2017年10月16日

平成29年予備試験論文式試験の結果について(2)

1.以下は、論文の合計点の平均点の推移です。


(平成)
論文
平均点
平均点
前年比
23 195.82 ---
24 190.20 -5.62
25 175.53 -14.67
26 177.80 +2.27
27 199.73 +21.93
28 205.62 +5.89
29 208.23 +2.61

 短答式試験の場合、平均点が上下する主要な要因は、問題の難易度です。正解した問題の数で得点が決まるため、難しい問題が多いと平均点が低くなり、易しい問題が多いと平均点が上がる。これに対し、論文試験の場合は、必ずしも試験問題自体の難易度によって、平均点は左右されません論文試験の得点は、優秀、良好、一応の水準、不良という大まかに4つの水準によって相対的に決定され、その大まかな得点分布の目安についても、決まっているからです。

 

(「司法試験予備試験論文式試験の採点及び合否判定等の実施方法・基準について」より引用。太字強調は筆者。)

(1) 白紙答案は零点とする。

(2) 各答案の採点は,次の方針により行う。

ア 優秀と認められる答案については,その内容に応じ,下表の優秀欄の範囲。
 ただし,抜群に優れた答案については,下表の優秀欄( )の点数以上。

イ 良好な水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,下表の良好欄の範囲。

ウ 良好とまでは認められないものの,一応の水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,下表の一応の水準欄の範囲。

エ 上記以外の答案については,その内容に応じ,下表の不良欄の範囲。
 ただし,特に不良であると認められる答案については,下表の不良欄[ ]の点数以下。

優秀 良好 一応の水準 不良
50点から38点
(48点)
37点から29点 28点から21点 20点から0点
[3点]

(3) 採点に当たってのおおまかな分布の目安を,各問に応じ次のとおりとする。ただし,これは一応の目安であって,採点を拘束するものではない

割合 5%程度 25%程度 40%程度 30%程度
得点 50点から38点 37点から29点 28点から21点 20点から 0点

(引用終わり)

 

 どんなに問題が難しくて、全体の出来が悪くても、全体の概ね4割くらいには、一応の水準、すなわち、28点から21点までの点数を付ける。逆にどんなに問題が簡単で、全体の出来が良かったとしても、3割程度は不良、すなわち、20点以下の点数を付ける。基本的には、そういった採点をするということです。このような採点方式を厳格に守って運用すれば、本来は、毎年平均点は同じくらいになるはずです。その意味では、論文は相対評価で得点が決まっているといえます。しかし、上記にも「これは一応の目安であって,採点を拘束するものではない。 」とあるように、実際には、上記の目安どおりの得点分布にはなっていない。考査委員の想定する受験生のレベルよりも、実際の受験生のレベルが低いと、目安より低い得点分布になりやすいのです。そこには、「考査委員の想定する一応の水準に達しているか。」というような、絶対評価的な要素も含まれている毎年の平均点の変動には、そのような意味での受験生全体の実力の変化がある程度反映されている、ということができるのです。このような理由から、当サイトでは、各年の論文の平均点の推移を、受験生全体のレベルの変化を測る1つの指標として、用いてきたのでした。

2.論文の平均点は、平成26年までは受験者数との緩やかな負の相関で説明でき、平成27年以降は得点分布の目安に近づける方向で推移している。これが、司法試験における論文の平均点の傾向でした(「平成29年司法試験の結果について(3)」)。予備試験においても、これと同様の傾向となっています。以下は、論文受験者数と論文平均点の推移です。


(平成)
論文
受験者数
受験者数
前年比
論文
平均点
平均点
前年比
23 1301 --- 195.82 ---
24 1643 +342 190.20 -5.62
25 1932 +289 175.53 -14.67
26 1913 -19 177.80 +2.27
27 2209 +296 199.73 +21.93
28 2327 +118 205.62 +5.89
29 2200 -127 208.23 +2.61

 平成23年から平成26年までは、受験者数が増えると論文の平均点が下がり、受験者数が減少すると論文の平均点が上がるという緩やかな関係があること、平成27年と昨年は、受験者数の増加にもかかわらず、論文の平均点が上昇していることがわかります。
 司法試験の場合には、昨年の段階で目安となる得点を上回ってしまっていたために、今年は、反動で平均点は下がっていたのでした(「平成29年司法試験の結果について(3)」)。予備試験の方は、少し事情が違います。予備試験では、目安に近い採点がされた場合の得点は、以下のとおり、1科目当たり23.25点となります。

 (50+38)÷2×0.05+(37+29)÷2×0.25+(28+21)÷2×0.4+20÷2×0.3=23.25点

 予備の論文は10科目ですから、全体の得点にすると、232.5点今年の平均点208.23点と比べても、まだまだ高い水準です。したがって、予備試験の論文は、司法試験とは異なり、まだまだ上昇方向にある、と一応いえるわけです。

3.では、予備試験の論文の平均点は、今後も232.5点に向かってどんどん上昇していくのか。このことを考える際には、前回の記事(「平成29年予備試験論文式試験の結果について(1)」)で最後に示した仮説、すなわち、245点が合格点の上限となるのではないか、ということとの関係に注意する必要があります。232.5点と今年の平均点208.23点との差は、24.27点ですから、仮に今年の平均点を232.5点になるように調整するとすれば、それぞれの受験者の得点を一律に24.27点引き上げる必要があるわけです。一方で、平均点が引き上がっても、合格点の上限は245点ですから、合格点は245点のままです。そうすると、24.27点引き上げれば245点以上となる得点、すなわち、221点だった者も、合格できるようになってしまう。今年の得点別人員調によれば、221点以上の得点の者は、870人います。すなわち、仮に、今年の論文の採点を目安どおりに行っていて、245点が合格点だったとすると、870人も合格者が出ていた、ということになるのです。
 筆者は、ここに法務省の巧みな論理があると感じます。採点を目安どおりにしろ、という要請は、もともとは、「法科大学院修了生が司法試験に受からないのは、法科大学院が悪いからではなく、司法試験の採点が厳しすぎるからだ。もっと採点を甘くして受からせろ。」という法科大学院関係者の要求によるものでした(「平成29年司法試験の結果について(3)」)。法務省は、「司法試験の採点を目安どおりにするのであれば、当然予備の方も目安どおりにすることになりますよね。」という理屈で、予備の論文も目安どおりにする方向で説明をしているのでしょう。その一方で、前回の記事(「平成29年予備試験論文式試験の結果について(1)」)で示したとおり、仮に、「245点を超えると司法試験よりも厳しい水準を要求することになってしまいますので、245点を合格点の上限としてはどうか。」という論理で説明をし、これはこれで理屈がとおっているので了承されたとしましょう。これらの1つ1つは、部分的にはそれなりに説得的な論拠を持っていますが、組み合わせることによって出力される帰結は、予備合格者の急増です。前回の記事(「平成29年予備試験論文式試験の結果について(1)」)で示したとおり、法務省は、予備の合格者を増やしたいのですが、従来の増員根拠であった「法科大学院修了生と予備合格者との司法試験の合格率の均衡」という論理を封じられてしまったので、新しい理屈を考え出す必要があった今年の予備論文の結果は、ようやく法務省が新しい論理を構築してきたな、と感じさせる内容です。ただし、これは現在のところ、仮説に過ぎません。来年以降、①合格点の上限が245点となるか、②論文平均点の上昇傾向が続くか、③予備合格者がさらなる上昇傾向を見せるかこの3つの組み合わせが続くようなら、上記の仮説が説得力を持つことになります。

posted by studyweb5 at 07:49| 司法試験関連ニュース・政府資料等 | 更新情報をチェックする

2017年10月14日

平成29年予備試験論文式試験の結果について(1)

1.平成29年予備試験論文式試験の結果が公表されました。合格点は245点合格者数は469人でした。以下は、予備試験論文式試験の合格者数及び合格点の推移です。


(平成)
論文
合格者数
合格者数
前年比
論文
合格点
合格点
前年比
23 123 --- 245 ---
24 233 +110 230 -15
25 381 +148 210 -20
26 392 +11 210
27 428 +36 235 +25
28 429 +1 245 +10
29 469 +40 245

2.今年は、昨年と同じ合格点で、合格者数は40人増加しています。これは、どのようにして決まったのでしょうか。平成25年から昨年までは、以下の2つの基準によって、合格者数、合格点が決まっていると考えることができました(「平成28年予備試験論文式試験の結果について(1)」)。

(1)210点に累計で400人以上存在しない場合は、210点が合格点となる。
(2)210点に累計で400人以上存在する場合は、5点刻みで初めて400人を超える点数が合格点となる(「400人基準」)。

 上記(1)は、「資格試験としてのあるべき運用に配意」すると、210点未満を合格点にするわけにはいかない、という理屈によって正当化される基準です。

 

規制改革推進のための3か年計画(再改定)(平成21年3月31日閣議決定)より引用。太字強調は筆者。)

 法曹を目指す者の選択肢を狭めないよう、司法試験の本試験は、法科大学院修了者であるか予備試験合格者であるかを問わず、同一の基準により合否を判定する。また、本試験において公平な競争となるようにするため、予備試験合格者数について、事後的には、資格試験としての予備試験のあるべき運用にも配意しながら、予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合とを均衡させるとともに、予備試験合格者数が絞られることで実質的に予備試験受験者が法科大学院を修了する者と比べて、本試験受験の機会において不利に扱われることのないようにする等の総合的考慮を行う。
 これは、法科大学院修了者と予備試験合格者とが公平な競争となることが根源的に重要であることを示すものであり、法科大学院修了者と同等の能力・資質を有するかどうかを判定することが予備試験制度を設ける趣旨である。両者における同等の能力・資質とは、予備試験で課せられる法律基本科目、一般教養科目及び法律実務基礎科目について、予備試験に合格できる能力・資質と法科大学院を修了できる能力・資質とが同等であるべきであるという理念を意味する。

(引用終わり)

 

  210点というのは、1科目当たりにすると、21点。これは、一応の水準の下限の数字でした。

 

(「司法試験予備試験論文式試験の採点及び合否判定等の実施方法・基準について」より引用。太字強調は筆者。)

(2) 各答案の採点は,次の方針により行う。

ア 優秀と認められる答案については,その内容に応じ,下表の優秀欄の範囲。
 ただし,抜群に優れた答案については,下表の優秀欄( )の点数以上。

イ 良好な水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,下表の良好欄の範囲。

ウ 良好とまでは認められないものの,一応の水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,下表の一応の水準欄の範囲。

エ 上記以外の答案については,その内容に応じ,下表の不良欄の範囲。ただし,特に不良であると認められる答案については,下表の不良欄[ ]の点数以下。

優秀 良好 一応の水準 不良
50点から38点
(48点)
37点から29点 28点から21点 20点から0点
[3点]

(引用終わり)

 

 210点未満を合格させてしまうことは、不良の水準でも合格させてしまうことを意味する。それは、「資格試験としてのあるべき運用に配意」すると、許されない、ということですね。
 また、上記の(2)は、閣議決定の「予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合とを均衡させる」とは、「うまく行っていない法科大学院修了者の合格率に予備試験合格者の合格率を合わせるという意味ではなく、法科大学院修了者の合格率を引き上げる方策を検討すべきであるという趣旨であるから、法科大学院がうまく行っていない現状においては、予備試験合格者数をこれ以上増やすべきではない。」という理屈によって、正当化される基準でした。

 

規制改革推進のための3か年計画(再改定)(平成21年3月31日閣議決定)より引用。太字強調は筆者。)

 法曹を目指す者の選択肢を狭めないよう、司法試験の本試験は、法科大学院修了者であるか予備試験合格者であるかを問わず、同一の基準により合否を判定する。また、本試験において公平な競争となるようにするため、予備試験合格者数について、事後的には、資格試験としての予備試験のあるべき運用にも配意しながら、予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合とを均衡させるとともに、予備試験合格者数が絞られることで実質的に予備試験受験者が法科大学院を修了する者と比べて、本試験受験の機会において不利に扱われることのないようにする等の総合的考慮を行う。
 これは、法科大学院修了者と予備試験合格者とが公平な競争となることが根源的に重要であることを示すものであり、法科大学院修了者と同等の能力・資質を有するかどうかを判定することが予備試験制度を設ける趣旨である。両者における同等の能力・資質とは、予備試験で課せられる法律基本科目、一般教養科目及び法律実務基礎科目について、予備試験に合格できる能力・資質と法科大学院を修了できる能力・資質とが同等であるべきであるという理念を意味する。

(引用終わり)

法曹養成制度改革顧問会議第8回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

吉戒修一(元東京高裁長官)顧問 「予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合とを均衡させる」ということが書いてあるので、これをどう読むかです。・・・今の時点で予備試験合格者に占める本試験合格者の割合は約7割です。それに対し、法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合は約3割です。本来、法科大学院修了者の司法試験合格率は7~8割というのが目標ですから、現在は、それにはるかに及ばない、3割という低いところにいるわけです。したがって、これを7~8割までに引き上げるべきと読めるかと思います。これを低減させる方向で、つまり、法科大学院修了者の3割のラインに予備試験合格者の水準も下げるというのはおかしいだろうと思います。

(引用終わり)

法曹養成制度改革顧問会議第9回山根顧問提出資料より引用。太字強調は筆者。)

 予備試験の合格者数に関しては,「規制改革推進のための3か年計画」の存在が問題視されているが、この閣議決定は“両方のルートからの司法試験合格率がどちらも7~8割”となるという形での均衡を言っているのであって、法科大学院修了者の司法試験合格率が3割を切るという当時想定していなかった現状の中で、それに合わせて予備試験合格者を増加すべきと言っているものではないと考える。従って法科大学院制度の改革が進み、修了生が7~8割司法試験に合格できるようになるまでの当面の間は予備試験合格者の数を現状維持、あるいは減少させることが適当であると考える。

(引用終わり)

法科大学院特別委員会(第61回)議事録より引用。太字強調は筆者。)

土井真一(京都大学大学院法学研究科教授)委員  政府の規制改革推進3か年計画の中で、新司法試験の合格率において、予備試験合格者と法科大学院修了者の間で可能な限り差異が生じないようにすべきであると指摘されていますけれども、しかし、これは本来法科大学院が期待されていた役割を十全に果たしているという状況を前提にして、それと比べて予備試験合格者を不公平に取り扱わないという趣旨だったものだと私は理解しております。決して課題を抱えている法科大学院の現状に予備試験を合わせていって、法科大学院が抱えている課題をより深刻にするというようなことを意図しているわけではないと思います。その意味では、対症療法の一つとして、この閣議決定が間違っているというわけではなくて、本来の趣旨というものを適切に理解した上でその運用をお考えいただくということが大変重要なことではないかと思います。

片山直也(慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)委員長・教授)委員 仮にこの閣議決定に拘束力があることを前提に、今合格率の均衡を図る必要があるということだとしましても、その方法はいろいろ考えられるわけでありまして、その均衡を達成するために予備試験の合格者数を増やすというのは、これは本末転倒の議論ではないかという印象を受けております。

(引用終わり)

法曹養成制度改革顧問会議第8回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

有田知德(元福岡高検検事長)顧問 私、この前にもお話ししましたように、もう土俵が全く違ってきているのではないかなという感じを持っているのです。ですから、これはこれとして、今、射程範囲を超えた状況にあるわけですから、現状をどうするのかという視点で見た場合、一応、これは横に置いておくという措置しか私はないと。それで、その横に置いておくための理由付けをどうするのかというのをもう少し肉づけした上で、みんなに分かっていただくような方法がいいのではないのか。

橋本副孝(元日弁連副会長)顧問 私としては、現状、国として、法科大学院の卒業生に関して、一方で7~8割は受かるという目標設定をして、それを達成するための施策を立案し、実行している過程にある。他方で、予備試験合格者について、書かれているように法科大学院の卒業生と合格率の点で均衡させることを謳っている。こういう状態なのですから、国としては、この両方の要請を満たす形で考えないと、方針として一貫しないのではないかと思います。
 そういう意味で、両方を整合させて考えるのであれば、低い方の合格率に合わせて全体の制度を設計するというのは・・・前提が違うのではないかと思います。ここからどういう対応策を導くかという議論はあるとは思いますが、ただ、両者の要請があることを前提としたものにしないと政策として一貫しませんし、本来の趣旨が生きないのではないかと考えています。

(引用終わり)

法曹養成制度改革顧問会議第10回会議議事録より引用。太字強調は筆者。)

納谷廣美(前明大学長)座長 現状では、法科大学院修了者の司法試験合格率について、累積合格率が約7割と当初目指していた水準にほぼ達する法科大学院がある一方、累積合格率が全国平均(約5割)の半分未満の法科大学院も相当数あり、全体として法科大学院修了者の約5割(単年では約3割弱)しか司法試験に合格していないことから、法科大学院全体としては大きな課題を抱えており、極めて深刻な事態である。このように認識している。
 一方、平成23年から始まった予備試験については、これまでの実績を見ると、合格者の司法試験合格率が単年で7割程度で推移している。しかし、法務省の公表データ、今日のデータもありますが、自己申告によるものではあるが、予備試験に合格した者のうち法科大学院生と大学生が占める割合は高く、彼らのほとんどが司法試験に合格しており、その現象は増大傾向にあることが読み取られる。上記閣議決定当時には想定されていなかった事態が生じていると思います。このことから、予備試験合格者の司法試験合格率と、法科大学院修了者の司法試験合格率を単純に比較することは適当でないと思います。
 以上の問題状況に鑑みると、法科大学院教育については、その教育内容、水準及び質を早急に根本的に改善・充実させることが必要であるところ、法科大学院制度と予備試験制度との関係が当初想定されていた姿となっていない現状においては、予備試験の合否の判定を現状の法科大学院修了者の水準に合わせることは適当ではない
 こんなところでまとまるかなと思ってペーパーにまとめました。言葉は言い尽せないところもありますし、もう少し付加したいところもあるのですが、おおよそ閣議決定についてはこのように考えていけたらどうなのだろうか。このように顧問会議の御意見を集約させていただいたところでございます。

(引用終わり)

 

3.以上を踏まえて今年の結果をみてみましょう。今年の論文式試験の結果における得点別人員調によれば、210点以上を取った人は、累計で1082人います。したがって、(1)ではなく、(2)の「400人基準」によることになりそうです。そこで、5点刻みで初めて400人を超える点数を確認してみましょう。以下は、5点刻みの得点と、累計人員の一部を抜粋してまとめたものです。

得点 人員
255 337
250 403
245 469
240 538
235 616

 今年は、5点刻みで初めて400人を超える点数は、250点です。ところが、今年の合格点は、245点です。したがって、今年は、従来の基準をそのまま当てはめたのでは説明が付かないのです。

4.では、どのような理由で、245点になったのでしょうか。
 まず、上記の表をみてすぐに思い付くのは、従来の基準に従って合格点を250点にしてしまうと、合格者数は403人となって、少し少なすぎる、ということです。そこで、5点刻みで1つ下の245点を合格点にしたのではないか。このように、基準となる人数をギリギリ超える程度の数字だった場合には、その1つ下の合格点にする、ということは、平成24年や昨年の司法試験でもあったことです(「平成24年司法試験の結果について(1)」、「平成28年司法試験の結果について(1)」)。これは、十分あり得ることでしょう。仮に、この仮説が正しければ、従来の基準は基本的に維持されていることになりますから、来年以降もどんどん合格者数が増えるという期待はできないということになります。
 もう1つの仮説は、従来の(2)の基準が、「400人基準」から、「450人基準」に繰り上がったのではないか、というものです。この仮説が正しければ、来年以降も、450人強の合格者数を期待できるただ、この仮説に対しては、急に予備合格者を50人増やそうとすることの説明が難しそうだ、という気がします。ここで押さえておきたいのは、なぜ、予備の合格者数は抑制されているのか、ということです。法務省は、優秀な若手をもっとたくさん採りたいので、予備合格者を増やしたいと考えています。若手を採りたい、というのは、旧司法試験以来からの、一貫した法務省の希望でした。

 

参院法務委員会平成03年04月16日より引用。太字強調は筆者。)

政府委員(濱崎恭生君) 司法試験は、御案内のとおり、裁判官、検察官、弁護士となるための唯一の登竜門としての国家試験でございますが、最近といいますか昭和五十年ごろから急速に、合格までに極めて長期間の受験を要する状況になっております。その状態は大勢的には次第に進行しておりまして、今後放置すればますます進行するということが予想されるわけでございます。 具体的には、現在、合格者の平均受験回数が六回ないし七回。それに伴って合格者の平均年齢も二十八歳から二十九歳ということになっておりまして、二年間の修習を経て実務につくのは平均的に三十歳になってからという実情になってきているわけでございます。そのこと自体大変大きな問題でございますが、そういうことのために法曹となるにふさわしい大学法学部卒業者が最初から司法試験というものをあきらめてしまう、そんな難しい試験は最初からチャレンジしない、あるいは一、二回試験を受けてそれであきらめてしまうというような、いわゆる試験離れの状況を呈しております。これは法曹界に適材を吸引するという観点から大変大きな問題であろうと思っております。
 さらには、合格者の年齢がそういうことから総体的に高くなっていることによって、裁判官、検察官の任官希望者の数が十分に確保できないのではないかという懸念が次第に強くなってきているわけでございます。
 そういうことで、こういう状態は一刻も放置できない、何らかの改革を早急に実現しなければならないということで取り組んでまいったわけでございまして、今回の改正の目的を端的に申しますと、こうした現状を緊急に改善するために、法曹としての資質を有するより多くの人がもっと短期間の受験で合格することができる試験にしようということでございます。もっと短い期間で合格する可能性を高めるということが今回の改正の目的でございます。

 (中略)

 御指摘の合格枠制、若年者にげたを履かせるという御指摘でございました。これが短絡的な発想ではないか、あるいは便宜的ではないかという受け取り方をされがちでございますけれども、こういう改革案を必要とする理由については、先ほど来るる申し上げさせていただきました。やはり合格者を七百人程度に増加させるということを踏まえました上で、もう少し短い期間で合格する可能性を高めるという方策といたしましてはこういう方策をとるほかはない、こういう制度をとらなくてもそういう問題点が解消できるということならばそれにこしたことはないというふうに思っておりますが、この制度はすべての受験者にとってひとしく最初の受験から三年以内は合格しやすいという利益を与えるわけでございまして、決して試験の平等性を害するというものではないと思っております。

(引用終わり)

 

 上記は、旧司法試験で合格枠制、いわゆる丙案を導入する際の議論です。「丙案」という名称は、議論の際に、「甲案」、「乙案」、「丙案」を念頭に議論されていたことに由来します。

 

衆院法務委員会平成元年11月22日より引用。太字強調は筆者。)

○井嶋政府委員 司法試験制度は委員御承知のとおり法曹三者の後継者を選抜いたします事実上唯一の試験でございまして、国家試験の中でも最難関の試験であるというふうに言われておるわけでございますけれども、近年、この試験が非常に異常な状況を呈してまいっておりまして、平均受験回数が六回以上、合格者の平均年齢が二十八・九一歳というようなことに象徴されますように、司法試験の受験を目指す者にとって非常に過酷な試験になっておるという現状があるわけでございます。そういったことから、法曹の後継者を実務家として修練する機会と申しますか、開始する機会が非常に遅くなってきているということもございます。そのような結果、定年制を持ってキャリアシステムで進んでまいります判事、検事につきましては、給源としての問題も非常に出てまいっておるという面もございます。そういったことで、本来法曹三者がバランスよく採用される、登用されるという姿であるべき司法試験が異常な形になってまいっておりますために、そのバランスよく採るという点においても一つの破綻を来しておるということがあるわけでございます。
 そういったところから、法務省といたしましても、まず司法試験の現状を改めて、より多くの人がより早く合格できるような試験制度に改めて、若くて優秀な人たちが司法試験に魅力を感じて受けてもらえるようなものにしたいという観点で改革の提言を行ったわけでございます。そして昨年十二月から一昨日まで十一回、法曹三者協議会でこの問題について討議を重ねてまいりました。その間におきまして、司法試験の抱えております現状と問題点をそれぞれ資料に基づいて分析、検討いたしまして、協議を行ってまいったわけでございます。まだ認識の程度あるいは質において必ずしも全部が一致したというわけではございませんけれども、少なくとも共通項といたしまして、現状の試験を改革する必要性があるという点におきましては認識が大体まとまった。そこで、ではこれからはいかにすべきかということを審議するために、提案者でございますので、法務省としてのたたき台をお示ししようということで、一昨日、司法試験制度改革の基本構想というものを提出したわけでございます。
 それで、今申しましたような経緯でございますので、改革の基本的構想というのは、まさに現在の司法試験に比べまして、より多くの者がより短期間に合格し得るような試験とするということを目途といたしまして、次のような改革の具体的内容を提言いたしました。
 まず、制度上の改革でございます。
 一つは、甲案と申しておりますけれども、司法試験第二次試験におきまして、初めて受験した年から五年以内に限って受験することができる。これは一つの受験資格の制限という方向の改革でございます。したがって、五年以内に連続いたしますと五回受けられる、しかしそれ以上は受けられません、こういう形にする案がまず甲案でございます。
 しかし、それだけで打ち切ってしまいますと、法曹というものは必ずしも若いときだけでなくて、いろいろな社会経験を積んだ後に法曹を目指して司法試験を受ける方も現実におられますし、またそういった方々のキャリアも法曹にとって重要であるというような観点もございますから、これを単に一律に当初から五年連続五回でおしまいだということでは酷であるということで、復活制というものを設けまして、五年引き続いてやって失敗されましたら五年間はお休みいただきます、五年お休みいただきましたら前と同じように、原則と同じように、さらにまた五年間連続受けていただけます、こういうような制度にいたしまして、いわゆる社会経験をされた方で改めて司法試験を目指そうという方にも道を開くということを考えたわけでございます。
 それから、乙案と申しますのは、そういった五年以内連続五回という受験制限の考え方を一応原則といたしまして、合格者数の八割ぐらいに当たるものをそういった五回以内の方々から選ぶ、しかし、現実に現行制度では制限をしておらないわけでございますから、そういった方も将来ともあるだろう、そういうことのために、残りの二割ぐらいの合格者の数につきましては、引き続き六回、七回、十回と受けておられる方の中からでも採るようにしよう、そのぐらいの枠をその方々に提供しよう、ただし、もちろん合格最低点はいわゆる八割の方の合格最低点と同じものにする、こういう考え方が乙案でございます。
 丙案は、これは逆にと申しますか、発想を変えておりまして、現在五百名ばかり採っておるわけでございますけれども、現在の姿をそのまま維持いたしましょう、したがって受験回数制限も一切いたしません、その方々で大体七割くらいを採らしていただきましょう、残りの三割につきまして、今度は受験回数三回以下の方々についてこの枠でもって合格の判定をさせていただきましょう、こういう考え方を示しておるわけでございます。

(引用終わり)

 

 上記の「甲案」が、現在の受験回数制限へと引き継がれていったのでした。ここで重要なことは、上記の議論において、合格者の平均年齢が28歳であることをもって、「非常に異常な状況」と表現されていることです。今年の司法試験における合格者の平均年齢はといえば、28.8歳です(「平成29年司法試験の結果について(13)」)。すなわち、法務省からすれば、現在も、「非常に異常な状況」は何ら改善されていない、ということになる。ちなみに、現在の司法試験制度の導入を検討していた際には、合格者の平均年齢は、概ね24歳、25歳くらいが想定されていました。

 

参院法務委員会平成13年11月06日より引用。太字強調は筆者。)

○佐々木知子君 続いて、法科大学院を修了するための要件として、法学部出身者と他学部出身者とを区別せず、三年の在学期間を原則とすべきであるとの意見もあると聞いております。しかしながら、法科大学院に入学する学生の多くは、実際のところは法学部の出身者であろうと思われるわけです。その場合、学部で四年、大学院でさらに三年、合わせて七年間法律を学ぶということになるわけですね。これでは法曹となるまでの年月が余りに長くなってしまい、多くの有為な若者が法曹を目指すことをちゅうちょしてしまうのではないか。それとともに、頭のやわらかいときに余りにも法律法律と詰め込むことによって、実際は何も融通のきかない頭のかたい若者を育てる結果になってしまうのではないかということを私は非常に憂慮しているものでございますが、法科大学院の在学期間について、法務大臣の見解を求めます。

○国務大臣(森山眞弓君) 法科大学院におきましては、必ずしもいわゆる法学部の出身者だけを頭に置いているわけではございませんで、いろいろな分野の勉強をした若者が法曹を志してもらいたいという気持ちがあるわけでございます。
 司法制度改革審議会意見では、法科大学院における標準修業年限を三年とし、法学既修者、つまり法学部等で法律を勉強した者については、短縮型として二年での修了を認めるべきであるというふうにもおっしゃっているわけでございます。
 また、その教育内容については、厳格な成績評価及び修了認定を不可欠の前提としておりまして、修了者のうち相当程度の者が新司法試験に合格できるように充実したものとするべきであるということも言っております。
 そうしますと、司法試験合格時の年齢はおよそ二十四、五歳ということになろうかと推定されるわけでございますが、一方、現行の司法試験の合格者は、その平均受験期間がおよそ四年から五年となっておりますので、合格時の平均年齢がおよそ二十六、七歳ということが現実でございます。したがいまして、法科大学院制度導入後において、現行制度に比べて法曹資格を取得するまでの期間が長くなるとは必ずしも言えないかと思います。

(引用終わり)

 

 このように、当初の想定よりも合格者の平均年齢が高くなりすぎているので、法務省としては、予備の合格者数を増やして若手を採りたいのです。しかし、これに反対しているのが、文科省と法科大学院関係者です。予備試験のせいで法科大学院がうまくいっていない、と考えているからです。現在では、マスメディアも概ね文科省や法科大学院関係者の見解に近い姿勢で報道しています。「予備試験が抜け道になって、法科大学院制度が危うくなっている。」式の報道は、よく目にすることでしょう。とはいえ、予備試験を直接に所管しているのは法務省なので、法務省がその気になれば、合格者数を増やすことはできそうです(※)が、そのためには、これを正当化する理屈が必要です。これまで、予備合格者数が400人強で抑制されてきたのは、法務省が合格者数増のうまい理屈を立てられないでいた、ということなのでしょう。単に、「450人基準」を採用するというのでは、その理屈を立てるのが難しいように思われます。
 ※ 司法試験の合格者数が抑制されてきたのは、従来から法務省が急激な増員に消極的な姿勢をとっていたからです(「合格者増員方針は転換されたと言われているが」)。法務省は、「合格者数は法曹の質という観点から司法試験委員会が独立して決めている。数が増えていないのは質が確保できなかったからであり、仕方がない。」と言いながら、巧みに急激な増員を回避してきたのでした。また、法曹養成制度改革顧問会議において予備試験の受験資格の制限が議論された際に、推進室長など主要な構成員を法務省からの出向者で占める法曹養成制度改革推進室(組織構成に関する資料)がこれに極めて消極的な態度で臨み、受験資格制限の議論を封殺したのでした(「予備試験制度に関する意見の整理等」)。

5.その、予備合格者を増やすための理屈という点でありそうなのが、「合格点の上限を245点にしたのではないか。」という仮説です。以下は、これまでの予備論文式の合格点の推移です。


(平成)
論文
合格点
23 245
24 230
25 210
26 210
27 235
28 245
29 245

 これをみるとわかるように、予備試験の論文で、合格点が245点を超えたことは一度もないのです。この245点は、意味のある数字です。

 

(「司法試験予備試験論文式試験の採点及び合否判定等の実施方法・基準について」より引用。太字強調は筆者。)

(2) 各答案の採点は,次の方針により行う。

ア 優秀と認められる答案については,その内容に応じ,下表の優秀欄の範囲。
 ただし,抜群に優れた答案については,下表の優秀欄( )の点数以上。

イ 良好な水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,下表の良好欄の範囲。

ウ 良好とまでは認められないものの,一応の水準に達していると認められる答案については,その内容に応じ,下表の一応の水準欄の範囲。

エ 上記以外の答案については,その内容に応じ,下表の不良欄の範囲。ただし,特に不良であると認められる答案については,下表の不良欄[ ]の点数以下。

優秀 良好 一応の水準 不良
50点から38点
(48点)
37点から29点 28点から21点 20点から0点
[3点]

(引用終わり)

 

 予備試験では、一応の水準は28点から21点までの得点です。ですから、一応の水準の真ん中の数字は、(21+28)÷2=24.5点。予備試験の論文は各科目50点満点で、10科目です(「司法試験予備試験に関する配点について」)。したがって、各科目がそれぞれ一応の水準の真ん中である24.5点であるなら、全科目合計で245点となるわけです。
 このように、245点は、一応の水準の真ん中に相当する点数である。現在、司法試験の論文の合格点は、概ね一応の水準の真ん中よりやや下の水準となっています(「平成29年司法試験の結果について(5)」)。仮に、予備試験の論文の合格点を245点より高い数字にしてしまうと、「一応の水準より高い水準を予備試験に要求しているだけでなく、本体である司法試験の合格水準よりも高い水準を要求している」ことになってしまいます。これは、「予備試験合格者数が絞られることで実質的に予備試験受験者が法科大学院を修了する者と比べて、本試験受験の機会において不利に扱われることのないようにする」、「予備試験で課せられる法律基本科目、一般教養科目及び法律実務基礎科目について、予備試験に合格できる能力・資質と法科大学院を修了できる能力・資質とが同等であるべきである」とする閣議決定に合致しないでしょう。

 

規制改革推進のための3か年計画(再改定)(平成21年3月31日閣議決定)より引用。太字強調は筆者。)

 法曹を目指す者の選択肢を狭めないよう、司法試験の本試験は、法科大学院修了者であるか予備試験合格者であるかを問わず、同一の基準により合否を判定する。また、本試験において公平な競争となるようにするため、予備試験合格者数について、事後的には、資格試験としての予備試験のあるべき運用にも配意しながら、予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合とを均衡させるとともに、予備試験合格者数が絞られることで実質的に予備試験受験者が法科大学院を修了する者と比べて、本試験受験の機会において不利に扱われることのないようにする等の総合的考慮を行う。
 これは、法科大学院修了者と予備試験合格者とが公平な競争となることが根源的に重要であることを示すものであり、法科大学院修了者と同等の能力・資質を有するかどうかを判定することが予備試験制度を設ける趣旨である。両者における同等の能力・資質とは、予備試験で課せられる法律基本科目、一般教養科目及び法律実務基礎科目について、予備試験に合格できる能力・資質と法科大学院を修了できる能力・資質とが同等であるべきであるという理念を意味する。

(引用終わり)

 

 司法試験予備試験考査委員会議の主管省庁及び庶務担当部局課は、法務省大臣官房人事課です(「司法試験予備試験考査委員会議」の「概要」欄を参照)。法務省の事務局担当者から、上記のような説明をされた上で、「以上のような予備試験制度の趣旨及び閣議決定の趣旨を踏まえますと、合格点の上限は245点とするのが適当と思われますがいかがでしょうか。」などと言われれば、考査委員としても「なるほどそうだよな。」となりやすいでしょう。しかも、少なくとも今年に関しては、合格点を245点としても急激に合格者数が増えるわけではないので、特段反対する理由もない。そういうことで、今年の合格点は245点となったのではないか。仮に、この仮説が正しいとすると、従来の基準には、実は以下のように(3)が存在した、ということになります。

(1)210点に累計で400人以上存在しない場合は、210点が合格点となる。
(2)210点に累計で400人以上存在する場合は、5点刻みで初めて400人を超える点数が合格点となる(「400人基準」)。
(3)ただし、上記(2)を適用すると、合格点が245点を超える場合には、245点が合格点となる。

 この上記(3)によって、従来は400人強に抑えられていた合格者数が、理屈の上では青天井となったことになります。これは、予備の合格者数を増やしたい法務省としては、1つの大きなブレークスルーといえます。そして、受験生の側からすれば、今後も、「一応の水準の真ん中」さえクリアすれば合格できることを意味することになるのです。来年以降、合格点が245点を超えることがあるかどうか、注目されます。

posted by studyweb5 at 04:15| 司法試験関連ニュース・政府資料等 | 更新情報をチェックする

2017年10月10日

平成29年司法試験の結果について(13)

1.下記は、短答・論文段階の合格者の平均年齢の推移です。


(平成)
短答
合格者
短答
前年比
論文
合格者
論文
前年比
18 29.92 --- 28.87 ---
19 30.16 +0.24 29.20 +0.33
20 30.36 +0.20 28.98 -0.22
21 30.4 +0.04 28.84 -0.14
22 30.8 +0.4 29.07 +0.23
23 30.7 -0.1 28.50 -0.57
24 30.9 +0.2 28.54 +0.04
25 31.0 +0.1 28.37 -0.17
26 31.3 +0.3 28.2 -0.17
27 32.2 +0.9 29.1 +0.9
28 32.1 -0.1 28.3 -0.8
29 32.0 -0.1 28.8 +0.5

 平成26年までは、短答は緩やかに高齢化、論文は、緩やかに若年化という傾向でした。それが、平成27年には、短答、論文ともに、ほぼ1歳高齢化しました。この急激な高齢化の主な要因は、受験回数制限の緩和です。これまでは参入できなかった4回目の受験生は、通常は初回受験生より3つ年上ですから、4回目の受験生の参入が、平均年齢を押し上げる要因となったのでした。ただ、この平成27年で意外だったのは、論文合格者の平均年齢も上昇したことです。論文には、「受かりにくい者は、何度受けても受からない」法則がありますから、新たに4回目受験生が参入しても、論文合格者の平均年齢の上昇には寄与しないはずだったからです。実際には、この年の4回目受験生は、圧倒的な短答合格率で先行し、論文合格率の低下をわずかにとどめて、逃げ切っていたのでした(「平成27年司法試験の結果について(12)」)。
 昨年は、新たに5回目受験生が参入するので、さらなる高齢化が生じるかとも思われました。しかし実際には、短答はほぼ横ばい、論文は大幅な若年化となりました。その主な要因は、5回目受験生の再受験率が想像以上に低かったこと、4回目受験生が平成27年のような健闘を見せなかったことにあったのでした(「平成28年司法試験の結果について(15)」、「平成28年司法試験の結果について(16)」)。

2.今年はどうかというと、短答は昨年同様ほぼ横ばい論文は0.5歳の高齢化となりました。短答に関しては、平成27年の4回目受験者の新規参入や、昨年のような5回目受験者の新規参入という事情がありませんから、自然な結果といえます。とはいえ、従来は緩やかな高齢化傾向だったのに、ごくわずかとはいえ、若年化した点は少し気になるところです。
 一方の論文の高齢化は、意外な結果です。論文合格者の高齢化は平成27年にも生じましたが、これは新規参入した4回目受験者が論文でイレギュラーな健闘を見せたという、特殊な事情によるものでした。今年は、そのような特殊事情があるのでしょうか。
 今年の10月2日に実施された法科大学院等特別委員会(第82回)の配布資料として、「平成29年司法試験受験状況」という資料があります。これをみると、法科大学院修了者の受験回数別の短答、論文の合格率がわかります。まずは、受験回数別の短答合格率(受験者ベース)をみてみましょう。

受験回数 受験者数 短答合格者数 短答合格率
(受験者ベース)
1回目 1818 1169 64.3%
2回目 1335 810 60.6%
3回目 1099 678 61.6%
4回目 927 588 63.4%
5回目 388 299 77.0%

 短答は、単純に知識の量で差が付きやすいので、勉強量を多く確保できる者が有利です。そのため、受験回数が多いほど、合格率が高くなる。これが、例年の確立した傾向です。今年は、2回目以降の合格率に関しては、その傾向どおりとなっています。特に、5回目受験生の合格率の高さが目を引きます。これは、勉強量を多く確保できるという要因に加えて、5回目受験者の再受験率の低さ(「平成29年司法試験の受験予定者数について」)も影響しています。短答すら自信がない、というレベルの人は、5回目の受験を諦めて撤退してしまうのです。その結果、短答に自信のある人だけが5回目を受験するので、なおさら短答合格率を上昇させるというわけです。もう1つ目を引くのが、1回目受験生の短答合格率の高さです。これは、例年の傾向とは異なる結果です。短答合格者の平均年齢は、従来は緩やかな高齢化傾向だったのに、今年はごくわずかとはいえ若年化しました。その要因の1つとして、この1回目受験生の合格率の高さがあるのでしょう。なぜ、1回目受験生の短答合格率がこれほど高かったのか。実は、この1回目受験生の短答合格率が高いという現象は、昨年も生じていました(「平成27年司法試験の結果について(12)」)。今年は、それがさらに強まっている。昨年、今年に共通して考えられる要因は、受験者数の減少です。以下は、受験者数の推移です。前年比の括弧内は、変化率を示します。

受験者数 前年比
18 2087 ---
19 4597 +2510
(+120.2%)
20 6238 +1641
(+35.6%)
21 7353 +1115
(+17.8%)
22 8163 +810
(+11.0%)
23 8765 +602
(+7.3%)
24 8387 -378
(-4.3%)
25 7653 -734
(-8.7%)
26 8015 +362
(+4.7%)
27 8016 +1
(+0.0%)
28 6899 -1117
(-13.9%)
29 5967 -932
(-13.5%)

 昨年、今年と、大幅に受験者数が減少していることがわかります。以前の記事でも説明したとおり、受験者数が減少すると、実力者の比率が増す傾向にあります(「平成29年司法試験の結果について(3)」)。イメージ的にいえば、ミーハーな受験者層が減少し、コアな受験者層だけが残るという感じです。受験者数がどんどん減っているのは、1つには緩和された受験回数制限が機能し始めた、すなわち、5回目受験生の失権が生じ始めた、ということもありますが、同時に、新規の受験者が減っている、すなわち、1回目の受験者が減っているということも、大きな要因です。昨年、今年と、1回目受験者が、少数精鋭的な色彩を強めてきているのではないか。仮にそうだとすると、1回目受験者の減少傾向が今後も続く限り、短答合格率の逆転現象は続きそうだ、という予測ができることになる。では、1回目受験者の減少傾向は今後も続くのか。その予測をするに当たり、重要な要素が、法科大学院の入学定員及び実入学者数です。直近のデータは、法科大学院等特別委員会(第82回)の配布資料の「各法科大学院の入学定員及び実入学者数の推移」に示されています。これを元に、法科大学院の入学定員及び実入学者数の推移をまとめたのが、以下の表です。

年度 入学定員 前年比 実入学者数 前年比
20 5795 --- 5397 ---
21 5765 -30 4844 -553
22 4909 -856 4122 -722
23 4571 -338 3620 -502
24 4484 -87 3150 -470
25 4261 -223 2698 -452
26 3809 -452 2272 -426
27 3169 -640 2201 -71
28 2724 -445 1857 -344
29 2566 -158 1704 -153
30 2330
(予定)
-236 --- ---

 入学定員と実入学者数のいずれについても、減少傾向が続いていることがわかります。新たに法科大学院に入学した者が司法試験を受験するようになるまでのタイムラグも考慮すれば、当面は1回目受験生の減少傾向が続くでしょう。したがって、1回目受験生の短答合格率が高くなる逆転現象は、今後もしばらく続くだろうと予測できるのです。

3.今度は、法科大学院修了者の受験回数別論文合格率(短答合格者ベース)をみてみましょう。

受験回数 短答合格者数 論文合格者数 論文合格率
(短答合格者ベース)
1回目 1169 640 54.7%
2回目 810 253 31.2%
3回目 678 173 25.5%
4回目 588 131 22.2%
5回目 299 56 18.7%

 論文は、「受かりにくい者は、何度受けても受からない」法則があります(「平成29年司法試験の結果について(6)」)。規範と事実を明示しない書き方をする人や、問題文から論点を素早く抽出する反射神経、早く文字を書く能力等が劣る者は、どんなに勉強量を増やしても、受かりにくいことに変わりはない。受かりにくい特性を強く持つ者が滞留していくので、受験回数が増えれば増えるほど、合格率は下がっていくのです。今年も、その傾向どおりの結果になっています。過去にみられたような、4回目、5回目受験生の論文段階での健闘は、今年はみられませんでした。5回目受験生は、決して実力で劣っているわけではありません。それは、短答の高い合格率から明らかです。しかし、そのような実力を持つ5回目受験生も、「受かりにくい者」であるがゆえに、論文では厳しい結果になるのです。このように、短答と論文は全く特性が異なるということを、普段の学習においても意識すべきです。

4.さて、そうなると、今年の論文段階の合格者平均年齢が昨年より高齢化した要因は、一体どこにあるのか。ここで思い出されるのが、今年の予備組の合格率急上昇の要因です。これは、年配の予備組受験者には、「受かりにくい者は、何度受けても受からない」法則があまり作用しなかった、というところにありました(「平成29年司法試験の結果について(9)」)。そのことを、「平成29年司法試験受験状況」の合格年別の予備組の論文合格率(短答合格者ベース)で確認してみましょう。合格年欄の括弧書きは、受控えをしない場合の通常の受験回数を示しています。

合格年
(平成)
短答
合格者数
論文
合格者数
論文
合格率
28
(1回目)
262 229 87.4%
27
(2回目)
67 37 55.2%
26
(3回目)
22 31.8%
25
(4回目)
19 42.1%
24
(5回目)
23 39.1%

 1回目と比較すると、2回目以降は顕著に合格率が低下していますから、予備組にも「受かりにくい者は、何度受けても受からない」法則が作用していることは確かです。もっとも、4回目、5回目の合格率をみると、今年は3回目よりも高いことがわかります。昨年の数字と比較すると、いかに今年が特殊であるかがわかるでしょう。

昨年(平成28年)
合格年
(平成)
短答
合格者数
論文
合格者数
論文
合格率
27
(1回目)
264 195 73.8%
26
(2回目)
44 21 47.7%
25
(3回目)
30 10 33.3%
24
(4回目)
31 24.1%
23
(5回目)
22.2%

 昨年は、4回目、5回目になると、2割台まで下がっていたのです。それが、今年は4割前後を維持している。やはり、今年の予備組に関しては、「受かりにくい者は、何度受けても受からない」法則の作用が弱かったといえそうです。
 ただ、上記のことは、今年の論文合格者平均年齢の上昇を説明するものとしては、不十分です。なぜなら、4回目以降の予備組合格者は17人しかいないからです。この程度の人数で、論文合格者全体の平均年齢を0.5歳上昇させることはできません。仮にこの17人の年齢が10歳上がったとしても、以下の算式のとおり、0.11歳程度しか合格者全体の平均年齢を上昇させないのです。

 17×10÷1543≒0.11

 ですから、予備組の4回目、5回目の合格率が上がったから、論文合格者の平均年齢が0.5歳上昇したのだ、という説明は、できないのです。
 予備組に関しては、年代別の合格者数が公表されています。予備組の平均年齢への寄与度ということを考える場合には、年代別の合格者数が昨年と比較してどのように増減しているかを確認する方が正確です。以下は、昨年と今年の予備組の年代別合格者数の比較表です。

年齢 合格者数
(今年)
合格者数
(昨年)
前年比
20~24 155 130 +25
25~29 49 40 +9
30~34 19 17 +2
35~39 27 21 +6
40~44 14 +5
45~49 13 +6
50~54 -3
55~59 +4
60~64 +1
65~69 -1
70以上 +1

 上記から、以下の算式を用いることにより、今年の予備組が、昨年の平均年齢(28.3歳)からの変動にどの程度寄与したかを試算することができます。なお、70以上については、最高齢合格者が71歳であることがわかっているので、その数字を用いています。

 ((22-28.3)×25+(27-28.3)×9+(32-28.3)×2+(37-28.3)×6+(42-28.3)×5+(47-28.3)×6-(52-28.3)×3+(57-28.3)×4+(62-28.3)-(67-28.3)+(71-28.3))÷1543

=(-157.5-11.7+7.4+52.2+68.5+112.2-71.1+114.8+33.7-38.7+42.7)÷1543

=152.5÷1543

+0.098

 予備組は、全体の論文合格者の平均年齢を概ね0.1歳程度上昇させる程度の寄与しかしていないだろうということがわかります。そもそも予備合格者自体がそれほど多くないこと、年配者の合格者は増えているけれども、若手の合格者も増えていることから、その程度の寄与にしかならないのです。そうすると、残りの0.4歳の上昇は、何だったのか。現在のところ、これははっきりしません。来年以降もこの傾向が続くのかどうか、気になるところです。

5.最後に、短答と論文の合格者の平均年齢の差をみておきましょう。


(平成)
短答
合格者
論文
合格者
短答論文
の年齢差
18 29.92 28.87 1.05
19 30.16 29.20 0.96
20 30.36 28.98 1.38
21 30.4 28.84 1.56
22 30.8 29.07 1.73
23 30.7 28.50 2.20
24 30.9 28.54 2.36
25 31.0 28.37 2.63
26 31.3 28.2 3.1
27 32.2 29.1 3.1
28 32.1 28.3 3.8
29 32.0 28.8 3.2

 短答と論文の合格者の平均年齢の差は、論文段階でどの程度の若年化が生じているかを示しています。この差は、これまでも繰り返し説明してきた、短答と論文の特性の違いによって生じます。短答は知識重視なので、高齢化しやすく、論文は筆力重視なので、若年化しやすい。短答と論文の年齢差の推移は、この特性の強弱の推移を示すものといえます。
 昨年までの短答と論文の合格者の平均年齢の差の推移をみると、一貫して拡大傾向にあったことがわかります。これは、短答と論文の特性の違いが、年々強まってきたことを意味しています。今年は、論文段階での若年化が緩やかだったため、短答と論文の年齢差は縮小していますが、それでも、過去の数字と比較すると、大きな差が生じています。この差が3歳分を超えるようになってから、もう4年になります。当サイトが繰り返し説明しているとおり、近年は、「規範と事実」に異常な配点があり、それを書いているかどうかによって、極端に差が付くようになりました。この傾向と、上記の短答と論文の年齢差は、リンクしているように思います。論文の学習をするに当たっては、この最近の論文の傾向に、特に気を付ける必要があるのです。

posted by studyweb5 at 03:14| 司法試験関連ニュース・政府資料等 | 更新情報をチェックする


  【当サイト作成の電子書籍一覧】
司法試験平成28年最新判例ノート
平成29年司法試験のための平成28年刑訴法改正の解説
司法試験定義趣旨論証集刑訴法(逐次改頁版)
司法試験定義趣旨論証集刑訴法(通常表示版)
司法試験平成27年採点実感等に関する意見の読み方(民法)
司法試験平成27年出題趣旨の読み方(民法)
司法試験平成27年採点実感等に関する意見の読み方(行政法)
司法試験平成27年出題趣旨の読み方(行政法)
司法試験平成27年採点実感等に関する意見の読み方(憲法)
司法試験平成27年出題趣旨の読み方(憲法)
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(会社法)
司法試験定義趣旨論証集(会社法)
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(物権)
司法試験定義趣旨論証集(物権)
司法試験平成26年最新判例ノート
司法試験論文用平成26年会社法改正対応教材
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(民法総則)
司法試験定義趣旨論証集(民法総則)
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(刑法各論)
司法試験定義趣旨論証集(刑法各論)
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(刑法総論)
司法試験定義趣旨論証集(刑法総論)
司法試験平成25年判例肢別問題集
司法試験平成25年判例論証穴埋問題集
司法試験平成25年判例論証集
司法試験定義趣旨論証集(行政法)

  【最新ニュース・新刊書籍紹介】
平成30年司法試験受験願書の交付等について
平成29年司法試験予備試験論文式試験結果
司法試験予備試験 新・論文の森 商法<第2版>
国民審査を受ける最高裁裁判官7人のアンケート回答全文
アディーレ 2カ月業務停止 東京弁護士会処分「事実と違う宣伝」
企業法とコンプライアンス 第3版
「ヘイト投稿」がネットで容認される不可思議
横田騒音に6億円賠償命令 各地の基地騒音訴訟は? 最高裁判例を踏襲
震災遺児の財産を横領 叔父の懲役6年確定へ 最高裁が上告棄却
商法判例集 第7版
Skill 妻と別居中に交際「不倫にならない」は本当?
選挙権ない男性が投票 神戸市長選、期日前投票
国際取引法講義
国民審査の投票用紙紛失 宮崎
法制審議会民事執行法部会第8回会議議事録等
取締役・取締役会制度
米最高裁、トランプ大統領の入国禁止令巡る上告1件退ける
無実の罪で23年間服役の米男性釈放
Before/After 民法改正
法曹養成、5年一貫コース推進 大学を1年短縮 文科省案 
法科大学院、H30年度入学定員は2,330人…ピークより3,495人減
行政法 (伊藤塾試験対策問題集:予備試験論文 8)
文科省、法科大学院の最低評価は1校 
最高裁裁判官国民審査が告示 期日前投票、衆院選と同日から
法学セミナー 2017年 11 月号
原発事故、国と東電に5億賠償命じる 「国は津波予見できた」
原状回復請求は退ける 被災者集団訴訟で福島地裁

新注釈民法17 親族(1)
裁判官の忌避認めず 大飯原発訴訟で最高裁
元特捜部長、弁護士登録申請 捜査資料改ざん・隠蔽で有罪
民法2 物権 第4版 (有斐閣Sシリーズ)
証拠改竄隠蔽事件で有罪の元特捜部長・大坪氏が弁護士申請 大阪弁護士会
「民事訴訟」詐欺、弁護士名乗る男が供託金要求
債権法改正を読む:改正論から学ぶ新民法
弁護士らが日弁連に再質問状 「質問に向き合っていない」 死刑廃止宣言めぐり
解説 民法(債権法)改正のポイント
電通 違法残業に罰金50万円の判決 東京簡裁
電通に罰金50万円 簡裁判決「違法残業が常態化」
新版 弁護士・事務職員のための破産管財の税務と手続
東京地検、大麻所持「量刑重すぎた」 異例の控訴で減刑
「刑重すぎ」 地検が異例の控訴 高裁が刑軽く
契約法(中田裕康)
「日本は機械学習パラダイス」 その理由は著作権法にあり
民法7 親族・相続 第5版 (有斐閣アルマ Specialized)
法科大学院等特別委員会(第82回)配付資料
法制審議会民事執行法部会第7回会議議事録等
民法の基礎から学ぶ 民法改正
「民事執行法の改正に関する中間試案」(平成29年9月8日)のとりまとめ
伊藤真の民法入門 第6版
死刑を求刑「遺産目的極めて悪質」…青酸連続死
青酸不審死、筧被告に死刑求刑「まれにみる凶悪な事件」
デイリー六法2018 平成30年版
名張事件、新証拠を提出 弁護団「封かん紙、貼り直し明らか」
11年前の刺殺容疑で逮捕へ 通り魔事件で服役中の男 
ポケット六法 平成30年版
「旧態依然の働き方」に問題意識突きつける
EU離脱後移行期間の貿易紛争、欧州司法裁が権限維持も=英首相
弁護士が教える IT契約の教科書
国が国賠訴訟促す通知、アスベスト被害の2300人 
新旧対照でわかる 改正債権法の逐条解説

刑事訴訟法等の一部を改正する法律について
いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪について(PDF)
法曹養成制度関係閣僚会議
民法(債権関係)の改正に関する要綱案
民法の一部を改正する法律案
法曹養成制度改革の推進について(PDF)
法曹養成制度改革推進会議
法曹養成制度改革顧問会議
平成29年司法試験予備試験の結果について
平成30年司法試験の実施について
司法試験考査委員の不適切行為に関する通報窓口

  【司法研修所教材・講義案・調査官解説等】
事件記録教材 法科大学院教材
調査官解説
事例で考える民事事実認定
民事訴訟における事実認定 契約分野別研究(製作及び開発に関する契約)
プラクティス刑事裁判
プロシーディングス刑事裁判
検察講義案 平成24年版
新問題研究要件事実
紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂
刑事第一審公判手続の概要
刑事判決書起案の手引
民事判決起案の手引
民事訴訟第一審手続の解説
情況証拠の観点から見た事実認定
民事訴訟における要件事実 第2巻
民事訴訟における要件事実 増補 第1巻
書記官研修講義案等