2011年08月19日

最新下級審裁判例

大阪地裁第12刑事部判決平成22年05月25日

【判旨】

第1. 本件公訴事実,争点及び当事者の主張の概要

1.本件公訴事実

 本件公訴事実は,「被告人は,平成20年10月17日午前1時25分ころ,大阪府茨木市a町b丁目c番d号付近の路上において,歩行中のA(当時28歳)に対し,自転車で追い抜きざまに,背後からその後頭部をハンマー様のもので1回殴打する暴行を加え,よって,同人に加療約1週間の頭部挫創の傷害を負わせた。」というものである(以下,同年中のできごとについては年度を省略する。)。

2.争点及び当事者の主張

 弁護人及び被告人は,本件の犯人(以下,単に「犯人」という。)は,被告人ではない旨主張する。したがって,本件の争点は,被告人と犯人との同一性である。
 この点,検察官は,①被害者は,本件犯行の直前に,ジョギング中にすれ違った男を被告人であると識別し,さらに,すれ違った男と犯人とが同一人物であると供述しているから,被告人と犯人とが同一人物であると考えられること,②被害者の目撃した犯人の特徴と当時の被告人の特徴とが一致していること,③被告人は本件犯行時刻前後に外出しており,帰宅時刻は犯行現場から帰宅に要する時間と符合していること,④被告人は,本件犯行後,本件に特段の関心を示し,犯人のみしか知り得ない情報を持っていたこと等,被告人が犯人であることを肯定する方向の種々の事実があるから,被告人が犯人であると認めることができると主張する。
 これに対し,弁護人は,被害者の前記供述は,観察条件,似顔絵の作成過程,選別手続の過程のいずれにも問題があるから信用することはできないし,検察官の主張する被告人の犯人性を肯定する方向の事実はいずれも被告人と犯人の同一性について十分な推認力を有するとはいえない上,被告人が犯人であることと矛盾する方向の事実も存するから,被告人が犯人であるとの立証はなされておらず,被告人は無罪であると主張する。
 そこで,以下では,順次,検察官の主張する積極事実について検討を加えた上,弁護人の主張する消極事実をも検討し,健全な社会常識に照らし合理的な疑いを入れない程度に被告人を犯人であると認めることができるか検討を進めていく。

第2.前提となる事実

 以下の事実は,当事者間に,概ね争いはなく,証拠上,優に認定することができる。

1.犯人は,10月17日午前1時25分ころ,公訴事実記載の路上を歩行中の被害者の後頭部を,背後から自転車で追い抜きざまに鈍器で殴打した。

2.被告人は,同日午前零時24分ころ,少なくとも長髪ではない髪型で,太った体型ではなく,白い長袖シャツのすそをズボンから出し,前かごに黒いリュックを入れ,後部荷台に鉄亜鈴を載せた26インチのシルバーの自転車で自宅マンションを出,午前1時31分ころ,帰宅した。
 被告人の自宅マンションと本件犯行現場との距離は道なりで約1100メートルであり,通常走行での自転車の所要時間は約四,五分である。

第3.被害者がすれ違った男と被告人の同一性について

1.被害者は,犯行に遭った直前にすれ違った不審な男と犯人とが同一人物であると思うが,そのすれ違った男は被告人であったと供述する。
 被害者は,被告人とは面識がなく,被告人にことさら不利な供述をするような事情は窺われない上,記憶していることと記憶していないことを区別して供述するなど,供述態度も真摯である。しかし,人の顔といった言語化しにくいものに対する観察,記憶の困難性,記憶変容の危険性に照らすと,その観察条件,記憶・選別手続の正確性をさらに慎重に検討する必要がある。

2.観察条件等の検討の前提となる基本的事実関係

 被害者の証言,Bの証言,被害者の警察官調書(甲5),写真撮影報告書(甲9,32,33),捜査報告書(甲10,36)等の関係証拠によれば,被害者が不審な男を目撃し,すれ違うまでの経緯,目撃状況,目撃後の状況は以下のとおりである。

(1) 被害者は,10月17日午前1時ころ,日課としているジョギングをするためにめがねを着用して自宅を出発した。
 被害者は,ジョギングをしながら,本件犯行現場につながるe遊歩道に入って,その遊歩道を北に進み,遊歩道上を約1.4キロメートル進んだ大阪府茨木市f町g番付近(以下,「折り返し地点」という。)で折り返し,今度は遊歩道を南に進んでジョギングを続けた。

(2) 被害者は,折り返し地点から,南に約43.8メートル進んだ地点で,遊歩道上に自転車にまたがったまま,被害者と正対する方向(北方向)に向かって立っている男の姿を約45メートル前方に認めた。
 被害者は,深夜の遊歩道に,自転車にまたがったまま立っているという男の様子に加えて,近づくにつれて男の視線を感じてきたので,恐怖感,不信感を強めた。被害者は,男から約11.9メートルの地点で,男と目が合ったが,「ほんの一瞬」で,その男の視線をはずした。その直後,男は,被害者をにらむような目つきのまま,自転車の前かごに入れているバッグの中に手を入れ,まさぐるような仕草をした。それを見た被害者は,男から何かをされると思い,スピードを上げ,男の横を走り抜けた。

(3) 被害者は,そのまま遊歩道を南に走り続け,不審な男とすれ違った場所から約1キロメートル先にあるh交差点で走るのをやめ,引き続き遊歩道を南方向に歩いた。そうしたところ,h交差点から約200メートル南側の本件犯行場所で前記前提事実1の被害に遭い,その直後,自転車で逃走する犯人を目撃した(犯人の目撃状況等については後述する。)。

(4) 同日午前2時ころから午前6時ころまでの間,被害者は,茨木警察署で事情聴取を受けた。その際作成された供述調書(甲5)には,すれ違った男の特徴について,「メガネをかけた30歳前後の男性」としか記載されていない。

(5) その後,被害者は,いったん帰宅したが,同日正午ころ,再度警察官から呼び出され,大阪府警本部鑑識課で,犯行に遭った直前にすれ違った男の似顔絵(甲36)を作成した。似顔絵の作成の際は,部屋には,似顔絵を描く鑑識課の担当者と被害者の二人しかおらず,捜査官は同席していなかった。その際,担当者は,事件の概要は知っていたが,犯人の特徴等についての情報は知らなかった。なお,当該似顔絵について,被害者は,すれ違った男に似ていると供述している。

3.観察条件等についての検討

(1) 弁護人は,実況見分調書(甲35)の照度測定結果には疑問が残るし,その結果を前提にしたとしても,被害者がすれ違った男の顔の概要を識別するだけの十分な明るさがあったとはいえない上,その具体的状況に照らしても,被害者がすれ違った男を目撃した際の観察条件は悪く,被害者は男の顔をおよそ認識していなかった旨主張する。
 確かに,被害者がすれ違った男を目撃した際の現場の明るさは,前記実況見分調書等の関係証拠を前提にしても必ずしも十分なものとはいえないし,その明るさからすると,約11.9メートルという距離も近いとはいえない。また,被害者は,すれ違った男と目を合わせた時間について「ほんの一瞬」であった旨述べており,観察時間に関しても十分とはいい難い。
 しかし,やや逆光ぎみとはいえ遊歩道上の外灯の灯りや,マンションの居住部分から漏れる灯りがあった上,被害者は,男とすれ違うまでに,遊歩道上を約1.4キロメートル近くに渡ってジョギングし,暗さに目が十分に慣れた状態であったこと,被害者は目撃時,めがねを着用しており,矯正視力は右目1.5,左目1.2であったこと,被害者は,すれ違った男の様子から,その男を不審者として意識し,かつ,その不信感は男に近づくにつれて高まり,男と目が合い,同人の顔を目撃した時点では,男に対する注意力は一定程度高まっていたと認められること,すれ違った男を目撃してから約半日後の時点で,捜査官からの暗示等が認められない状況下で,被害者自身が,すれ違った男に似ていると判断できる似顔絵(甲36)を作成することができたこと等に照らすと,少なくとも,そのような似顔絵に描かれた表情を観察することはできたと考えられる。
 この点,弁護人は,似顔絵作成の際,警察が,当日に入手した被告人の10年前の写真(甲47)を基に警察官が恣意的に誘導した疑いが強いと主張するが,そのような行為は,捜査官にとっても被害者供述の信用性を根底から覆しかねない危険な行為である上,事件発生から半日後の時点で,捜査官の中でそのような行為をしなければならないほど被告人に対する捜査官の容疑が高まっていたとまでは考えにくいことからすると,本件捜査を担当したB刑事が証言するように,本件においては,そのような事実は認められない。
 そして,作成された似顔絵は,被告人と似ているところもあり,そのような似顔絵の存在は,すれ違った男は被告人であったとする被害者の識別供述を補強するものといえる。

(2) しかしながら,前述したように,被害者がすれ違った男を目撃した際の,明るさ,距離,観察時間のいずれの点についても十分とはいえない状況に鑑みると,目撃した際に被害者に記憶された男の像は,多分に細部が捨象された,全体的な印象といった面が強いように考えられる。そのことは,被害者が再三にわたり,にらみつけるような目が印象に残っていると供述していることからも窺えるところである。したがって,似顔絵やそれによって補強された被害者の識別供述の証拠価値を検討する際には慎重な姿勢が必要である。
 なお,この似顔絵が作成されたことで,被害者は,見知らぬ男の顔の特徴という言語化しにくい記憶を外部に固定化することができ,既知性のない人物の顔に関する記憶が時間と共に減退していく危険をそれなりに回避することができたと同時に,すれ違った男の顔に関する被害者の記憶は,その後は,似顔絵の顔と入れ替わってしまっている危険もあるという点に留意する必要がある。

4.次に,被害者が,写真面割り等を経て,犯行に遭った直前にすれ違った男を被告人であると同定していく選別手続等について検討する。

(1) 被害者は,12月2日に至って,それぞれ18枚の顔写真が貼付された2冊の異なる写真面割台帳(甲61,62)を示され,一見した風貌の趣がやや異なる2枚の被告人の写真を,いずれもすれ違った男であるとして選別した。
 たしかに,これら写真面割台帳に貼付された被告人の顔写真は,もともとめがねを掛けていない被告人の顔写真に,前記似顔絵に描かれためがねの特徴とよく似ためがねの画像を合成して作成されたものであるから,被告人の顔写真にのみ,被害者がすれ違った男の固有の情報が付加されているものであった点で,問題があることは否定できない。
 しかし,いずれの写真面割台帳も,被告人以外の人物の掛けているめがねが全て,似顔絵に描かれているめがねと大きく異なるというものではない。また,年齢,顔の輪郭,髪型等の,めがね以外の特徴についても被告人のみが特徴的に浮かび上がってしまうような人物の写真が選択されていたものではなく,それぞれに貼付された18枚の写真全体を見た場合に,前記の合成部分は,被告人の顔写真を選別する際に,暗示,誘導となるほど特異なものではない。
 また,被害者が選別した2枚の被告人の写真は,1枚が2年ほど前のもの(甲61),もう1枚が10年ほど前のもの(甲62)と撮影時期が異なり,同年齢の人物としては,一見した風貌はやや異なるようにも見える。被害者が,このような2枚の被告人の写真を,いずれもすれ違った男として選別していることは,実際に目撃した者でなければ分からない固有の特徴を被害者が把握しているからと考えることもできる。さらに,被害者は,選別の際に,被告人の写真を見てぴんときたが,実際に答えを出すまでには時間をかけたと証言しており,この点は,被害者の写真選別に対する慎重さの表れであるといえる。そして,目撃から選別手続までかなりの期間が経過しているものの,前記のとおり,似顔絵を作成したことで,被害者は,時間の経過に伴う記憶の減退をある程度回避することができている。
  これらの事情に照らすと,被害者が,慎重な姿勢をもって手続に臨み,結果として,2冊の写真面割台帳から,それぞれ撮影時期の異なる被告人の顔写真をすれ違った男として選別したことは,識別供述の信用性を考える上で,一定の重要な意味があるということができる。

(2) しかしながら,すれ違った男を目撃してから,写真面割りによる選別手続まで46日も経過しており,いかに似顔絵の作成により,記憶の減退をある程度回避できていたとはいえ,やはり,相当に記憶が減退・変容していた可能性は否定できない。また,似顔絵として固定化されたすれ違った男の顔は,それほど個性的な顔ではなく,似顔絵との類似も,人物の同一性を特段に高める要素とはならない。加えて,その選別内容を検討すると,被害者は,「2年前の写真(甲61)よりも,10年前の写真(甲62)の方が,すれ違った男に似ている。」旨供述しているところ,10年前の写真は,年齢的に若い印象を受ける写真であり(なお,この顔写真は,ややあごを引いた感じでにらみつけるような目つきをしており,同じ写真面割台帳の他の写真と比較し,やや個性的である。),前記似顔絵の人物も,それなりに若い年代を想像させる表情であって,犯行時の被告人の年齢と必ずしも整合するものでもない。前述したとおり,被害者に記憶されたすれ違った男の像は,多分に全体的な印象といった側面が強いこと等にも鑑みると,これらの写真面割台帳に基づいて,すれ違った男を被告人と識別した点は,それ単独で,すれ違った男を被告人であると認定できるほどの強い証拠価値が認められるものではなく,それなりに似ていたという程度で評価するのが相当である。

5.顔以外の特徴の共通点

 被害者は,公判廷において,すれ違った男の顔以外の特徴について,「黒色に見えるリュックのようなバッグが入った黒色の前かごのついた自転車にまたがっており,やせ型で,長袖シャツを着ていた。」と供述している。本件当日の外出時及び帰宅時における被告人の特徴は,前記前提事実2のとおりであり,自転車の前かごにリュックを入れ,長袖シャツを着,少なくとも太った体型ではなかったという点で,被告人とすれ違った男との間には共通性が認められる。もっとも,これらの共通点は,いずれも特段珍しいものではなく,これらの特徴に共通性が認められることをもって,前記2ないし4の検討に基づく被害者の識別供述の信用性の程度を格段に高めるものではない。

第4.すれ違った男と犯人の同一性について

 被害者は,「すれ違った男と犯人の人間的な雰囲気は似ていたし,深夜で,この男を目撃してから被害に遭うまですれ違った人物はなかったことから,すれ違った男と犯人は同一人物であったと思う。」旨供述しているのでこの点について検討する。
 被害者がすれ違った男を目撃した地点から,本件犯行現場までの距離は,約1.2キロメートルであり,被害者がすれ違った男を目撃してから,本件犯行までは約5分程度の時間が経過している。また,犯行現場を含め,被害者がジョギングをしていた遊歩道は,木立に囲まれ外部からの見通しはよくないとはいえ,他の道路からの進入路もあり,周囲と遮断するような構造物もない。
 他方,本件犯行時刻は,10月中旬の平日の深夜午前1時25分ころという人通りの少ない時間帯であり,実際に,被害者が当日にジョギング中に遊歩道上で出会った人物は,すれ違った男以外には,ジョギング中の男性一人であった。また,被害者の供述によれば,少なくとも,すれ違った男と犯人には,自転車に乗り,長袖シャツを着,長くも短くもない髪型でやせ型であるという共通点があり,正面からと背後からの目撃という違いはあれ,被害者は,両者の人物としての雰囲気が似ていたと認識できたというのであるから,すれ違った男と犯人とが同一人物である蓋然性は,それなりに高いということができる。
 もっとも,前述のとおり,すれ違った場所と犯行現場の距離や,現場が誰もが自由に通行できる遊歩道であることを考えると,この状況のみから,すれ違った男と犯人とが同一人物であると断定することはできない。

第5. 被告人と犯人との特徴の共通点について

1.被害者は,犯人の特徴について,公判廷において,「白い長そでシャツを着て,長ズボンをはいていた。シャツのすそは出ていた。髪型は,長くもなく,短くもなく,ちょっとぼさっとしたような感じで,体格は,やせ型だった。自転車は,26インチぐらいの大きさで,後部に荷台がついており,泥よけの色はシルバーだった。」と供述している。
 そして,前記前提事実2のとおり,被告人は,当時,少なくとも長髪ではなく,白色の長袖シャツを着て,シャツのすそをズボンから出した状態であり,26インチの後部に荷台のついたシルバーの自転車を引いていた。また,被害者は,被告人の自宅マンションのエレベーターホールやエレベーター内のビデオに映った被告人の後ろ姿を見て,後ろ髪やシャツがよく似ていると証言している。
 このように,被害者が公判廷で供述する犯人の特徴と被告人の特徴の共通点は,それなりに具体的なものとなっている。
 しかし,観察条件について検討すると,被害者は,犯人を目撃した際の状況について,「後頭部を殴打された後,犯人を追いかけようと走り出したが,すぐに,殴打された衝撃でめがねが外れていたことに気づいた。そこで,落ちためがねを取りに戻って掛け直し,再び犯人を追いかけながら犯人を目撃したが,首筋に血が流れていることに気づいたことから,二,三歩で,追いかける意欲をなくし,犯人を見失った。犯人を目撃していた時間は,数秒だった。」旨供述している。
 被害者の裸眼視力は両目とも0.1であり,犯人の特徴に関する被害者の供述は,もっぱらめがねをかけ直した後の目撃に依拠するところ,写真撮影報告書(甲31)等の関係証拠によれば,その時点では,被害者と犯人とは少なくとも約25.6メートルは離れていたと認められる。犯行現場付近には外灯が設置されており,ある程度の灯りがあったことは認められるものの,そのような距離に照らすと,やはり明るさは十分とはいい難い。また,殴打された直後に犯人を追いかけようとしながらの目撃であり,ある程度の注意力を持って目撃したとはいえ,負傷に気づいたことから短時間で追いかけるのをやめ犯人から目を離していることからすると,客観・主観の両面において観察条件は良好とはいえない。

2.次に,被害者の供述経過について検討すると,被告人が逮捕されるまでに作成された被害者の供述調書(被害直後に作成された供述調書(甲5)を含む。)には,いずれにも,犯人のシャツや自転車の色についての記載はなく,髪型についても,短髪でも長髪でもない髪型程度の記載しかない。その後,被告人が逮捕された当日の12月5日及び同月10日に至って,被害者は初めて,本件当日に被告人が自宅マンションを外出し,帰宅する際に写されたエレベーター内防犯カメラの映像写真を捜査官より見せられた。12月10日に前記被告人の映像写真を見せられた際には,被害者は,被告人の後ろ髪や体型が犯人によく似ていると供述し,さらに,被告人に対する実面割(白色のシャツを着用し,シルバーの自転車に乗った状態で行われたもの。)等が行われた12月17日には,犯人のシャツの色は黒っぽいよりは白っぽい色だったと思うと供述するに至っている。
 このような供述経過について,被害者は,犯人のシャツの色が全体として白系統であったというのは当初から記憶として持っていたと証言し,さらに,犯人の特徴について,警察官にできる限り供述して供述調書にしてもらったと証言しているが,前述したように,エレベーター内防犯カメラの映像写真を見るまでに作成された被害者の供述調書には,犯人のシャツの色について具体的な記載がない。犯人のシャツや自転車の色については,必ずしも似顔絵の作成等により記憶が固定化されたとはいえないことを考えると,被害者は,エレベーター内防犯カメラに写された被告人の映像写真等を見せられたこと等によって,無意識のうちに,その際に得られた情報がすり込まれ,被害者の目撃時の記憶とその後に得られた情報とが混濁している可能性が少なからずあり,時間の経過とともに内容が付加されている特徴部分については,被害者が犯人を目撃した当時の記憶と同じであることには疑問が残る。
 他方,犯行直後に作成された供述調書に記載のある点に関しては,記憶の減退,変容を来している可能性は低く,また,そこに記載されている内容程度であれば,前記の観察条件でも目撃することは十分可能であったといってよく,変遷のない部分については信用性が認められる。

3 以上のとおり,被害者の証言のうち,犯人の特徴として信用できる部分は,「犯人は,やせた体格,短髪でも長髪でもない髪型であり,長袖シャツを着て,シャツの後ろのすそをズボンから出していた。犯人の乗っていた自転車の後部には荷台がついていた。」という部分であり,被告人も,その限度では,その特徴を満たしていると認められる。もっとも,これらの特徴は,いずれも特段際立った特徴というわけではなく,これらの特徴の一致は,それのみで被告人の犯人性を強く推認させるような大きな意味を持つ事実とはいえない。

第6.被告人の本件後の行動について

 検察官は,①本件で使用された凶器はハンマー様のものと考えられるが,被告人は成傷可能なハンマーを所持していた上,未だ凶器について「鈍器」としか報道されていない時期に,被告人は,インターネットで「茨木,ハンマー」という単語で検索をしており,犯人しか知り得ない情報を持っていたといえる,②被告人は,インターネットでの検索の他,本件を報道している新聞を図書館でコピーするなど本件について特段の関心を抱いていたとして,これらの事情も被告人が本件の犯人であることを示す間接事実であると主張する。そこで,この主張の当否について検討する。

1.「茨木,ハンマー」での検索

 まず,本件で使用された凶器について検討すると,被害者は,本件で用いられた凶器を目撃してはいない。しかし,被害者の傷害は,1回の殴打でありながら,約4センチメートルの間隔をあけて2か所に挫創があるというものであり,かつ,加療期間が約1週間に止まるものであったところ,被告人の自宅から発見された5本のハンマーのうち,重さ1ないし1.5ポンドのハンマーであればそのような傷害を負わせることは十分に可能である。
 そして,被告人のみが使用していたパソコンのインターネット閲覧履歴の解析結果によれば,被告人は,本件に関する多数の検索を行う中で,10月23日に,インターネットの検索サイトで,「茨木,ハンマー」の条件で検索を行っているが,この時点で,本件犯行の凶器を「ハンマー」とする報道はなかった。

2.本件に関する新聞のコピーの所持,多数回に渡る検索

 検証調書(甲19)及び被告人の公判供述によれば,被告人宅では購読していなかった産経新聞10月17日夕刊のコピーが被告人の自宅の被告人の部屋に置かれており,被告人が,図書館からコピーして部屋に置いていたものであると認められる。
 また,前記のとおり,パソコンの解析結果によれば,10月18日及び19日に,多数回に渡って,本件に関すると窺われる条件での検索やサイトの閲覧がなされており,被告人自身も,公判廷において,本件に関するインターネットでの検索やウェブページの閲覧をした旨述べている。

3.本件後の事情に対する評価

 以上のように,本件以後,被告人が本件に関して高い関心を抱いていたこと,本件について凶器である可能性のあるハンマーに限定した検索を行っていたことは,特異な行動といえ,被告人が犯人であることを疑わしめる事情ではある。
 しかし,被告人には,平成16年に,e遊歩道にある公園で,桜の木をハンマーでたたいていたところを通行人に注意されたことが発端となってトラブルとなり,駆けつけた警察官に対し,趣旨不明な発言をしたことから保護され,結果として国家賠償請求事件にまで発展した経験がある。このような経験を持ち,かつ,後述するように犯行時刻に近接する時間帯に犯行現場から数百メートル付近にいたことを自認している被告人にしてみれば,自宅付近でハンマーのようなものを凶器とした通り魔的事件が発生すれば,自分が疑われると考え,前記のような行動に出ることも,それほど不自然なこととはいえない。
 したがって,被告人の前記のようなやや特異な行動は,必ずしも被告人が犯人であることにのみ結びつく事実とはいえないから,これらの事情の持つ意味は,被告人が犯人であると仮定すれば合理的であるという仮定に基づく評価に過ぎないから,独立して犯人性を推認させる価値は低く,犯人性を判断する上で重要な事情とはなり得ない。むしろ,被告人の犯人性を考察する上で,不当な印象を与える危険な側面がある。したがって,被告人の犯人性を検討する上では除外するのが相当である。

第7. 小括(第2ないし第6の積極的間接事実の総合的検討)

1.ここで,以上の検討をふまえて,被告人の犯人性について検討する。まず確認すべきは前記前提事実である。つまり,被告人は,犯行時刻を含んだそれに近接した時間帯に,自転車に乗っているという共通点を有した状態で,犯行現場からほど近い距離の範囲の屋外にいたことになる。しかも,被告人の公判供述によれば,被告人は,この外出時間中に本件犯行現場から数百メートル南の遊歩道付近に立ち寄っているというのであるから,10月中旬の平日の深夜午前1時25分ころという犯行時間帯の特殊性を考えると,この事実は,被告人の犯人性を考える上で重要な基礎となる事実である。
 そして,前記第3及び第4によれば,犯行の5分ほど前に,被害者が遊歩道ですれ違った,犯人である蓋然性もそれなりに高い男は,被告人とそれなりに顔が似ていた人物であり,長そでシャツを着,前かごにバッグを入れていたという点でも共通している。また,第5によれば,犯人と被告人は,後部に荷台のついた自転車という点以外にも,長そでシャツを着,裾をズボンから出しており,長くも短くもない髪型でやせていたという限度で共通点があることになる。

2.このように,本件では,被告人が犯人であることを肯定する一定の蓋然性をもった複数の事実が存在する。このような事実が,被告人が犯人でないにもかかわらず,偶然にそろってしまう蓋然性は,高くないといえる。したがって,このような事実のみから被告人が犯人であると推認することは,相当程度の合理性があるといえる。しかし,前述したように,被告人が犯人であることを肯定する方向のこれらの事実は,いずれも固有の問題点があり,犯人性肯定方向に働く蓋然性の強さにも一定の限界が存する。したがって,このような事実が複数存在することによって,それらの各間接事実の問題点が補われ,被告人と犯人の同一性が立証されたものと考えてよいかについては,さらに慎重に検討する必要がある。
 そこで,次に,被告人が犯人であることと矛盾する方向の事実はないかという観点から検討を加え,被告人と犯人の同一性について総合的に検討する。

第8.被告人が犯人であることと矛盾する方向の事実の有無について

1.めがねを掛けた被告人のi交番への訪問について

(1) 前記の検討及び推論によれば,本件で,被告人が犯人であるとすると,少なくとも被害者とすれ違った際に,被告人はめがねを掛けていたことになる。
 しかし,本件当日のエレベーター内防犯カメラの映像によれば,被告人は,めがねを掛けていない状態で外出しており,警察官による行動確認によっても,後述するi交番に被告人が訪れた場面の他は,めがねを掛けた被告人の姿が確認できていないことからすると,被告人は,外出時はめがねを掛けないのが通常であると考えられる。
 したがって,被告人が犯人であるとすると,外出時は通常掛けることのないめがねを,少なくとも,被害者と犯行直前にすれ違った際には掛けていたことになる。

(2) ところで,C証人は,10月30日午前2時10分ころ,i交番に,シルバーの自転車に乗り,縁が銀色の丸いめがねを掛けた被告人が,自宅マンション付近に不審な男がうろついていると申告してきた上,当該交番勤務の警察官に自ら本名を告げたと証言する。交番に出向いた際の被告人のめがね着用の有無については,C証人と被告人とで供述に食い違いがあるが,仮にそのようなC証言が信用できるとすると,被告人は,通常は掛けることのないめがねをわざわざ掛けて,自宅近くの交番に出向き,警察官に対し自ら本名を告げたということになる。
 しかしながら,被害者が,すれ違った男と目があったと証言していることからすると,被告人が犯人であるとするならば,被告人は,少なくとも,めがねを掛けた自分の姿を被害者に目撃されていることは認識しているはずである。また,被告人は,本件当時,外出の際に自転車の後部荷台に載せていた鉄亜鈴は運動に使用したと供述し,鉄亜鈴自体は,犯行後自転車で逃走するのにじゃまになるし,自己の自転車に特異な特徴を付けることになることに照らすと,被告人が自宅を出発する時点での外出目的は,運動をすることであったと考えられる。そのように当初めがねをかけずに運動目的をもって外出した被告人が,少なくとも本件犯行に及ぶ直前の時点でめがねを掛けていたとすると,やや中途半端な感は否めないが,自らの容姿を偽装するために着用していた可能性が高いといえる。そうであるなら,本件犯行当時のめがねを掛けた姿でわざわざ警察官のところに出向き,自らの本名を告げるというのは,被告人が犯人であることと整合しにくい行動といえる。

(3) 逆に,C証言が信用できないこととなると,この点に関する事実に関し,警察内部の捜査過程で虚偽の事実が意識的に混入されていることになり(C証人は,めがねを掛けた似顔絵写真(すれ違った男の似顔絵を写真にとったもの)を見せられる前に,被告人がめがねを掛けていたという話をしていたと証言しており,その時点で無意識のうちに記憶が変容していた可能性は考えにくい。),第2ないし第6で検討した被告人が犯人であることを肯定する方向の事実認定の基礎となる証拠の信用性が疑わしくなることになる。

(4) このように,10月30日に交番を訪れた際に被告人がめがねを掛けていたというC証言は,それが信用できるとしても,被告人が犯人であることについてそれなりの疑問を抱かせるものであるし,それが信用できないとすると,被告人が犯人であることについて多大な疑問を生ぜしめるものである。

2.被告人が外出時に自転車の後部荷台に鉄亜鈴を載せていたことについて

 前記前提事実2のとおり,被告人は,本件当日,自転車の後部荷台に鉄亜鈴を載せた状態で自宅マンションを出発し,同様の状態で自宅マンションに帰宅している。被告人の供述によれば,鉄亜鈴を,ワイヤー錠で固定した状態で後部荷台に載せていたというが,この鉄亜鈴は5キログラムの重量があり,ある程度の大きさがあることに照らすと,そのような状態で犯行に及ぶと,犯行時や逃走時に音や落下等でじゃまになる可能性があるし(犯行現場の地面は土である。),後部荷台に鉄亜鈴が載っているという際立った特徴を被害者に目撃される危険も生じる(なお,被告人の鉄亜鈴は,検証時,自宅玄関に裸の状態で置かれていた。)。したがって,鉄亜鈴を自転車の後部荷台に付けたままの状態で犯行に及ぶと考えるのはやや不自然な面がある。現に,被害者は,犯人の自転車の後部に荷台のあることは気づいており,逃げる犯人の髪型等についてもある程度の記憶を有しているが,後部荷台に何らかの積載物があった記憶はない旨証言している。
 他方,仮に,被告人が犯行時は鉄亜鈴を荷台から外していたとすると,犯行後にその鉄亜鈴を後部荷台に設置し直して帰宅したと考えることになるが,犯行時刻から帰宅時刻までの時間と,犯行場所と被告人の自宅マンションの位置関係からしても十分な時間的余裕があったわけではないし,逃走の必要性も考えると,そのような行動にも不自然な感が残る。
 このように,被告人が,本件当日,自転車の後部荷台に鉄亜鈴を載せた状態で自宅マンションを出発し,同様の状態で自宅マンションに帰宅したことも,被告人が犯人であることにそれなりの疑問を抱かせる事実である。

3.捜査機関の不自然な行動

 被害者は,「犯行当日である10月17日午後10時ころ,自宅で,警察官から,めがねを掛けていないいろいろな人の顔写真を見せられたことがあった。その際は,機嫌が悪く,写真を見て,すれ違った男がいるか分かろうともしなかった。」と証言している。本件捜査を担当したB刑事は,「犯行当日又は翌日に被害者に示した写真は,似顔絵の人物の顔の特徴を基に抽出しためがねを掛けた人物の写真約30枚であった。その中に被告人の写真は含まれていなかった。このときに写真を示した際,被害者が,体調が芳しくないと訴えたことから,手続を途中で打ち切った。その後,再度,同様の写真を被害者に示したことはない。これらの写真は,本件の捜査本部を閉めた際に処分したと聞いている。」旨証言している。
 このように犯行当日に被害者に示された写真がめがねを掛けた人物のものであるか否かが被害者とB刑事とで食い違っているが,犯行当日,警察は,容疑者として浮上した被告人の犯歴照会により,めがねを掛けていない被告人の写真(前記10年前の写真)を入手し,その旨の捜査報告書(甲47)が同日付けで作成されていることからすると,午後10時ころという夜のやや遅い時間に,被害者が証言するようにめがねを掛けていない写真を示されたというのであれば,その写真の中に被告人の顔写真が含まれていないというのは不自然である。そして,途中で打ち切ったにもかかわらず再度写真面割手続を行うことをせず,しかも,捜査本部を閉める段階でそれらの写真を処分するという点もにわかに納得しがたい点である。
 このように考えると,被害者の証言を前提にすると,B刑事は,結果的に被害者が被告人の写真を選別できなかったという事実を隠すために,被害者に示した写真にその段階で警察が入手していた被告人の写真が含まれるはずがないように,被害者がすれ違った男の特徴照会からめがねを掛けた人物の写真であると証言している可能性が生じてくる(なお,この点は,被害者の記憶違いという可能性もなくはないが,めがねを掛けていない写真であったとの証言に対しては,それ以上何ら質問されていない。)。
 このような事情は,担当捜査官の事実隠蔽的な姿勢を疑わしめるものであり,第2ないし第6で検討した被告人の犯人性を肯定する方向の事実認定について,その認定基礎となる証拠の信用性を疑わしめる事情となる。

第9.被告人の犯人性について

 第8における検討により,被告人が犯人であることと矛盾し得る方向の事実や,犯人性を肯定する方向の事実認定の基礎となる証拠の信用性に疑問を生ぜしめ得る事情が認められた。そのうち,被告人が犯人であることと矛盾し得る方向の事実は,犯人が合理的な行動を取ることを念頭に,いくつかの過程を踏まえて検討したものであり,被告人が犯人であることとおよそ両立しないといえるほどのものとはいえない。また,犯人性を支える証拠の信用性に疑問を生ぜしめ得る事情も,いくつかの過程が前提となっており,決定的な疑問を生じさせるものでもない。
 しかし,前述したとおり,第2ないし第6の被告人の犯人性を肯定する方向の事実にもそれぞれ固有の問題点があって,その個々の推認力について一定の限界があり,かつ,第8で検討した事情があることを考えると,前記の被告人の犯人性を肯定する方向の事情を総合しても,被告人の犯人性を肯定する方向の個々の間接事実の問題点が補われ,被告人の犯人性が立証されたものと考えるには,未だ合理的な疑いが残っているというべきである。
 したがって,被告人が本件犯行の犯人であるということはできず,本件公訴事実については犯罪の証明がないから、刑事訴訟法336条により無罪の言渡しをすることとする。

posted by studyweb5 at 15:54| 下級審裁判例 | 更新情報をチェックする

2011年08月11日

最新下級審裁判例

大阪地裁刑事第12部決定平成21年10月14日

【事案】

1.裁定請求の趣旨及び理由

(1) 請求の趣旨

 検察官に対し,A,B及びCの供述録取書等(弁解録取書,勾留質問調書,取調べ状況を記録した媒体,捜査官が作成した取調べメモ,捜査官が作成した電話聴取書,本人が作成した報告書等を含む。)の全て(すでに開示されているものを除く。)を開示するように命令することを求める。

(2) 請求の理由

ア.弁護人による類型証拠開示請求及びこれに対する検察官の対応

 弁護人がなした9月3日の類型証拠開示請求のうち,B,A及びCの供述録取書等につき,検察官は,同人らの供述調書の一部を開示したものの,その余の供述調書については,「検察官が取調べ請求している各人の供述調書によって立証しようとする事項とは直接関連性のない別の事項についての供述を録取したものであり,取調べ請求している各人の供述調書の証明力を判断するために重要である証拠には当たらない」として証拠開示しなかった。

イ.証拠の重要性及び開示の必要性

 上記Aら3名は,検察官が,本件被告事件にかかる公的証明書の発行に関し,極めて重要な役割を果たしたと主張する者であり,検察官が開示をしなかった供述調書等を含めてAらの供述経過を検討することが,検察官請求証拠の証明力を判断するために重要である。
 また,検察官は,被告人とA,B及びDとの間の共謀の成立を主張し,Aらの供述調書によってこれを立証しようとするとともに,多数の間接事実の積み重ねによってもこれを立証しようとしているところ,共謀の成否を判断するにあたっては,被告人と実行行為者との関係,被告人の犯行動機等,多岐にわたる間接事実を考慮すべきことになるのであるから,弁護人は,検察官請求証拠に記載された間接事実との矛盾・そごの有無に加え,共謀の推認を妨げ,あるいは推認力を減殺させる事実の有無,供述者の信用性を減殺する事実の有無を含めて供述経過を検討することが重要である。

ウ.開示による弊害の不存在

 事案の性質からして,Aらの供述調書が開示されることにより,プライバシー侵害等の弊害が生じることは考えがたい。

2.検察官の意見

(1) 検察官が開示しなかったA,B及びCの各供述調書は,本件公的証明書の発行及び行使に関する一連の経過とは関連性のない余罪捜査の対象となり得る事実等に関する供述が録取されたものであり,「特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要である」証拠にあたらない。

(2) すでにAらに関する本件公的証明書の発行等に関する供述調書等のほか,証拠物等を多数開示しているのであり,これら開示済みの各証拠によって,Aらの供述の証明力の検討は十分に可能であり,Aらの供述調書のうち,未開示の分について証拠開示の必要性は極めて低い。

(3) Aらの供述調書のうち,未開示の分については,本件以外の余罪に関する事項が録取されており,供述者あるいは当該供述調書に名前が挙げられた関係者の名誉,プライバシーを侵害するおそれがあり,開示による弊害が大きい。

(4) 以上によれば,本件裁定請求には理由がない。

【判旨】

1.Aらの未開示の供述調書の存在

 当裁判所は,本件裁定請求に関し,未開示のAらの供述調書の内容を検討する必要があると判断し,10月5日,検察官に対し,未開示のAらの供述録取書の全てを提示するように命じたところ,検察官は,以下の供述調書を当裁判所に提示した(以下これら9通の供述調書を「本件各未開示調書」という。)。

① Aの検察官に対する供述調書1通(6月21日付け)

② Bの検察官に対する供述調書3通(6月3日付け,同月17日付け,同月30日付け)

③ Cの検察官に対する供述調書5通(5月29日付け〔2丁のものと4丁のもの各1通〕,6月3日付け,同月4日付け,同月17日付け)

2.類型証拠該当性

 本件各未開示調書は,いずれも検察官が取調べ請求をした供述録取書の供述者の供述が録取されたものである。また,これまで提出された検察官の証明予定事実によれば,Aら3名は,いずれもその立場や果たした役割等に照らして,同人らの供述録取書に対する弁護人の証拠意見が不同意である場合,検察官から証人として尋問を請求されることが確実視される者といえるから,本件各未開示調書は,いずれも刑事訴訟法316条の15第1項5号ロに該当することが明らかである。

3. 証拠の重要性及び開示の必要性

 そこで,本件各未開示調書の証拠としての重要性及び開示の必要性について検討する。

(1) 供述者の立場等

 まず,Aは,本件被告事件の共犯者として起訴された者であり,検察官のこれまでの主張によれば,本件被告事件にかかる公的証明書の発行を受けた団体「Y」主宰者の一人であって,同団体の会長である共犯者Dを介して,同人の旧知の国会議員に対し,公的証明書の発行に関してX省への口添えを依頼したり,自ら当時X省のX1局X2部X3課X4室X5係長であったBに対して公的証明書の発行を催促したりするとともに,不正に発行された公的証明書を行使したとされる人物である。
 Bも,A同様に本件被告事件の共犯者として起訴され,検察官のこれまでの主張によれば,当時X省の担当係長として,上記「Y」側からの要請や被告人からの指示等を受け,内容虚偽の公的証明書を作成したとされている人物である。
 Cについては,本件被告事件の共犯者とはされていない者であるが,検察官のこれまでの主張によれば,当時X省のX1局X2部長として,Dから口添えを依頼された上記国会議員から,公的証明書の発行を要請され,被告人に対し,公的証明書の発行に向けた便宜を図るよう指示するなどしたとされる人物である。
 このように,A,Bについては,本件の共犯者として重要な役割を果たした者であり,Cについても共犯者とはされていないものの,共犯者に準ずる程度に重要な役割を果たしたものといえる。

(2) Aらの供述の重要性等

 検察官のこれまでの主張によれば,被告人は,上記のように国会議員による要請を受けていたCから,公的証明書発行に向けた便宜を図るよう指示を受けるなどし,Bに対して本件公的証明書の発行を指示したとされ,この件は,団体としての実体の有無にかかわらず,公的証明書を発行することが決まっている「議員案件」と位置づけられ処理されたとされている。そして,検察官は,共犯者による実行行為や被告人との共謀状況について,共犯者であるA及びB並びに被告人の上司であったCの供述を直接証拠ないしこれらの事実を推認させる間接証拠として請求しているものと考えられる。このような検察官の主張及び本件で想定される証拠構造に照らせば,弁護人において,被告人の防御のために,Aら3名の供述について,その証明力を判断する必要性が,類型的にみて非常に高いものであるとみられる。

(3) 本件各未開示調書の概要

 当裁判所が検察官から提示を受けた本件各未開示調書の概要は本件裁定判断に必要最小限の範囲で検討すると,以下のとおりであった。

① Aの検察官に対する供述調書

 Dほか数名とともに行った別件詐欺事件についての共謀状況,犯行態様等に関する事項

② Bの検察官に対する供述調書3通

 X省内部で本件被告事件以外の不正行為が行われていたことに関する事項ないし本件被告事件及びB単独の被告事件以外にBが単独で犯したという別件案件に関する事項

③ Cの検察官に対する供述調書5通

 CがX省幹部等として国会議員等の対外的関係で不正行為を行っていたとか,便宜を受けていたとする事項及び上記X省内部での不正行為が行われたことに関する事項
 大阪地方検察庁への出頭前日の宿泊場所に関する事項(5月29日付け検察官に対する供述調書〔4丁のもの〕)

(4) 上記記載内容を踏まえた本件各未開示証拠の重要性及び証拠開示の必要性

① Aの検察官に対する供述調書

 Aの上記検察官に対する供述調書は,Aが本件被告事件についての被疑者として勾留されている期間に,しかも,その事件の被疑事実についての取調べとして行われ,その際に供述した内容を録取したものである。しかし,その内容は別件事件に関するもので,X省側の関与も明らかとはされていないものであり,いわば別件取調べにおいてAが供述した内容を録取したものと認められ,本件被告事件との関連性はうかがわれない。したがって,本件被告事件との関係では,証拠としての重要性は低く,また,これを開示する必要性も低いものと認められる。

② Bの検察官に対する各供述調書

 Bの上記検察官に対する各供述調書は,Bが,本件被告事件についての被疑者として勾留されている期間に,しかも,その事件の被疑事実についての取調べとして行われ,その際に供述した内容を録取したものである。本件被告事件に関する事項も一定程度言及されており,特に,6月30日付け検察官に対する供述調書においては,被告人が本件被告事件の犯行に及んだ動機に関する事項についても録取されているほか,Bが本件被告事件について単独犯であると供述していた動機やその際根拠としていた他の単独での別事件,その後,供述を変えた理由に関する供述も録取されているところであって,重要な事項に関する供述を含むものといえる。そして,Bは,本件被告事件における中心的役割を果たした者の一人であり,検察官が被告人と共犯者との間の共謀の事実等を立証する上で必要不可欠の人物であるといえることに照らせば,その供述の信用性を判断する上で,上記のようなBの供述が録取された供述調書について,弁護人において証拠開示を受け,その内容を検討する必要性が高いものと認められる。

③ Cの検察官に対する各供述調書

 Cの上記検察官に対する各供述調書のうち,5月29日付け(2丁のもの),6月3日付け,同月4日付け及び同月17日付けの各供述調書は,上記のとおり,C自身がX省の幹部等として,国会議員等との対外的関係で不正行為に及んでいたことなどが録取されたものである。そして,検察官のこれまでの主張によれば,被告人が本件被告事件の犯行に及んだ動機には,本件公的証明書の発行が「議員案件」であったという点が挙げられているところ,「議員案件」であれば公的証明書を発行することが決まっているということが,当時のX省X1局X2部内部での共通認識であったのか否かについては,X省ないし同省X1局X2部の体質や対国会議員との関係がいかなるものであったかとも関連している。
 したがって,Cの上記供述は,本件被告事件と関連性があるものというべきであり,被告人の犯行動機等に関する検察官の上記主張との関係では,その供述を把握しその真偽を確認することが,検察官請求証拠の証明力を判断する上で重要であるといえる。そして,Cは,被告人に対し,本件公的証明書の発行について便宜を図るように指示したとされるものであり,B同様に,本件被告事件の立証上重要な人物であるといえるので,その供述の信用性を判断する上で,上記のようなCの内容が録取された供述調書についても,弁護人において証拠開示を受け,その内容等を検討する必要性があると認められる。
 他方,Cの上記検察官に対する供述調書のうち,5月29日付け(4丁のもの)については,Cが大阪地方検察庁に出頭する前夜の,宿泊場所に関するものであり,本件被告事件と特に何ら関連性を有しない事項であって,重要な証拠とは認められないし,Cの供述の信用性を判断する上で必要性がある事項とはみられない。

(5) 小括

 以上によれば,本件各未開示調書のうち,以下の各供述調書については,証拠の重要性及び開示の必要性があると認められる。

① Bの検察官に対する供述調書3通(6月3日付け,同月17日付け,同月30日付け)

② Cの検察官に対する供述調書4通(5月29日付け〔2丁のもの〕,6月3日付け,同月4日付け,同月17日付け)

 他方,本件各未開示調書のうち,以下の各検察官調書については,本件被告事件と関連性がない事項に関するものであり,その重要性は低く,これを開示する必要性もまた低いものと認められる。

③ Aの検察官に対する供述調書

④ Cの検察官に対する供述調書(5月29日付け〔4丁のもの〕)

4.開示に伴う弊害

(1) 弊害の内容

 本件各未開示調書には,上記のとおり,本件被告事件とは別個のいわゆる別件に関する事項や,X省内での不正行為等に関する事項が録取されていて,本件被告事件とは直接関係しない人物等も多数登場するところであり,これらの開示を認めることで,供述者の余罪や,本件被告事件と関係が明らかとされていない者に関する不正行為の事実,不正行為に関与しているのか明らかでない者の名前等が弁護人及び被告人に明らかになってしまうことから,上記の者らに対する,名誉ないしプライバシーに影響することは否定できない。

(2) 弊害の程度

 また,名誉ないしプライバシーの中でも,個人の犯罪事実,不正行為に関する事項は,ひとたびこれが明るみに出た場合,事後的な回復が困難なものであり,保護の必要性が類型的に高いものということができる。
 もっとも,証拠を開示することにより,弁護人及び被告人に供述者ないし第三者の余罪等に関する事項が示されるものの,開示を受けた証拠の目的外利用の禁止等の諸規定(刑事訴訟法281条の4等)や弁護人に課せられた弁護士倫理等により,開示された証拠に関する情報流出等の危険は相当程度防止できるのであるから,開示証拠に関する内容が世間一般に知れ渡るなどといったより強度の弊害が生じるおそれが高いものということはできない。

5.結論

 以上検討した証拠の重要性及び開示の必要性並びに開示に伴う弊害の諸点を総合考慮すると,上記3の(5)の①,②に列挙した7通の各供述調書については,開示に伴う弊害に勝るほどの証拠の重要性及び開示の必要性があるといえるので,検察官に対し,証拠開示を命ずるべきである。他方,上記3の(5)③,④に列挙した2通の各供述調書については,証拠の重要性及び開示の必要性があるとは認められないので,この点に関する証拠開示命令の請求には理由がない。

posted by studyweb5 at 11:05| 下級審裁判例 | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

最新下級審裁判例

東京高裁第2民事部判決平成22年02月25日

【判旨】

1.地方公共団体の課税権

(1) 憲法は,92条において,「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は,地方自治の本旨に基づいて,法律でこれを定める。」と,94条において,「地方公共団体は,その財産を管理し,事務を処理し,及び行政を執行する権能を有し,法律の範囲内で条例を制定することができる。」と定めている。これらの規定によって,地方公共団体には,課税権を含む財政自主権が保障されているものと解される。したがって,憲法30条が「国民は,法律の定めるところにより,納税の義務を負う。」と,憲法84条が「あらたに租税を課し,又は現行の租税を変更するには,法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と定めているのも,地方公共団体の課税権を否定する趣旨ではないと解される。
 しかしながら,憲法は,92条においても94条においても,地方公共団体の権能等を法律をもって具体化するものとしており,法律を条例の上位に置き,条例は法律の範囲内でのみ制定することができるものとしている。これは,地方公共団体に自治を認めるにしても,その基本となる事項については,国家的な観点からの調整が必要であるとの考え方に基づくものと考えられる。とりわけ,租税の賦課については,国税を含む国民の総合的な税負担の在り方,国,都道府県及び市町村間ないし各地方公共団体相互間の財源の配分等の観点から,国家的な調整が不可欠であるから,租税に関する条例も,憲法の規定に直接基づくのではなく,法律の定めるところにより制定されるべきものとされているのであり,条例は法律の定めに反することはできないと解すべきである。即ち,憲法により認められた地方公共団体の課税権は,あくまでも抽象的なものにとどまり,法律の定めを待って初めて具体的に行使し得るものというべきである。地方自治法14条1項,223条も,そのことを重ねて明らかにしている。ただし,地方公共団体の権能等を規律する法律は,憲法の上記各規定を受けて,地方自治の本旨に基づくように制定されなければならないのであるから,実定法の解釈も,できる限り憲法の定める地方自治の本旨にかなうように行うことが求められる。
 なお,地方公共団体の課税権を含む財政自主権は,現行の憲法の規定によって初めて保障されたものであり,大日本帝国憲法には,地方自治の保障規定は存在しなかった。したがって,憲法制定前の地方税の仕組みと憲法制定後のそれとは,根本的な理念において相違しているというべきであり,憲法制定前の沿革は,そのことを念頭に置いて参考とするにとどめるべきものである。

(2) 上記のような憲法の規定を受けて,地方税法は,地方公共団体の課税権を具体化するための準則を定めており,地方公共団体は,その枠の中において条例を定めて,憲法の保障している課税権を行使することができるものとされている。したがって,課税条例が地方税法の規定に違反する場合には,当該条例は違法無効といわなければならない。しかし,課税条例が同法に違反するかどうかの判断は,法律が条例の上位に位置することを理由に,同法の定めを偏重するのではなく,同法の明文の規定に違反している場合を別とすれば,地方公共団体が憲法上の課税権を有していることにかんがみて,慎重に行うべきである。

(3) 地方自治法2条12項前段は,「地方公共団体に関する法令の規定は,地方自治の本旨に基づいて,かつ,国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえて,これを解釈し,及び運用するようにしなければならない。」と定めている。この規定は,その文言上,同法のみならず,地方税法の解釈運用にも適用されることが明らかである。
 もっとも,同項は,平成11年の地方分権改革に基づく地方自治法の改正により設けられたものであるが,地方公共団体に関する法令の規定を「地方自治の本旨に基づいて」解釈運用すべきことは,同項の規定を待つまでもなく,前記憲法92条の規定から当然の要請というべきである。
 また,「国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえて」というのは,同じ改正により新設された地方自治法1条の2の規定を受けていることが明らかであるが,同条の規定も,憲法92条の定めるところを今日的観点から具体的に宣言したものであって,憲法自体が改正されたものではない以上,これにより国と地方公共団体との関係,あるいは法律と条例との関係に基本的な点において変更が生じたものではない。したがって,地方分権改革において同時に改正された地方税法の規定はともかくとして,改正されなかった同法の規定の解釈運用が,地方自治法2条12項等により大きく変更されたとはいえないと解するのが相当である。
 しかしながら,地方税法の解釈適用に当たって,憲法が,地方公共団体に課税権を保障し,地方税法の内容が地方自治の本旨にかなうように要請していることを考慮すべきであることは,前記のとおりであるところ,地方自治法2条12項等の規定も,これと基本的な観点を同じくするものであって,その趣旨を否定すべきものではない。

2.徳島市公安条例事件判決との関係

 法律は,明文の規定に示していなくても,あるいは,明文の規定に示したほかにも,解釈上,ある事項を命じていたり禁じていたりすることがあることは,いうまでもないところである。したがって,条例が法律に違反するかどうかは,両者の対象事項と規定文言とを対比するのみでなく,それぞれの趣旨,目的,内容及び効果を比較し,両者(法律と条例)の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならない(最高裁昭和50年9月10日大法廷判決・刑集29巻8号489頁,徳島市公安条例事件判決)。
 ここで「矛盾抵触」というのは,複雑な現代社会を規律する多様な法制度の下においては,複数の制度の趣旨や効果に違いがあるため,互いに他方の趣旨や効果を一定程度減殺する結果を生ずる場合があることは,避けられないものであることや,地方議会の制定した条例を法律に違反するがゆえに無効であるとするものであることを踏まえると,単に両者の規定の間に大きな差異があるとか,一方の目的や達成しようとする効果を他方が部分的に減殺する結果となることをいうのではなく,一方の目的や効果が他方によりその重要な部分において否定されてしまうことをいうものと理解される。また,地方税について定める法律と条例の間に矛盾抵触があるかどうかの判断においては,憲法の前記規定を踏まえて,その趣旨にかなう解釈をすることが求められる。
 このように考えると,例えば,地方税法が明文で禁じていなくても,条例による規制を禁止している趣旨である場合には,条例は同法に違反することになる一方で,条例が同法とは別の目的に基づく規律を意図するものであり,その適用によって同法の規定の意図する目的と効果を何ら阻害することがない場合や,同法が必ずしも全国一律同内容の規制をする趣旨ではなく,各地方の実情に応じて別段の規制を付加することを容認する趣旨である場合等には,条例は同法に違反しないことになる(上記最高裁判決参照)。

 

大阪地裁第2民事部判決平成22年02月17日

【事案】

第1.請求

1(1) 主位的請求

 被告株式会社Aが平成19年3月7日付けで訴訟参加人に対してした別紙物件目録記載2の建物に係る建築確認処分を取り消す。

(2) 予備的請求

 被告株式会社Aが平成19年3月7日付けで訴訟参加人に対してした別紙物件目録記載2の建物に係る建築確認処分が無効であることを確認する。

2.大阪市長は,訴訟参加人及び被告ら補助参加人に対し,建築基準法9条1項に基づき,別紙物件目録記載1の各土地上に建築予定の同目録記載2の建物について,建物の底部(基礎ぐいを使用する場合にあっては,当該基礎ぐいの先端)を良好な地盤に達することとしなければならない,との是正命令処分をせよ。

3.大阪市長が平成19年2月2日付けで訴訟参加人に対してした別紙物件目録記載1の各土地に係る開発許可処分が無効であることを確認する。

4.大阪市長は,訴訟参加人及び被告ら補助参加人に対し,都市計画法81条1項に基づき,前項の開発許可処分に係る開発計画により既存のガス管で不要になる引き込み管について道路内から完全に撤去するまでは工事を停止せよ,との是正命令処分をせよ。

5.大阪市長は,訴訟参加人及び被告ら補助参加人に対し,大阪市風致地区内における建築等の規制に関する条例10条1項に基づき,別紙物件目録記載1の各土地内の樹木のうち高さ10メートル以上の樹木を伐採してはならない,との是正命令処分をせよ。

第2.事案の概要

1.本件は,訴訟参加人が,別紙物件目録記載1の各土地(以下,併せて「本件土地」という。)上に同目録記載2の建物(以下「本件建物」という。)を建築することを計画し,大阪市長から同計画につき本件土地を開発区域とする開発許可(以下「本件開発許可」という。)を受けた上,被告株式会社A(以下「被告会社」という。)から本件建物の建築につき建築確認(以下「本件建築確認」という。)を受けたことから,本件土地に隣接する土地を所有し居住する原告らが,本件開発許可及び本件建築確認はいずれも違法であると主張して,本件開発許可については,被告大阪市に対してその無効確認(第1の3)を,本件建築確認については,被告会社に対し,主位的にその取消し(第1の1(1))を,予備的にその無効確認(第1の1(2))を求めるとともに,本件建物の建築及び本件土地の開発行為により重大な損害を被るおそれがあるとして,被告大阪市に対し,大阪市長において,訴訟参加人及び本件建物の建築を請け負った被告ら補助参加人に対する建築基準法9条1項に基づく是正命令及び都市計画法81条に基づく是正命令をそれぞれ発令することの義務付けを求め(第1の2,4),併せて,大阪市風致地区内における建築等の規制に関する条例(昭和45年大阪市条例第10号。以下「本件風致条例」という。)10条1項に基づく是正命令を発令することの義務付けを求めた(第1の5)事案である。

2.法令等の定め

(1) 都市計画法

ア.都市計画法29条1項柱書本文は,都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事(地方自治法252条の19第1項の指定都市等の区域内にあっては,当該指定都市等の長。以下同じ。)の許可を受けなければならない旨規定し,都市計画法33条1項は,柱書において,都道府県知事は,開発許可の申請があった場合において,当該申請に係る開発行為が,同条各号に掲げる基準に適合しており,かつ,その申請の手続が同法又は同法に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは,開発許可をしなければならない旨規定し,同項各号において,開発許可の基準を掲げている。
 都市計画法38条は,開発許可を受けた者は,開発行為に関する工事を廃止したときは,遅滞なく,国土交通省令で定めるところにより,その旨を都道府県知事に届け出なければならない旨規定している。

イ.都市計画法81条1項柱書は,都道府県知事等は,同項各号のいずれかに該当する者に対して,都市計画上必要な限度において,同法の規定によってした許可,認可若しくは承認を取り消し,変更し,その効力を停止し,その条件を変更し,若しくは新たに条件を付し,又は工事その他の行為の停止を命じ,若しくは相当の期限を定めて,建築物等の改築,移転若しくは除却その他違反を是正するため必要な措置をとることを命じることができる旨規定し,同項1号は,同法若しくは同法に基づく命令の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反した者等を,同項2号は,同法若しくは同法に基づく命令の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人等をそれぞれ掲げている。

(2) 建築基準法

ア.建築基準法6条1項前段は,建築主は,同項各号に掲げる建築物を建築しようとする場合等においては,当該工事に着手する前に,その計画が建築基準関係規定(同法並びにこれに基づく命令及び条例の規定その他建築物の敷地,構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて,確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け,確認済証の交付を受けなければならない旨規定し,同条14項は,同条1項の確認済証の交付を受けた後でなければ,同項の建築物の建築等の工事は,することができない旨規定し,同法6条の2第1項は,同法6条1項各号に掲げる建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて,同法77条の18から77条の21までの規定の定めるところにより国土交通大臣等が指定した者の確認を受け,国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは,当該確認は同法6条1項の規定による確認と,当該確認済証は同項の確認済証とみなす旨規定する。

イ.建築基準法9条1項は,特定行政庁は,建築基準法令の規定又は同法の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については,当該建築物の建築主,当該建築物に関する工事の請負人等に対して,当該工事の施工の停止を命じ,又は,相当の猶予期限を付けて,当該建築物の除却,移転,改築,増築,修繕,模様替,使用禁止,使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる旨規定する。

(3) 本件風致条例

ア.本件風致条例2条1項柱書は,風致地区内において,同項各号に掲げる行為をしようとする者は,あらかじめ,市長の許可を受けなければならない旨規定し,同項1号は建築物等の新築等を,同項2号は宅地の造成等を,同項4号は木竹の伐採をそれぞれ掲げており,同条3項は,市長は,同条1項の許可に,都市の風致を維持するために必要な条件を付することができる旨規定する。

イ.本件風致条例10条1項柱書は,市長は,同項各号の1に該当する者に対して,風致を維持するため必要な限度において,同条例2条1項の規定によってした許可を取り消し,変更し,その効力を停止し,その条件を変更し,若しくは新たに条件を付し,又は工事その他の行為の停止を命じ,若しくは相当の期限を定めて建築物等の改築,移転若しくは除却その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる旨規定し,本件風致条例10条1項1号は本件風致条例又は本件風致条例の規定に基づく処分に違反した者を,同項2号は本件風致条例又は本件風致条例の規定に基づく処分に違反した工事その他の行為の注文主若しくは請負人等を,同項3号は同条例2条1項の許可に付した条件に違反している者をそれぞれ掲げている。

3.前提事実

(1) 当事者等

ア.原告らは,いずれも本件土地に隣接する土地をそれぞれ所有し,同各所有土地上にそれぞれ家屋を所有して居住している者である。

イ.大阪市長は,都市計画法29条1項に規定する指定都市等の長として同項に基づく開発許可及び同法81条1項に基づく監督処分を行う権限を有し,建築基準法2条35号に規定する特定行政庁として同法9条1項に基づく是正命令を行う権限を有する行政庁である。

ウ.被告会社は,建築基準法6条の2第1項に規定する指定を受けた指定確認検査機関である。

エ.訴訟参加人は,本件土地を所有する者であり,本件建物の建築主(建築基準法2条16号)である。

オ.被告ら補助参加人は,本件建物の工事施工者(建築基準法2条18号)である。

(2) 本件開発許可

 大阪市長は,平成19年2月2日,訴訟参加人に対し,本件土地を開発区域とする本件建物の建築等を内容とする開発行為(以下「本件開発行為」という。)について,開発許可(本件開発許可)をした。

(3) 本件風致条例上の許可

 本件土地は,風致地区に指定された区域内に所在するところ,大阪市長は,平成19年2月2日,訴訟参加人に対し,本件土地における本件建物の新築,宅地の造成及び木竹の伐採につき,「敷地内に必ず植樹し風致の維持をはかること」という条件を付して本件風致条例2条1項に基づく許可をした。

(4) 本件建築確認

 訴訟参加人は,平成19年2月13日,被告会社に対し,本件建物の建築につき建築確認申請をしたところ,同被告は,同年3月7日,訴訟参加人に対し,上記申請に基づく確認済証(以下「本件確認済証」という。)を交付した(本件建築確認)。

(5) 本件訴え

 原告らは,平成19年9月5日,当庁に対し,本件訴えを提起した。

(6) 本件廃止届出

 訴訟参加人は,大阪市長に対し,平成21年7月21日付けで,都市計画法38条の規定に基づき,本件開発行為に関する工事を廃止した旨届け出た(以下「本件廃止届出」という。)。

(7) 本件工事取止届の提出

 訴訟参加人は,被告会社に対し,平成21年7月21日付けで,本件建築確認に係る工事を取り止めたので届け出る旨記載された「工事取止め届(全部)」と題する書面(以下「本件工事取止届」という。)を提出し,同被告は,同日,これを受理した。

(8) 本件開発行為及び本件建物の建築は,現在,いずれも完了していない。

4.争点

 本件においては,前記第1の各請求ごとに,当該請求に係る訴えの適法性と当該請求の理由の有無がそれぞれ争点となっており,これを具体的に摘示すれば次のとおりである。

(1) 本件開発許可の無効確認請求につき,

ア.同請求に係る訴えの適法性
イ.本件開発許可に無効とされるべき瑕疵があるか

(2) 都市計画法81条1項に基づく是正命令の義務付け請求につき,

ア.同請求に係る訴えの適法性
イ.上記是正命令の義務付けの可否

(3) 本件建築確認の取消請求及び無効確認請求につき,

ア.これらの請求に係る訴えの適法性
イ.本件建築確認にこれを取り消し又は無効とすべき瑕疵があるか

(4) 建築基準法9条1項に基づく是正命令の義務付け請求につき,

ア.同請求に係る訴えの適法性
イ.上記是正命令の義務付けの可否

(5) 本件風致条例10条1項に基づく是正命令の義務付け請求につき,

ア.同請求に係る訴えの適法性
イ.上記是正命令の義務付けの可否

【判旨】

1.判断の大要

 当裁判所は,本件訴えは,いずれの請求に係る部分についても不適法であって,却下すべきものと判断する。以下,本件訴えの適法性につき,①本件開発許可の無効確認請求に係る部分,②都市計画法81条1項に基づく是正命令の義務付け請求に係る部分,③本件建築確認の取消請求及び無効確認請求に係る部分,④建築基準法9条1項に基づく是正命令の義務付け請求に係る部分,⑤本件風致条例10条1項に基づく是正命令の義務付け請求に係る部分の順に説明する。

2.本件訴えのうち,本件開発許可の無効確認請求に係る部分の適法性について(①,争点(1)ア)

(1) 訴訟参加人は,平成19年2月2日に本件土地を開発区域とする本件開発行為について本件開発許可を受けたものの,同開発許可に係る開発行為に関する工事を廃止し,平成21年7月21日付けで,大阪市長に対し,都市計画法38条に基づきその旨届け出た(本件廃止届出)ことが認められるところ,被告大阪市及び訴訟参加人は,これにより本件開発許可は失効し,同開発許可の無効確認請求に係る訴えの利益はもはや存しない旨主張するので,この点につき検討する。

(2) 都市計画法は,無秩序な市街化を防止して都市の健全で計画的な発展を図ることを趣旨として,市街化区域と市街化調整区域の区分を設けるとともに,良好な市街地を実現するため,宅地造成に一定の水準を確保すること等を目的として,開発行為に対する規制を行っている。すなわち,同法は,29条1項において,都市計画区域又は準都市計画区域において開発行為をしようとする者は,あらかじめ,都道府県知事等から開発許可を受けなければならない旨規定して,これらの区域においては開発許可を受けなければ適法に開発行為を行うことができないものとし,併せて,同法37条,41条,42条において,開発許可を受けた開発区域内における建築行為等を制限することにより,開発行為に伴う建築行為等を規制し,これらによって,宅地造成について一定の水準を確保することとしているのである。
 このように,都市計画法における開発許可は,これを受けなければ適法に開発行為を行うことができないという法的効果を有するものであるが,開発許可の上記目的を実現するため,これに併せて当該開発許可を受けた開発区域内における建築行為等も制限することとしているのであって,当該開発区域内の土地を取得した者等の第三者にもその利害が及ぶものである。そこで,都市計画法は,46条において,都道府県知事は,開発登録簿(以下「登録簿」という。)を調製し,保管しなければならないとした上,47条1項において,都道府県知事は,開発許可をしたときは,当該開発許可に係る土地について,同項各号に掲げる事項を登録簿に登録しなければならないとし,同条5項において,登録簿を公衆の閲覧に供することとしており,この登録簿によって第三者においても開発許可の存在と内容を知り得るものとすることにより,開発許可の存在により不測の損害を被ることがないようその保護を図っているのである。

(3) ところで,都市計画法38条は,開発許可を受けた者は,開発行為に関する工事を廃止したときは,遅滞なく,国土交通省令で定めるところにより,その旨を都道府県知事に届け出なければならないと規定し,開発行為に関する工事を廃止した場合における届出義務を定めているが(なお,同義務違反については,同法96条において罰則が定められている。),これは,前記のような開発許可を受けながら,当該開発許可に係る開発行為に関する工事が廃止されたまま放置されたのでは,健全な市街地の形成を確保しようとする同法の目的に反することになることから,開発行為に関する工事を廃止した者に届出義務を課すことによって,都道府県知事において,どの開発行為についていつ廃止されたかを確知することができるようにし,もって,開発行為に関する工事の廃止に伴う事後処理に万全を期すこととしたものと解される。そうすると,このような都市計画法38条に基づく届出がされた場合には,もはや,当該届出に係る開発許可の,これを受けなければ適法に開発行為を行うことができないという前記の法的効果を維持する必要は乏しいということができるのみならず,このような場合にまで,都市計画法37条等に規定する当該開発許可に係る開発区域における建築行為等の制限が引き続き及ぶのでは,良好な市街地を実現し健全で計画的な都市の発展を図るという都市計画法の趣旨に反することにもなりかねない。
 そうであるところ,都市計画法施行規則37条は,都道府県知事は,都市計画法38条の規定による開発行為の廃止の届出があった場合は,遅滞なく,登録簿を閉鎖しなければならないと規定し,上記届出により登録簿が閉鎖されることを明らかにしているところ,上記(2)において説示したとおり,都市計画法は,開発許可が,開発区域内の土地を取得した者等の第三者にもその利害が及ぶことになるため,それらの者が不測の損害を被ることがないよう登録簿により開発許可を公示する仕組みを採用していることからすれば,上記都市計画法施行規則37条の規定は,都市計画法38条に規定する工事の廃止の届出により,当該開発許可に係る開発区域については同法37条等による建築行為等の制限を受けなくなることを前提としているものと解される。
 以上説示したところによれば,同法38条に規定する届出がされれば,原則として,当該届出に係る開発行為の法的効果は消滅し,もはや当該開発許可に係る開発行為を適法に行うことができないことになる一方,当該開発許可に係る開発区域内においても建築行為等につき規制を受けないこととなり,当該開発許可の取消し又は無効確認を求めることについての法律上の利益(行訴法9条1項,36条)も失われるというべきであって,本件においても,本件廃止届出により,原告らの本件開発許可の無効確認を求めることについての法律上の利益は消滅したと解すべきである。なお,開発許可に,当該開発行為に関する工事を廃止した場合の事後処理などについての条件(都市計画法79条)が付されているような場合にあっては,同法38条に基づく届出がされても,当該条件に関する限りにおいて当該開発許可の法的効果が残存すると解する余地もあるが,本件開発許可にはそうした条件は付されていない。

(4) 以上のとおりであるから,本件訴えのうち,本件開発許可の無効確認請求に係る部分は,その余の点について判断するまでもなく不適法であって,却下を免れない。

3.本件訴えのうち,都市計画法81条1項に基づく是正命令の義務付け請求に係る部分の適法性について(②,争点(2)ア)

(1) 原告らは,都市計画法81条1項に基づく是正命令の義務付けを求めているところ,開発区域の周辺住民に上記是正命令についての申請権を認める規定は存しないから,上記義務付けの訴えは,行訴法3条6項1号に規定するいわゆる非申請型義務付けの訴えであると解される。
 そして,非申請型の義務付けの訴えについては,「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれ」があることがその訴訟要件とされているところ(行訴法37条の2第1項),原告らは,この点につき,本件水道管等が道路内から完全に撤去されなければ,本件建物建築によってこれらの引き込み管から上下水やガスが噴出することにより,原告らの生命財産に対して重大な損害を発生させる可能性があると主張する。

(2) しかしながら,本件土地の周辺道路内に,本件開発行為により不要となる水道管,下水管の引き込み管が存するとしても,そのことのみから直ちにこれらから上下水やガスが噴出するとは認め難い上,そもそも,本件土地の周辺道路内に,本件開発行為により不要となる水道管,下水管及びガス管等の引き込み管が存在することを裏付ける証拠すら存しない。
 のみならず,行訴法37条の2第1項にいう「重大な損害」とは,義務付けを求める「一定の処分」によって避けることのできる性質のものであることを要することはその文理に照らして明らかであるところ,前記2において説示したとおり,本件開発許可は本件廃止届出により既に失効しており,工事の停止命令をその内容とする是正命令を発令するまでもなく,もはや,訴訟参加人において適法に本件開発行為に関する工事を行うことができないのであるから,原告が主張する上記損害は,原告が義務付けを求める「一定の処分」によって避けることのできる性質のものであるということはできない(付言するに,原告は,既存のガス管で不要になる引き込み管が撤去されるまで工事の中止を命じることを求めており,そもそも,その請求においても上下水管について触れていないのである。)。

(3) 以上によれば,本件訴えのうち,都市計画法81条1項に基づく是正命令の義務付け請求に係る部分については,上記是正命令がされないことにより「重大な損害を生ずるおそれ」があるとは認められないから不適法であって,却下を免れない。

4.本件訴えのうち,本件建築確認の取消請求及び無効確認請求に係る部分の適法性について(③,争点(3)ア)

(1) 訴訟参加人は,平成19年3月7日,被告会社から本件建物の建築につき本件確認済証の交付を受けて本件建築確認を受けたが,平成21年7月21日付けで,同被告に対し,本件建築確認に係る工事を取り止めたので届け出る旨記載された本件工事取止届を提出し,同被告は,同日これを受理しているところ,同被告及び訴訟参加人は,これにより本件建築確認は失効し,もはや原告らには本件建築確認の取消請求及び無効確認請求に係る訴えの利益はいずれも存しない旨主張するので,この点につき検討する。

(2) 建築基準法6条1項前段は,建築主(同法2条16号)は,同項各号に掲げる建築物を建築しようとする場合等においては,当該工事に着手する前に,その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて,確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け,確認済証の交付を受けなければならない旨規定し,同法6条14項は,同条1項の確認済証の交付を受けた後でなければ,同項の建築物の建築等の工事は,することができない旨規定しており,これらによると,建築確認は,建築基準法6条1項の建築物の建築等の工事が着手される前に,当該建築物の計画が建築関係規定に適合していることを公権的に判断する行為であって,それを受けなければ上記工事をすることができないという法的効果が付与されたものであり,建築基準関係規定に違反する建築物の出現を未然に防止することを目的としたものであるということができる。
 上記のとおり,建築確認は,建築主からの申請に基づいてされるものであるから,建築主は,確認済証の交付を受けるまでの間,原則としていつでもその申請を取り下げる(撤回する)ことができるものというべきであり,この場合には,建築主事において上記申請に応答する必要がなくなるのみならず,建築確認申請を欠くことになる以上,もはや,建築確認をすることは許されないことになる。そして,建築主の建築確認申請に基づき確認済証が交付された場合には,もはや建築主において建築確認の申請を取り下げる(撤回する)余地はないけれども,上記のとおり,建築確認が建築主の申請に基づいてされるものであり,建築主が当該建築確認に係る建築物の建築等の工事をすることができるという法的効果が付与されるものであることからすれば,建築主が当該工事を取り止めた場合にまでその効力を維持する必要は乏しく,このような場合において,上記のような法的効果を消滅させる意味で,建築主事が当該建築確認を撤回することができるものとしても,格別の不都合は生じない。してみると,建築基準法は,建築主事によって建築確認がされた場合であっても,建築主が当該建築確認に係る建築物の建築等の工事を取り止め,その旨建築主事に届け出たような場合にあっては,建築主事において,先にした建築確認を撤回することを許容しているものと解して差し支えなく,これは,指定確認検査機関が建築確認をする場合についても同様である。

(3) ところで,建築基準法に基づく建築確認は,確認済証を交付してすることとされているところ(6条1項,4項),同法6条の2第11項は,指定確認検査機関が建築確認をした場合において,確認審査報告書の提出を受けた特定行政庁が上記確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認める旨上記指定確認検査機関に通知したときは,当該確認済証は,その効力を失う旨規定しており,これらによれば,建築基準法は,建築確認の方法として確認済証の交付を定めるにとどまらず,建築確認の効力自体を確認済証に結び付け,有効な確認済証の交付を受けていることを,適法に同法6条1項の建築物の建築等を行う要件とする仕組みを採用しているものと解される(確認済証の様式を定める建築基準法施行規則別記第5号様式,第15号様式においても,確認済証には,これを大切に保存するよう,注意書を記載することとされている。)。
 そうであるところ,大阪市においては,建築基準法等を施行するため,大阪市建築基準法施行細則(昭和35年大阪市規則第42号。以下「施行細則」という。)が定められており,施行細則9条は,建築主等は,確認(建築基準法6条の規定によるものに限る。)を受けた建築物,建築設備又は工作物の全部又は一部の工事を取りやめたときは,所定の届出書に確認済証及び確認申請書の副本を添付して,建築主事に届け出なければならない旨規定している。このように,施行細則においては,建築確認に係る建築物の工事を取り止めたときは,確認済証を添付してその旨届け出なければならないとされているところ,先にみたような建築基準法における確認済証の位置付けからすると,少なくとも,建築確認に係る建築物等の工事の全部を取り止め,その旨を確認済証を添付して届け出た場合において,建築主事において同届出を受理したときは,これにより,建築主事は,同届出に係る確認済証を交付してした建築確認を撤回したものと解するのが相当である。

(4) もっとも,本件において,本件建築確認をしたのは建築主事ではなく指定確認検査機関である被告会社であるところ,上記のとおり,施行細則9条において工事取止めの届出の対象としているのは,建築基準法6条に規定する建築確認,すなわち,建築主事による建築確認に限られ,施行細則9条は,指定確認検査機関がする建築確認について適用されるものではない。これは,建築主事において,指定確認検査機関がした建築確認について,撤回するなどその効力を左右することはできないし,指定確認検査機関においてはそれぞれ確認検査の業務に関する規程を定めるものとされ(建築基準法77条の27),また,指定確認検査機関が建築確認をするに当たっては,建築主等との間でそれぞれ確認検査業務委託契約が締結されることになることから,指定確認検査機関がした建築確認に係る建築物等の工事を取り止めた場合等の取扱いについては,建築主等と当該指定確認検査機関との間における調整にゆだねる趣旨に出たものと解される。
 そうであるところ,被告会社においては,上記建築基準法77条の27に基づく確認検査業務に関する規程として,株式会社A確認検査業務規程(以下「本件業務規程」という。)を定めている。そして,本件業務規程は,29条4項において,建築主等は,直前の建築確認を被告会社から受けた建築物等の工事を取り止めたときは,所定の様式の工事取止め届(以下「工事取止届」という。)を速やかに被告会社に提出するものとする旨規定し,同条5項において,同条2項から4項までの規定については,特定行政庁が規則等で定めている場合にはこれによらないことができる旨規定し,30条において,被告会社は,29条1項から4項までの届を受理した場合は,速やかに特定行政庁に当該届書の写しを所定の様式の「各種届出等の報告について」に添えて報告するものとする旨規定する。
 以上のとおり,本件業務規程29条4項は,被告会社が建築確認をした建築物等の工事を建築主等が取り止めた場合の工事取止届の提出を規定しているところ,本件業務規程30条が,上記工事取止届の提出があった場合にこれを特定行政庁に報告するものとしていることからすると,本件業務規程は,工事取止届が提出され受理された場合においては,当該建築確認はその効力を失ったものとし,その旨を特定行政庁に報告することにより,特定行政庁において,当該建築確認を受けた建築物の計画の内容にかかわらずもはや建築基準関係規定に適合するかどうか判断すること(建築基準法6条の2第11項)を要しないものとし,建築基準法93条の2,建築基準法施行規則11条の4に基づき閲覧に供されている当該建築確認に係る書類について,その閲覧を中止する等の措置をとる機会を与えるものとしたことがうかがえる。また,前記のとおり,施行細則9条の規定は,指定確認検査機関である被告会社がする建築確認には適用されないものの,上記のとおり,本件業務規程29条5項が,同条2項から4項までの規定については,特定行政庁が規則等で定めている場合にはこれによらないことができる旨規定し,当該確認をする地域における建築主事が建築確認等をする場合と平仄を合わせようとしていることからすれば,上記本件業務規程29条4項の工事取止届の提出ないしその受理の効力を検討するに当たっても,大阪市における取扱いを定める前記施行細則の規定内容を参酌することも許されるというべきである。
 これらを総合すれば,本件業務規程29条4項に基づく工事取止届が被告会社に提出され,被告会社がこれを受理した場合には,当該受理をもって当該建築確認は撤回されたものというべきであり,これによって,当該建築確認の法的効果は失われると解するのが相当である。

(5) 以上説示したところによれば,工事取止届が被告会社に提出され,同被告がこれを受理した場合には,これによって,当該建築確認は撤回されたものとしてその法的効果は消滅すると解されるところ,前記のとおり,訴訟参加人は,平成21年7月21日付けで,被告会社に対し,本件工事取止届を提出し,同被告は,同日これを受理しているから,これにより本件建築確認の法的効果は消滅したというべきである。
 したがって,原告らには,もはや,本件建築確認の取消し及び無効確認を求める法律上の利益はないというべきであるから,本件訴えのうち,本件建築確認の取消請求及び無効確認請求に係る部分はいずれも不適法であって,却下を免れない。

5.本件訴えのうち,建築基準法9条1項に基づく是正命令の義務付け請求に係る部分の適法性について(④,争点(4)ア)

 原告らは,建築基準法9条1項に基づく是正命令の義務付けを求めているところ,建築確認に係る建築物の周辺住民に上記是正命令についての申請権を認める規定は存しないから,上記義務付けの訴えは,行訴法3条6項1号に規定するいわゆる非申請型義務付けの訴えであると解されるが,非申請型の義務付けの訴えについては,「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれ」があることがその訴訟要件とされていることは,既に説示したところである。
 そして,原告らは,上記是正命令が発令されなければ,軟弱地盤対策が不十分なために本件建物が倒壊し,原告らの生命身体財産に対して重大な損害が発生すると主張するが,前記4において説示したとおり,訴訟参加人が,被告会社に本件工事取止届を提出し,同被告がこれを受理したことにより,本件建築確認の効力は失われ,もはや,訴訟参加人において別途建築確認を受ける等することなく本件建物を建築することは許されないのであるから,上記是正命令を発令しなくとも,原告らに上記のような損害が生じるとは認められない。
 以上によれば,建築基準法9条1項に基づく是正命令が発令されないことにより「重大な損害を生ずるおそれ」があるとは認められないから,本件訴えのうち,上記義務付け請求に係る部分は不適法であって,却下を免れない。

6.本件訴えのうち,本件風致条例10条1項に基づく是正命令の義務付け請求に係る部分の適法性について(⑤,争点(5)ア)

(1) 原告らは,本件風致条例10条1項に基づく是正命令の義務付けを求めているところ,原告らに同是正命令の申請権を認める規定は存しないから,上記義務付けの訴えは,行訴法3条6項1号に規定するいわゆる非申請型義務付けの訴えであると解される。
 そして,上記非申請型義務付けの訴えは,行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り,提起することができるところ(同法37条の2第3項),ここにいう「法律上の利益を有する者」とは,当該一定の処分がされないことにより,自己の権利又は法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうと解され,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分の義務付け訴訟における原告適格を有するものというべきである。
 そして,処分の相手方以外の者について上記法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してなされない場合に害されることになる利益の内容及び性質並びにこれが害される程度をも勘案すべきものである(同条4項,同法9条2項,最判平成17年12月7日・民集59巻10号2645頁参照)。
 以上の見地から,上記義務付けの訴えについて原告らに原告適格が認められるか以下検討する。

(2) 本件風致条例は,都市計画法58条1項の規定に基づき,風致地区内における建築物の建築,宅地の造成,木竹の伐採その他の行為の規制に関し必要な事項を定めるものであり(1条),2条において,風致地区内において建築物その他の工作物の新築等,宅地の造成等又は木竹の伐採等の行為をしようとする者は,あらかじめ,市長の許可を受けなければならない旨規定し,5条以下において上記許可の基準を定めているところ,同条例8条3号は,木竹の伐採については,同条例2条1項1号(建築物等の新築等)及び2号(宅地の造成等)をするために必要な最小限度の木竹の伐採で,当該伐採の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれがないことを,その許可の条件としている。そして,本件風致条例10条1項は,市長は,同条例又は同条例の規定に基づく処分に違反した者等に対し,風致を維持するため必要な限度において,同条例2条1項の規定によってした許可を取り消すなどし,又は違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができると規定している。
 以上のとおり,本件風致条例は,風致地区内における風致を維持するため,建築物等の建築等や木竹の伐採について市長の許可を要するものとし,こうした規制を実効あらしめるために,10条1項において監督処分としての是正命令を規定しているのであり,このような本件風致条例10条1項に規定する是正命令が適切に行われない場合に周辺住民が被る可能性のある被害は,そのような一定の区域における良好な自然風景としての景観の恵沢を享受することができなくなるという不利益にとどまり,これによって直ちに周辺住民等の生命,身体の安全が脅かされたり,その財産に著しい被害が生じたりすることは想定し難いところである。そして,上記のような良好な自然風景としての景観を享受する利益(以下「景観利益」という。)は,良好な生活環境に係る利益の一つとして,これに包摂されるものであるということができる。
 このように,景観利益は,一定の地域的範囲において認められるもので,一定の広がりをもった生活環境に係る利益であって,周辺住民等の個別の生命,身体の安全や健康,財産的利益に直接結びつくものではなく,しかも,その内容は,景観の性質,態様等によって異なり得るものであり,私法上の権利としての明確な実体も存しないものである。このような景観利益の内容及び性質に照らせば,当該利益は,正に公益一般に位置付けた上で保護するにふさわしいものであるということができ,これを,個々の行政法規において,一般的公益の中に吸収解消させることなく個々人の個別的利益として保護する場合があり得るとしても,そのためには,その趣旨を処分の根拠法規から明確に読み取ることができることを要するというべきである。
 なお,原告らは,訴状において,景観利益と併せて平穏生活権が侵害されるといった主張をしているが,原告らが指摘する上記平穏生活権も,良好な生活環境を享受する利益に包摂されるところの上記景観利益を出るものではないというべきである。

(3) そうであるところ,本件風致条例は,都市計画法58条1項の規定に基づき,風致地区内における建築物の建築,宅地の造成,木竹の伐採その他の行為の規制に関し必要な事項を定めるものである。そこで,都市計画法の規定をみると,同法8条1項7号は,都市計画において定めるべき地域地区の一つとして,風致地区を掲げ,同法9条21項は,風致地区は,都市の風致を維持するため定める地区とする旨規定し,同法58条1項は,風致地区内における建築物の建築,宅地の造成,木竹の伐採その他の行為については,政令で定める基準に従い,地方公共団体の条例で,都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる旨規定する。このように,都市計画法は,風致地区における規制については,その目的として「風致を維持する」ことのみ規定し,その内容も政令及び条例にゆだね,具体的な規定は置いていないのであって,こうした都市計画法の規定内容から,景観利益を個々の周辺住民の個別的利益として保護する趣旨を読み取ることはできない。
 そこで,都市計画法58条1項に基づき定められた風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令(昭和44年政令第317号)をみると,同政令においては,3条1項において,風致地区内において,建築物の建築,宅地の造成又は木竹の伐採等の行為は,あらかじめ,所定の地方公共団体の長の許可を受けなければならないものとし,4条において,上記許可の基準として,同条各号に掲げる基準及びその他都市の風致を維持するため必要なものとして条例で定める基準に適合することを定めているが,これらの規定に定める基準は建築等の行為について一般的に規制するもので,周辺住民の個別的利益に配慮したことがうかがわれる規定は何ら存しないのであって,同政令の規定内容から,景観利益を個々の周辺住民の個別的利益として保護する趣旨を読み取ることは困難といわざるを得ない。
 さらに,都市計画法58条及び上記政令に基づき定められた本件風致条例をみても,前記のとおり,5条以下において建築物の新築,宅地の造成及び木竹の伐採等の許可の基準を定めているものの,そこにおいては,上記政令における基準以上に周辺住民の利益に着目している趣旨はうかがわれない。同条例10条1項に規定する監督処分についても,同項各号に掲げられた上記監督処分の要件からは周辺住民の利益に着目している趣旨をうかがうことはできず,他に本件風致条例に個々の周辺住民の個別的利益を保護する趣旨をうかがわせる規定は存在せず,同条例においても,景観利益を個々の周辺住民の個別的利益として保護する趣旨を読み取ることはできない。
 以上によれば,原告らは,本件条例10条1項に規定する是正命令がされないことにより,自己の権利又は法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者であるということはできない。

(4) これに対し,原告らは,大阪府環境基本条例(平成6年大阪府条例第5号。以下「環境基本条例」という。)は,他人地であってもその通常の使用を不当に制限しない限りにおいて,自然環境を享有し得る権利を認めたものであると主張する。
 しかしながら,同条例を通覧しても,原告らが指摘する上記利益を個々人の個別的利益として保護する趣旨を読み取ることはできない上,本件風致条例において,同条例における許可ないし監督処分をするに当たって,環境基本条例の規定内容を考慮し,あるいは環境基本条例が保護しようとする利益に配慮しなければならないことをうかがわせる規定もないから,環境基本条例を根拠に本件風致条例10条1項に基づく是正命令に係る義務付けの訴えの原告適格を基礎付けようとする原告らの上記主張は失当である。

(5) 以上によると,原告らは,本件風致条例10条1項に基づく是正命令の義務付けを求めるにつき,法律上の利益を有するとは認められない。
 また,以上認定説示したところによれば,上記是正命令がされないことにより「重大な損害を生ずるおそれ」を認めることができないことも明らかである。
 したがって,本件訴えのうち,上記義務付け請求に係る部分は,不適法であって,却下を免れない。

7.結論

 以上によれば,本件訴えは,いずれの請求に係る部分も不適法であるから,却下すべきである。

posted by studyweb5 at 01:28| 下級審裁判例 | 更新情報をチェックする


  【当サイト作成の電子書籍一覧】
司法試験定義趣旨論証集(民法総則)【第2版】
司法試験令和元年最新判例ノート
司法試験平成30年最新判例ノート
司法試験平成29年最新判例ノート
司法試験平成28年最新判例ノート
平成29年司法試験のための平成28年刑訴法改正の解説
司法試験定義趣旨論証集刑訴法(逐次改頁版)
司法試験定義趣旨論証集刑訴法(通常表示版)
司法試験平成27年採点実感等に関する意見の読み方(民法)
司法試験平成27年出題趣旨の読み方(民法)
司法試験平成27年採点実感等に関する意見の読み方(行政法)
司法試験平成27年出題趣旨の読み方(行政法)
司法試験平成27年採点実感等に関する意見の読み方(憲法)
司法試験平成27年出題趣旨の読み方(憲法)
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(会社法)
司法試験定義趣旨論証集(会社法)
司法試験平成26年最新判例ノート
司法試験論文用平成26年会社法改正対応教材
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(刑法各論)
司法試験定義趣旨論証集(刑法各論)
司法試験定義趣旨論証穴埋問題集(刑法総論)
司法試験定義趣旨論証集(刑法総論)
司法試験平成25年判例肢別問題集
司法試験平成25年判例論証穴埋問題集
司法試験平成25年判例論証集
司法試験定義趣旨論証集(行政法)

  【新刊書籍・法学論文・ニュース等のリンク】

Amazon司法試験売れ筋ランキング

六法全書 令和2年版

プレステップ法学 第4版 (プレステップシリーズ 02)

憲法の規範力と市民法 (講座憲法の規範力【第3巻】)

裁判と法律のあいだ: ドイツ憲法の視角から (新基礎法学叢書)

【プロセス講義】 民法1 総則 (プロセス講義シリーズ)

民法I 総則 -- 第2版補訂版 (LEGAL QUEST)

債権総論 第3版 セカンドステージ債権法II (法セミ LAW CLASS シリーズ)

事務管理・不当利得・不法行為 第3版 セカンドステージ債権法III (法セミ LAW CLASS シリーズ)

民法3 親族法・相続法 第4版

遺言と遺留分 第3版 第1巻

一問一答 令和元年民法等改正――特別養子制度の見直し (一問一答シリーズ)

債権法改正 企業対応の総点検

最新株式会社法(第9版)

逐条解説会社法 第6巻 計算書・定款の変更・事業の譲渡・解散・清算

ビジネス法入門(第3版)

基本テキスト会社法(第2版)

株主総会対応の視点からみたコーポレートガバナンス改革と投資家との「対話」

裁判IT化がわかる!

必要的共同訴訟の研究 (大阪市立大学法学叢書 65)

民事訴訟における当事者の主張規律

Q&A 令和元年改正民事執行法制

最新重要判例200[労働法] 第6版

法学教室 2020年 04 月号

ジュリスト 2020年 04 月号

判例タイムズ1469号

夫からの離婚請求が信義則に反するとされた事例
東京高等裁判所平成30年12月5日判決
日本大学教授 大杉麻美

訴因変更に関わる一連の手続が訴訟手続の法令違反に当たるとされた事例
東京高等裁判所平成31年2月8日判決
北海道大学教授 上田信太郎

マンションのごみ集積場所に排出されたごみの領置
東京高等裁判所平成30年9月5日判決
岡山大学准教授 小浦美保

公法廷の入退廷の際に手錠・捕縄を施すことの憲法適合性
大阪地方裁判所令和元年5月27日判決
帝京大学助教 杉山有沙

株取引による収益を上げる機会が失われたとして後遺障害慰謝料を増額した事例
東京地方裁判所令和元年5月16日判決
常葉大学准教授 峯川浩子

所有権留保と集合動産譲渡担保の優劣に係る判断―倒産局面への影響
最高裁判所第二小法廷平成30年12月7日判決
弁護士 印藤弘二

明治憲法下の「憲法争議」と「法令審査権」をめぐる議論― 違憲審査制による憲法保障へ―
国立国会図書館調査及び立法考査局専門調査員 憲法調査室主任 山田邦夫

法的性別変更に関する日本及び諸外国の法制度
国立国会図書館 調査及び立法考査局行政法務課 藤戸敬貴

強制性交等罪の構成要件緩和 ―欧州における同意のない性交の罪―
国立国会図書館 調査及び立法考査局行政法務課 小沢春希

個人情報保護法見直しの概要
国立国会図書館 調査及び立法考査局行政法務課 秋山瑞季

法律の実効性喪失
法制局第二部第二課 信谷彰

法曹志望者の確保に向けた法科大学院改革等
宮本哲志(文教科学委員会調査室)

国際経済法における強行規範の役割
川﨑恭治

論説:AI化する社会と倫理的ジレンマ —トロッコ問題の日米中文化比較から考える—
学習院大学法学部教授 遠藤薫

田中角栄の立法活動の再検討
下村太一

年収1000万円プレイヤーは意外と少ない!?弁護士の平均年収は739万円

不動産評価ミスで過大課税 損賠請求巡り最高裁初判断

沖縄・玉城知事「地方自治の理念に反する」と批判 辺野古訴訟上告審、沖縄県敗訴確定

辺野古移設、沖縄県の敗訴確定

【記者解説】辺野古関与取り消し訴訟をどう読み解く? 地方自治理念を損ねる恐れ

河野防衛相「移設進める」、辺野古最高裁判決受け

司法解剖の写真、文書提出命令の対象 最高裁が初判断

新型コロナ感染で犯罪者に? 弁護士が解説する4つの注意点

ポストコロナ時代の「働く」を考えよう(前編)

「遺産は愛人に全額贈与じゃ!」ダメ親父のアホ遺言書はどうしたらいいのか

ウイルス汚染で職場が危険、法律上勤務拒否は可能か…元アイドル平松弁護士が解説

伊賀ドキの人 悩みに寄り添う 米沢龍史さん(33)

<判決に望む 呼吸器事件再審>(下) 元検察官・市川寛弁護士に聞く

旧最高裁の大法廷に飾られていた3枚の聖徳太子の絵 日本画の巨匠が込めた思いとは

袴田さん、最高裁へ再審開始要請 釈放6年、支援者ら

相模原殺傷事件控訴に「時間の無駄」「早く死刑に」と語る人々:全ての命の重みとは

19人殺害で死刑 植松被告の弁護士が控訴

植松被告の弁護士 判決不服控訴

3万人から税金取り過ぎの大阪市 最高裁敗訴で返還額3倍に膨らむ可能性高まる

「ギャラ飲み」「パパ活」って犯罪?トラブルになる前に弁護士に相談

容疑者引き渡し巡り結審 筑波大生不明、チリ最高裁

受刑者の手紙禁止しないよう勧告 岡山刑務所に弁護士会

マスク着用強要可能?自宅待機中の給料は? 社労士有志が中小向け対応ガイド無料配布

選択的夫婦別姓訴訟がまた敗訴、最高裁に上告へ 「再婚連れ子の姓に考慮を」

熊谷6人殺害事件・被告の無期減刑に対し、被害者遺族と弁護人が会見…「被害者側にも固有の上訴権を」

熊谷6人殺害事件で妻子を奪われた遺族 被告減刑で心情激白「自分で手を下すしかないのでしょうか」

「ゴルフ場で飲んだ」弁護士が“酒酔い運転”

女性同士の内縁関係でも「不倫に110万円の慰謝料」が認められた理由

熊本銀行、熊本県弁護士会と連携協定 事業承継で

弁護士事務所の業務をゲキテキに改善する事件管理サービス

賭け麻雀「危ない俗説」を法的検証、「フリーは大丈夫」「テンピン以上が摘発対象」は本当か?

ドン・ファン遺産獲得に予算 田辺市、弁護士経費1億円超

不倫「離婚したくないけど、慰謝料がほしい」弁護士の見解は?

【リーガルテック】弁護士向け事件管理サービス『LegalWin』が文書OCR・文書管理機能をリリース
手持ち文書全体に検索・ブックマークで瞬時にアクセス

「パチンコのために子供4人放置」両親初公判 検察側懲役2年求刑

初公判で夫婦が起訴内容認める 子ども4人を家に置き去りパチンコ店に/兵庫県

停職3ヵ月の懲戒処分 検察事務官が女性の尻を触る【岩手】

捜査書類を29年間自宅に放置 検察事務官を懲戒処分

常習賭博のインターネットカジノ店店長に1年6か月を求刑(富山県)

ラーメン店強盗で男送検 事件前後には・・・(富山県)

カフェで“睡眠導入剤”入りコーヒー飲ませ…43歳女性に性的暴行 46歳男に懲役5年6か月の判決

大手メーカーの機密情報を転職先のライバル会社に漏らす…66歳男に有罪判決「私欲的な行為」

大阪・富田林署逃走は「計画的」 樋田被告、検察側が論告

野田市小4虐待死事件の「全容」~全公判を傍聴してわかったこと

『毎月10万円プレゼント』…”ウソの動画”を配信し現金だまし取った「GIFT」詐欺 主犯格の初公判

森雅子法相の「検察官逃げた」騒動 答弁の裏にある成功体験

直ちに告発受理し捜査を 関電金品受領、検察に要請

検察、再び有罪を求める、乳腺外科医控訴審結審(3月25日追記)

「検察は第三者機関」との首相答弁の表現は適切 菅官房長官

弁護士の常識は、社会の非常識? (3) 面会簿に署名して逃亡を謀議する奴は”本当に”いないのか?

中国、北海道教育大教授を捜査 スパイ容疑と発表、検察に送致

新型コロナ、威嚇の「せき」は英国なら禁錮2年-「犯罪」と検察言明

故意にせき、英で相次ぐ 検察、暴行罪で摘発強化

後輩のズボン脱がせたショートトラック元韓国代表に懲役刑求刑

「チョ・グク守護」を掲げた開かれた民主党「チョ・グク事態は検察のクーデター」

n番ルーム事件、「犯罪団体組織罪」の適用は可能か?

朴槿恵前大統領弁護団、弾劾時の憲法裁判所裁判官9人相手取り損害賠償請求

米弁護士ら、武漢ウイルス研究所などを提訴 損害賠償20兆ドル

トルコ検察、サウジ記者殺害事件で20人起訴 皇太子側近も

改正民法趣旨・規範ハンドブック

司法試験定義趣旨論証集(物権)【第2版】

法学入門(第3版)

平等権解釈の新展開: 同性婚の保障と間接差別の是正に向けて

憲法判例50! 第2版 (START UP)

いちばんやさしい憲法入門 第6版 (有斐閣アルマ > Interest)

憲法と要件事実 法科大学院要件事実教育研究所報第18号

行政法概説Ⅰ -- 行政法総論 第7版

行政法 第2版 (有斐閣ストゥディア)

法執行システムと行政訴訟: 髙木光先生退職記念論文集

国賠判例にみる権限不行使と警察の責務

民法Ⅴ 事務管理・不当利得・不法行為 第2版 (LEGAL QUEST)

民法7 親族・相続 第6版 (有斐閣アルマ)

スタートライン債権法 第7版

債権法各論[第2版] (スタンダール民法シリーズ 4)

不動産登記法〔第2版〕

Law Practice 商法〔第4版〕

民事執行・保全法 第6版 (有斐閣アルマ > Specialized)

ベーシック労働法 第8版 (有斐閣アルマ > Basic)

サブテクスト国際法 教科書の一歩先へ

弁護士のためのマネー・ローンダリング対策ガイドブック

違法薬物の所持を装って警察官らに被告人を追跡するなどの
捜査活動を余儀なくさせた行為が偽計業務妨害に当たるとされた事例
(名古屋高金沢支判平成30年10月30日 LEX/DB 25561935)
刑事判例研究会 大阪大学大学院法学研究科博士後期課程 久保英二郎

作為態様の中止には,結果発生防止に必要かつ適切な措置を講じることが求められるとして,
中止未遂の成立を否定した一事例 (札幌高判平成 30・10・1 判例集未登載)
刑事判例研究会 大阪市立大学大学院法学研究科教授 金澤真理

危惧感説と具体的予見可能性説の異同再論
――長野地松本支判平成31・3・25平成26年(わ)第260号を素材として――
立命館大学大学院法務研究科教授 松宮孝明

不法残留者との同居と不法残留の幇助
立命館大学大学院法務研究科教授 松宮孝明

預金債権の準共有〔序説〕 ――誤振込事例と信託を素材として――
立命館大学大学院法学研究科教授 岸本雄次郎

民法724条の「不法行為の時」の解釈基準と「損害の性質」に着目した不法行為類型
立命館大学大学院法務研究科教授 松本克美

会社法356条2項の改正
立命館大学法学部教授  品谷篤哉

◇ 退職記念講義 ◇ 法の支配について
平野仁彦

計画確定決定の衡量統制に関する一考察(1) ――衡量の瑕疵とその有意性――
立命館大学大学院法務研究科教授 湊二郎

計画確定決定の衡量統制に関する一考察(2・完) ――衡量の瑕疵とその有意性――
立命館大学大学院法務研究科教授 湊二郎

司法修習委員会(第38回)

“失言の美魔女”森雅子法務大臣 貧困からの栄達物語に隠された「短所」とは?

コロナウィルスの影響で24時間365日利用できるレンタル自習室
イーミックスへ利用者の問い合わせが殺到しております。

関電金品受領問題は「戦後最大の経済犯罪」~原発事業をめぐる「闇」の解明が不可欠

「関電再生」には刑事責任の追及が不可欠だ

コロナ感染者のふりには大きなリスク「偽計業務妨害」容疑で逮捕も

カスタマーハラスメントに遭う前に。弁護士に聞いた「最低限の準備」

受動喫煙は「犯罪」にならないの? 「刑罰」への待望論も、「行政罰」が望ましい理由

成年後見制度 使い勝手良くして利用促進を

「ただただ気持ち悪かったです」19歳の実娘への性的暴行で父親に有罪 “逆転”の理由

当時19歳の実の娘に性的暴行…二審で逆転有罪の父親が上告 名古屋

最高裁が親告罪だったころの「強制わいせつ」も“告訴なし”で起訴できると判断した意味

ロッキード事件の裁判長、草場良八氏死去 94歳、老衰

草場良八氏が死去 元最高裁長官

無期懲役の判決確定 異議申し立てを棄却 今市事件

仏留学生不明事件、日本人留学生の家族が法廷で証言

筑波大生不明事件、フランス警官が証言 遺体、川に流された可能性―チリ

停職取り消し4月判決、最高裁 教諭のいじめ隠し

【名古屋闇サイト殺人事件】「事件について何も思いません」犯人から届いた非情な手紙

辺野古訴訟 県敗訴の見通し 最高裁が弁論せず判決

橋下徹のケンカの鉄則…負けを回避するには「躊躇なくいったん退く」

勤め先から「契約更新しない」と言われたら… 雇い止めに遭ったときの対処法

新型コロナの影響で起きた内定取り消し、不当解雇、賃金未払いに対抗するために。
無料で加入・内部告発もできるオンライン労働組合「みんなのユニオン」

急死した父の”前妻の子”に知らせず「しれっと遺産相続」 は絶対ダメ! むずかしい関係こそ大切なのは…

県議の質疑「8割コピペ」で物議 政治では禁忌、質問にも権利?

元榮太一郎「僕の勝ち方」(3)赤字会社の人心掌握術

【法律相談】相続で発覚した共有不動産を現金化する方法

愛人から突き返された夫 妻と子どもに面倒を見る義務はあるのか?

会社の懇親会が「強制参加」…これってアリ? 「労働時間」と認めてもらう条件

【弁護士の見解】香川県ネット・ゲーム依存防止条例は憲法違反の可能性十分

香川県「ゲームは1日60分」条例、違憲性への懸念 「不当な干渉」「憲法13条に違反」…作花弁護士が指摘

走行中にフェラーリ炎上、欠陥を認める判決 東京地裁

「マスク緊急増産」なら残業させ放題って本当? 厚労省の通知、実のところは…

新型コロナ影響で資金不足どう対策 「返済猶予」を弁護士が解説

弁護士「東京五輪のボランティアは途中でバックレてもOKです」

弁護士ドットコム、法律書籍のサブスクサービス 「BUSINESS LAWYERS LIBRARY」提供開始

弁護士ドットコム、法律書籍、雑誌のサブスクサービス開始--月額6300円で約400冊読み放題

「陽性」でジムへ行ったら罪? 新型コロナトラブルQ&A【弁護士に聞いた】

続々と施行、堀天子 弁護士が語るフィンテック関連で確認すべき法改正とは

【弁護士・公認会計士】ダブル資格で、新境地に挑む横張 清威さんに聞く

女子高生ひき逃げ死亡「悲劇繰り返さぬため無罪」の妥当性

心愛さん虐待死、父に懲役16年 「凄惨で陰湿」 六つの罪全て認定・千葉地裁

心愛さん虐待死事件で父親に懲役16年、謝罪を口にするも最後まで非は認めず

河井案里氏の秘書と前法相の政策秘書ら逮捕 検察の最終ターゲットは安倍首相首相か

ウグイス嬢事件 案里氏は全裸で克行氏は転倒…河井夫妻の抵抗劇

「元レーサーが犯行持ちかけた」“八百長”元競艇選手ら初公判で検察側指摘 20レースで順位操作し利益

妊娠中の母親と2歳長男が車にはねられ母親死亡…運転していた男に“執行猶予付き”の有罪判決

廿日市女子高校生殺害事件 被告に無期懲役の判決

リンさん殺害事件、両親が被告を提訴 約7千万円求める

森法相「法務省が確認した事実が実際の事実」 「異なる事実」を事実上修正

弁護士の常識は、社会の非常識? (2) 弘中弁護士はゴーン被告に”落とし前”をつけるべきでは?

米刑務所で新型コロナウイルスにおびえる服役囚が続出 懲役150年でも“出してくれ”

軽微な罪を寛容に、新型ウイルスで打撃の民間企業の再稼働を後押し

「入試不正・監察請託疑惑」のチョ・グク前韓国法務部長官の初めての裁判開始…起訴80日ぶり

ユン検察総長の義母、4年前の「虚偽残高証明書」処罰の可能性を知っていた

図解 東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法

現代実定法入門-人と法と社会をつなぐ 第2版

実況文章 正月の叫び2020

注釈日本国憲法(3) -- 国民の権利及び義務(2)・国会 (有斐閣コンメンタール)

新プリメール民法3 債権総論〔第2版〕 (αブックス)

債権法民法大改正 ポイントと新旧条文の比較

新版 有利な心証を勝ち取る民事訴訟遂行

会社法 第22版 (法律学講座双書)

株主権の再評価

役員人事の法制度――経営者選解任と報酬を通じた企業統治の理論と機能

刑法総論の悩みどころ (法学教室LIBRARY)

実戦演習 刑法―予備試験問題を素材にして

労働法 第4版 (LEGAL QUEST)

強盗に際して犯行現場付近で見張りをしてほしいとの正犯者の依頼を受けて犯行現場に駆け付けたが、
到着した時点で既に正犯者が犯行を終えて逃げ出す段階になっていたため、
自身の運転する自動車に正犯者を乗せて逃走した者について、
強盗致傷罪に対する幇助犯の成立を認めた事例
(京都地判平成26年10月31日(LEX/DB 文献番号25505245))
一橋大学大学院法学研究科特任助教 酒井智之

訴訟代理人弁護士が受刑者に宛てて発した信書の検査をめぐる法的問題
一橋大学大学院法学研究科教授 葛野尋之

私的刑法学 ―常識を疑い、常識を守る―
専修大学大学院法務研究科教授 橋本正博

民法学と公共政策──近時の日本民法学変貌を踏まえて「債権法改正」を考える──
吉田邦彦

愛知県議会議長の同県議会議員に対する発言取消命令の適否は、司法審査の対象とはならないとされた事例。
公法判例研究 盛永悠太

人体と機械の融合に伴う法律問題についての研究 ── 科学技術と刑法の調和 ──
小名木明宏

アメリカにおける終身刑の最新動向について
一橋大学大学院法学研究科博士後期課程  唐春楊

フランス憲法院判例における「公序(ordre public)」の概念
 一橋大学大学院法学研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員 DC 田中美里

連邦憲法裁判所における一般的平等原則審査の変遷
一橋大学大学院法学研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員 DC1 辛嶋了憲

“結婚後の性別変更”認めず…特例法は「合憲」と最高裁が判断

性別変更、特例法の要件は「合憲」 最高裁初判断

性同一性障害 結婚後に戸籍上の性別変更認めずは合憲 最高裁

仮免中違反の罰金命令破棄 非常上告受け最高裁是正

実の娘に性的暴行 2審は逆転有罪 父に懲役10年判決 名古屋高裁

【名古屋・逆転有罪判決】被害者のAさんがコメントを発表「信じてくれる人は少なかった」

「ひかりの輪」観察処分は適法 国側逆転勝訴の判決確定 最高裁

受精卵で無断出産は「自己決定権侵害」 元妻に賠償命令

法科大学院認証評価における評価手数料の改定について

司法試験委員会 第156回会議(令和2年2月26日)

令和3年司法試験会場の公募について

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案

著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案

資格スクエア予備試験講座(全講座)を高校生向けに期間限定で無料開放致します。

「傍聴席減らす」新型コロナで裁判所が異例措置 希望者「入りたい」とトラブルも

成年後見の報酬算定は2階建てで設定 最高裁が考え方を示す

引退してから優しくなれた プロボクサーと弁護士を両立
坂本尚志の意志を貫く力「頑張ってからやめた方が胸を張れる

授業とボクシングの練習以外は図書館へ
元・東大出身の弁護士ボクサー坂本尚志「頑張る自分でありたい」

新型コロナで結婚式延期、交渉したらキャンセル料8割減 女性「まるっともらう気だったのか」

若手の環境に危機感抱く 日弁連次期会長・荒中(あら・ただし)さん

日弁連会長に荒氏(相馬出身) 仙台弁護士会 東北から初当選

日弁連 次期会長に仙台弁護士会の元会長 荒氏

水俣病高裁判決 司法救済の門を閉ざすな

原告「最悪の不当判決だ」 水俣病互助会・国賠訴訟

水俣病第2世代訴訟原告全面敗訴(熊本県)

「人と思えぬ」まさかの全員敗訴 水俣病賠償訴訟、福岡高裁

水俣病訴訟 胎児・幼少期被害を認めず 福岡高裁 8人全員、国基準踏襲

夫の車がラブホテルの駐車場に 勤務中の不貞を会社に伝えていいか

コロナ「ばらまく」と来店の男、逮捕には「壁」も 捜査の焦点は?

「コロナばらまき男」を愛知県警が捜査開始 意外に高い“逮捕、起訴のハードル”

致死性ウイルスを故意に感染させると殺人罪、殺人未遂罪の適用も

「ウイルスばらまいてやる」男性“店内映像”報道、本人の同意がない場合は問題ないのか聞いた
弁護士「店舗側やメディア側が訴えられる可能性」

コロナで高まる「内定取り消し」のリスク  相談事例から対処法を解説する

改正健康増進法施行へ 飲食店の「喫煙」厳しく制限、何がどう変わる?

Googleマップに悪評を書かれた歯科医 投稿者分からず落胆

会社法の一部を改正する法律案

民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)

商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案

民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

令和2年司法試験予備試験の実施について

令和2年司法試験の実施について

司法試験考査委員の不適切行為に関する通報窓口


  【司法研修所教材・講義案・調査官解説等】
事件記録教材 法科大学院教材
調査官解説
事例で考える民事事実認定
プラクティス刑事裁判 平成30年版
プロシーディングス刑事裁判 平成30年版
検察講義案 平成27年版
新問題研究要件事実
紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂
刑事第一審公判手続の概要
刑事判決書起案の手引
民事判決起案の手引
民事訴訟第一審手続の解説
情況証拠の観点から見た事実認定
民事訴訟における要件事実 第2巻
民事訴訟における要件事実 増補 第1巻
書記官研修講義案等