2019年02月13日

平成31年司法試験の出願者数について(2)

1 今回は、明らかになった出願者数の速報値から、今年の司法試験についてわかることを考えてみます。以下は、直近5年の出願者数、受験者数等をまとめたものです。

出願者数 受験者数 受験率
(対出願)
27 9072 8016 88.3%
28 7730 6899 89.2%
29 6716 5967 88.8%
30 5811 5238 90.1%
31 4930 ??? ???

 

短答
合格者数
短答
合格率
(対受験者)
27 5308 66.2%
28 4621 66.9%
29 3937 65.9%
30 3669 70.0%
31 ??? ???

 

論文
合格者数
論文
合格率
(対短答)
論文
合格率
(対受験者)
27 1850 34.8% 23.0%
28 1583 34.2% 22.9%
29 1543 39.1% 25.8%
30 1525 41.5% 29.1%
31 ??? ??? ???

2 まず、受験者数の予測です。これは、出願者数に受験率を乗じることで、算出できます。受験率は、受験回数制限が緩和されて以降、概ね88%~90%程度で推移しています。ここでは、受験率を89%と仮定して、試算しましょう。

 4930×0.89≒4387

 受験者数は、4387人と推計でき、昨年より850人程度減少するだろうということがわかります。

3 次に、短答合格者数です。現在の短答式試験の合格点は、論文の合格者数を踏まえつつ、短答・論文でバランスのよい合格率となるように決められているとみえます(「平成30年司法試験短答式試験の結果について(1)」)。そうだとすると、短答合格者数を考えるに当たっても、先に論文合格者数がどうなるかを、考えておく必要があるでしょう。そこで問題となるのは、1500人の下限は、今年こそ破られるか、ということです。

 

(「法曹養成制度改革の更なる推進について」(平成27年6月30日法曹養成制度改革推進会議決定)より引用。太字強調は筆者。)

  新たに養成し、輩出される法曹の規模は、司法試験合格者数でいえば、質・量ともに豊かな法曹を養成するために導入された現行の法曹養成制度の下でこれまで直近でも1,800人程度の有為な人材が輩出されてきた現状を踏まえ、当面、これより規模が縮小するとしても、1,500人程度は輩出されるよう、必要な取組を進め、更にはこれにとどまることなく、関係者各々が最善を尽くし、社会の法的需要に応えるために、今後もより多くの質の高い法曹が輩出され、活躍する状況になることを目指すべきである

(引用終わり)

 

(1)以下は、直近5年の論文合格者数の推移です。

論文合格者数
26 1810
27 1850
28 1583
29 1543
30 1525

 平成28年に1500人の下限ぎりぎりの数字になって以降、「今年は1500人を割り込むに違いない。」などと言われながら、結果的には1500人の下限が守られてきたという経緯があります。そして、少なくとも今年までは、これは破られないだろうという事情があります。それは、上記の推進会議決定の「当面」の意味するところに関わります。

 

衆院法務委員会平成27年05月22日より引用。太字強調は筆者。)

階猛(民主)委員 この中で、「当面、」という表現が出てきます。千五百人程度は輩出されるよう必要な取り組みを進めるということで、「当面、」という表現が出てきますけれども、この「当面、」というのは具体的にはいつからいつまでを指すのか、教えてください。

大塲亮太郎内閣官房法曹養成制度改革推進室長 検討結果の取りまとめ案における「当面、」とは、推進会議において結論が出された後に、例えば、社会的、経済的な諸事情の推移等によりますけれども、差し当たり五年程度の期間を言うのではないかと考えております。

階猛(民主)委員 五年というのは、ことしを含んで五年なのか、来年から五年なのか。ことしの合格者から始まるのかどうか、教えてください。

大塲亮太郎内閣官房法曹養成制度改革推進室長 今申し上げましたように、ことしの推進会議において結論が出された後と申しましたけれども、これは設置期限が七月十五日ということですので、近々出るわけですけれども、そこから五年という意味であります。

(引用終わり)

 

 「当面」とは、平成27年7月15日から起算して5年を意味する。そうすると、平成32年司法試験の結果が出る同年9月の時点では、この期間は過ぎてしまっているということになるでしょう。したがって、今年は、「当面」の期間内における最後の司法試験が実施される年となる。だから、少なくとも今年までは、合格者数は1500人を割り込まないだろう、ということです。
 しかも、最近になって、法務省は、上記の「当面」の期間について、先延ばしするかのような態度を見せるようになりました。

 

衆院法務委員会平成30年3月30日より引用。太字強調は筆者。)

藤原崇(自民)委員 平成二十七年六月三十日の法曹養成制度改革推進会議決定ということで、「法曹養成制度改革の更なる推進について」ということで出されております。今、集中改革期間として進んでおるんですが、この中に、こういう文言があります。当面、これより規模が縮小するとしても、千五百人程度は輩出されるよう、必要な取組を進め、とどまることなく、最善を尽くし、中略して、目指すべきであると。つまり、当面はこういう方向を目指すべきである、そういうふうに書いてあるんですね。
 二十七年からはもう三年近くがたってまいりました。もちろん、この当面という文言は何年後という一義的なものではないのであると思うんですが、この当面というのはどれくらいの期間を想定しているのかということについて、法務省の見解をお伺いしたいと思います。

小出邦夫法務省大臣官房司法法制部長 お答えいたします。
 委員御指摘の法曹養成制度改革推進会議決定、平成二十七年六月のものでございますが、御指摘のとおり、新たに輩出される法曹の規模につきまして、当面、千五百人程度は輩出されるよう、必要な取組を進め、更にはこれにとどまることなく、より多くの質の高い法曹が輩出され、活躍する状況になることを目指すべきであるとされているところでございます。
 今後、あるべき法曹の輩出規模が改めて示される際には、裁判事件数の推移や法曹有資格者の活動領域の拡大を含む法曹に対する社会の法的需要、また司法アクセスの改善状況を含む全国的な法曹等の供給状況といった要因のほか、輩出される法曹の質の確保の観点から、御指摘ございました、文科省において現在進められております法科大学院の集中改革の進捗状況やその結果等の事情が考慮されることになるものと考えております。
 このように、あるべき法曹の輩出規模につきましては、多岐にわたる事情、要因を考慮する必要がございまして、そのためのデータ集積には一定の期間を要するというふうに考えておりまして、現時点において、この千五百人程度という政府方針の見直しを行う時期を明示するのは困難なところがございます。
 ただ、推進会議決定における法科大学院の集中改革期間は平成三十年度までとされていることもありますので、これを踏まえつつ、また、あるべき法曹の輩出規模について適切な時期に的確な検討が行えるよう、改革の推進状況や改革の成果の把握も含めて、必要なデータ等の集積や、法務省が行うべき活動領域の拡大に向けた取組等を引き続きしっかり行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

藤原崇(自民)委員 ありがとうございます。
 当面というのはどのときかというのは一義的には難しいということで、それはそうなんだろうと思います
 ただ、一つのポイントになるのは、平成三十年度までの法科大学院の集中改革期間、これの改革の結果とか成果、どこまでを見るかというのはあるんですが、そういうことを踏まえてということだと思いますので、そろそろ集中改革期間が終わるという意味では、一つの区切りが近くなってきたのかなと思っております。
 その文書、更に下には、法務省は、法曹人口のあり方に関する必要なデータの集積を継続して行い、法曹の輩出規模について引き続き検証を行うこととするとあるが、これはどのような方法でこの検証を行っているのか、そして、検証結果の結論についていつの時点で出せるかどうか、そういう見通しをどう立てているのか、現在の状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。

小出邦夫法務省大臣官房司法法制部長 お答えいたします。
 法曹養成制度改革推進会議決定に関しましては、今後の法曹人口のあり方に関しまして、委員御指摘のとおり、「法務省は、文部科学省等関係機関・団体の協力を得ながら、法曹人口の在り方に関する必要なデータ集積を継続して行い、高い質を有し、かつ、国民の法的需要に十分応えることのできる法曹の輩出規模について、引き続き検証を行うこと」とされております
 法務省におきましては、現在、この推進会議決定に基づきまして、司法試験の受験者数、合格者数の推移、法科大学院志願者数の推移、また弁護士登録者数及び登録取消し者数の推移、また裁判事件数の推移、企業内弁護士数の推移等といった関連するデータの集積を行っているところでございます
 先ほど申し上げましたけれども、あるべき法曹の輩出規模につきましては、多岐にわたる事情、要因を考慮する必要がありますところ、これまでに集積されたデータのみでは不十分でございまして、また今後何らかの結論を得る時期を明示することもまた困難なところではございますが、法科大学院の集中改革期間が平成三十年までとされていますので、またその成果を踏まえ、また早く検証すべきであるという委員の御指摘も踏まえた上で、あるべき法曹の輩出規模について適切な時期に的確な検討が行えるよう、引き続き必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

(引用終わり)

 

 要するに、データの集積が不十分だから、まだ1500人という政府方針の見直しを行う時期は明示できない。そして、検証結果の結論をいつだせるかの見通しすらわからない。こう言っているのです。平成30年3月の時点でこの状況ですから、来年の司法試験の結果が出る段階でも、1500人という方針が見直されるとはいえない感じになってきているといえるでしょう。したがって、場合によっては来年以降も、1500人の下限が維持されるのではないか。そうであるなら、少なくとも今年の段階で1500人を割り込むことはないだろう。このような予測にも、説得力がありそうに思えます。

(2)もっとも、ここで思い出しておきたいことがあります。それは、「合格者数は結局のところは司法試験委員会が勝手に決めるので、実は1500人の下限には意味がない。」ということです。

 

法曹養成制度検討会議第14回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

井上正仁(早大)委員 これまでも何度か申し上げてきましたけれども,今の司法試験のシステムというのは,政策的に何人と決めて,それに合わせて合格者を決めるという性質のものではありません。受験者の学力といいますか,試験の成績を司法試験委員会のほうで判定して決めている。その結果として2,000人なら2,000人という数字になっているということなので,その仕組みを変えない限り,それを何千にするということを言うわけにはいかない性質のものだと思います。ですから,法曹人口の問題については,このぐらいのところを目指すべきだということは言えるかもしれないですけれども,合格者を何人にしろというのは現行の制度では無理で,仮にそうするというのでしたら,現行の司法試験の合格者決定の仕組み自体を変えろという提言をしないといけないということになるだろうと思います。

(引用終わり)

 

 かつて、合格者数3000人を目指すと言われていた当時も、司法試験委員会は、その数字にはとらわれない合否判定をしていたとされています。

 

法科大学院特別委員会(第42回)議事録より引用。太字強調は筆者。)

土屋美明(共同通信)委員  すいません、私、司法試験委員会の委員をしておりまして、説明しなければならない立場かと思うのですが、皆さんご存知の通りこれは守秘義務がございます。そういう意味では中身をですね、全部お話するという事はとても出来なくて申し訳ないと思うんですが、今回初めて考査委員の会議にも出席させて頂いて、色んな方のお話を伺いました。非常に多彩な意見の方がいて、昨年までの考査委員の会議の判定の仕方と今年は違っているという風に事務局からはうかがいました委員の皆さんの考え方がより反映されるような判定をするという方式に変わったという風に了解しております。一応目安として、本年度3,000人程度と言う合格者数、2,900人から3,000人と言う目安が出されてはおりましたけれども、それとの関連で合格者数を決めるというような発想はあまり取られていなかったように私は受け止めました。私の感じです。あくまで委員の皆さんがこの結果でもって、法曹資格を与えるに値するかどうかという事を非常に慎重に議論されていらっしゃる。受験者の中身を見ようという風に皆さん考えていらっしゃったという事が言えるかと思います。私の感想は以上です。

(引用終わり)

法科大学院特別委員会(第48回)議事録より引用。太字強調は筆者。)

井上正仁(東大)座長代理  司法試験については、司法試験委員会ないし法務省の方の見解では、決して数が先にあるのではなく、あくまで各年の司法試験の成績に基づいて、合格水準に達している人を合格させており、その結果として、今の数字になっているというのです。確かに、閣議決定で3,000人というのが目標とはされているのだけれども、受験者の成績がそこまでではないから、2,000ちょっとで止まっているのだというわけです。それに対しては、その合格者決定の仕方が必ずしも外からは見えないこともあり、本当にそうなのかどうか、合格のための要求水準について従来どおりの考え方でやっていないかどうかといった点も検証する必要があるのではないかということは、フォーラムなどでも申し上げております。

(引用終わり)

 

 考査委員の側から言わせれば、別に合格者数の目安を無視したいというわけではないが、採点していて満足な答案が少ないので、これ以上合格点を下げてまで合格者数を増やしてはさすがにダメだろうという感覚があって、やむを得ずそうしているのだ、ということになるのでしょう。これは、合格者数が少ないといわれていた旧司法試験時代からあった話です。特に実務家の考査委員は研修所教官であることも多いので、ここで甘くすると、後で自分が困るということもあるのですね。

 

司法制度改革審議会集中審議(第1日)議事録より引用。太字強調は筆者。)

藤田耕三(元広島高裁長官)委員 大分前ですけれども、私も司法試験の考査委員をしたことがあるんですが、及落判定会議で議論をしますと、1点、2点下げるとかなり数は増えるんですが、いつも学者の試験委員の方が下げることを主張され、実務家の司法研修所の教官などが下げるのに反対するという図式で毎年同じことをやっていたんです学者の方は1点、2点下げたところで大したレベルの違いはないとおっしゃる研修所の方は、無理して下げた期は後々随分手を焼いて大変だったということなんです
 そういう意味で学者が学生を見る目と、実務家が見る目とちょっと違うかなという気もするんです。口述試験も守秘義務があるから余り言っちゃいけないのかもしれませんけれども、あるレベルの点数がほとんどの受験者について付くんですが、出来がよければプラス1、プラス2、悪ければマイナス1、マイナス2というような点を付けます。本当は全科目についてレベル点以上を取らなければいけないのですが、それでは予定している人数に達しないので、1科目や2科目、マイナスが付いているような受験生も取るということでやっていました。そういう意味では以前のことではありますけれども、質的なレベルについてはかなり問題があるんじゃないでしょうか。

(引用終わり)

法曹の養成に関するフォーラム第13回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

鎌田薫(早大総長)委員 実際には旧試験の合格者が500人とか1,000人の時代でも,正直言って本当に満足できる答案は1,000人なんかとてもいないのに,1,000人合格させていたというふうな印象が採点する側にはある

(引用終わり)

 

 実務家委員の方が学者委員より厳しいという図式は、法科大学院教員が排除された平成28年に合格者数が急減し、法科大学院教員が戻ってきた平成29年に合格者数がほとんど減らなかったということとも符合します(「平成30年司法試験の出願者数について(2)」)。このようなことからすれば、全体の出来が悪いと考査委員が判断すれば、上記推進会議決定にかかわらず、合格者が1500人を割り込むことは普通にあり得る、ということになるわけです。

(3)もう1つ、考えるべきファクターとして、累積合格率があります。

 

規制改革推進のための3か年計画(再改定)(平成21年3月31日閣議決定) より引用。太字強調は筆者。)

 法曹となるべき資質・意欲を持つ者が入学し、厳格な成績評価及び修了認定が行われることを不可欠の前提とした上で、法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度(例えば約7~8割)の者が新司法試験に合格できるよう努める。

 (引用終わり)

 

 上記閣議決定の「約7~8割」は、各年の受験者合格率ではなく、修了生が受験回数制限を使い切るまでに、最終的に7~8割が合格するということ、すなわち、累積合格率を意味します(「平成30年司法試験の結果について(2)」)。そして、各年の受験者合格率をPとするとき、受控えや中途の撤退等を考慮しない単純な想定の下での累積合格率は、以下の算式で表すことができます。

 1-(1-P)

 以下は、上記の算式に基づいて、今年の論文合格者数と対応する累積合格率をまとめたものです。

論文
合格者数
受験者
合格率
累積
合格率
1500 34.1% 87.5%
1300 29.6% 82.7%
1100 25.0% 76.2%

 かつては、累積合格率が7割に達しないことが問題にされていましたが、現在ではむしろ、累積合格率が高くなりすぎるのではないか、ということを考える段階になっています。仮に、累積合格率が9割を超えるようなら、前記閣議決定の「約7~8割」の枠を超えてしまいますし、試験として適切に機能しているかが疑わしくなってくるでしょう。その観点から上記の表をみると、合格者数1500人の下限が維持された場合には、9割に迫る累積合格率になることがわかります。司法試験委員会がこのことを考慮して、「1300人くらいにしておくか。」と考えるかもしれません。さらにいえば、1100人まで減らしても、7割を維持できるので、「1100人でもいいんじゃないの?」と判断される可能性も否定できないでしょう。もっとも、上記の数字は、受控えや中途の撤退等を考慮していませんし、予備組を含んだ数字なので、法科大学院修了生に限った実際の累積合格率は、もう少し低い数字になるでしょう。そのようなことも考慮すると、今年はまだ1500人で問題ない、という判断がされても不思議ではないという感じもします。

(4)以上のことからわかることは、にゃんとも言えない、ということです。 

4 そういうわけで、ここでは、いくつかの場合を想定して、シミュレーションをしてみましょう。

(1)まず、論文合格者数の下限が守られた場合、すなわち、合格者数1500人だった場合です。この場合、仮に短答の合格率を昨年同様70%とすると、以下のようになります。

短答合格者数:3071人
短答合格率(対受験者):70.0%
論文合格者数:1500人
論文合格率(対短答):48.8%
論文合格率(対受験者):34.1%

 昨年の論文合格率は、対短答で41.5%、対受験者で29.1%でしたから、特に対短答の論文合格率がちょっと高過ぎはしないか、という感じはするところです。そこで、論文の対短答合格率を、昨年と同水準の41.5%にすると、どうなるか。この場合、短答合格者数は1500÷0.415≒3614人となりますから、まとめると、以下のようになります。

短答合格者数:3614人
短答合格率(対受験者):82.3%
論文合格者数:1500人
論文合格率(対短答):41.5%
論文合格率(対受験者):34.1%

 今度は、短答が8割超えとなって、これも具合が悪い。そこで、短答を75%に調整してみると、以下のようになります。

短答合格者数:3291人
短答合格率(対受験者):75.0%
論文合格者数:1500人
論文合格率(対短答):45.5%
論文合格率(対受験者):34.1%

 これなら、短答と論文のバランスがよさそうです。そのことからすれば、論文合格者数を1500人にするなら、この辺りの数字に落ち着きそうな感じがします。
 この場合の短答・論文の数字の上での難易度を考えてみましょう。昨年の短答の合格点は108点ですが、仮に合格率75%だったとすると、法務省の公表する得点別人員調によれば、合格点は104点まで下がります。また、昨年の論文は、短答合格者3669人中1525人が合格したわけですが、仮に対短答合格率が45.5%となれば、1669人合格する計算です。したがって、数字の上では、短答でいえば4点程度、論文でいえば140番程度、昨年より難易度が下がると考えることができるでしょう。

(2)次に、論文合格者数が1500人を割り込んで、1300人になった場合を想定します。この場合、仮に短答の合格率を昨年同様70%とすると、以下のようになります。

短答合格者数:3071人
短答合格率(対受験者):70.0%
論文合格者数:1300人
論文合格率(対短答):42.3%
論文合格率(対受験者):29.6%

 昨年の論文合格率は、対短答で41.5%、対受験者で29.1%でしたから、これはこのままでもなかなかいいバランスだ、ということができるでしょう。
 昨年の論文は、短答合格者3669人中1525人が合格したわけですが、仮に対短答合格率が42.3%であれば、1551人合格する計算です。したがって、数字の上では、短答は変わらず、論文でいえば20~30番程度難易度が下がると一応考えることができますが、ほとんど昨年と変わらないイメージでよいでしょう。

(3)最後に、最も悲観的な数字として、1100人まで減った場合を想定しましょう。この場合、仮に短答の合格率を昨年同様70%とすると、以下のようになります。

短答合格者数:3071人
短答合格率(対受験者):70.0%
論文合格者数:1100人
論文合格率(対短答):35.8%
論文合格率(対受験者):25.0%

 昨年の論文合格率は、対短答で41.5%、対受験者で29.1%でしたから、対短答の論文合格率がちょっと低すぎる、という印象がないわけではありません。そこで、短答合格率を平成27年から平成29年までの水準、すなわち、66%にすると、以下のようになります。

短答合格者数:2896人
短答合格率(対受験者):66.0%
論文合格者数:1100人
論文合格率(対短答):37.9%
論文合格率(対受験者):25.0%

 これは、それなりにありそうな数字です。
 この場合の短答・論文の数字の上での難易度はどうか。昨年の短答の合格点は108点ですが、仮に合格率が66%だったとすると、法務省の公表する得点別人員調によれば、合格点は111点となります。また、昨年の論文は、短答合格者3669人中1525人が合格したわけですが、仮に対短答合格率が37.9%となれば、1390人が合格する計算となる。したがって、数字の上では、短答でいえば3点程度、論文でいえば135番程度、昨年より難易度が上がると考えることができるでしょう。言い方を変えれば、最悪の状況でも、この程度だということです。

(4)それぞれの想定の数字をまとめると、以下のような対応関係となります。

受験者数 短答
合格者数
短答
合格率
(対受験者)
論文
合格者数
論文
合格率
(対短答)
論文
合格率
(対受験者)
4387 3071 70.0% 1500 48.8% 34.1%
3614 82.3% 1500 41.5% 34.1%
3291 75.0% 1500 45.5% 34.1%
3071 70.0% 1300 42.3% 29.6%
3071 70.0% 1100 35.8% 25.0%
2896 66.0% 1100 37.9% 25.0%

5 最後に、以上の試算に基づく推計の数字を、最初に示した年別の一覧表に書き込んだものを示しておきましょう。

出願者数 受験者数 受験率
(対出願)
27 9072 8016 88.3%
28 7730 6899 89.2%
29 6716 5967 88.8%
30 5811 5238 90.1%
31 4930 4387? 89%?

 

短答
合格者数
短答
合格率
(対受験者)
27 5308 66.2%
28 4621 66.9%
29 3937 65.9%
30 3669 70.0%
31 2896? 66.0%?
3071? 70.0%?
3291? 75.0%?

 

論文
合格者数
論文
合格率
(対短答)
論文
合格率
(対受験者)
27 1850 34.8% 23.0%
28 1583 34.2% 22.9%
29 1543 39.1% 25.8%
30 1525 41.5% 29.1%
31 1100? 37.9%? 25.0%?
1300? 42.3%? 29.6%?
1500? 45.5%? 34.1%?
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2019年02月10日

平成31年司法試験の出願者数について(1)

1 平成31年司法試験の出願者数の速報値が公表されました。4930人でした。以下は、直近5年の出願者数の推移です。

出願者数 前年比
27 9072 -183
28 7730 -1342
29 6716 -1014
30 5811 -905
31 4930 -881

 出願者数は、昨年から881人減少しました。平成28年以降、減少幅が縮まってきてはいますが、それでも依然として大きな減少を続けています(平成27年の減少幅が小さいのは、受験回数制限緩和の影響です。)。仮に、毎年同じペースで減少を続ければ、6年で受験者数がゼロになってしまいます。さすがにそれはない、というのが、直感的な結論です。実際のところはどうなのか、検討してみましょう。

2 そもそも、なぜ、出願者数が減少しているのか。その主な原因は、法科大学院修了生の減少です(※1)。以下は、年度別の法科大学院修了者数の推移です(「法科大学院修了認定状況の推移(平成17年度~平成29年度)」参照)。
 ※1 他に、予備試験合格者数の増減も出願者数の増減に影響しますが、直近では予備試験合格者数にそれほど大きな変動はありません(「平成30年予備試験口述試験(最終)結果について(1)」)。

年度 修了者数 前年度比
17 2176 ---
18 4418 +2242
19 4911 +493
20 4994 +83
21 4792 -202
22 4535 -257
23 3937 -598
24 3459 -478
25 3037 -422
26 2511 -526
27 2190 -321
28 1872 -318
29 1622 -250

 平成21年度以降、一貫して減少していることがわかります。新規の受験者となるべき者がどんどん減っているのですから、出願者数が減るのも当然といえるでしょう。もっとも、修了者数の減少幅と比較すると、出願者数の減少幅の方がかなり大きいことに気付くでしょう。例えば、平成29年度の修了生は平成30年の司法試験を受験することになるわけですが、平成29年度の修了者数は250人しか減っていません。他方、平成30年の司法試験の出願者数は905人も減っています。
 実は、直近の出願者数の減少には、合格率の上昇による滞留者の減少という要因も寄与しているのです。極端な例を考えてみましょう。例えば、前年の司法試験の合格率が100%だったとします。そうすると、翌年は、前年の滞留者による出願が全くないので、出願者数は極端に減少することになりますね。そこまで極端ではなくても、合格率が上昇すると、同様の現象が起きるのです。実際の数字をみてみましょう。ある年の滞留者の規模は、前年の受験予定者から、前年の合格者数を差し引くことで、概数を求めることができます。ただし、5回目の受験生は翌年に受験することができないので、この数字からは除くことになる。こうして求めた各年の滞留者に関する数字をまとめたものが、以下の表です。

前年の受験予定者数
(5回目受験者を除く)
前年の合格者数
(5回目受験者を除く)
前年の
受験予定者ベース
の合格率
(5回目受験者を除く)
前年の受験予定者数
と合格者数の差
(5回目受験生を除く)
前年比
27 9159 1810 19.7% 7349 ---
28 8957 1850 20.6% 7107 -242
(-3.2%)
29 7330 1530 20.8% 5800 -1307
(-18.3%)
30 6195 1482 23.9% 4713 -1087
(-18.7%)
31 5189 1452 27.9% 3737 -976
(-20.7%)

 合格率の上昇傾向に伴い、滞留者(前年の5回目受験生を除く受験予定者数と合格者数の差)が急減に減ってきていることがわかります。高めの合格率によって滞留者がどんどんはけて行き、再受験者が減っているというわけです。仮に、今後も合格者数1500人の下限が維持されるなどして高めの合格率が続くことになれば、さらに滞留者の減少が進んでいくでしょう。それが、出願者数の減少として、数字に表れてくることになるはずです。

3 もっとも、滞留者というのは、元はといえば、そのほとんどが法科大学院の修了者です。したがって、長い目で出願者数の推移を考えていく場合には、修了者数が今後下げ止まるのか、ということを確認しておく必要があります。
 修了者数が今後下げ止まっていくかは、法科大学院の入学者数の推移を確認することによって、ある程度予測することが可能です。以下は、平成20年度以降の法科大学院の入学定員及び実入学者人員の推移です(「各法科大学院の平成30年度入学者選抜実施状況等」、「各法科大学院の入学定員及び実入学者数の推移」等を参照。平成31年度の入学定員数は予定値。)。

年度 入学定員 前年比 実入学者 前年比
20 5795 --- 5397 ---
21 5765 -30 4844 -553
22 4909 -856 4122 -722
23 4571 -338 3620 -502
24 4484 -87 3150 -470
25 4261 -223 2698 -452
26 3809 -452 2272 -426
27 3169 -640 2201 -71
28 2724 -445 1857 -344
29 2566 -158 1704 -153
30 2330 -236 1621 -83
31 2253 -77 --- ---

 入学定員・実入学者ともに、一貫して減少傾向にあることがわかります。もっとも、直近の数字をみると、減少幅がかなり縮小してきています。このまま、下げ止まっていくのでしょうか。

4 そもそも、法科大学院の定員削減は、何のために行われたのでしょうか。これは、志願者を増加させるためです。定員を削減したのでは、むしろ志願者は減ってしまうのではないか、と疑問を持つ人も多いでしょう。これを理解するには、政府が、志願者減少の原因をどのように捉えているか、ということを確認しておく必要があります。

 

(「法曹養成制度検討会議取りまとめ(平成25年6月26日)」より引用。太字強調は筆者。)

 法曹志願者の減少は,司法試験の合格状況における法科大学院間のばらつきが大きく,全体としての司法試験合格率は高くなっておらず,また,司法修習終了後の就職状況が厳しい一方で,法科大学院において一定の時間的・経済的負担を要することから,法曹を志願して法科大学院に入学することにリスクがあるととらえられていることが原因である

(引用終わり)

 

 政府は、司法試験の合格率が高くなっていないことが、志願者激減の原因の1つだと考えているのです。そこで、これを解消するにはどうしたらいいか、と考えてみると、2つの方策が考えられるでしょう。1つは、分子である合格者数を増やすこと。もう1つは、分母である受験者数を減少させることです。このうち、分子の合格者数については、1500人の下限を守れるか、という状況で、とても増やすという感じではありません。

 

(「法曹養成制度検討会議取りまとめ(平成25年6月26日)」より引用。太字強調は筆者。)

 近年,過払金返還請求訴訟事件を除く民事訴訟事件数や法律相談件数はさほど増えておらず,法曹の法廷以外の新たな分野への進出も現時点では限定的といわざるを得ない状況にある。さらに,ここ数年,司法修習終了者の終了直後の弁護士未登録者数が増加する傾向にあり,法律事務所への就職が困難な状況が生じていることがうかがわれることからすれば,現時点においても司法試験の年間合格者数を3,000人程度とすることを目指すべきとの数値目標を掲げることは,現実性を欠くものといわざるを得ない。
 上記数値目標は,法曹人口の大幅な増加を図ることが喫緊の課題であったことから,早期に達成すべきものとして掲げられた目標であるが,現状においては,司法試験の年間合格者数の数値目標を掲げることによって,大幅な法曹人口増加を早期に図ることが必要な状況ではなくなっている

(引用終わり)

(「法曹養成制度改革の更なる推進について」(平成27年6月30日)」より引用。太字強調は筆者。)

 新たに養成し、輩出される法曹の規模は、司法試験合格者数でいえば、質・量ともに豊かな法曹を養成するために導入された現行の法曹養成制度の下でこれまで直近でも1,800人程度の有為な人材が輩出されてきた現状を踏まえ、当面、これより規模が縮小するとしても、1,500人程度は輩出されるよう、必要な取組を進め、更にはこれにとどまることなく、関係者各々が最善を尽くし、社会の法的需要に応えるために、今後もより多くの質の高い法曹が輩出され、活躍する状況になることを目指すべきである

(引用終わり)

 

 そうなると、考えられる方策は、分母である受験者数の減少しかない、ということになります。そのためには、法科大学院の定員を削減することが、最も直接的かつ有効な手段です。では、どの程度まで定員を削減すべきなのか。これは、合格率の目標とされてきた、「修了生の7割」(その具体的な意味については、「平成30年司法試験の結果について(2)」参照)、当面の合格者数の下限とされている1500人から、逆算することによって算定が可能です。現に、文科省はそのような逆算によって、あるべき法科大学院の定員目標を、概ね2500人としたのでした。

 

(「法曹人口の在り方に基づく法科大学院の定員規模について」より引用。太字強調は筆者。)

 累積合格率7割の達成を前提に、1,500人の合格者輩出のために必要な定員を試算すると、以下のとおりとなる。

○ 法科大学院では厳格な進級判定や修了認定が実施されており、これまでの累積修了率は85%であること。  

○ 予備試験合格資格による司法試験合格者は、平成26年は163名であるが、うち103名は法科大学院に在籍したことがあると推測されること。

 上記2点を考慮した計算式:(1,500 - 163) ÷ 0.7 ÷ 0.85 + 103 ≒ 2,350

○ さらに、法科大学院を修了しても司法試験を受験しない者がこれまでの累積で6%存在すること。 

 上記3点を考慮した計算式:(1,500 - 163)÷ 0.7 ÷ 0.85 ÷ 0.94 + 103 ≒ 2,493 

(引用終わり)

 

 法科大学院の定員を削減するといっても、文科省が直接に指示することはできません。飽くまで、定員は法科大学院自身が決めることですから、自主的に削減してもらうしかない。そこで用いられたのが、定員を削減しない法科大学院に対する補助金を削減する、という手段です。具体的には、補助金支給額の基準を「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」として定め、その中に「定員充足率」の指標を含ませることで、定員を削減しないと補助金が減額されてしまう仕組みを作ったのでした。

 

(「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの審査結果について(平成29年12月28日)」より引用。太字強調は筆者。)

 本プログラムは、法科大学院間のメリハリある予算配分を通じ、入学定員の適正化等の組織見直しを促進するとともに、先導的な取組を支援し、法科大学院の教育力の向上を図るものです。 

(引用終わり)

 

5 この結果、平成29年度の入学定員は、2566人まで減少しました。この時点で、目標としていた2500人に近い水準です。これで、多少のタイムラグはあるものの、近い将来に合格率は修了生の7割を実現できる程度となるだろう、というのが、文科省の目論見です(ただし、実は修了生7割と入学定員との間には直接の対応関係がないことについては、「平成28年司法試験の結果について(3)」参照。)。
 この入学定員削減目標の達成を契機として、文科省の方針は、入学定員削減から志願者数確保へと転換したのです(※4)。今後、合格率は上昇に向かい、志願者が減少した原因の1つが取り除かれるので、今後は志願者数は増加に向かうだろう、というわけです。こうして、定員充足率が、法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの指標から外されたのでした。
 ※4 現在検討されている法曹コース(「「法曹コース」の学生を対象とする特別選抜の導入に伴う法科大学院入学者選抜の全体イメージ」参照)は、志願者数確保のための方策の1つです。

 

法科大学院特別委員会(第75回)議事録より引用。太字強調は筆者。)

塩田専門職大学院室長「法曹人口の1,500人といったような数字を踏まえまして,当面,目指すべき法科大学院の定員規模を2,500人としたということでございまして,その2,500という数字を達成するために,加算プログラムを29年度以降も継続して実施するというような趣旨を書いているものでございます。…平成29年の予定ということでございますけれども…六大学が定員の見直しを行うということを予定されていて,募集停止となる2大学がございます。その定員分を含めまして…来年度は2,566人になる見込みということでございます。ということで,先ほど御説明しましたように,目標値として2,500人程度ということを掲げておりますので,数字がほぼ達成されるというような状況になってございます。
   加算プログラムにつきましては,自主的な組織見直しの促進ということと,各法科大学院における優れた取組を支援すると,こういったような目的で実施しておるわけでございますけれども,目標値である2,500人という数字が達成されるということでございますと,今後,基礎学の指標の取り方を含めまして何らかの修正を加える必要があるのかなとは認識してございます。」

(引用終わり)

(「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」の見直しについて」より引用。太字強調は筆者。)

 入学定員の目標がほぼ達成され、今後は入学定員の適正化に代わって志願者数の確保が重要な課題となることから、定員充足率については指標から削除する。一方、入学者数が10名を下回る場合は、教育組織として規模が小さくなり過ぎているなど、法科大学院としてふさわしい教育環境の確保への影響が懸念されることから、3年連続で入学者数が10名未満となった場合は減点する。

(引用終わり)

(「法科大学院改革の取組状況等について」より引用。太字強調は筆者。)

○ これまで、公的支援の見直し強化策等を通じて法科大学院の自主的な組織見直しを促進してきた結果、平成29年度の入学定員は2,566人となる見込みであり、法曹人口についての推進会議決定(※)を踏まえて設定した法科大学院の目指すべき定員規模(「当面2,500人程度」)を概ね達成
○ これを受け、今後は志願者数の確保がより重要な課題となることから、平成28年12月に、「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」 の運用見直しを行った

 (中略)

これまで、定員充足率と競争倍率の両方を指標として設定することにより、組織見直しを強く促す形となっていたところ、平成30年度予算からは定員充足率の指標を削除することにより、競争倍率の向上につながる、志願者確保のための取組を促すこととしている。

(引用終わり)

 

 従来は、競争倍率(入学者選抜試験受験者数÷入学者選抜試験合格者数)と定員充足率(入学者数÷入学定員)の双方の指標をクリアする必要があったので、例えば、競争倍率2倍、定員充足率70%を同時にクリアする必要があるとすると、入学者選抜試験受験者が100人だった場合には、競争倍率2倍をクリアするために入学者選抜試験合格者数を50人以下にする必要があり、定員充足率70%をクリアするためには、入学者が50人だったとしてもせいぜい70人程度の定員とならざるを得ません。これが、定員充足率を全く考慮しなくてよいとなると、極端にいえば、仮に実際の入学者が50人程度であっても、入学定員を500人にしてよいということになる。このように、定員充足率が指標から外されると、定員を増やしやすくなるのです。
 そして、法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの趣旨についても、従前記載されていた「入学定員の適正化等の組織見直しを促進する」の文言が削られたのでした。

 

(「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの審査結果について」(平成31年1月23日)より引用。)

 本プログラムは、法科大学院間のメリハリある予算配分を通じ、各法科大学院の教育理念や抱える課題、強み等の特徴に応じた体系的・系統的な取組を促し、法科大学院の教育力の向上を図るものです。

(引用終わり)

 

 こうして、法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムは、法科大学院に定員削減を迫るという役割を終えたのです。

6 とはいえ、現実の志願者数に見合わない入学定員とするわけにはいかないでしょう。実際の入学者が50人しかいないのに、入学定員を500人にしていたりすれば、「あそこのローは大丈夫か。」という話になるでしょうし、そんなことをしていると、現状では認証評価の方で引っ掛かってしまいます。

 

法科大学院評価基準要綱(平成30年4月改定)より引用。 太字強調は筆者。)

6-2-2
 入学者受入において、所定の入学定員と著しく乖離していないこと。

解釈指針6-2-2-1
 入学者受入において、所定の入学定員と乖離しないよう必要な措置が講じられている必要がある。

解釈指針6-2-2-2
 5年の評価期間中において、評価実施年度における入学定員充足率が50%を下回っており、かつ、他の4年間において入学定員充足率が50%を下回る年度が2回以上あった場合には、原則として、所定の入学定員と著しく乖離していないとはいえない。ただし、基準に適合しているか否かの最終的な判断は、夜間開講や地域性等の個別の事情を勘案して行う。

(引用終わり)

法科大学院特別委員会(第76回)議事録より引用。太字強調は筆者。)

磯村保(早大)委員「入学定員の充足率のところなのですけども…認証評価の関係では,定員充足率が指標に含まれています。加算プログラムではこの指標を外しても,認証評価の関係では,そこは維持するということになると,方向性としては定まらないというところが残るように思いますので,そこは認証評価との関係の調整を考えていただく必要がある」

(引用終わり)

 

 現実には、平成30年度の実入学者は1621人であり、平成31年度の入学定員は2253人となる見込みです。入学定員削減の目標値である2500人を下回っているのに、まだ減少を続けている。今後、入学定員の減少に歯止めがかかることはあり得るとしても、どんどん定員が増えていく、ということには、なりにくいでしょう。

7 結局のところ、法曹志願者が増えなければ、入学定員も増やせない文科省の狙いは、「司法試験の出願者数が減少することによって、合格率が上昇すれば、志願者が増えるだろう。」というものです。仮に、これがそのとおりになったとしても、目に見えて効果が出るのは先のことになるでしょう。ですから、当面は、入学定員・実入学者ともに、下げ止まることはあっても、反転上昇に向かうには時間がかかりそうです。
 したがって、出願者数の推移についても、当面は、減少幅を縮小しつつも、増加に転じることはない、ということになりそうです。

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2018年11月17日

平成30年予備試験口述試験(最終)結果について(5)

1 以下は、直近5年の司法試験受験経験別の受験者数の推移です。

受験経験 平成26 平成27 平成28 平成29 平成30
受験なし 6025 6384 6560 6729 7098
旧試験のみ 3358 3095 2779 2740 2670
新試験のみ 385 317 409 365 428
両方受験 579 538 694 909 940

 一貫して減少しているのが、「旧試験のみ」のカテゴリーです。旧司法試験はもう実施されていないわけですから、これは当然といえるでしょう。とはいえ、旧司法試験から予備に転じて、ずっと受け続けている人が、まだ2670人もいる。旧司法試験最後の論文試験が実施されたのが、平成22年ですから、もう既にそれから8年が経過しています。これが、長年憂慮されてきた、滞留者問題です。
 滞留者問題という意味では、「両方受験」のカテゴリーが増加を続けている点が、怖いと感じさせます。このカテゴリーは、旧司法試験を受験していたが、合格できずに法科大学院に入学し(※1)、新司法試験を受けたが、それでも合格できずに受験回数を使い切ってしまい、予備試験に流れた、という人達です。平成27年は受験回数制限緩和の影響で一時的に減少していましたが、平成28年以降からまた増加傾向となっています。このような人達がこれまでに費やしてきた資金、時間、労力は、莫大なものがあります。受験を諦めることは、それらが完全に無駄になってしまうことを意味する。だから、やめられない。これが、滞留者の陥りがちな心理状態です(※2)。
 ※1 厳密には、旧司法試験受験経験者が予備試験に合格し、新司法試験を受験したが、受験回数を使い切った、という場合も含まれます。
 ※2 ある程度以上高齢になってしまうと、公務員や民間企業の採用枠から外れてしまうということも、重要な要素です。受験を継続するか否かを考えるに当たっては、この辺りも考慮した上で、判断する必要があるでしょう。そうしないと、がむしゃらに受験を継続し、気が付いたら他の選択肢がなくなっていた、ということになりかねません。

 やや不規則な動きをしているのが、「新試験のみ」のカテゴリーです。平成27年の減少は、「両方受験」と同様、受験回数制限緩和の影響といえるでしょうが、その後、平成28年は増加、平成29年は減少、そして今年は再び増加に転じています。新司法試験しか受験経験のない人はまだ十分若いので、他の選択肢に流れる余地が大きい。そのため、民間への就職や公務員試験に流れる者が多い年と、予備で受験を続けようとする者が多い年とで流動的になりやすいのでしょう。その意味では、受験回数制限は、滞留者防止に一定の役割を果たしているといえます。
 それから、一貫して増加傾向にあるのが、「受験なし」のカテゴリーです。今年は、369人増加して、ついに7000人を超える数字になりました。このカテゴリーは、新規参入者を示しています。新規参入者としては、大学生と法科大学院生が思いつきますが、今年の大学生の受験者は3167人、法科大学院生の受験者は1298人で、合わせても4465人。「受験なし」の受験者は7098人ですから、4465人を差し引いても2633人残ります。この2633人は、大学生でも法科大学院生でもない。無職の受験者の多くは専業受験生で、受験経験のない者はあまりいないと考えると、これは有職者である可能性が高いと考えることができるでしょう。今年の有職者の受験者は、3834人います。仮に、上記2633人が全員新規参入の有職者だとすると、有職者の受験者の3分の2強は新規参入者であることになる。前回の記事(「平成30年予備試験口述試験(最終)結果について(4)」)で、有職者の受験者の増加は、新たに法曹を目指して予備試験に参入する社会人や、司法試験で受験資格を喪失し、就職したが、諦めきれずに予備試験を受験する人が増えているという可能性を示唆しているという説明をしましたが、上記の試算は、前者の可能性を示唆するものといえるでしょう。もっとも、逆の方向を示唆する数字もあります。それは、年齢層別の短答合格率です。前々回の記事(「平成30年予備試験口述試験(最終)結果について(3)」)で説明したとおり、30代後半から60代前半までの短答合格率は、すべて20代よりも高い数字です。このことは、30代後半から60代前半までの年代層の多くが、新規参入者ではなく、長期受験者であることを示唆しているのです。そして、前回の記事(「平成30年予備試験口述試験(最終)結果について(4)」)で説明した有職者の短答合格率は、大学生ほど低くはないが、無職ほど高くもない数字を示しており、その中間を示唆しています。30代前半の社会人の新規参入が増えている、ということも考えられますが、今年の30代前半の受験生は1014人しかいないので、説明としては不十分でしょう(※3)。無職のカテゴリーの中に、それまでの仕事を辞めて予備試験に挑戦した新規参入者が含まれている、ということも考えられますが、仕事を辞めて法科大学院に通うという話はそれなりに聞きますが、仕事を辞めて予備試験というのは、あまり聞く話ではありません。今のところ、にゃんともいえない、という感じです。 
 ※3 大学生でも法科大学院生でもない新規参入者というと、近年は高校生を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、今年の19歳以下の受験生は76人、高校在学中の受験生は13人しかいないので、「高校生の受験生が増えた。」という説明にも無理があります。

2 今度は、最終合格者数をみていきます。以下は、直近5年の司法試験受験経験別の最終合格者数の推移です。

受験経験 平成26 平成27 平成28 平成29 平成30
受験なし 277 319 344 370 347
旧試験のみ 42 45 35 28 31
新試験のみ 15 11 10 11 18
両方受験 22 24 16 35 37

 合格しているのは、圧倒的に「受験なし」、すなわち、新規参入者であることがわかります。もっとも、昨年よりも数が減少しています。他方で、他のカテゴリーはすべて合格者数が増加している。これが、今年の特徴です。

3 では、合格率はどうなっているか。まずは、短答合格率(受験者ベース)です。

受験経験 短答
合格率
受験なし 19.5%
旧試験のみ 27.1%
新試験のみ 33.6%
両方受験 42.9%

 短答は、受験経験を積むごとに、合格率が上がっていきます特に、新司法試験の受験経験があると、合格率が高くなっている。旧司法試験時代は、憲法と刑法は論理問題が多く、知識の比重が低かった(※4)ために、旧司法試験の受験経験は、新司法試験の受験経験よりも短答合格率への寄与度が低くなっているのでしょう(※5)。知識だけで勝負すると、旧司法試験と新司法試験の両方を経験した年配者が圧倒的な差で勝利します。仮に、知識だけで最終合格が決まる試験であれば、誰も新規参入をしたがらなくなるでしょう。そこで、論文段階で強力な若年化方策が必要とされるというわけでした。
 ※4 当時の憲法、刑法の論理問題は、短答段階において知識のない者を受からせるための若年化方策でした。
 ※5 旧司法試験時代の短答の試験科目は憲民刑の3科目でしたが、平成26年以前の新司法試験の短答の試験科目は7科目で、予備試験の短答の試験科目と重なっていたことも、重要な要素です。

4 さて、その論文合格率(短答合格者ベース)をみてみると、以下のようになっています。

受験経験 論文
合格率
受験なし 26.3%
旧試験のみ 4.8%
新試験のみ 12.5%
両方受験 9.9%

 短答で苦戦していた「受験なし」の新規参入者が、圧倒的な差を付けて受かっていくこれが若年化方策の効果であり、「論文に受かりやすい人は、すぐに受かる」が「論文に受かりにくい人は、何度受けても受かりにくい」法則です。繰り返し説明しているとおり、この結果は、当局が意図的にそのような出題・採点をしているために、そうなっているのです。ただ、その効果が薄まってきている。一昨年(平成28年)の数字と比較してみましょう。以下は、平成28年と今年の論文合格率(短答合格者ベース)の比較表です。

受験経験 一昨年
(平成28年)
今年 両者の差
受験なし 29.8% 26.3% -3.5%
旧試験のみ 4.8% 4.8% 0%
新試験のみ 8.1% 12.5% +4.4%
両方受験 6.2% 9.9% +3.7%
全体 17.6% 17.2% -0.4%

 全体の合格率でみると、一昨年と今年はほとんど差がありません。しかし、カテゴリー別にみると、「受験なし」の合格率だけが下がっており、「新試験のみ」と「両方受験」の合格率は、いずれも上昇している。ここでも、若年化方策の効果が、薄まっていることが確認できます。ところが、「旧試験のみ」の合格率は、上昇していない。これは、興味深い現象です。「新試験のみ」と「両方受験」のカテゴリーに属する者は、いずれも新司法試験を受験して、受験回数を使い切っています。受験回数を使い切る過程で、若年化方策によって出力される成績を通知されている。だから、当サイトなどの情報によって、これが意図的なカラクリによるものであることを示されると、実際の自分の経験と照らし合わせることで、確認し、納得しやすいのです。旧司法試験しか受験していないと、体感が伴わないので、規範と事実が重要と言われても、その意味を十分に理解しにくいという面があるのでしょう。若年化方策のカラクリを実感を伴って理解できるかどうか、その差が、表れているといえます。「旧試験のみ」のカテゴリーの人は、旧試験時代から、一生懸命に勉強を続けてきたはずです。それなのに、論文では4.8%しか受からない。毎年、がむしゃらに勉強しても、ますます、当局が落としたい人、受かりにくい人になってしまうだけです。逆に、若年化方策のカラクリを逆手に取って、若手が書くような答案、すなわち、抽象論は極力省略する一方で、当てはめに入る前に規範を明示し、事実を問題文から丁寧に引用するということを強く意識した答案を書くようにすれば、勉強量は少なくても、受かってしまいます。ただし、そのためには、かなりの文字数を限られた時間で書き切る筆力が必要になる。これは、特に年配者に欠けている能力です。これを克服するには、文字を速く書く訓練をするしかありません。最低限、時間内に4頁びっしり書き切れる筆力を身に付ける。予備試験は、70分(実務基礎は90分)で4頁ですから、若手の上位者は平気で4頁をびっしり、それも、小さな字で一行35~40文字くらいを書いてきます。知識・理解よりも、筆力が合否を大きく左右するこのことをよく知った上で、来年に向けた学習計画を考える必要があるのです。 

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自己破産6.2%増 銀行カードローン抑制したけど…
一○六○の懲戒事例が教える 弁護士心得帖
司法試験合格者「過剰」 13弁護士会が声明 
13弁護士会が声明「さらに司法試験合格者減らすべき」 裁判官、検察と比べ「弁護士だけが増加」
Newえんしゅう本 6―司法試験/予備試験 ロースクール入試・進級・卒業/ 刑法
虐待事案への法的助言も、弁護士活用に文科相
「公正で寛容な社会に」 草野最高裁判事が就任会見
Newえんしゅう本 7―司法試験/予備試験 ロースクール入試・進級・卒業/ 刑訴
象印元副社長ら殺害 死刑確定へ
<秋田・弁護士殺害国賠訴訟>警察は真摯に検証を
Newえんしゅう本 2―司法試験/予備試験 ロースクール入試・進級・卒業/ 行政法
遺された妻「悲しみが深くなる判決」 秋田弁護士刺殺事件控訴審判決
弁護士刺殺、県も賠償責任 高裁支部が警官不手際認定 
警察官のためのわかりやすい警察行政法
警官が侵入者取り違え、弁護士刺殺 県に賠償命じる判決
80歳弁護士、和解金800万円流用の疑い
刑事訴訟法 第2版 (Next教科書シリーズ)
「無罪請負人」弘中弁護士がゴーン被告の担当に、大鶴氏は辞任
ゴーン被告の大鶴弁護人ら辞任=新たにロス疑惑の弘中氏
ロクシン刑法総論〈第1巻 基礎・犯罪論の構造〉【第4版】[翻訳第1分冊]
ゴーン氏の弁護士を尾行…東京地検特捜部「極秘作戦」の狙いと中身
警察官の服制に関する規則及び警察官等けん銃使用及び取扱い規範の一部を改正する規則(国家公安委一)
国家補償法の研究I―その実践的理論
拳銃入れ改良、奪われにくく 交番襲撃で警察庁が対策
グーグルがWikipediaへの支援を拡大、そこには「将来の利益」を見据えた戦略があった
強制採尿の違憲性 (証拠法研究第六巻)
“池袋東口暴走事件”確定判決から考える「てんかん」という病気の本当の姿
重機死傷事故に懲役10年求刑「危険認識、厳しい非難」
取調べハンドブック
【松橋事件再審無罪へ】目に余る検察の“引き延ばし戦略”…冤罪救済のために再審制度の見直しを
松橋再審 無罪へ…即日結審 検察 求刑せず 熊本地裁
新警察民法〔改訂版〕
交番射殺25年求刑…検察側「前代未聞の事件」
刑事弁護人のための科学的証拠入門 (GENJIN刑事弁護シリーズ24)
「法曹コース」設置で教育連携協定 神戸大と新潟大
岡口裁判官「要件事実マニュアルは掟破りだった」 裁判官の出版事情語る
Newえんしゅう本 5―司法試験/予備試験 ロースクール入試・進級・卒業/ 民訴
「登録弁護士制度」、4月から…大阪弁護士会
公務員生活10年から弁護士へ 福岡市の弁護士事務所に入所
Newえんしゅう本 4―司法試験/予備試験 ロースクール入試・進級・卒業/ 商法
性別変更の要件 手術の「強制」は人権侵す
性別変更、手術必要は「合憲」も 裁判官2人が「違憲の疑い」と踏み込んだ理由
Newえんしゅう本 1―司法試験/予備試験 ロースクール入試・進級・卒業/ 憲法
捜査当局にTカード情報提供「約款に明記しても解決しない」 鈴木正朝教授が徹底解説
弁護士 アイドルプロデュースのきっかけは“奴隷契約”の相談
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案
民事執行法の改正に関する中間試案(平成29年9月8日)
民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

刑事訴訟法等の一部を改正する法律について
法曹養成制度関係閣僚会議
法曹養成制度改革の推進について(PDF)
法曹養成制度改革推進会議
法曹養成制度改革顧問会議
平成31年司法試験予備試験の実施について
平成31年司法試験の実施について
司法試験考査委員の不適切行為に関する通報窓口

  【司法研修所教材・講義案・調査官解説等】
事件記録教材 法科大学院教材
調査官解説
事例で考える民事事実認定
プラクティス刑事裁判
プロシーディングス刑事裁判
検察講義案 平成24年版
新問題研究要件事実
紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂
刑事第一審公判手続の概要
刑事判決書起案の手引
民事判決起案の手引
民事訴訟第一審手続の解説
情況証拠の観点から見た事実認定
民事訴訟における要件事実 第2巻
民事訴訟における要件事実 増補 第1巻
書記官研修講義案等