからです。これに対し、質問に対する答えを考える場合には、脳は解答を探そうと活発に働きます。そのため、急に理解が進むようになるのです。
 そこで、本書では、各判例の理解のポイントとなる部分について、末尾に一問一答形式のチェックテストを付けています。スマホやタブレット端末での操作になじむよう、問題の次のページに解答に対応する判示部分を再掲しています。直前に見たばかりの判旨でも、チェックテストで指摘されたポイントを意識していないと、頭に入っていないことに気が付くと思います。同時に、特定のポイントを意識して解答を考えてから同じ判旨を見ると、見え方が違うことにも気が付くでしょう。

5.論文対策として、多くの人が準備しているのが、論証です。論文試験は、時間との戦いです。論証は、試験の現場で表現ぶり等に悩むことなく書けるように事前に準備しておくことによって、貴重な時間を節約するためのものです。最新判例の論証は、必須とまではいえませんが、あると便利であることも確かです。そこで、本書の末尾には、付録として、論証化して整理しておくと論文で役に立つと思われる判例について、判旨を論証化した論証例集を収録しました。

6.なお、本書では、判決・決定のいずれにおいても、「判旨」と表記しています。「裁判所の判断の要旨」ないしは「裁判要旨」の略称と考えておけばよいでしょう。市販されている判例集の中には、決定の場合に「決旨」と表記するものがあります。これは、「判旨」とは判決の要旨を、「決旨」とは決定の要旨を指すと理解しているからです。しかし、そのような使い分けに意味があるとは思われません。決定のときに限って、判例を「決例」としたり、判示を「決示」などとしないのと同様です。最高裁のHPでも、「裁判要旨」の表記が用いられています。

7.本書が、受験生の方々の最新判例の学習に少しでも役立てば幸いです。

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預金債権の準共有〔序説〕 ――誤振込事例と信託を素材として――
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民法724条の「不法行為の時」の解釈基準と「損害の性質」に着目した不法行為類型
立命館大学大学院法務研究科教授 松本克美

会社法356条2項の改正
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◇ 退職記念講義 ◇ 法の支配について
平野仁彦

計画確定決定の衡量統制に関する一考察(1) ――衡量の瑕疵とその有意性――
立命館大学大学院法務研究科教授 湊二郎

計画確定決定の衡量統制に関する一考察(2・完) ――衡量の瑕疵とその有意性――
立命館大学大学院法務研究科教授 湊二郎

司法修習委員会(第38回)

“失言の美魔女”森雅子法務大臣 貧困からの栄達物語に隠された「短所」とは?

コロナウィルスの影響で24時間365日利用できるレンタル自習室
イーミックスへ利用者の問い合わせが殺到しております。

関電金品受領問題は「戦後最大の経済犯罪」~原発事業をめぐる「闇」の解明が不可欠

「関電再生」には刑事責任の追及が不可欠だ

コロナ感染者のふりには大きなリスク「偽計業務妨害」容疑で逮捕も

カスタマーハラスメントに遭う前に。弁護士に聞いた「最低限の準備」

受動喫煙は「犯罪」にならないの? 「刑罰」への待望論も、「行政罰」が望ましい理由

成年後見制度 使い勝手良くして利用促進を

「ただただ気持ち悪かったです」19歳の実娘への性的暴行で父親に有罪 “逆転”の理由

当時19歳の実の娘に性的暴行…二審で逆転有罪の父親が上告 名古屋

最高裁が親告罪だったころの「強制わいせつ」も“告訴なし”で起訴できると判断した意味

ロッキード事件の裁判長、草場良八氏死去 94歳、老衰

草場良八氏が死去 元最高裁長官

無期懲役の判決確定 異議申し立てを棄却 今市事件

仏留学生不明事件、日本人留学生の家族が法廷で証言

筑波大生不明事件、フランス警官が証言 遺体、川に流された可能性―チリ

停職取り消し4月判決、最高裁 教諭のいじめ隠し

【名古屋闇サイト殺人事件】「事件について何も思いません」犯人から届いた非情な手紙

辺野古訴訟 県敗訴の見通し 最高裁が弁論せず判決

橋下徹のケンカの鉄則…負けを回避するには「躊躇なくいったん退く」

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強盗に際して犯行現場付近で見張りをしてほしいとの正犯者の依頼を受けて犯行現場に駆け付けたが、
到着した時点で既に正犯者が犯行を終えて逃げ出す段階になっていたため、
自身の運転する自動車に正犯者を乗せて逃走した者について、
強盗致傷罪に対する幇助犯の成立を認めた事例
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実の娘に性的暴行 2審は逆転有罪 父に懲役10年判決 名古屋高裁

【名古屋・逆転有罪判決】被害者のAさんがコメントを発表「信じてくれる人は少なかった」

「ひかりの輪」観察処分は適法 国側逆転勝訴の判決確定 最高裁

受精卵で無断出産は「自己決定権侵害」 元妻に賠償命令

法科大学院認証評価における評価手数料の改定について

司法試験委員会 第156回会議(令和2年2月26日)

令和3年司法試験会場の公募について

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案

著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案

資格スクエア予備試験講座(全講座)を高校生向けに期間限定で無料開放致します。

「傍聴席減らす」新型コロナで裁判所が異例措置 希望者「入りたい」とトラブルも

成年後見の報酬算定は2階建てで設定 最高裁が考え方を示す

引退してから優しくなれた プロボクサーと弁護士を両立
坂本尚志の意志を貫く力「頑張ってからやめた方が胸を張れる

授業とボクシングの練習以外は図書館へ
元・東大出身の弁護士ボクサー坂本尚志「頑張る自分でありたい」

新型コロナで結婚式延期、交渉したらキャンセル料8割減 女性「まるっともらう気だったのか」

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コロナ「ばらまく」と来店の男、逮捕には「壁」も 捜査の焦点は?

「コロナばらまき男」を愛知県警が捜査開始 意外に高い“逮捕、起訴のハードル”

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「ウイルスばらまいてやる」男性“店内映像”報道、本人の同意がない場合は問題ないのか聞いた
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コロナで高まる「内定取り消し」のリスク  相談事例から対処法を解説する

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令和2年司法試験予備試験の実施について

令和2年司法試験の実施について

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民事訴訟における要件事実 第2巻
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書記官研修講義案等