2018年07月28日

平成30年司法試験論文式刑事系第2問参考答案

【答案のコンセプトについて】

1.司法試験の論文式試験において、合格ラインに達するための要件は、概ね

(1)基本論点抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを摘示できている。

という3つです。とりわけ、(2)と(3)に、異常な配点がある。(1)は、これができないと必然的に(2)と(3)を落とすことになるので、必要になってくるという関係にあります。応用論点を拾ったり、趣旨や本質論からの論述、当てはめの事実に対する評価というようなものは、上記の配点をすべて取ったという前提の下で、優秀・良好のレベル(概ね500番より上の順位)に達するために必要となる程度の配点があるに過ぎません。 

2.ところが、法科大学院や予備校では、「応用論点に食らいつくのが大事ですよ。」、「必ず趣旨・本質に遡ってください。」、「事実は単に書き写すだけじゃダメですよ。必ず自分の言葉で評価してください。」などと指導されます。これは、必ずしも間違った指導ではありません。上記の(1)から(3)までを当然にクリアできる人が、さらなる上位の得点を取るためには、必要なことだからです。現に、よく受験生の間に出回る超上位の再現答案には、応用、趣旨・本質、事実の評価まで幅広く書いてあります。しかし、これを真似しようとするとき、自分が書くことのできる文字数というものを考える必要があります。
 上記の(1)から(3)までを書くだけでも、通常は6頁程度の紙幅を要します。ほとんどの人は、これで精一杯です。これ以上は、物理的に書けない。さらに上位の得点を取るために、応用論点に触れ、趣旨・本質に遡って論証し、事実に評価を付そうとすると、必然的に7頁、8頁まで書くことが必要になります。上位の点を取る合格者は、正常な人からみると常軌を逸したような文字の書き方、日本語の崩し方によって、驚異的な速度を実現し、7頁、8頁を書きますが、普通の考え方・発想に立つ限り、なかなか真似はできないことです。
 文字を書く速度が普通の人が、上記の指導や上位答案を参考にして、応用論点を書こうとしたり、趣旨・本質に遡ったり、いちいち事実に評価を付していたりしたら、どうなるか。必然的に、時間不足に陥ってしまいます。とりわけ、上記の指導や上位答案を参考にし過ぎるあまり、これらの点こそが合格に必要であり、その他のことは重要ではない、と誤解してしまうと、上記の(1)から(3)まで、とりわけ(2)と(3)を省略して、応用、趣旨・本質、事実の評価を書きにいってしまう。これは、配点が極端に高いところを書かずに、配点の低いところを書こうとすることを意味しますから、当然極めて受かりにくくなるというわけです。

3.上記のことを理解した上で、上記(1)から(3)までに絞って答案を書こうとする場合、困ることが1つあります。それは、純粋に上記(1)から(3)までに絞って書いた答案というものが、ほとんど公表されていないからです。上位答案はあまりにも全部書けていて参考にならないし、合否ギリギリの答案には上記2で示したとおりの状況に陥ってしまった答案が多く、無理に応用、趣旨・本質、事実の評価を書きにいって得点を落としたとみられる部分を含んでいるので、これも参考になりにくいのです。そこで、純粋に上記(1)から(3)だけを記述したような参考答案を作れば、それはとても参考になるのではないか、ということを考えました。下記の参考答案は、このようなコンセプトに基づいています。

4.参考答案の太字強調部分は、「司法試験定義趣旨論証集刑訴法」及び「司法試験平成29年最新判例ノート」の付録の論証集に準拠した部分です。

 

【参考答案】

第1 設問1

1 下線部①の捜査

(1)強制処分は、刑訴法に特別の規定がなければ、することができない(197条1項ただし書)。強制処分とは、個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものをいう(GPS捜査事件判例参照)。

ア 合理的に推認される個人の意思に反して秘かに行われる場合には、個人の意思を制圧するものといえる(上記判例参照)。
 下線部①の捜査は、合理的に推認される甲の意思に反して秘かに行われたから、甲の意思を制圧してされたものである。

イ 憲法35条の保障対象には、「住居、書類及び所持品」に限らずこれらに準ずる私的領域に「侵入」されることのない権利が含まれる(上記判例参照)。もっとも、公道等、人が他人から容ぼう等を観察されることを受忍せざるを得ない場所においては、プライバシーに対する期待が一定程度後退するから、そのような場所において容ぼう等を撮影されない利益は、身体、住居、財産等に準じるものとはいえない。
 本件事務所は、前面が公道に面した平屋建ての建物で、玄関ドアから外に出るとすぐに公道となっていた。Pが撮影した映像は、男が同事務所の玄関ドアに向かって立ち、ドアの鍵を掛けた後、振り返って歩き出す姿が、容ぼうも含めて映っているものであった。したがって、捜査①は、人が他人から容ぼう等を観察されることを受忍せざるを得ない場所における容ぼう等の撮影である。
 したがって、憲法の保障する重要な法的利益を侵害するとはいえない。

ウ 以上から、強制処分には当たらない。

(2)任意処分としてされる公道等における被疑者の容ぼう等の撮影は、捜査目的を達成するため、必要な範囲において、かつ、相当な方法によって行われたものである限り、適法である(公道及びパチンコ店内における撮影に関する判例参照)。

ア 「捜査目的を達成するため」とは、捜査機関において、被疑者が犯人である疑いを持つ合理的な理由が存在し、その撮影が、犯人の特定等のための重要な判断に必要な証拠資料を入手するためのものであることをいう(判例)。
 Pらが所要の捜査を行ったところ、本件領収書に記載された住所には、実際にA工務店の事務所が存在することが判明したから、甲が犯人である疑いを持つ合理的な理由が存在する。Pらは、同事務所の玄関ドアの鍵を開けて中に入っていく中肉中背の男を目撃し、その男が甲又はA工務店の従業員である可能性があると考えて、下線部①の捜査を行ったから、その撮影が、犯人の特定等のための重要な判断に必要な証拠資料を入手するためのものといえる。以上から、下線部①の捜査は、捜査目的を達成するためのものといえる。

イ Pが撮影した映像は全体で約20秒間のものであり、男が同事務所の玄関ドアに向かって立ち、ドアの鍵を掛けた後、振り返って歩き出す姿が、容ぼうも含めて映っているものであったから、被疑事実が詐欺罪(法定刑は長期10年の懲役。刑法246条1項。)であることも考慮すると、下線部①の捜査は、必要な範囲において、かつ、相当な方法によって行われたものといえる。

(3)よって、下線部①の捜査は、適法である。

2 下線部②の捜査

(1)ア 下線部②の捜査は、合理的に推認される甲の意思に反して秘かに行われたから、甲の意思を制圧してされたものである。

イ 下線部②の捜査は、本件事務所内の様子を撮影するものである。確かに、本件事務所は住居ではなく、Pは同事務所の敷地に立ち入っておらず、玄関上部にある採光用の小窓を通して撮影したにとどまる。しかし、公道からは同事務所内の様子を見ることができないこと、向かい側のマンション2階通路に上がって望遠レンズ付きのビデオカメラを用いたことからすれば、「住居、書類及び所持品」に準ずる私的領域への侵入といえ、憲法の保障する重要な法的利益を侵害する。

ウ したがって、強制処分といえる。

(2)検証(218条1項)とは、五感の作用によって場所、物又は人の状態を認識する強制処分をいう。下線部②の捜査は、視覚によって工具箱の状態を認識する強制処分であるから、検証に当たる。しかし、下線部②の捜査は、検証許可状を取得せずに行われた。
 強制処分であっても、現行犯逮捕等の令状を要しない処分と同視すべき事情があると認められる場合には、必ずしも令状を要しない(京都府学連事件、GPS捜査事件各判例参照)。現に犯罪が行なわれ、又は行なわれたのち間がないと認められる場合であって、証拠保全の必要性及び緊急性があり、かつ、その撮影が一般的に許容される限度を超えない相当な方法をもって行なわれるときは、上記令状を要しない処分と同視すべき事情があると認められる(京都府学連事件判例参照)。
 確かに、下線部②の捜査でされた撮影は約5秒間であり、同事務所内の机上に工具箱が置かれている様子が映っているのみで、甲の姿は映っていなかったから、撮影が一般的に許容される限度を超えない相当な方法をもって行なわれたといえる。また、Pらは、監視の最終日、甲が赤色の工具箱を持って本件事務所に入っていくのを目撃し、同工具箱に「A工務店」と書かれたステッカーが貼られていることが確認できれば、甲が犯人であることの有力な証拠になると考えたが、ステッカーが小さく、甲が持ち歩いている状態ではステッカーの有無を確認することが困難であったこと、Pが望遠レンズ付きのビデオカメラで同工具箱を見たところ、同工具箱の側面に、「A工務店」と記載された小さな円形のステッカーが貼られているのが見えたことから、証拠保全の必要性及び緊急性がある。しかし、現に犯罪が行なわれ、又は行なわれたのち間がないと認められる場合ではない。
 以上から、令状を要しない処分と同視すべき事情があるとはいえない。

(3)よって、下線部②の捜査は、違法である。

第2 設問2

1 小問1

(1)320条1項の「書面」(供述代用書面)とは、供述を内容とする書面であって、その供述により再現されたとおりの事実の存在を要証事実とするものをいう。

ア 本件メモは、Vの供述を内容とする書面である。

イ Qは、本件メモの立証趣旨について、「甲が、平成30年1月10日、Vに対し、本件メモに記載された内容の文言を申し向けたこと」であると述べたこと、甲がVに申し向けた内容は詐欺罪の犯罪事実である欺く行為を構成することから、本件メモの要証事実は、甲がVに対して申し向けた内容が、本件メモに記載されたとおりの内容の文言であったことである。
 本件メモは、犯人が言った内容についてのVの体験を再現したものである。したがって、本件メモは、Vの供述により再現されたとおりの事実の存在を要証事実とするものといえる。

ウ 以上から、本件メモは、320条1項の「書面」に当たる。

(2)320条1項の「書面」であっても、被告人以外の者が作成した供述書で、321条1項3号の場合には、証拠とすることができる(320条1項、321条1項柱書)。なお、供述書には録取過程がないから、署名押印を要しない(判例)。

ア 本件メモは、Vが作成した供述書である。

イ 記憶喪失が一時的なものではなく、通常の手段を尽くしても記憶の回復が困難である場合には、供述者が国外にいる場合以上の事由があるといえるから、供述不能事由に当たる。
 Vは脳梗塞で倒れ、Vの担当医師は、Vの容体について、「今後、Vの意識が回復する見込みはないし、仮に意識が回復したとしても、記憶障害が残り、Vの取調べをすることは不可能である。」との意見を述べたから、通常の手段を尽くしても記憶の回復が困難である場合といえる。したがって、供述不能事由がある。

ウ 甲は、「V方に行ったことはありません。」と述べて犯行を否認している。本件メモ以外にQが取調請求をしている証拠は、本件領収書の印影と本件事務所から押収された認め印の印影が合致する旨の鑑定書、本件領収書から検出された指紋と甲の指紋が合致する旨の捜査報告書、Vから本件メモ及び本件領収書の任意提出を受けた旨の任意提出書等及び本件領収書である。これらの証拠では、甲の欺く行為の具体的内容を明らかにすることはできない。また、Vが脳梗塞で倒れたため、PはVの供述調書の作成を断念しており、この点に関するVの供述調書も存在しない。
 以上から、本件メモは、犯罪事実の存否の証明に欠くことができない。

エ 特信情況は、供述がなされた外部的事情を基準として判断すべきであるが、外部的事情を推認させる資料として、供述内容を考慮することができる(判例)。
 本件メモは、Vが、犯行当日の午後7時頃、Vの長男WがV方を訪問した際に工事の話をしたことを契機に、詐欺の被害に遭ったことに気付き、Wから、犯人が言った内容を記載しておいた方がよいと言われたため、その場で、メモ用紙にその内容を記載したものである。Wは、Pに対し、「提出したメモは、昨夜、母が、私の目の前で記載したものです。そのメモに書かれていることは、母が私に話した内容と同じです。」と説明し、証人尋問においても、同旨の証言をした。本件メモは全ての記載がVによる手書き文字であり、信用性を疑わせる外部的事情を推認させる記載は見当たらない。したがって、特に信用すべき情況の下にされたものといえる。

オ 以上から、321条1項3号の場合に当たる。

(3)よって、本件メモの証拠能力は、認められる。

2 小問2

(1)Qは、本件領収書の立証趣旨について、「甲が平成30年1月10日にVから屋根裏工事代金として100万円を受け取ったこと」であると述べたこと、上記事実は詐欺罪の犯罪事実である錯誤に基づく財物の交付を構成することから、本件領収書の要証事実は、上記事実である。

(2)書証とする場合

ア 本件領収書は、甲の供述を内容とする書面であり、「甲が平成30年1月10日にVから屋根裏工事代金として100万円を受け取ったこと」についての甲の体験を再現したものであるから、甲の供述により再現されたとおりの事実の存在を要証事実とするものといえる。したがって、本件領収書は、320条1項の「書面」に当たる。

イ 320条1項の「書面」であっても、被告人が作成した供述書でその供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであって、任意性に疑いがない場合には、証拠とすることができる(同項、322条1項)。

ウ 本件領収書は、甲が作成した供述書である。

エ 本件領収書は、錯誤に基づく財物の交付に当たる事実を推認させる証拠であるから、甲に不利益な事実の承認を内容とする。

オ 本件領収書は、Vから工事代金として現金100万円を受領した際にVに交付されたものであり、任意性に疑いはない。

カ よって、書証とする場合には、本件領収書に証拠能力が認められる。

(3)物証とする場合

ア 供述を含む証拠であっても、専らその存在又は状態を証拠とする趣旨で採用する場合には、非供述証拠(証拠物)としての手続によれば足り、供述証拠としての要件を充足することを要しない。もっとも、非供述証拠(証拠物)として採用した証拠については、専らその存在又は状態が証拠となるに過ぎないから、その証拠に含まれる供述の内容を事実認定に用いることは許されない。したがって、裁判所が、供述の内容を事実認定に用いるために証拠を採用するためには、供述証拠としての要件を充足することが必要である(犯行被害再現実況見分調書事件判例参照)。請求証拠を非供述証拠的に用いたのでは自然的関連性が認められない場合には、裁判所は、たとえ当事者が非供述証拠的使用を示唆していたとしても、これを非供述証拠として証拠採用する余地はない(上記判例参照)。
 本件領収書について、専らその存在又は状態を証拠とする場合には、その内容を事実認定に用いることは許されない。本件領収書は、その内容を離れた形状等のみでは、要証事実である「甲が平成30年1月10日にVから屋根裏工事代金として100万円を受け取ったこと」との関係で何らの証明力も有しない。そうすると、本件領収書を物証として非供述証拠的に用いたのでは、要証事実との関係で自然的関連性が認められない。したがって、本件領収書を非供述証拠として証拠採用する余地はない。

イ よって、物証とする場合には、本件領収書に証拠能力は認められない。

以上

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2018年07月24日

平成30年司法試験論文式刑事系第1問参考答案

【答案のコンセプトについて】

1.司法試験の論文式試験において、合格ラインに達するための要件は、概ね

(1)基本論点抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを摘示できている。

という3つです。とりわけ、(2)と(3)に、異常な配点がある。(1)は、これができないと必然的に(2)と(3)を落とすことになるので、必要になってくるという関係にあります。応用論点を拾ったり、趣旨や本質論からの論述、当てはめの事実に対する評価というようなものは、上記の配点をすべて取ったという前提の下で、優秀・良好のレベル(概ね500番より上の順位)に達するために必要となる程度の配点があるに過ぎません。 

2.ところが、法科大学院や予備校では、「応用論点に食らいつくのが大事ですよ。」、「必ず趣旨・本質に遡ってください。」、「事実は単に書き写すだけじゃダメですよ。必ず自分の言葉で評価してください。」などと指導されます。これは、必ずしも間違った指導ではありません。上記の(1)から(3)までを当然にクリアできる人が、さらなる上位の得点を取るためには、必要なことだからです。現に、よく受験生の間に出回る超上位の再現答案には、応用、趣旨・本質、事実の評価まで幅広く書いてあります。しかし、これを真似しようとするとき、自分が書くことのできる文字数というものを考える必要があります。
 上記の(1)から(3)までを書くだけでも、通常は6頁程度の紙幅を要します。ほとんどの人は、これで精一杯です。これ以上は、物理的に書けない。さらに上位の得点を取るために、応用論点に触れ、趣旨・本質に遡って論証し、事実に評価を付そうとすると、必然的に7頁、8頁まで書くことが必要になります。上位の点を取る合格者は、正常な人からみると常軌を逸したような文字の書き方、日本語の崩し方によって、驚異的な速度を実現し、7頁、8頁を書きますが、普通の考え方・発想に立つ限り、なかなか真似はできないことです。
 文字を書く速度が普通の人が、上記の指導や上位答案を参考にして、応用論点を書こうとしたり、趣旨・本質に遡ったり、いちいち事実に評価を付していたりしたら、どうなるか。必然的に、時間不足に陥ってしまいます。とりわけ、上記の指導や上位答案を参考にし過ぎるあまり、これらの点こそが合格に必要であり、その他のことは重要ではない、と誤解してしまうと、上記の(1)から(3)まで、とりわけ(2)と(3)を省略して、応用、趣旨・本質、事実の評価を書きにいってしまう。これは、配点が極端に高いところを書かずに、配点の低いところを書こうとすることを意味しますから、当然極めて受かりにくくなるというわけです。

3.上記のことを理解した上で、上記(1)から(3)までに絞って答案を書こうとする場合、困ることが1つあります。それは、純粋に上記(1)から(3)までに絞って書いた答案というものが、ほとんど公表されていないからです。上位答案はあまりにも全部書けていて参考にならないし、合否ギリギリの答案には上記2で示したとおりの状況に陥ってしまった答案が多く、無理に応用、趣旨・本質、事実の評価を書きにいって得点を落としたとみられる部分を含んでいるので、これも参考になりにくいのです。そこで、純粋に上記(1)から(3)だけを記述したような参考答案を作れば、それはとても参考になるのではないか、ということを考えました。下記の参考答案は、このようなコンセプトに基づいています。

4.参考答案の太字強調部分は、「司法試験定義趣旨論証集(刑法総論)及び「司法試験定義趣旨論証集(刑法各論)に準拠した部分です。

 

【参考答案】

第1 設問1

1 丙に対する名誉毀損罪(230条1項)の成否

(1「名誉」(230条)とは、人に対する社会的評価(外部的名誉)をいう「毀損」というためには、事実の摘示で足り、現実的、具体的に社会的評価が低下したことを要しない(抽象的危険犯、判例)「事実」(230条)とは、他人の社会上の地位又は価値を侵害するに足りる事実をいう(判例)
 乙は、PTA役員会において、「2年生の数学を担当する教員がうちの子の顔を殴った。」と発言した。A高校2年生の数学を担当する教員は、丙だけであった。したがって、乙は、丙の社会上の地位又は価値を侵害するに足りる事実を摘示したといえ、「事実を摘示し、人の名誉を毀損した」といえる。

(2)「公然」とは、不特定又は多数人が認識し得る状態をいうたとえ事実摘示の直接の相手方が特定少数者に対するものであったとしても、不特定多数人への伝播可能性がある場合には、「公然」に当たる(判例)
 確かに、PTA役員会の出席者は乙を含む保護者4名とA高校の校長であり、特定少数者であった。同委員会において、乙は「徹底的に調査すべきである。」と発言し、この乙の発言を受けて、A高校の校長が丙やその他の教員に対する聞き取り調査を行った結果、A高校の教員25名全員に丙が甲に暴力を振るったとの話が広まったが、A高校の教員には守秘義務があると考えられる。しかし、同委員会に出席した乙以外の保護者3名から不特定多数人への伝播可能性がある。したがって、「公然」に当たる。

(3)乙は、かねてから丙に対する個人的な恨みを抱いていたことから、この機会に恨みを晴らそうと思い、丙が甲に暴力を振るったことを多くの人に広めようと考えて、上記発言を行ったから、上記(1)、(2)の点を認識、認容していたといえ、故意がある。

(4)以上から、名誉毀損罪が成立する。

2 A高校に対する信用毀損罪(233条)の成否

(1)「信用」とは、人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定されるべきものではなく、販売される商品の品質に対する社会的な信頼も含む(コンビニジュース虚偽異物申告事件判例参照)「流布」とは、不特定又は多数人に広めることをいい、直接の相手方が特定少数人であったとしても、不特定又は多数人に伝播するおそれがある限り「流布」に当たる(判例)
 乙は、PTA役員会において、「2年生の数学を担当する教員がうちの子の顔を殴った。」と発言した。上記発言は、甲がとっさにしたうその話を信じたものであるから、「虚偽の風説」に当たる。前記1(2)のとおり、直接の相手方は特定少数人であったが、不特定又は多数人に伝播するおそれがあったから、「流布」したといえる。A高校において販売される商品は教育であり、その品質に対する社会的な信頼を低下させるに足りるから、「信用を毀損」したといえる。

(2)もっとも、乙は、甲がとっさにしたうその話を信じたのであり、上記発言が「虚偽の風説」に当たることの認識がない。したがって、故意がない。

(3)以上から、信用毀損罪は成立しない。

3.よって、乙は、名誉毀損罪の罪責のみを負う。

第2 設問2

1 不作為による殺人未遂罪が成立するとの立場からの説明

(1)不真正不作為犯が成立するには、作為との構成要件的同価値性を基礎づける保証人的地位に基づく作為義務が必要である。具体的には、法益を排他的に支配し、作為が可能かつ容易であったことを要する
 甲が乙を発見したのは、午後10時30分頃である。山道脇の駐車場には、街灯がなく、夜になると車や人の出入りがほとんどなかった。乙が転倒した場所は、草木に覆われており、山道及び同駐車場からは倒れている乙が見えなかった。甲は、バイクから降りて、乙に近づいて乙の様子を見ていた。他に、乙の様子を見ていた者がいたという事実はない。乙が転倒した場所のすぐそばが崖となっており、崖から約5メートル下の岩場に乙が転落する危険があった。現に、甲がバイクで走り去った後、乙は崖下に転がり落ち、後頭部を岩に強く打ち付け、後頭部から出血して意識を失うに至った。この時点で、乙の怪我の程度は重傷であり、乙が意識を失ったまま崖下に放置されれば、その怪我により乙が死亡する危険があった。以上から、甲は、乙の生命を排他的に支配していた。
 また、乙が崖近くで転倒した時点で、同駐車場に駐車中の乙の自動車の中に乙を連れて行くなどすれば、乙が崖下に転落することを確実に防止することができたし、甲は、それを容易に行うことができた。したがって、作為が可能かつ容易であった。
 以上から、甲には、乙を救命すべき作為義務があった。それにもかかわらず、乙の救助を一切行うことなく、その場からバイクで走り去ったから、その不作為は殺人罪の実行行為に当たる。

(2)甲は、バイクから降りて、乙に近づいて乙の様子を見ており、乙が転倒した場所のすぐそばが崖となっており、崖下の岩場に乙が転落する危険があることを認識していた。それにもかかわらず、その場からバイクで走り去った以上、少なくとも、乙の死亡について未必的な認識・認容がある。
 以上から、甲に殺人罪の故意がある。

(3)よって、殺人未遂罪が成立する。

2 保護責任者遺棄等(致傷)罪にとどまるとの立場から考えられる反論

(1)乙が崖近くで転倒した時点では、乙の怪我の程度は軽傷であり、その怪我により乙が死亡する危険はなかった。甲がバイクで走り去った後、乙が崖下に転がり落ちたのは、乙が意識を取り戻して起き上がろうとした際に、崖に向かって体を動かしたためである。
 以上から、甲には、乙の生命について排他的支配があったとはいえず、甲には、殺人罪の不真正不作為犯の成立に必要な作為義務はない。

(2)甲は、バイクから降りて、乙に近づいて乙の様子を見ており、乙の怪我が軽傷であることを認識していた。したがって、乙の死亡について未必的にも認識・認容があるとはいえない。
 したがって、甲に殺人罪の故意はない。

3 甲の罪責

(1)怪我により乙が死亡する危険はなくても、乙が意識を取り戻して起き上がろうとした際に崖に向かって体を動かしただけで、崖から約5メートル下の岩場に転落する危険があったことからすれば、前記2(1)の反論を考慮しても、甲には、不作為の殺人罪に係る作為義務がある。

(2)甲は、バイクから降りて、乙に近づいて乙の様子を見ており、乙の怪我が軽傷であることを認識していただけでなく、乙が転倒した場所のすぐそばが崖となっており、崖下の岩場に乙が転落する危険があることも認識していた。そうである以上、転落して死亡に至るかもしれないことは認識していたといえ、それにもかかわらず、バイクで走り去ったということは、そのような事態に至るかもしれないが、それでも構わないという認容があったといえる。したがって、前記2(2)の反論を考慮しても、甲に殺人罪の故意がある。

(3)よって、甲は殺人未遂罪の罪責を負う。

第3 設問3

1 乙と誤認した丁との関係

(1)甲には無関係の丁を救助する義務は認められない以上、不能犯であり、殺人未遂罪は成立しないのではないか。

(2)不能犯とは、行為の性質上、結果発生が絶対に不能なものをいう(判例)諸事情の変動により結果が発生する可能性があったと認められるときは、行為の性質上、結果発生が絶対に不能なものとはいえないから、不能犯は成立しない(空気注射事件判例参照)
 親に生じた危難について子は親を救助する義務を負うから、甲には乙を救助する義務がある。駐車場には、丁以外にも負傷した乙が倒れており、甲は、乙の存在に気付いていなかったが、丁を救助するために丁に近づけば、容易に乙を発見することができた。丁を乙と誤認したのは、丁の体格や着衣が乙に似ていたこと、同駐車場に乙の自動車が駐車されていたこと、夜間で同駐車場には街灯がなく暗かったことによる。したがって、諸事情の変動により結果が発生する可能性があったと認められる。したがって、不能犯は成立しない。

(3)よって、乙と誤認した丁との関係で、甲に殺人未遂罪が成立する。

2 乙との関係

(1)甲が丁の救助を一切行うことなく、その場からバイクで走り去ったことは、同時に乙の救助を行わない不作為でもある。親に生じた危難について子は親を救助する義務を負うから、甲には、乙を救助する義務がある。したがって、乙との関係で、不作為の殺人罪の実行行為がある。もっとも、甲は、乙の存在に気付いていなかったから、故意がないのではないか。

(2)行為者の認識した事実と発生した事実とが構成要件の範囲内で一致すれば故意が認められ、故意の個数は問わない(判例)から、具体的事実の錯誤は故意を阻却しない
 甲は、丁を乙と誤認し、重傷を負った乙が死んでも構わないと思っていたから、行為者の認識した事実と発生した事実とは殺人罪の構成要件の範囲内で一致している。したがって、乙に対する殺人罪の故意を阻却しない。

(3)よって、乙との関係で、甲に殺人未遂罪が成立する。

以上

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2018年07月21日

平成30年司法試験論文式民事系第3問設問1の補足説明

1.民訴法は、当サイトで実施したアンケートで難しかったと答えた人の割合が最も高かった科目でした。設問2で文書提出義務という、これまで出題頻度の低かった分野からの出題があったこともありますが、設問1で何を答えてよいかわからず、戸惑った、ということも、難しいと感じさせた原因になっていたのでしょう。そこで、設問1について、補足的な説明をしておきたいと思います。

2.まず、合格点を取るためには、どのように考えればよかったか、という話をしましょう。当サイトで繰り返し説明しているとおり、現在の司法試験では、基本論点について、規範を明示し、事実を摘示して解答すれば、優に合格答案になります。一見して何を解答してよいか判然としないような問題であっても、部分的にみれば、明らかに配点がある基本論点があるものです。そこをきちんと書いておけば、後はほとんど白紙に近い解答でも、合格答案になる。本試験の現場では、そのような視点を持っているかどうかで、問題文を見る目が変わるものです。その観点から、設問1で、配点があることの明らかな基本論点は何か。冷静に見れば、以下の部分だとわかるはずです。

 

(問題文より引用。太字強調は筆者。)

 L1:これらの課題に答えるためには,まず,Bの訴えの訴訟物を明示して,それが,Aが起こそうとしている訴えの適法性にどのように関わってくるのかを考える必要があります。

(引用終わり)

 

 Bの訴えは、いわゆる請求の趣旨で上限を示さない金銭債務の一部不存在確認の訴えです。

 

(問題文より引用。太字強調は筆者。)

 L2は,Bの訴訟代理人として,Bを原告,Aを被告として次のような内容の訴状を乙地裁に提出して訴えを提起した(以下「Bの訴え」という。)。

①請求の趣旨:「本件事故に係るBのAに対する不法行為に基づく損害賠償債務は150万円を超えないことを確認する」との判決を求める

(引用終わり)

 

 これは、最判昭40・9・17のある基本論点ですね。

 

最判昭40・9・17より引用。太字強調は筆者。)

 上告人らの被上告人に対する請求の趣旨として、「上告人Aの被上告人に対する債務の残存元本は金一四万六、四六五円を超えて存在しないことを確認する。その余の上告人らの被上告人に対する債務の不存在を確認する」の記載があり、その請求の原因の要旨としては、(1)訴外Dは昭和三二年四月二三日被上告人から金一一〇万円を弁済期同三三年三月末日などの約で借り受けたが、同訴外人は、同年九月三日死亡し、上告人ら一一名が相続し、右債務を承継したが、上告人Aにおいて単独で右全債務を引き受けることとし、被上告人も、これを承諾し、その余の上告人らに対する債務わ免除した。(2)そして、上告人Aは、右貸金債務に対し(イ)同三二年一二月二四日金八三万三、五三五円を、(ロ)同三三年四月七日金五万円を、(ハ)同年一二月二八日金七万円を、それぞれ弁済したから、右貸金債務の残元金は金一四万六、四六五円になつた。(3)よつて、上告人らは請求の趣旨記載の判決を求める。というにある
 上告人らの右請求に対し、原判決は、上告人Aにおいて本件貸金の元本債権に弁済したと主張する(イ)同三二年一二月の金八三万三、五三五円の支払について、その内金五〇万円のみが右元本債権に弁済されたが、その余の三三万三、五三五円は本件貸金債権の利息などに弁済されたにすぎず、かりに、(ロ)同三三年四月の金五万円、(ハ)同年一二月の金七万円の弁済が上告人ら主張のとおり本件貸金債権の元本債権に弁済されたとしても、本件貸金の残金元本債権が上告人Aにおいて自認する金一四万六、四五六円をこえることは明らかであり、しかも、上告人らが主張する債務引受の事実は認めがたい旨判示して、上告人らの本所請求を全部排斥していることが認められる。
 しかし、本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範囲(訴訟)は、上告人Aについては、その元金として残存することを自認する金一四万六、四六五円を本件貸代金債権金一一〇万から控除した残額九五万三、五三五円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金九五万三、五三五円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存在の確認であることが認められる。

(引用終わり)

 

 請求の趣旨において債務の上限額が示されていない場合であっても、請求原因などの記載から上限額が特定できるときは、その額を上限として訴訟物を確定するのでした。本問は、請求原因の記載から、400万円を上限とするものと特定することが可能な事例です。

 

(問題文より引用。太字強調は筆者。)

 L2は,Bの訴訟代理人として,Bを原告,Aを被告として次のような内容の訴状を乙地裁に提出して訴えを提起した(以下「Bの訴え」という。)。

 ①請求の趣旨:「本件事故に係るBのAに対する不法行為に基づく損害賠償債務は150万円を超えないことを確認する」との判決を求める。
②請求の原因の要旨:本件事故はBとCによるAに対する共同不法行為に当たるが,本件事故によって発生したAの損害の金額は,高く見積もっても150万円である。ところが,Aは損害額が400万円を下回らないと主張して譲歩しようとしない。よって,Bは,Aとの間で,本件事故に係る不法行為に基づく損害賠償債務が150万円を超えないことの確認を求める。

(引用終わり)

 

 そうすると、訴訟物は、上限額である400万円から自認額である150万円を控除した額ということになるわけですから、250万円ということになる。このことを、上記判例の規範を明示し、問題文の事実を摘示して答案にきちんと示すことができたか。これが、設問1で合否を分ける第1のポイントです。言われてみれば、「何だ簡単じゃん。」と思うかもしれませんが、「配点のあることが明らかな基本事項はないか。」という視点を持っていないと、意外と落としてしまうものなのです。ここに大きな配点があることに気付かないと、特に理由も付すことなく、漫然と、「Bの訴えの訴訟物は本件事故に係るBのAに対する不法行為に基づく損害賠償債務のうち150万円を超える部分である。」などと、雑に書いてしまいがちです。これでは、評価を落とすでしょう。本問は、課題(1)、(2)の中身を議論する前の段階で、大きく差が付くのです。

 もう1つ、問題文で明示的に指示されていたのは、「Aが起こそうとしている訴えの適法性にどのように関わってくるのか」でした。重複訴訟(142条)のことだろう、ということは、容易にわかります。判例は、重複訴訟に該当するか否かについて、既判力抵触のおそれがあるかによって判断しています。

 

最判昭49・2・8より引用。太字強調は筆者。当時の民訴法231条は、現在の142条に対応する。)

 確定判決の既判力は、主文に包含するもの、すなわち訴訟物として主張された法律関係の存否に関する判断の結論そのものについて及ぶだけで、その前提たる法律関係の存否にまで及ぶものではなく(最高裁昭和二八年(オ)第四五七号同三〇年一二月一日第一小法廷判決・民集九巻一三号一九〇三頁参照)、本件の場合、本件土地ほか二筆の土地の売買契約による所有権に基づき右土地の所有権移転登記手続を求める別件訴につき、仮にこれを認容する判決が確定しても、その既判力は基本たる所有権の存否に及ばないから、後訴である本件訴のうち所有権の確認を求める請求に関する部分は、前訴である別件訴と重複して提起された訴として民訴二三一条の規定に違反するものと解することはできない。そうすると、この点に関する所論は採用することができない。しかし、別件訴と本件訴のうち被上告人らが上告人に対し本件土地売買による所有権移転登記請求権を有しないことの確認を求める請求に関する部分は、いずれも同一の当事者間において、本件土地の同一の売買契約に基づく所有権移転登記請求権につき、前者が積極的にその存在を前提として登記手続を求め、後者が消極的にその不存在の確認を求めるものであつて、両請求にかかる判決の既判力の範囲は全く同一であるから、本件訴のうち登記請求権不存在の確認を求める請求に関する部分は、民訴法二三一条の重複起訴の禁止に牴触するものといわなければならない。

(引用終わり)

 

 この規範を示して、本問で課題とされている各訴えについて当てはめる。そうすると、Bに対する訴えについては、250万円の限度で重複する訴えとなるが、Cに対する訴えについては、当事者(115条1項1号)が異なるのだから、既判力が抵触することはなく、重複する訴えとはならないこの点について、答案で明示的に解答することになります。重複訴訟については書いた人が多いと思いますが、漫然と各課題の訴え全体が重複訴訟に当たる、とするだけで、Bに対する訴えについて重複訴訟となるのは250万円の限度であることや、Cに対する訴えとの関係では重複訴訟とならないことについて、明示できているものは、意外と少ないのではないかと思います。これが、合否を分ける第2のポイントです。
 ここまでを的確に解答していれば、後は、よほど変なことを書いていない限り、合格ラインは超えるでしょう。上記のことを前提に形式的に処理するなら、課題(1)前段は150万円の限度で適法、課題(1)後段はBに対する訴えは150万円の限度で適法、Cに対する訴えは全部適法、課題(2)も課題(1)後段と同じ、ということになるでしょう。「これじゃ適法にしろという問いの要求に答えてないし、課題(2)の意味がないじゃないか。」と思うかもしれませんが、これでも、最低限の合格答案だろうと思います。逆に、ここまでが雑だと、「課題(1)と課題(2)は上位陣と同じ筋で解答したのに、どうしてこんなに評価が低いんだ!」ということになるわけです。

3.そういうわけで、ここから先は、実戦的にはどうでもいい話です。とはいえ、多くの受験生の関心は、ここから先の部分にあるのでしょう。合否に関係のある基本部分については関心が薄いが、合否に関係のない応用部分には、関心が集まる。これは、答案の評価について主観と客観にズレが生じる原因の1つでもあります。そのことを確認した上で、雑談的に、少し検討してみましょう。
 まず、確認しておくべきは、本問で問われている「訴え」とは、別訴だけを指すのか、反訴も含むのか、ということです。

 

(問題文より引用。太字強調は筆者。)

L1:そのとおりです。では,まず,AがBを被告として乙地裁に訴えを提起する場合に,訴えが適法といえるか,また,その場合に,Aは,CをもBと共同被告とすることができるか。いずれも適法であるとの方向で立論を工夫してください。これらを「課題(1)」とします。

P:分かりました。

L1:しかし,AとCは甲市に住んでいて私の事務所も甲市にあるので,費用や時間の点から,甲地裁に訴えを提起して訴訟追行ができるかも考えておきたいところです。AがBとCを共同被告とする訴えを甲地裁に提起する場合に,この訴えが適法といえるか。これも,この訴えが適法であるという方向で,説得力のある立論をしてください。これを「課題(2)」とします。

P:分かりました。

(引用終わり)

 

 受験生の通常の感覚からすれば、単に「訴え」と言われれば、それは別訴のことだろう、と思うのではないかと思います。旧司法試験の問題文では、そのような理解に基づく用例もみられます。

 

平成15年旧司法試験論文式試験民事訴訟法第2問より引用。太字強調は筆者。)

 甲は,乙に対し,乙所有の絵画を代金額500万円で買い受けたとして,売買契約に基づき,その引渡しを求める訴えを提起した。
 次の各場合について答えよ。

1 甲の乙に対する訴訟の係属中に,乙は,甲に対し,この絵画の売買代金額は1000万円であるとして,その支払を求める訴えを提起した

(1) 甲は,乙の訴えについて,反訴として提起できるのだから別訴は許されないと主張した。この主張は,正当か。

(引用終わり)

 

 単に「訴えを提起した」と記載されていますが、その後の「別訴は許されない」という記載から、これは専ら別訴を指すことがわかります。このような理解を前提にすると、本問は専ら別訴の適法性が問われているということになるので、重複訴訟に当たるけれども弁論の併合によって適法と考えるべきだ、というくらいしか、思い付かないだろうと思います。参考答案は、そのような考え方から、なんとなくふにゃふにゃと書いています(「平成30年司法試験論文式民事系第3問参考答案」)。これでは低い評価になる、と思った人は、この記事の前半部分をもう一度読み直すべきです。

 正解という意味でいえば、本問では、反訴も含めて考えるべきでした。そもそも、反訴とは、係属中の訴訟における被告が、原告に対して提起する「訴え」であるとされていますから、概念的には、「訴え」の中に反訴も含まれるのです。すなわち、「訴えを提起する」には、「反訴として提起する」場合と、「別訴として提起する」場合がある過去の司法試験における用例でも、そのように理解されるものがあります。

 

平成28年司法試験民事系第3問より引用。太字強調は筆者。)

P2:分かりました。Zとしては,Zの解任決議が無効であること,及びZがXの会長の地位にあることの確認を求める訴えを提起することが考えられ,その場合,Xを被告とすることが適当であると思います。そして,第1訴訟の中で,Zが会長の地位にあり,自らの解任決議は無効であることを主張するわけですから,反訴として提起することが簡便だと思います

 (中略)

L2:少なくとも,そういう反論に備えておく必要はあるでしょうね。以上のことを踏まえた上で,Zが解任決議が無効であることやZがXの会長の地位にあることを確認する訴えを提起することについて訴えの利益が認められるという理由付けを具体的にまとめてみてください。それから,反訴として提起するということですから,民事訴訟法第146条第1項所定の要件についての検討も念のために行っておいてください。

(引用終わり)

平成28年司法試験出題趣旨より引用。太字強調は筆者。)

 本問は,権利能力なき社団の構成員に総有的に帰属する財産をめぐる紛争を基本的な題材として,①当該社団の構成員が原告となって総有財産の所有関係を第三者に主張する場合には,それが固有必要的共同訴訟に当たることを前提に,そのような訴訟を現実に遂行した場合に生じ得る問題についての解決方法(〔設問1〕),②当該社団が原告となり社団の元代表者等を被告として総有財産の帰属関係等を争う訴訟において,元代表者が解任決議の無効や会長の地位確認を求める訴えを反訴で提起することにつき,訴えの利益や反訴要件の有無(〔設問2〕),③当該訴訟において敗訴した被告の一方が他方の被告に対して債務不履行責任を追及する場合に,前訴においても審理された総有財産の帰属に関して改めて審理・判断することの可否(〔設問3〕)に関して,検討をすることが求められている。

(引用終わり)

 

 もっとも、そう考えると、課題(1)後段と課題(2)が、急に難しくなるようにみえます。反訴というのは、本訴原告を反訴被告として提起する訴えですから、課題(1)後段のように、Cを共同被告とすることは、できないはずです。また、146条1項本文は「本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。」としているわけですから、課題(2)のように、甲地裁に反訴を提起することも、できないでしょう。現場で、「訴え」に反訴が含まれるかも、と思いながらも、このようなことを考えて断念した、という人もいるかもしれません。ここに関しては、それでも仕方がないのかな、という感じです。
 正解という意味では、課題(1)後段については、いわゆる「第三者に対する反訴の可否」というマイナー論点です。結論的には、通常の反訴+主観的追加的併合として肯定するのが、学説では多数でしょう。任意的当事者変更における複合行為説と同様の考え方です。主観的追加的併合は平成20年司法試験でも、判例の射程論という形で問われていたので、同様の発想で解答することは、不可能ではなかっただろうと思います。「第三者に対する反訴の可否」という論点自体を知らなくても、過去問を繰り返し解いていた上位陣であれば、気付くことができたでしょう。とはいえ、本問では平成20年のような露骨な問われ方をしていないので、普通の受験生は、気付かなくてもやむを得ないところです。

 

平成20年司法試験出題趣旨より引用。太字強調は筆者。)

 設問3は,取締役解任の訴えが,被告側の固有必要的共同訴訟であることを理解した上で,原告の立場から,主観的追加的併合(原告による被告の追加)が許容されるべきことの主張を具体的な事案に即して行わせるものである。周知のとおり,主観的追加的併合が理論的に許容されるか否かは,民事訴訟法の著名な論点の一つであるが,そこで論じられていることを踏まえつつも,より実務的な観点から,少なくとも本件の具体的な事例の下においては主観的追加的併合が許容されるべきことを示すことが必要になる。具体的には,取締役解任の訴えが被告側の固有必要的共同訴訟であって,訴訟共同と合一確定が要請される場面であることを考慮すべきであることはもとより,取締役解任の訴えにおいては,出訴期間が法定されており,本件においては,改めて再訴を提起する方法によっては期間徒過により対応できないということ,そして被告追加の申立てがされたのが,訴訟の極めて初期段階にあること,といった本件固有の事情を的確に抽出し,それを最高裁判決摘示の理由に対する反論の形で展開していくことが求められる

(引用終わり)

 

 課題(2)については、最判平16・3・25がヒントになります。

 

最判平16・3・25より引用。太字強調は筆者。)

 第2事件の平成7年契約関係被上告人5社の上記保険金支払債務の不存在確認請求に係る訴えについては,第3事件の上告人らの平成7年契約に基づく保険金等の支払を求める反訴が提起されている以上,もはや確認の利益を認めることはできないから,平成7年契約関係被上告人5社の上記訴えは,不適法として却下を免れないというべきである。

(引用終わり)

 

 債務不存在確認の訴えに対し、同一の債権についての給付の訴えが反訴として提起された場合には、先に提起された債務不存在確認の訴えは確認の利益を欠くに至る。本問についていえば、課題(1)の訴えが反訴として提起されると、Bの訴えは確認の利益を失い、却下されるということです。では、課題(2)のように、給付の訴えが別の裁判所に提起された場合には、どうか。これが、課題(2)の主たる論点です。上記判例の射程論ということもできるでしょう(※1)。
 ※1 従来であれば、上記判例を問題文に掲載した上で、その趣旨を確認させて射程論を展開するよう、誘導を付していたでしょう。考査委員の交代の影響かもしれませんが、不親切になった、という印象を受けます。

 上記判例の趣旨は、「不存在確認の訴えよりも給付の訴えの方が、執行力の点で紛争解決に資するのだから、両者が提起された場合には給付の訴えに一本化すべきである。」ということなのだろう、ということは、想像できます。そのことからすれば、反訴でも別訴でも、変わりがないようにみえる。反訴と別訴の違いは、併合審理の有無ということになるわけですが、不存在確認の訴えの方は本案審理に入らず却下されるのだから、併合の有無は関係なさそうだ。このようなことを指摘して、課題(2)の訴えによってBの訴えは却下されるに至るのだから、課題(2)の訴えは重複訴訟として不適法となることはない、と解答すれば、優秀レベルでしょう(後記大阪高決平26・12・2の原決定の立場)。厳密には、不存在確認訴訟において証拠調べがされていた場合、反訴であれば併合審理による証拠共通が働く(最判昭41・4・12)のに対し、別訴だとそれがないので、その場合には別訴によることはできないのではないか、という点は問題となり得るでしょう(※2)。しかし、本問ではいまだBの訴えについて証拠調べの段階に入っていないと考えられますから、その点も問題はないだろうと思います(※3)。
 ※2 例えば、不存在確認訴訟における証人尋問によって債権者である被告に不利な証言がなされたので、別訴を提起して仕切り直そうとする場合に、この問題が顕在化します。再度の証人尋問が必要となって期日を浪費するだけでなく、その間に証言を変更させようとする働きかけが行われるおそれもあるでしょう。もっとも、このようなやや極端な事例の場合には、訴訟上の信義則等を理由に排斥する余地はありそうです。
 ※3 仮に、このような論理によって課題(2)の訴えが適法となるなら、実は課題(1)の訴えも反訴とする必要はなく、別訴として提起できたことになります。そうなると、課題(1)から別訴1本で構成する解答もあり得ることになるわけですが、課題(1)については理論的なハードルの低い反訴の方を考えるのが素直なので、正解としては反訴の構成が想定されているのでしょう。

 なお、裁判例では、先後関係を重視して他の裁判所への別訴を認めず、債務不存在確認訴訟の係属する裁判所に移送(17条)した大阪高決平26・12・2があります。

 

(大阪高決平26・12・2より引用。太字強調は筆者。)

 訴訟係属の先後関係は、訴状が被告に送達された日の先後をもって決すべきであるから、別件訴訟の訴訟係属の後に訴訟係属した基本事件は、民訴法一四二条が禁止する重複訴訟として、訴えの却下を免れない。したがって、基本事件は、東京地方裁判所に移送された後に、別件訴訟と併合され、別件請求の反訴として扱われない限り、却下されるべきものである。
 Yは、基本事件が提起されたことにより、別件訴訟のうち別件請求に係る訴えは、訴えの利益を欠くに至ったものとして、却下されるべきである旨主張するしかしながら、重複訴訟に当たるかどうかの基本となるべき訴訟係属の先後関係は、上記のとおり判断すべきものであるから、Yの上記主張は、この点において既に採用できない。」

(引用終わり)

 

 「重複する訴えであっても、反訴であれば適法に係属するので、その反訴の係属の効果によって、本訴である不存在確認の訴えの確認の利益が失われる。しかし、別訴の場合には、重複する訴えとして不適法却下を免れないので、別訴が係属することはなく、したがって、不存在確認の訴えの確認の利益が失われることはない。」ということなのでしょう。ロジックとしてはわかるのですが、いかにも形式論という感じがします。仮に、この高裁決定の考え方によるときは、課題(2)は無理なのか、というのは、誰も書かないでしょうが、ひょっとすると出題意図に含まれているかもしれません。本問を敢えて一部不存在確認の訴えの事例にしているので、上記高裁の考え方に立っても、甲地裁で訴訟遂行する余地はあるのです。どういうことか。まず、甲地裁には、Bに対する150万円の支払を求める訴えと、Cに対する400万円の支払を求める訴えを併合提起します。これは問題なくできる。次に、乙地裁には、Bに対する250万円の支払を求める反訴を提起します。これも問題なくできる。そして、Bに対する反訴についてBが応訴した時点で、Bの同意なしに反訴の取下げはできなくなる(261条2項本文)ので、この時点でBの訴えの確認の利益が確定的に失われたと主張して、Bの訴えを却下してもらう(※4)。その上で、残った反訴について甲地裁への17条移送の申立てをする。こんなことを問う趣旨かどうかはわかりませんが、敢えて一部不存在確認の事案にした趣旨を汲み取ると、このようなことになる、ということです(※5。※6。)。もちろん、こんなことを現場で考えているようでは、早く受かるようにはなりません。 
 ※4 仮に、Bが、どうせ却下されるのだからということで、自らBの訴えを取り下げた場合、261条2項ただし書によってBの同意なく反訴を取り下げることができるか。これは、本問の解答には直接関係ありませんが、1つの論点です。同ただし書の趣旨は、本訴原告が紛争解決の意欲をなくして本訴を取り下げた以上、反訴の取下げも認めるという点にあることからすれば、反訴で争うことを前提に本訴を取り下げた場合には、同ただし書は適用されないと考えるのが自然でしょう。
 ※5 仮に、Bの訴えが全部不存在確認の訴えであった場合、甲地裁にはCに対する訴えしか提起できないので、「AがBとCを共同被告とする訴えを甲地裁に提起する場合」という問題文の指定にそぐわなくなってしまいます。
 ※6 おそらくは、単に債務一部不存在確認訴訟の訴訟物についての理解を問いたかった、というだけなのでしょう。

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企業犯罪と刑事コンプライアンス
諫干請求異議訴訟 制裁金の返還要求も 30日控訴審判決
平成30年司法試験予備試験論文式試験問題
体験型プログラム~法科大学院生対象~(法務省)
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
問題演習 基本七法
弁護士・菊間千乃さん 父の「おまえはすごい」力に
NHK受信料に20年の時効なし 最高裁が初判断
民事訴訟法 第3版 (LEGAL QUEST)
砂川事件 「再審せず」確定 最高裁が特別抗告を棄却
砂川事件の再審認めず 最高裁、特別抗告を棄却
民事紛争解決の基本実務
参院「定数6増」より筋の悪い「特定枠」の正体
参議院「定数6増」はいくらなんでも酷すぎる
日弁連研修叢書 現代法律実務の諸問題<平成29年度研修版>
タイ汚職 初の司法取引、法人免責 元取締役ら在宅起訴
社員と協力して上層部摘発のはずが… 初の司法取引、想定と正反対で疑問視も
民事訴訟法辞典
 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案
民事執行法の改正に関する中間試案(平成29年9月8日)
民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

刑事訴訟法等の一部を改正する法律について
法曹養成制度関係閣僚会議
法曹養成制度改革の推進について(PDF)
法曹養成制度改革推進会議
法曹養成制度改革顧問会議
平成30年司法試験予備試験の実施について
平成30年司法試験の実施について
司法試験考査委員の不適切行為に関する通報窓口

  【司法研修所教材・講義案・調査官解説等】
事件記録教材 法科大学院教材
調査官解説
事例で考える民事事実認定
プラクティス刑事裁判
プロシーディングス刑事裁判
検察講義案 平成24年版
新問題研究要件事実
紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂
刑事第一審公判手続の概要
刑事判決書起案の手引
民事判決起案の手引
民事訴訟第一審手続の解説
情況証拠の観点から見た事実認定
民事訴訟における要件事実 第2巻
民事訴訟における要件事実 増補 第1巻
書記官研修講義案等