2012年01月16日

最新下級審裁判例

東京地裁民事第2部判決平成22年03月30日

【事案】

(前回からの続き)

(7) 第二次検討会における議論等及び再改正省令の制定に至る経過等

ア.平成21年2月13日,改正法に基づく新薬事法の全面施行を同年6月1日に控え,新制度の下,国民が医薬品を適切に選択し,かつ,適正に使用することができる環境作りのために国民的議論を行うことを目的として,厚生労働大臣の指示の下に検討会を開催するとして,第二次検討会の開催が決定された。第二次検討会の主な検討事項は,①薬局・店舗等では医薬品の購入が困難な場合の対応方策,②インターネット等を通じた医薬品販売の在り方等であり,その構成員は,医薬品販売に関する有識者,都道府県の関係者,インターネット等通信販売事業者及び一般用医薬品にかかわる団体の代表で構成するものとされた。

イ.平成21年2月24日,第二次検討会第1回会議が開催された。第二次検討会の座長にもP10座長が選出された(以下,第二次検討会との関係でも「P10座長」という。)。第二次検討会第1回会議では,P13大学総合政策学部教授のP59委員,原告P1代表者,P5株式会社(以下「P5」という。)代表取締役会長兼社長のP60委員,P12委員,P58協議会のP61委員,P16委員,P50委員から,それぞれ提出資料についての説明があり,その後,質疑が行われた。
 P59委員からは,移動困難等の理由により,インターネット販売を必要としている顧客が多いこと,医薬品の安全確保のための方策として対面販売は本質ではなく,インターネットは真の安全を確保する上で有効な道具であること,規制をすることによって健全な業者の営業が制限されれば,違法な業者の活動が活発になり,より危険が増すおそれがあること,世界的なインターネット利用の進展の流れに逆行し,日本の医薬品業界や流通業界の国際競争力を失わせる危険があることといった内容の説明がされ,原告P1代表者からは,インターネット販売の継続を希望している多数の消費者の意見を聞くべきであること,インターネット販売に対する不安を払拭するための安全性確保の方策が国民から求められていることに関しては,インターネットの無限の可能性を活用して,副作用のリスクを極力抑制するための安全性確保の方策を策定したこと等の説明がされ,P60委員からは,近隣に薬局がないなどの理由からインターネット販売を含む通信販売に頼らなければならない消費者は相当多数いるのであって,現に相当多数の消費者からこれを規制する改正省令案に対して反対意見が寄せられていること,法律ではなく省令による権利の規制であるという点でも問題があること,パブリックコメントの内容が十分に開示・反映されていないこと,P4とも協力して業界をしっかりまとめて,安全なインターネット販売を実現していきたいと考えていること等の説明がされ,他方で,P12委員からは,薬の扱い方や副作用をよく知らない人が多く,そのことも考慮した制度設計が必要であり,それも考慮して改正省令の結論が採られていること,薬の入手に困難があるという人たちというのは,薬に対するリスクが高い群の人たちであると考えられ,そのような人たちが医薬品を購入する際にはなおさら医療や専門家と接点を持つべきであること,インターネットの危うさとして,サイトの中で間違った情報を次々と載せていくことによって,医薬品の適正な扱いが行われなくなり,それが助長されることにもなりかねない点がある上,最も危うい点として,インターネットにおいては,一部の悪質な業者がいた場合に,そのような業者を規制することが困難であり,一部の業者がいい加減なことをやると,そこで薬物被害が出てしまうという問題があること等の指摘がされた。
 原告P1代表者が第二次検討会第1回会議に提出した資料には,「一般用医薬品のインターネット販売における安全策について(業界ルール案)」と題する業界ルール案(P4のP5との提携による策定に係るもの)の説明資料が含まれており,その内容は,①違法販売サイト,個人輸入サイトとの区別や専門家が実在することにつき,薬局・店舗のサイト上で,都道府県等への届出済みであることを確認できるようにし,対応する専門家の情報も掲示し,公のサイト(厚生労働省の資格検索システムなど)でも届出済みである旨を掲示して実在することを確認できるようにすること,②薬局・店舗において掲示しなければならない事項(薬局・店舗の管理及び運営に関する事項,一般用医薬品の販売制度に関する事項)は,サイトにも分かりやすく掲示すること,③各医薬品の注意事項等の説明につき,各医薬品の外包又は添付文書に基づき,名称,成分及び分量,用法及び用量,効能又は効果,使用上の注意等を明示し,掲載内容については各店舗の専門家が確認し,必要に応じて諸注意を追記し,その他医薬品全般に関する汎用的な注意事項を掲示するなど啓蒙に努めること,④使用者の情報や状態の把握について,使用者の状態を適切に把握し,問診の前に購入者が使用者であるかどうか確認し,購入者と使用者が違う場合には,使用者の立場に立って答えるよう明示的に促し,使用者の年齢・性別の申告を義務付け,使用者の状態について,禁忌事項に該当するか否かチェックボックス等で項目別に申告を義務付け,禁忌事項への該当があれば,医薬品の注文自体を受け付けず,使用上の注意を明示し,読んで理解した旨の申告を義務付け,その他気掛かりな点を気軽に相談できるよう様々な申告手段を設け,使用者の状況に即して,適切な情報を提供するための資料とすること,⑤購入者の質問等への対応につき,購入者の質問に対しては,専門家本人が回答し,電子メール,電話,ファクシミリ等状況に応じて適切な手段で双方向のやり取りを実現し,質問があった場合には販売前に回答し,市販薬を用いた処置が不適切と考えられる場合には受診勧奨を行い,回答に当たる専門家は氏名を明らかにし,実在することを確認できるようにすること,⑥注文に対する販売可否の判断につき,申込みに対しては,禁忌事項に該当する場合は注文を除外し,特に注意を要する注文は専門家が詳細に審査し,最終的には専門家が販売可否を判断し,同一顧客からの大量注文,同種の製品の複数注文等がないかを確認し,最終的に販売を可とした専門家は押印するなどして氏名を明示すること,⑦禁忌事項について,申告された購入者・使用者の適格性を判断し,当該製品の使用が不適切と判断される場合や申告内容に禁忌事項への該当がある場合には販売をせず,禁忌事項や注意書を理解しないままの申告を防ぐため,理解した旨の申告を義務付け,注文内容,申告情報,購入履歴等に気掛かりな点がないか,各注文の内容を個別に専門家が確認し,疑義があれば販売を保留し,専門家から購入者へ連絡し詳細を確認すること,⑧医薬品と他の商品の混同・誤用を防ぐため,サイト上では医薬品と一般の商品とは売場を別にし,各医薬品にはリスク区分を明示し,出荷の際,医薬品は内袋に入れるなどして他の商品と混同しないような措置を採り,販売可能と判断された注文伝票と出荷内容が一致しているかの確認を図り,医薬品の品質劣化,損傷を防ぐ梱包となっているかの確認を図り,気掛かりな点があれば使用を控え専門家に相談する旨の文書を同梱すること,⑨相談窓口の連絡先と対応時間を明記した紙を同梱すること,⑩不適切販売を行う店への対策として,各店舗の業務手順の明確化により販売状況の透明化を図り,各事業者等に通報窓口を設置し,業界全体で通報内容を共有し,保健所による監視,業界による自主調査,第三者機関による調査といった複数機関による監視・調査活動を行い,業界団体が自主的に調査を行い,不適切な店舗については当局に通報することなどといったものである。(以下,上記内容の業界ルール案を「P4業界ルール案」という。)
 第1回会議の議論においては,P59委員の説明資料にいうインターネットの方がより確実に情報提供ができる場合とはどのようなものかという趣旨のP36委員の質問に対し,P59委員から,画面を超えるような説明書がある場合に,全部スクロールして最後まで到達しないと読んだというボタンが押せず,かつ,それを押さなければ発注画面に移れないという方式や,文字だけでは説得力が足りないという場合に,音声や動画を入れることを想定しており,そのほか,購入者が過去に買った医薬品との飲み合わせを確認することや購入者の条件を確認することによって説明を変更することも可能であること,本当に危険なものについては,ビデオ会議で薬剤師を呼び出すことも技術的には可能である旨の発言があり,それに続いて,原告P1代表者からは,インターネット販売は,薬剤師が購入者と対面しているのと比べて,購入者と薬剤師の間にインターネットを介しているかどうかの違いしかなく,上記業界ルール案に沿っていけば副作用のリスクを最大限に減らしていくことができると確信している旨の発言があった。

ウ.平成21年3月12日,第二次検討会第2回会議が開催された。第二次検討会第2回会議では,P60委員及び原告P1代表者を含む委員から提出された資料の説明及び質疑等が行われた。原告P1代表者は,P62神戸大学名誉教授(本件原告ら訴訟代理人)の意見書を提出した。

エ.平成21年3月31日,第二次検討会第3回会議が開催された。第二次検討会第3回会議では,事務局の作成した検討項目の説明並びにP60委員及び原告P1代表者を含む委員から提出された資料の説明があり,その後に議論が行われた。同会議の議論において,P60委員からは,P5やP4等が中心となって行っている医薬品の通信販売の継続を求める署名が約107万件に達している旨の説明があり,また,消費者のニーズにこたえていく体制を採るべきであるという趣旨の発言があったが,他方,P63会事務局長のP64委員からは,P60委員の上記発言につき,消費者が安全であることを最優先に考えるべきである旨の発言があった。

オ.平成21年4月16日,第二次検討会第4回会議が開催された。第二次検討会第4回会議では,一般消費者からのヒアリング,事務局の作成した検討項目に記載された論点に関する議論が行われた。なお,P60委員が新検討会第4回会議に提出した資料中には,「通信販売安全確保に向けた6月に向けた取組」として,①使用上の注意の確認等を注意喚起する画面の導入,②年齢認証機能の導入(18歳未満は医薬品の販売を禁止する予定),③各店舗が問診票の記載を行うという記述がある。また,同資料中には,「インターネット等を通じた医薬品販売の在り方」と題する部分があるが,具体的なインターネット販売のルールに関する内容は,P4業界ルール案及び上記①ないし③と基本的に同様である。

カ.平成21年4月28日,第二次検討会第5回会議が開催された。第二次検討会第5回会議では,事務局の作成した検討項目に記載された論点につき議論が行われた。その議論において,P36委員からは,チェックボックスによる申告では,本人がそれに該当するかどうか分からない事項については正しい情報を得ることができず,対面で専門家が本人と話をしてきちんとコミュニケーションを取りながら情報を引き出すことによって正しい情報を得る必要があること,そのような問題点があるため,改正法においては一般用医薬品をリスクの程度に応じて分類し,通信販売のできるものとできないものを区別したものである旨の発言がされた。P10座長からの禁忌事項等についてチェックボックスで尋ねて確認してから情報提供を行うということは現在行われているのか今後行おうとしているのかとの質問に対し,原告P1代表者からは,やっているところもあるし,まだできていないところもある旨の回答がされ,また,同原告代表者からは,インターネット販売等の通信販売について,安全性確保の方策を法令によって義務付けた上で認めることを含めて今後検討していくことを要望するとともに,そうした法令の整備がされるまで,当分の間,現状のとおり医薬品の通信販売ができるような措置を検討してほしい旨の提案がされた。その後,事務局から,特定の漢方薬等を継続して服用している者や離島居住者などの利便性に配慮した経過措置を設けるとすると改正省令の一部を再改正する必要があり,同年6月1日に迫った施行日に間に合わせるためにはパブリックコメント等の手続を行わなければならず,再改正の内容について第二次検討会の了承を得る前に先行してパブリックコメントの手続を行いたい旨の提案がされたが,そのような改正省令の再改正案(再改正省令案)があるのであれば,骨子だけでも第二次検討会に提示して議論すべきであるなどの意見が出され,次回の第二次検討会の会議において再改正省令案について議論することとなった。

キ.平成21年5月11日,第二次検討会第6回会議が開催された。第二次検討会第6回会議では,事務局から再改正省令案の内容が示され,議論が行われた。議論の結果,第二次検討会として再改正省令案を承認することはせず,厚生労働省の責任でパブリックコメントの手続を行うこととなった。

ク.厚生労働省は,平成21年5月12日,同月18日を締切日として,再改正省令案の内容を示し,意見公募手続を行った。意見公募に当たっては,期間短縮の理由として,郵便等販売に関する経過措置を設けるため,改正省令の一部を改正して平成21年6月1日までに公布・施行する必要がある旨が示されている。

ケ.平成21年5月22日,第二次検討会第7回会議が開催された。第二次検討会第7回会議では,事務局から,再改正省令案(同第6回会議で提示されたものと同様のもの)及び上記クの意見公募手続の結果が説明され,議論が行われた。意見公募手続の結果は,経過措置に賛成とするもの42件,経過措置に反対とするもの1146件(うち,経過措置は不要とするもの692件,経過措置の内容に反対するもの454件),郵便等販売の規制をすべきでないとするもの8333件等であった。同会議の議論では,改正省令の再改正の在り方について,経過措置による規制の緩和に反対する趣旨で,P64委員,P53委員,P12委員及びP36委員から,更なる規制の緩和を内容とする経過措置の創設を求める趣旨で,P60委員101及び原告P1代表者から,それぞれ反対の意見が出され,委員全体の6割を超える他の委員らからは賛成の意見が出されたものの,最終的に共通の意見の取りまとめにまでは至らなかったため,P10座長の整理に従い,厚生労働省の責任において再改正省令を同案の内容で公布・施行することとして,第二次検討会を終えることとされた。

コ.平成21年5月29日,再改正省令(改正省令の一部を改正する省令)が平成21年厚生労働省令第114号として公布され,改正法及び改正省令の施行に先立ち同日から施行され,これにより,改正省令附則に前記2(2)イ(ア)ないし(カ)の郵便等販売に関する経過措置の規定等が加えられた。

(8) 改正法及び改正省令の施行後の状況等

ア.改正法及び改正省令(ただし,再改正省令による改正後のもの)は,平成21年6月1日から施行された。

イ.改正法及び改正省令の施行直後,本件規制を批判する立場でインターネットサイトに記事を公表した者が自ら薬局又は店舗で医薬品を購入して調査を行った結果をその記事に掲載した内容によれば,ある薬局では,第一類医薬品の購入時に情報提供がされず,ドラッグストアチェーン店の店舗2店では,第二類医薬品の購入時に情報提供がされないことがあったと記載されている。

ウ.改正法及び改正省令の施行直後の原告P1の調査結果によれば,平成21年7月ころ,漢方薬を取り扱う薬局において,①購入者が家族のためのものであることを明らかにして薬剤師と対面して購入した第二類医薬品につき,その後に当該購入者が再度電話で注文したところ,当該医薬品が郵送で販売された事例,②注文者が自己の症状を電話及びファクシミリで伝え,友人が代理人であることを明らかにして薬剤師と対面して購入した第二類医薬品につき,その後に注文者が再度電話で注文したところ,当該医薬品が郵送で販売された事例があった。

エ.熊本県における医薬品の特例販売業(旧薬事法35条)の取扱いについて定めた特例販売業取扱要領には,特例販売業は,薬局及び医薬品販売業の普及が十分でない場合,その他適正な医薬品の供給を図るため知事が特に必要と認める場合に限り,許可するものとし,適正な医薬品の供給を図るため知事が特に必要と認める場合とは,①駅の構内等の特殊な施設であって,容易に薬局等を利用し難い場合,②医療用酸素等通常薬局等において購入し難いガス性医薬品及び揮発性医薬品等を取り扱う場合であるとされている。熊本県内で一般販売業の許可を受けて漢方薬等の医薬品の通信販売を行っていた株式会社P65(以下「P65」という。)が,改正法の施行直前である平成21年5月22日付けで,上記「適正な医薬品の供給を図るため知事が特に必要と認める場合」に該当するものとして,特例販売業の許可(旧薬事法35条)を受けており,そのほか,10業者が,改正法の施行直前に特例販売業の許可を得ている。

オ.原告P1の医薬品の1か月当たりの売上げは,平成20年4月から平成21年4月にかけて,約4500万円から約7000万円の間でおおむね緩やかに上昇してきたが,同年5月に1億円を超える売上げを記録した後,同年6月から11月までおおむね3000万円から4000万円の間で推移している。原告P1は,平成21年6月2日,本件規制の影響により医薬品の売上げの減少が予想されることから,平成22年3月期の業績予想につき,同期の売上高を120億円,当期純利益を2500万円と下方修正した。これは,第二類医薬品のインターネット販売が認められることを前提とした業績予想よりも売上高で5億円低く,当期純利益で9500万円低い。なお,原告P1の売上高に占める医薬品の割合はその前期において約7%であった。
 また,原告P2の医薬品の1か月当たりの売上げは,平成20年12月から平成21年3月まで104万円から129万円の間で推移し,同年4月には176万円,同年5月には303万円を記録したものの,同年6月から11月まで58万円から90万円の間で推移し減少傾向にある。もっとも,原告P2の1か月当たりの総売上げは,平成20年12月から平成21年3月まで495万円から564万円の間で推移し,同年4月に614万円,同年5月に866万円を記録した後,同年6月から11月までは430万円から501万円の間で推移しており,同年6月から10月までは,前年同月の総売上げをいずれも上回っている。

【判旨】

1.争点(1)(本件無効確認の訴え及び本件取消しの訴えの適法性)について

(1) 行政事件訴訟法3条4項の処分の無効確認の訴え及び同条2項の処分の取消しの訴えの対象は,いずれも,行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下「行政処分」という。)でなければならず,行政処分とは,公権力の主体たる国又は地方公共団体(法令に基づきその権限の委託を受けた機関を含む。)が行う法令に基づく行為のうち,公権力の行使として行われる行為であって,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される(最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。

(2) 本件無効確認の訴え及び本件取消しの訴えの対象は,改正省令の一部としての本件改正規定であるところ,省令の制定は,法律の委任を受けた行政機関がその委任に基づいて行う立法作用に属するから,限られた特定の者に対してのみ適用される結果として行政庁の処分と実質的に同視し得るものといえる例外的な場合を除き,一般的には抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものではないと解するのが相当である(最高裁平成15年(行ツ)第35号,同年(行ヒ)第29号同18年7月14日第二小法廷判決・民集60巻6号2369頁最高裁平成21年(行ヒ)第75号同年11月26日第一小法廷判決・裁判所時報1496号7頁参照)。
 そこで,改正省令の一部である本件改正規定(改正省令のうち薬事法施行規則に本件各規定を加える改正規定)について,上記の例外的な場合に該当するか否かを検討するに,本件改正規定により加えられる本件各規定の主な内容は,薬局開設者又は店舗販売業者による一般用医薬品の販売又は授与(以下,単に「販売」という。)について,①新薬事法36条の6第1項ないし第3項の規定による情報提供は薬剤師又は登録販売者(第一類医薬品については薬剤師)が薬局又は店舗において対面で行うことを要すること(新施行規則159条の15第1項1号,159条の16第1号並びに159条の17第1号及び2号),②第三類医薬品の郵便等販売を行う場合を除き,薬剤師又は登録販売者(これらの管理・指導下の一般従事者を含み,第一類医薬品については薬剤師(その管理・指導下の登録販売者又は一般従事者を含む。)に限る。)が薬局等において対面で販売することを要すること(新施行規則159条の14),③郵便等販売を行う場合は第三類医薬品以外の一般用医薬品の販売は行わないこと(新施行規則15条の4第1項1号)であって,上記①及び②の規制が,一般用医薬品の販売を行う者全般に広く適用される規制であることに加え,上記③の規制も,その規制の適用を受ける「郵便等販売」とは,薬局開設者又は店舗販売業者が当該薬局又は店舗以外の場所にいる者に対してする郵便その他の方法による医薬品の販売をいい(新施行規則1条2項7号参照),インターネット販売を行う業者のみならず,それ以外の郵便その他の方法による通信販売を行う業者全般が当該規制の対象となるのであって,特定の業者(特定の企業又は個人)のみを規制の対象とするものではないから,本件改正規定は,限られた特定の者に対してのみ適用される規定ではないというべきであり,当該省令の規定の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないので,改正省令中の本件改正規定の制定行為は,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないというべきである。
 原告らは,改正省令中の本件改正規定は,実質的には第一類・第二類医薬品のインターネット販売を行っていた原告らを始めとする限られた者の権利を制限するものであるから,行政処分に当たる旨主張するが,上記①ないし③の本件改正規定の性質・内容に照らし,上記主張は採用することができない。
 なお,原告らは,対世効や仮の救済の手続において当事者訴訟では不十分な点があるから抗告訴訟が認められるべきである旨主張するが,まず,対世効については,仮に,当事者訴訟である本件地位確認の訴えに係る原告らの請求を認容する判決がされ,原告らと被告との間で原告らが本件各規定にかかわらず第一類・第二類医薬品の郵便等販売をすることができる地位を有することが確認されれば,原告らは,本件各規定による規制を受けずにこれらの郵便等販売をすることができ,その販売行為について被告の所轄行政庁から監督権限の行使等を受けることもなく,原告らの法的利益の保護として十分であるといえる上,原告ら以外の他の販売業者等にも対世効を及ぼして第一類・第二類医薬品の郵便等販売を認めなければ行政運営の対応に困難を来すといった事情は見当たらないことも併せ考えれば,対世効のある訴訟手続によるべき必要性は認め難い。また,仮の救済手続の点については,そもそも仮の救済手続の利用の可否やその容易性が行政処分性の有無の判断に影響を与えるとは解されないから,原告らの上記主張も,改正省令中の本件改正規定の行政処分性に関する前示の判断を左右するものとは認められない。

(3) したがって,本件無効確認の訴え及び本件取消しの訴えは,いずれも,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないものを対象として提起されたものといわざるを得ず,その余の点(行政事件訴訟法36条の要件該当性等)について判断するまでもなく,不適法であり,却下を免れない。

2.本件地位確認の訴えの適法性について

(1) 本件地位確認の訴えは,公法上の当事者訴訟のうちの公法上の法律関係に関する確認の訴えと解することができるところ,原告らは,改正省令の施行前は,一般販売業の許可を受けた者として,郵便等販売の方法の一態様としてのインターネット販売により一般用医薬品の販売を行うことができ,現にこれを行っていたが,改正省令の施行後は,本件各規定の適用を受ける結果として,第一類・第二類医薬品についてはこれを行うことができなくなったものであり,この規制は営業の自由に係る事業者の権利の制限であって,その権利の性質等にかんがみると,原告らが,本件各規定にかかわらず,第一類・第二類医薬品につき郵便等販売の方法による販売をすることができる地位の確認を求める訴えについては,前記2のとおり本件改正規定の行政処分性が認められない以上,本件規制をめぐる法的な紛争の解決のために有効かつ適切な手段として,確認の利益を肯定すべきであり,また,単に抽象的・一般的な省令の適法性・憲法適合性の確認を求めるのではなく,省令の個別的な適用対象とされる原告らの具体的な法的地位の確認を求めるものである以上,この訴えの法律上の争訟性についてもこれを肯定することができると解するのが相当である(なお,本件改正規定の適法性・憲法適合性を争うためには,本件各規定に違反する態様での事業活動を行い,業務停止処分や許可取消処分を受けた上で,それらの行政処分の抗告訴訟において上記適法性・憲法適合性を争点とすることによっても可能であるが,そのような方法は営業の自由に係る事業者の法的利益の救済手続の在り方として迂遠であるといわざるを得ず,本件改正規定の適法性・憲法適合性につき,上記のような行政処分を経なければ裁判上争うことができないとするのは相当ではないと解される。)。

(2) したがって,本件地位確認の訴えは,公法上の法律関係に関する確認の訴えとして,確認の利益が肯定され,法律上の争訟性も肯定されるというべきであり,本件地位確認の訴えは適法な訴えであるということができる。
 そこで,以下,本件地位確認の訴えの本案の争点として,争点(2)(本件改正規定の適法性・憲法適合性)について検討する。

(次回へ続く)

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2012年01月13日

最新下級審裁判例

東京地裁民事第2部判決平成22年03月30日

【事案】

(前回からの続き)

(5) 改正法案の国会における審議の経過等

ア(ア) 前記(3)ノの報告(厚生科学審議会検討部会報告書)を受けて,厚生労働省において,厚生科学審議会の審議の結果としての検討部会報告書の内容を踏まえ,改正法案(薬事法の一部を改正する法律案)の立案作業が行われ,平成18年3月7日,閣議決定を経て第164回国会に改正法案が提出された。

(イ) なお,厚生労働省が平成18年3月に作成した「薬事法の一部を改正する法律案想定問答集」には,外国における一般用医薬品の販売制度に関する質問に対し,「基本的には欧米諸外国については,日本における一般用医薬品に当たるものは,アメリカを除き,概ね薬剤師等による対面販売が求められていると承知している」との答が記載されており,参考として,ドイツにおいては薬剤師又は薬局助手等による対面販売であるとする内容がある。

イ.改正法案は,第164回国会において審議され,平成18年4月10日の参議院本会議において,厚生労働大臣が,改正法案の趣旨説明を行った。趣旨説明においては,「国民の健康意識の高まりや医薬分業の進展等の医薬品を取り巻く環境の変化,店舗における薬剤師等の不在など制度と実態の乖離等を踏まえ,医薬品の販売制度を見直すこと」が求められているとした上で,「今回の改正では,医薬品の適切な選択及び適正な使用に資するよう,医薬品をリスクの程度に応じて区分し,その区分ごとに,専門家が関与した販売方法を定める等,医薬品の販売制度全般の見直しを行う」との内容がある。

ウ.平成18年4月11日の参議院厚生労働委員会において,改正薬事法案につき,上記イと同様の趣旨説明が行われた。

エ.平成18年4月13日の参議院厚生労働委員会において,改正法案の審議が行われた。

(ア) P39議員からは,今回の改正のポイントとして,国はめりはりと実効性の向上を考えているようであるが,自らの薬害被害の経験を踏まえ,購入者,患者への安全性を第一に考えてほしいという旨の質問があり,これに対し,厚生労働省の医薬食品局長(以下,単に「医薬食品局長」ともいう。)からは,改正により必要な情報提供が実効性をもって行われるようになると考えており,消費者の安全性がより確保される仕組みが構築されると考えている旨の答弁がされ,それに対し,P39議員から,二度と薬害被害を発生させないために安全性の強調を強く求めていきたいと思う旨の発言があった。また,P39議員からは,検討部会報告書でB分類の医薬品のうちアスタリスクが付せられたもの(新施行規則210条5号の指定第二類医薬品に相当するもの。以下「指定第二類医薬品」という。)について,オーバー・ザ・カウンターによる陳列・販売を義務付けるべきではないかという旨の質問があり,医薬食品局長からは,検討部会報告書においては,指定第二類医薬品については,オーバー・ザ・カウンターを義務付けるべきであるとはされておらず,オーバー・ザ・カウンターそのものではないとしても,それに準ずる方法も考えられ,積極的な情報提供を行う機会がより確保されることが最も重要であり,そのための手段としてどのような陳列・販売方法が適当か,法案成立後に検討をしていきたいと考えている旨の答弁がされた。P39議員からは,さらに,指定第二類医薬品については,オーバー・ザ・カウンターでないと売れないとか,薬剤師による面談をしながらやっていくというやり方の方がより安全性を担保できるのではないか,薬にはリスク・副作用があり,常習性もあるものがあることが認知されているのであるから,きっちりとした販売の形態を採らなければならないのではないかという質問がされ,それに対し,医薬食品局長からは,法案成立後にオープンな場で検討をしていきたい旨の答弁がされた。P39議員からは,再度検討してほしい,ただ売ればいい,売上げが上がればいいという発想ではなくて,薬には危険がつきものであることを国民に周知徹底するためにも,オーバー・ザ・カウンターといった販売形態を採ってほしいと提案しているのであり,積極的な答弁をしてほしい旨の質問がされ,医薬食品局長からは,よく検討する旨の答弁が,厚生労働大臣からは,法案成立後に関係者の意見を詰めていきたいとの答弁がされた。
 また,P39議員の既存配置販売業者に関する質問に答えて,厚生労働大臣からは,既存配置販売業者は,販売品目がこれまで限定的に認められているものであること,購入者や事業活動への無用の混乱を与えないようにすること等の観点から,経過措置を設けたものである旨の答弁がされた。

(イ) P40議員からは,医薬食品局長から,第二類医薬品及び第三類医薬品については,専門家である薬剤師や登録販売者が直接対応するだけでなく,専門家の管理下で非専門家である他の従業員が補助的に販売に従事することも可能とすることを考えている旨の説明がされたのを受けて,資格者の管理監督下の販売・授与ということになると,通信販売やインターネット販売に道を開くことにならないのかとの質問がされ,これに対し,医薬食品局長からは,検討部会報告書において,第三類医薬品については一定の要件の下で通信販売を認めざるを得ないとされていることを紹介し,医薬品の販売については,対面販売が重要であるということが基本であり,インターネット技術の進歩にはめざましいものがあるものの,現時点では検討部会報告書を踏まえて慎重な対応が必要であると認識している旨の答弁がされ,これに関連して,P40議員からも,対面販売は必要であると思う旨の発言がされた。

オ.平成18年4月14日の参議院厚生労働委員会において,参考人からの意見聴取と参考人に対する質疑が行われた。

(ア) 参考人であるP10部会長からは,検討部会の審議の経緯及び検討部会報告書の内容についての説明がされ,改正法案は,検討部会での審議結果及び検討部会報告書を十分に踏まえたものであり,医薬品はその本質として効能効果だけではなくて副作用などのリスクを併せ持つものであるから,適切な情報提供が伴ってこそ真にその医薬品は安全で有効なものとなる旨の陳述がされた。

(イ) P41協議会理事長・P42大学薬学部客員教授(一般用医薬品学)のP43参考人からは,一般人が信頼感をもって医薬品を購入できるための要件としては,専門家から個々の一般人の状況に応じた情報が示されること,その示された情報で当該一般人が納得できること等が挙げられ,特に,情報及び情報を提供する人がどのようなものであるかということが注目される旨,情報を提供する人には,情報を個々の一般人にふさわしいものにして提供していく技量,情報を提供する者が医薬品を買いに来た人の状況を判断できること,専門家が一般人にとって平滑かつ分かりやすい言葉で提供すること,目の前の買いに来た人の身体的・精神的な状況をある程度判断できることが必要であり,また,専門家と買いに来た人が互いにコミュニケーションをきちんと取れることが必要である旨の陳述がされた。

(ウ) P11協議会代表世話人のP44参考人からは,薬害被害者のみから構成されている自分たちの団体の願いは薬害の根絶ということ以外にはない旨,インターネット販売に関しては,陳列方法,相談応需及び情報提供に関する法案の規定を素直に読めば第三類医薬品以外のインターネット販売は不可能に読めるところ,第一類・第二類医薬品についても消費者のニーズを理由に売りたいという業者がいるが,第一類・第二類医薬品のインターネット販売を認めてしまうと,相談応需又は情報提供は全く実効性がなくなり,改正法は台なしになってしまうので,これをどのような形で改正法の政省令で定めるかということが行政の手腕に期待されるところであって,第一類・第二類医薬品のインターネット販売は断固としてできない体制を採ってほしい旨の陳述がされた。

(エ) 質疑においては,P40議員から,第三類医薬品について,通信販売を認めることと対面販売の原則の関係についてどう考えるかという質問がされ,これに対し,P10部会長からは,対面販売が医薬品の場合には望ましいということはそのとおりであるが,現在一定の時間帯には薬剤師の電話での相談応需による販売が認められていることに配慮をしたものと思われる旨の説明がされた。また,P45議員の質問に対し,P10部会長からは,情報提供の努力義務が課されているにもかかわらずドラッグストアなどでほとんどそれが行われていないという実態に対し,情報提供が対面販売という形で行われるようにしていこうというのが今回の議論の出発点である旨の説明がされた。また,P40議員の質問に対し,P11のP44参考人からは,第一類・第二類医薬品についてインターネット販売を禁止すべきであるという意見としたのは,一般の国民の利便性からすればインターネットを全部禁止するということは不便であるという意見になってしまい,その結果として事実上規制の実効性が全くなくなってしまうことを懸念したことから,第一類・第二類医薬品については絶対に禁止するというめりはりを付けるべきであると考えたものである旨,薬害被害者という立場からは,一般の方のアンケート結果は理解するが,医薬品の危険性は身にしみており,強く心配されるため,第一類・第二類医薬品についてはインターネット販売を断固禁止してほしい旨の陳述がされた。

カ.平成18年4月18日の参議院厚生労働委員会において,改正法案の審議が行われた。

(ア) 既存配置販売業者に関する経過措置により資格のない者が配置員として販売を続けることがダブルスタンダードになるのではないかというP46議員からの質問に対し,医薬食品局長からは,改正法に基づく登録販売者を置いて業務を行う配置販売業者は既存配置販売業者よりもかなり多くの品目を取り扱えるようになること,既存配置販売業者でも新制度に基づく情報提供義務を負うことなどからすれば,ダブルスタンダードには当たらない旨の答弁がされた。

(イ) P47議員からは,重篤な副作用,薬害被害がまた出るというようなことがあってはならないと思うとした上で,その点について,今後の厚生労働大臣の薬事行政の推進,特に医薬品の安全の問題についての考えを決意も含めて聞かせてほしいとの質問がされ,これに対し,厚生労働大臣からは,今回の薬事法の改正に当たっては,効能効果とリスクを併せ持つ医薬品の本質を踏まえることが最も重要である旨,今回の薬事法の改正は,購入者による医薬品の適切な選択,適切な使用に資するものであり,議員の懸念される副作用の大きな被害を二度と起こしてはならないというスタンスの中で努力をしていくとともに,今回の制度改正をその趣旨が生かされるよう実施し,医薬品全体の安全体制の充実強化に積極的に取り組んでいく旨の答弁がされた。それに続けてP47議員からは,規制改革という流れには一定の必要性を認める一方で,医薬品の安全性の問題については,悲惨な歴史があるとともに,今後も同じような事態が発生するのではないかという懸念が非常に強くある状況であるので,信頼,安全,安心をどのように作っていくかについては抜かりなく油断なく対応してほしい旨の発言がされた。

(ウ) P40議員からは,第一類医薬品についてもインターネット販売で売られているという実態について,何らかの対策を講ずべきではないかという質問がされ,これに対し,厚生労働大臣からは,法改正後については,改正後の薬事法において,第一類医薬品を販売する場合には,省令で定めるところにより,薬剤師が適正な使用のために必要な情報を提供しなければならないものとされていて,これに基づき対面販売により情報提供することを求めるという方向性になっており,その定めの違反は行政処分による強制力のある取締りの対象となり,従来は通知に基づく行政指導がされてきたインターネット販売はその取締りの対象となる旨の答弁がされた。

(エ) P45議員の配置販売業者に関する質問に対し,厚生労働大臣からは,配置販売は,三百余年もの長い伝統の中で培われてきた利便性の高い我が国固有の販売形態であり,購入者の家庭において対面による適切な情報提供や相談対応を行い,医薬品を購入するため外出することが困難な家庭に対する一般用医薬品の供給等という社会的役割も担っていると認識している旨の答弁がされた。

(オ) これらの審議の後,同日の参議院厚生労働委員会において,改正法案は採決され,賛成多数で可決された。

キ.平成18年4月19日,参議院本会議で改正薬事法案が議題とされ,採決が行われ,賛成多数で可決された。参議院厚生労働委員会の本会議への報告では,改正法案は,「医薬品の適切な選択及び適正な使用に資するよう,一般用医薬品をその副作用等により健康被害が生ずるおそれの程度に応じて区分し,その区分ごとに,専門家が関与した販売方法を定める等,医薬品の販売制度全般の見直しを行う(中略)こと等により,保健衛生上の危害の発生の防止を図」ることを改正の趣旨・目的とするものと報告された。また,参議院の附帯決議として,政府に対し,「医薬品の適切な選択及び適正な使用の確保のため,新たな一般用医薬品の販売制度が実効あるものとなるよう十分留意すること」,「新たな一般用医薬品の販売制度について,国民が,医薬品のリスク分類によって,販売者,販売の在り方等が異なることを理解し,適正に販売がなされていることを容易に確認できるよう必要な対策を講ずること。また,制度の実効性を確保するよう薬事監視の徹底を図ること」及び「一般用医薬品のリスク分類については,安全性に関する新たな知見や副作用の発生状況等を踏まえ,不断の見直しを図ること」を求める旨の決議がされている。

ク.平成18年6月2日,衆議院厚生労働委員会において,改正法案の趣旨説明が行われた。その内容は,参議院におけるものと同様であった。

ケ.平成18年6月7日,衆議院厚生労働委員会において,改正法案の審議が行われた。P48議員から,対面販売とはいえない医薬品のインターネット販売については大変危険であると思っており,薬害被害の実態を考えれば,少なくとも特にリスクの高い第一類医薬品はインターネット販売や通信販売を禁止すべきであるがどう考えるかという質問がされたのに対し,医薬食品局長からは,医薬品のインターネット販売についての検討部会報告書の考え方として,対面販売が原則であることから情報通信技術を活用することについては慎重に検討すべきであるとされ,第三類医薬品については一定の要件の下で通信販売を認めざるを得ないとされていることを紹介した上,厚生労働省としては,医薬品の販売は対面販売が重要であり,インターネット技術の進歩にめざましいものがあるとはいえ,現時点においては,検討部会報告書を踏まえた慎重な対応が必要であると考えている旨の答弁がされた。また,P49議員からも,医薬品のインターネット販売に関する質問があったのに対し,医薬食品局長からは,検討部会報告書の内容を紹介し,対面販売の原則ということから厳しく制限をすべきであるという意見がある一方で,利便性あるいはIT技術の活用により対面販売に準じた対応も可能として規制を緩和すべきであるという意見もあるが,厚生労働省としては,医薬品の販売は対面販売が重要であるという基本的な考え方に立って,インターネット技術の進歩にはめざましいものがあるとはいえ,現時点では,検討部会報告書を踏まえて慎重な対応が必要であると考えている旨の答弁がされた。
 これらの審議の後,同日の衆議院厚生労働委員会において,改正法案の採決が行われ,賛成多数で可決された。

コ.平成18年6月8日の衆議院本会議において,改正法案の採決が行われ,賛成多数で可決され,改正法案が成立した。衆議院厚生労働委員会の本会議への報告でも,改正法案の趣旨・目的について,上記キと同旨の報告がされた。

サ.平成18年6月14日,改正法が平成18年法律第69号として公布され,その後の政令による施行期日の定めにより平成21年6月1日から改正法が施行され,これにより,薬事法に36条の3,36条の5,36条の6等の規定が新設された。

(6) 第一次検討会における議論及び改正省令の制定に至る経過等

ア.P4(※原告P1の代表者が理事長を務めるNPO法人)は,平成20年1月,第一次検討会への参加を求める要望書を厚生労働大臣あてに提出したが,同年2月,厚生労働省から,検討会委員に選出されなかった旨の連絡を受けた。

イ.平成20年2月8日,第一次検討会第1回会議が開催された。第一次検討会の座長にはP10部会長が選出された(以下,第一次検討会との関係では「P10座長」という。)。第一次検討会第1回会議の議論においては,P16委員から,第一類医薬品は直接的に対面販売等が基本であり,これは検討部会でも委員全体の総意だったと思う旨,第二類医薬品及び第三類医薬品もそうだと思うが,情報提供という概念を維持するためにはインターネット販売との絡みできちんと整理しておく必要がある旨の発言があった。

ウ.平成20年2月22日,第一次検討会第2回会議が開催された。第一次検討会第2回会議では,リスク区分に関する表示の取扱いや情報提供等の内容・方法等について議論が行われた。

エ.平成20年3月13日,第一次検討会第3回会議が開催された。第一次検討会第3回会議では,医薬品の販売の実情に関して,P6協会副会長のP50委員から,大規模店舗の状況について,P16委員から,薬局の状況について,社団法人P22副会長のP51委員から,薬種商販売業の状況について,P52協会常任理事長のP53委員及びP54協会副会長のP55委員から,配置販売業の状況について,それぞれ説明があり,その後,情報提供等を適正に行うための販売体制について議論が行われた。その議論においては,情報通信技術を活用した販売について,検討部会報告書のとおり,第三類医薬品の販売のみ認めるべきである趣旨の意見と,第三類医薬品の販売も認めるべきではないとの意見が出され,一致をみなかった。また,P16委員からは,インターネット販売は国内より国外のものの方が多い現状やインターネットを通じた偽薬の販売の問題が発生したことからも分かるように,インターネット販売に対する実効的な規制は難しく,第三類であっても医薬品にはリスクがあるので,現状を考えれば,医薬品については情報通信技術を通じた販売は認めるべきではないというのが原則論である旨の意見が述べられた。

オ.平成20年3月25日,第一次検討会第4回会議が開催された。第一次検討会第4回会議における情報通信技術を活用した販売に関する議論においては,インターネットを使用した一般用医薬品以外の薬の販売に対する規制の実効性の問題が指摘されたり,第三類医薬品について規制なく販売することは相当ではないという趣旨の意見が出されたりしたほか,P12委員から,上記(1)イの通知(※カタログ販売の取扱医薬品の範囲に係るもの)において販売が認められた医薬品を,第三類医薬品のみインターネット販売を認めることが望ましいという検討部会報告書の趣旨に沿って再度分類し,第三類医薬品に該当するもののみインターネット販売を認めるという形を取るべきではないかという旨の意見が述べられ,P56会のP57委員からも,第一類及び第二類医薬品については,対面販売をすることが原則であり,売り手と買い手の対話が成立しないインターネット販売には反対である旨の意見が述べられ,これらの意見を踏まえ,P10座長からは,ほとんどの委員はP57委員の上記意見と同様の意見ではないかという旨の発言がされ,これについて特に異議が述べられることはなかった。また,議論において,事務局から,対面の原則に関し,検討部会報告書に,「購入者と専門家がその場で直接やりとりを行うことができる」販売方法である対面販売を医薬品販売の原則とすべきである旨の記述があるとの紹介がされた。

カ.平成20年4月4日,第一次検討会第5回会議が開催された。第一次検討会第5回会議では,原告P1代表者(P4理事長)からのインターネット販売の実情についてのヒアリングが行われた。原告P1代表者は,インターネット販売における顧客とのやりとりの概要についての説明を行い,インターネット販売の安全・安心及び利便性について,①正規の薬局・薬店による運営がされていること,②添付文書及び内容物の画像・禁忌情報の提示等による十分な情報提供を行っていること,③アンケート形式で個別に購入申込受付前の確認ができること及び電子メールや電話による個別の相談に応じられること,④薬局・薬店に出向くことが地理的・時間的に困難な顧客の要望に応えられること,⑤販売した医薬品の追跡が可能であることを挙げ,店舗販売を行っている薬局・薬店が対面販売による安全・安心な店舗販売を心がける一方,生活弱者からの強いニーズがあって,そのニーズにこたえるべくインターネット販売を行っており,対面販売の趣旨にのっとった安全・安心を確保すべく,発展著しい情報通信技術を活用している旨の説明をした。その後の質疑応答については,以下のようなやり取りがあった(以下の回答は,いずれも原告P1代表者(P4理事長)の回答である。)。P12委員から,(a)ホームページ上で正規の薬局・薬店であるかどうかを表記するルールがあるかどうか,(b)購入する際に医薬品と医薬品に類似しているが医薬品ではないサプリメント等の区別を確認できる形になっているかという質問があり,これに対し,上記(a)について,P4で策定している自主規制案の中でそのような枠組みを強く求め,P4の会員にはそのような表記を強く求めている旨,上記(b)についても,インターネット上で陳列の表示をする際に,医薬品であるかどうかを確認できるように自主規制案で定めている旨の回答がされ,同じくP12委員からの質問に対し,日本で普通に薬局・薬店を営んでいる者がきちんとインターネットで安全・安心を追求しながら販売することと,未承認薬といった正規のルートでないところで医薬品が流通することをはっきりと分けて考え,未承認薬や海外からのさまざまな安全でない入り方については徹底的に遮断していくといった施策が必要と考える旨の回答がされた。また,P50委員から,顧客側から見て相対している者が薬剤師かどうかという判断や店舗できちんと取り扱われているかの判断を可能とする方法があるかという質問があり,これに対し,誰が薬剤師であるか,どういう薬局・薬店であるかをインターネット上に掲示している旨の回答がされたが,さらにP50委員からは,それでは顧客側からは事実の確認はできないとの指摘がされた。また,P55委員から,スイッチOTCを含め薬局に置かれている医薬品全部がインターネット販売の対象となっているのかという質問があり,これに対し,薬剤師が適否を判断した上でスイッチOTCを販売することもあり得る旨の回答がされ,同じくP55委員からの初回購入者の適格性についてどのような判断をしているのかという趣旨の質問に対し,基本的には顧客の申告をよほどの事がない限りは信頼して販売する旨の回答がされた。P36委員から,急性期の患者に対しニーズにあった時間内に薬を届けることができるかという趣旨の質問及び顧客の地域的な広がりの質問がされ,これに対し,急性期の症状が出かかっているような顧客は店頭に行くことになり,余りインターネット販売は利用せず,インターネット販売は常備薬としてあらかじめ買われる場合などに利用され,状況に応じて顧客が使い分けているのではないかという趣旨の回答,また,地域的には必ずしも近隣ではなく,漢方薬の場合などのように,距離に関してはもう少し広がりがあるであろうという趣旨の回答がされ,それを受けて,P36委員から,常備薬であれば,店頭や配置薬で対応できるので,利便性が最も問題となる緊急時の対応についてはインターネット販売の利便性はあまりないと思う旨の指摘がされたのに対し,歩くのが不自由な方など情報通信技術の活用を求めている顧客は少なからずいる旨の回答がされたが,P36委員からは,今の話では,ある程度限定された集団になるという印象をもった旨の発言がされた。また,P10座長からの質問に対し,P4の自主規制案は策定中のものである旨の回答がされ,自主規制案自体は第一次検討会第5回会議には示されなかった。ヒアリング後の議論において,P50委員からは,安全と安心のための対面の原則が根底にあって,そのために専門家が常駐していることが必要であるとする改正法の趣旨からすると,対面販売の点は譲れない旨の発言があり,P16委員からは,きちんとしている業者でも難しい問題はあり,医薬品の販売において情報通信技術は限定された範囲で使うべきものであると再認識したところであり,これを使うのは第三類医薬品と上記(1)イの通知で認められた範囲を超えるべきではない旨の発言があり,P12委員からは,インターネットのホームページでは販売許可を受けているかどうか判然としないものもあり,ホームページを見る限りでは,当該業者について店舗の有無や本当に専門家が対応しているかどうかを見分けることができない旨の発言があった。

キ.平成20年4月24日,第一次検討会第6回会議が開催された。第一次検討会第6回会議では,事務局が作成した論点整理案が示され,これを基に議論が行われた。同会議の議論においては,医療用医薬品がインターネットを通じて販売されていることに対する規制の実効性に関する意見も出されたが,P21委員からは,インターネットで違法な販売方法が行われているものは医薬品以外にも多数あり,インターネットでの違法な取引をどのように摘発して止めさせるかは大きな問題としてあるが,例えば外国から発信されている情報には日本政府は直接規制をかけられないということもあり,そういった問題がある中で,インターネットの世界は闇であるからインターネットを利用した医薬品に関係する取引はすべて規制するということではなく,薬局・薬店等の店舗が一定の通信技術を用いてきちんと行うものはルールを定めて許容するという形で考えていくべきではないかという趣旨の意見が出され,これに対して特に異論は出なかった。

ク.平成20年5月16日,第一次検討会第7回会議が開催された。第一次検討会第7回会議では,事務局が作成した報告書案を基に議論が行われた。この報告書案中の通信販売に関する「販売時の情報提供を行うことが努力義務となっている第二類医薬品については,販売時の情報提供の方法について対面の原則が担保できない限り,販売することを認めることは適当ではない。」という記載の意味について,委員の質問に答えて,事務局からは,例えば,東京に店舗を有する業者が他の地域の顧客に通信販売をする場合に,東京の店舗で対面販売をすることができるからといって対面の原則が担保できる場合に当たるとはいえず,具体的に認められると考えられる方法は現在のところ出てきていないが,実際にそのようなことをしようとする業者から何かアイディアが示された場合には,対面の原則が担保されているかどうかを個別に判断していくという趣旨のものである旨の説明がされた。

ケ.平成20年7月4日,第一次検討会第8回会議が開催された。第一次検討会第8回会議では,修正された報告書案を基に議論が行われ,報告書案は了承された。第一次検討会報告書には,「情報通信技術を活用する場合の考え方」として,①医薬品の販売に当たって専門家が対面によって情報提供することが原則であることから,販売時の情報提供に情報通信技術を活用することについては慎重に検討すべきであり,第一類医薬品については,書面を用いた販売時の情報提供が求められていることなどから,情報通信技術を活用した情報提供による販売は適当ではない,②テレビ電話を活用して販売することについては,深夜早朝における薬剤師の確保が困難であることを発端として制度が設けられたものであり,登録販売者制度の導入により,深夜早朝における専門家が十分に確保されるのであれば,時間帯にかかわらず専門家が対面により確実に情報提供が行われる体制を求めるべきであって,今後,深夜早朝においても専門家が十分に確保されるよう努めることにより,テレビ電話を活用した販売については廃止することとし,新制度施行後,経過措置期間として専門家が十分に確保された体制で医薬品販売を行うことについての猶予が認められているまでの間,現行認められている条件の下で,テレビ電話を活用して第二類及び第三類医薬品を販売することを引き続き認める,③(Ⅰ)薬局又は店舗販売業の許可を受けている者が,当該薬局又は店舗に来訪していない購入者から医薬品の購入の申込みを受け,当該薬局又は店舗から,購入された品目を配送する方法による販売(通信販売)を行うことについては,購入者の利便性,現状ある程度認めてきた経緯にかんがみると,その薬局又は店舗での販売の延長で販売時及び相談時の情報提供が行われるものであれば,一定の範囲の下で認めざるを得ず,この場合,販売時や販売後の相談においても,相談があった場合の情報提供が専門家によって行われていることが購入者から確認できるような仕組みを設けるとともに,相談の内容によって,薬局又は店舗で対面により相談に応ずることが可能な体制を確保する必要があり,また,購入者に薬局又は店舗において掲示しなければならない情報の伝達を図るべきであり,これらの点を確認するため,通信販売を行う場合,薬局又は店舗販売業の許可を受けている者はあらかじめ通信販売を行うことを届け出ることが適当である,(Ⅱ)また,取り扱う品目については,情報通信技術を活用する場合は,販売時に情報提供を対面で行うことが困難であることから,販売時の情報提供に関する規定がない第三類医薬品を販売することを認めることが適当であり,販売時の情報提供を行うことが努力義務となっている第二類医薬品については,販売時の情報提供の方法について対面の原則が担保できない限り,販売することを認めることは適当ではない,(Ⅲ)なお,本項目の検討に当たって,薬局又は販売業の許可を受けて通信販売を行う事業者の団体から,現状の通信販売の実態,自主的な取組等について意見聴取を行ったことを申し添えるという内容の記述がある。

コ.P4は,平成20年7月,第一次検討会報告書に対する意見書を厚生労働省に提出し,同年8月,「対面の原則を担保し,安全・安心な医薬品インターネット販売を実現する自主ガイドライン」を発表した。

サ.厚生労働省は,平成20年9月17日から同年10月16日まで,改正省令案の概要を示し,これに対する意見公募手続を行った。

シ.政府の規制改革会議は,平成20年11月11日,上記サの改正省令案に関する見解を示した。その内容は,①薬事法上インターネット販売を含む通信販売を禁止する明示的な規定がなく,省令で当該規制を行うことは法の授権範囲を超えていること,②消費者の利便性を阻害すること,③地方の中小薬局のビジネスチャンスを制限すること,④インターネット販売を含む通信販売が店頭での販売に比して安全性に劣ることが実証されていないことを挙げ,改正省令案のうち,インターネット販売を含む通信販売に係る規制に該当する部分をすべて撤回し,IT時代にふさわしい新たなルール整備を早期に行うべきであるというものであった。

ス.改正省令案によるインターネット販売の規制に関し,平成20年11月から12月にかけて,厚生労働大臣に対し,規制に賛成し規制を強化すべきであるとするP11等からの要望書及びP15等の薬業に関係する団体からの声明書,規制に反対するP4からの意見書及びP4を含む販売事業者等からの要望書並びにP58協議会からの伝統薬存続に関する要望書が提出された。

セ.厚生労働省は,平成20年12月19日,同月16日付けの規制改革会議からの質問事項について,上記シの見解に対する回答を含め,回答した。

ソ.P4は,平成20年11月20日,インターネット販売を行う事業者による自主規制案として,「安全・安心な医薬品インターネット販売を実現する自主ガイドライン」を発表し,同年12月11日,同ガイドラインを改訂した。改訂後の同ガイドライン(以下「P4ガイドライン」という。)の主な内容は,別紙「P4ガイドラインの主な内容」のとおりである。

【別紙】P4ガイドラインの主な内容

1.会員は,購入者が医薬品を適切に選択・購入し,かつ,適正に使用することができるよう,①専門家による情報提供,②購入者のその時点における状態に応じた情報提供,③添付文書を基本とした情報提供の原則を遵守するものとする(3条)。

2.会員は,医薬品のインターネット販売を行う場合は,あらかじめ住所,氏名,電話番号などを登録した購入者に対してのみ行う。会員は,登録された情報を基に,各購入者の状況に応じて必要な情報を提供した上で商品を販売するよう努める(5条)。

3.会員が郵便等販売を行う場合は,薬局又は店舗ごとに,その薬局又は店舗の所在地の都道府県知事等に,①当該薬局又は店舗の名称及び所在地,②当該薬局又は店舗の許可番号及び許可年月日,③当該薬局又は店舗の郵便等販売の方法を届け出るものとする(6条1項)

4.会員が特にインターネット販売を行う場合は,上記3の事項のほか,①インターネット販売を行うウェブサイトの名称,②インターネット販売を行うウェブサイトのURL,③インターネット販売における責任者,④取り扱う医薬品の種類,⑤相談に応ずる方法,専門家の種別・氏名,相談に応ずることができる時間,⑥インターネット販売において,その適正な使用のために必要な情報提供を行うために講ずる措置を届け出るものとする(6条2項)。

5.会員は,医療用医薬品,毒薬・劇薬,毒物・劇物,乱用薬物(大麻,覚せい剤,麻薬及び向精神薬などの乱用の危険性の高い物質),指定薬物,違法ドラッグ,個人輸入ドラッグ(個人が自分で使用する目的でしか輸入が認められておらず,国内での販売が禁止されている医薬品),化学物質及び危険物に該当するものをインターネット販売では取り扱わないものとする(27条)。

6.会員は,第一類医薬品については,その薬局又は店舗に貯蔵し又は陳列している医薬品であって,後記8から23までに定める情報提供を書面を用いて行うことを条件として,インターネット販売で取り扱うものとする。なお,会員は,購入者が医薬品を受領する以前にかかる書面を購入者に届けなければならない(28条)。

7.会員は,第二類医薬品及び第三類医薬品については,その薬局又は店舗に貯蔵し又は陳列している医薬品であって,後記8から23までに定める情報提供を行うことを条件として,インターネット販売で取り扱うものとする(29条1項)。

8.販売する際に行う情報提供は,第一類医薬品にあっては販売に従事する薬剤師,第二類及び第三類医薬品にあっては販売に従事する薬剤師又は登録販売者が行うものとする(30条1項)。

9.上記8の情報提供は,情報提供時に購入者側のその時点における状態を的確に把握する方法として,原則として店舗等において行うこととする(30条2項)。

10.会員は,医薬品を郵便等販売する場合であっても,情報提供時に購入者側のその時点における状態に合わせて,適切な情報提供を行うことができる方法を用いて行うものとする(30条3項)。

11.専門家(第一類医薬品にあっては薬剤師,第二類及び第三類医薬品にあっては薬剤師又は登録販売者)は,購入者側のその時点における状態について,購入者自身がその時点で使用する場合のほか,購入後の別な時期に使用する場合や購入者の家族等が使用する場合等にも留意して情報提供を行うものとする(30条4項)。

12.会員は,医薬品をインターネット販売するに当たって,自己の運営するウェブサイト,電子メール,電話,ファクシミリなどの情報通信技術を活用して,医薬品の適切な選択に資するよう,①購入の動機は何か,②使用する者は誰か,③服用してはいけない人,してはいけないことに該当するか否か,④医師等による治療を受けているか否か,⑤治療を受けている場合,使用前に医師・薬剤師等に相談する必要がある人か否かについて,購入者の申出により確認し,必要に応じて質問するものとする(31条1項)。

13.会員は,上記12の購入者の申出又は購入者への質問に対する返答を中心として,販売名,第一類医薬品・第二類医薬品・第三類医薬品の別,成分及び分量,効能又は効果,用法及び用量,製造・販売元,その他外箱に記載される内容,服用してはいけない人及びしてはいけないことに関する情報,医師等による治療を受けているか否かに関する情報,治療を受けている場合,使用前に医師・薬剤師等に相談する必要がある人に関する事項,添加剤に関する情報,その他添付文書に記載される重要と思われる事項とその出典及び情報の最終確認年月を始めとする添付文書を基本とした情報提供を,自己の運営するウェブサイト,電子メール,電話,ファクシミリ等の情報通信技術を活用して確実に行うものとする(31条2項)。

14.会員は,医薬品をインターネット販売するに当たって,自己の運営するウェブサイト,電子メール,電話,ファクシミリ等の情報通信技術を活用して,医薬品の適正な使用に資するよう,購入者に対して,①外箱,添付文書を保存しておくようにする旨の情報,②添付文書をよく読んでから使用する旨の情報,③併用してはいけない薬剤に関する情報,④副作用が発現したと思われる場合は,直ちに使用を中止し,医師・薬剤師等に相談する旨の情報,⑤一定期間服用しても病状が改善しない場合には,医師・薬剤師等に相談する旨の情報,⑥一定期間服用しても病状が改善せずに悪化した場合は,医療機関での診療を受ける旨の情報,⑦後日相談するために必要な情報(専門家の氏名,連絡先等),⑧健康被害救済制度に関する情報について,情報提供をするものとする(32条)。

15.会員は,医薬品のリスク区分の別にかかわらず,また,購入者側から情報提供を不要とする旨の申出があったか否かにかかわらず,申込みに対する承諾後に,販売時に提供した情報を電子メールや文書等により送付し,改めて使用の注意を促す。ここで,不要と明示する場合とは,購入者側から常備薬として日常使用しているものであると申出がされた場合,使用中の同一製品を持参又は送付してきた場合,又は店舗等において購入者が過去に同一の製品を購入していたことが購入履歴から明確に確認できる場合を意味するものとする(33条1項)。

16.上記15の電子メール・文書による情報提供には,添付文書をよく読んでから使用する旨の情報,併用してはいけない薬剤に関する情報,後日相談するために必要な情報(専門家の氏名,連絡先等)を含む(33条2項)。

17.相談を受けて対応する場合,相談に応ずる専門家は,購入者にとって不利益がもたらされることがないよう慎重な対応をとるものとする。登録販売者は,自らの専門性の範囲を超える相談に対しては薬剤師や医師に相談することを勧めるものとする(34条1項)。

18.上記17の情報提供についても,第一類医薬品に係るものは薬剤師が,第二類及び第三類医薬品に係るものは薬剤師又は登録販売者が行わなければならないものとする(34条2項)。

19.上記17に基づき相談に応ずる専門家は,購入時に情報提供を受けた内容を確認する場合,相談の時点で使用するに適当な医薬品か否かを確認する場合等,相談を受けて対応する場合の情報提供についても原則として店舗で行うものとする(35条1項)。

20.ウェブサイトや電子メール,電話,ファクシミリ等の情報通信技術を活用して相談を受けて対応する場合は,購入者や購入した医薬品が特定されない限り,不確実かつ不適切な対応になってしまうおそれがあることに注意し,専門家は,原則として,単純な事実関係の確認のほか,①店舗等への来訪を求めること,②医療機関への受診を勧めること(受診勧奨),③店舗等への来訪や受診勧奨を前提とした,使用者側の情報収集にとどめるものとする(35条2項)。

21.会員は,情報通信技術を活用して行う販売時や販売後の相談においても,相談があった場合の情報提供が専門家によって行われていることが購入者から確認できるような仕組みを設けるよう努めるものとする(35条3項)。

22.営業時間外に相談が行われる場合や店舗等が遠方である場合など,店舗等において即時的に行われることが困難である場合,相談の内容によっては近隣の医療機関を紹介するなど積極的に受診勧奨するように努めるものとする(35条4項)。

23.会員は,店舗等及び自己の運営するウェブサイトにおける情報提供のほか,電子メール,電話,ファクシミリ等を利用した相談窓口を設け,ウェブサイト上に表示する。会員は,相談窓口において適切な情報提供及び相談応需ができるよう,営業時間中(又は相談を受ける時間中),情報提供を行うための場所の数や方法に合わせて専門家を必要数確保する(36条)。

24.会員は,自己の運営するウェブサイト上で,購入者が適正に医薬品を購入する観点から,薬局・薬店として,①薬局又は店舗の基本情報(名称・住所・店舗地図),②薬局又は店舗の外観及び営業時の様子を撮影した写真,③許可の区分の別,④郵便等販売を行うことを届け出た旨の表示及び届け出た事項,⑤開設者の氏名又は名称,⑥管理者の氏名,店舗等において業務に従事する際の顔写真(ただし,顔写真については,着衣・名札が明瞭に識別できるよう工夫すること),⑦勤務する専門家の種別,氏名,店舗等において業務に従事する際の顔写真(ただし,顔写真については,着衣・名札が明瞭に識別できるよう工夫すること),⑧取り扱う医薬品の種類,⑨従事者の着衣・名札等による区別に関する説明,⑩営業時間及び営業時間外に相談に応ずることができる時間,⑪緊急時や相談時の連絡先(電話番号・ファクシミリ番号・電子メールアドレス等)の各基本情報を掲示するものとする(37条)。

25.会員は自己の運営するウェブサイト上で,販売制度の実効性を高める観点から,①第一類医薬品,第二類医薬品及び第三類医薬品の定義・説明,②第一類医薬品,第二類医薬品及び第三類医薬品の表示に関する説明,③第一類医薬品,第二類医薬品及び第三類医薬品の情報提供に関する説明,④指定第二類医薬品に関する陳列等についての説明,⑤医薬品の陳列に関する説明,⑥相談時の対応方法に関する説明,⑦健康被害救済制度に関する説明,⑧苦情相談窓口に関する情報の各情報を表示するものとする(38条)。

26.会員は,自己の運営するウェブサイト上で,医薬品は原則としてかかりつけの店舗等で専門家に相談してから購入するよう促すための掲示を行う(39条)。

27.会員は,上記24から26までに定める情報を,自己の運営するウェブサイト上において,購入者が容易に見ることができる場所に掲示するとともに,購入者にとって理解が深まるよう,分かりやすい記載に努めるものとする。また,必要に応じて,同じ掲示情報を複数の場所からリンクすることにより,購入者が頻繁に見ることができるよう工夫するよう努めるものとする(40条)。

28.会員は,医薬品のインターネット販売を行う場合は,①購入者から購入者(又は使用者)のその時点の状態を申告させたり,購入者に対して質問したりするなどの方法により,購入者側の状態を把握すること,②専門家によって購入者側のその時点の状態に応じた適切・適正な情報を購入者に提供すること,③購入者が,自己の申し込んだ医薬品の販売名,個数,価格等の情報を申込みの確定前に確認できる仕組みを設け,必要に応じて購入者に対して申込みを受け付けた旨を通知すること,④購入者に対して当該医薬品を販売してもよいか否かの判断を,必ず専門家が行うこと,⑤上記①から④までの条件を満たしている場合に限り,購入者の申込みを承諾し,購入者に対して当該申込みを承諾した旨を通知すること,⑥売買契約の対象となった医薬品が確実に購入者に到達するための工夫をすることというすべての条件を満たすことにより,安心・安全を確保した販売を実現する(42条1項)。

29.会員は,購入する医薬品の個数,注文頻度,同一又は類似の薬効群の医薬品の注文状況等から総合的に判断して,購入者の安全を害するおそれがあると判断した場合は,当該購入者への販売を取りやめるなどの対応を取る(43条)。

30.会員は,医薬品のインターネット販売において,逆オークション,共同購入,価格比較等の方法による販売価格のみを強調するような販売方法は採らないものとする(44条1項)。

31.会員は,医薬品のインターネット販売において,レビュー機能を始めとした専門家以外の者による推奨情報,クチコミ情報は表示しないものとする(44条2項)。

32.会員は,一般用医薬品の使用によって,購入者の体調に変化が生じた場合の対応を案内するため,緊急連絡先等を自己の運営するウェブサイト上の分かりやすい部分に表示する(45条1項)。

33.会員は,一般用医薬品の使用によって発現した副作用について,購入者が健康被害救済制度を利用できるよう,自己の運営するウェブサイト上に当該制度についての案内を表示する(45条2項)。

タ.厚生労働省は,平成21年2月6日,上記サの意見公募手続の結果を発表した。その内容は,全体の意見数は3430件であること,郵便等販売に関する意見は2353件あること,賛成意見及び反対意見とそれらに対する厚生労働省の回答等であり,郵便等販売は第三類医薬品に限って認めるべきであるとする賛成意見に関しては,11の主な理由とそれに対する回答,郵便等販売により販売可能な一般用医薬品の範囲を第三類医薬品以外の医薬品についても認めるべきであるとする反対意見に関しては,34の主な理由とそれに対する回答が示されている。

チ.平成21年2月6日,改正省令(薬事法施行規則等の一部を改正する省令)が平成21年厚生労働省令第10号として公布され,これにより,薬事法施行規則に本件各規定が新設され,同年6月1日(改正法の施行日)から施行されることとなった。

(次回へ続く)

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2012年01月11日

最新下級審裁判例

東京地裁民事第2部判決平成22年03月30日

【事案】

(前回からの続き)

6.裁判所の認定した事実

(1) 改正法施行前の医薬品の販売方法に関する規制等

ア.昭和50年6月28日付け薬発第561号各都道府県知事あて厚生省薬務局長通達「薬事法の一部を改正する法律の施行について」には,①薬剤師,薬種商販売業者等が医薬品を販売する際,消費者に対し直接に効能効果,副作用,使用取扱い上の注意事項を告げて販売する等医薬品の対面販売の実施につき指導すること等,また,②薬局等の構造設備は,かかる対面販売が可能となるようなものとするよう指導することとの内容がある。

イ.昭和63年3月31日付け薬監第11号各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省薬務局監視指導課長通知「医薬品の販売方法について」は,薬局開設者や一般販売業者がカタログ,ちらし等を配布し,注文書により契約の申込みを受けて医薬品を配送する通信販売(以下「カタログ販売」という。)につき,医薬品の販売に当たっては,その責任の所在が明確でなければならないこと,消費者に対し医薬品に関する情報が十分に伝達されなければならないこと等が要請されるところであり,これらにかんがみ,一般消費者に対し薬剤師等が直接に効能効果,副作用,使用取扱い上の注意事項を告げて販売する医薬品の対面販売を指導してきたところであって,カタログ販売は,このような対面販売の趣旨が確保されないおそれがあり,一般的に好ましくないところであるとした上,カタログ販売に当たって最小限遵守されるべき事項を示すとともに,その内容を周知して監視指導の徹底を図るよう依頼するとしている。なお,同通知は,カタログ販売の取扱医薬品を一定の薬効群に限るものとしており,その薬効群に属する医薬品のうち,①承認基準が定められているものにあっては,当該基準外のもの,②指定医薬品,③新一般用医薬品及び④分服内用液剤は除くものとされている。

ウ.平成8年法律第104号による薬事法の改正により,薬事法に,薬局開設者又は医薬品販売業者の,医薬品を一般に購入し又は使用する者に対する,医薬品の適正な使用のための必要な情報提供の努力義務を定めた規定(77条の3第4項)が追加された。

エ.平成10年12月2日付け医薬発第1043号各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省医薬安全局長通知「薬局等における薬剤師による管理及び情報提供等の徹底について」には,今般の立入検査の結果,一般販売業の店舗において開店中に薬剤師が不在であった多数の例が判明するなどしたため,従前の厚生省薬務局長通知に係る薬局開設者の遵守すべき事項等を,薬局及び一般販売業者の開局中又は開店中は,薬剤師を常時配置し,医薬品の販売に当たり,医薬品を一般に購入し又は使用する者に対し,医薬品の適正な使用のために必要な情報を提供すること等といった趣旨により改正する旨の内容がある。

オ.平成16年4月1日から,深夜早朝の時間帯に,他の一般販売業の店舗と共同して行う医薬品の販売又は授与が認められることとなり(改正省令による改正前の薬事法施行規則140条),具体的には,一般販売業者が,その店舗以外の複数の店舗と共同して,センターに薬剤師を置いて,テレビ電話を用いた医薬品販売を行うことができることとなった。この場合,購入者に対し医薬品を販売するに当たって,必ずその都度,情報通信設備(テレビ電話その他の動画及び音声により情報提供・収集及び医薬品の確認を適正に行うことができるもの)を使用させて,必要な情報提供・収集又は販売される医薬品の確認を行うことが必要とされている(「他の一般販売業の店舗と共同して行う医薬品の販売又は授与に関する厚生労働大臣が定める基準」(平成16年厚生労働省告示第193号))。そして,上記情報通信設備については,平成16年4月1日付け薬食発第0401011号各都道府県知事,各保健所設置市長,特別区長宛て厚生労働省医薬食品局長通知において,顔色や身体の自然な動きを適切に認識することができ,受診勧告の必要性が判断できるとともに,薬剤師が医薬品についての確認をすることができるものであり,現時点では携帯電話は対象とならない旨定められている。

カ.平成16年9月3日付け薬食監麻発第0903013号各都道府県,各保健所設置市,各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知「医薬品のインターネットによる通信販売について」には,医薬品の通信販売については,上記イの通知において,対面販売の趣旨が確保されないおそれがあるため,最小限遵守されなければならない事項を示しているところであり,インターネットによる通信販売についても同様の扱いとしていたところであるが,最近,同通知で示した事項を逸脱した事例が見受けられ,指導が行われているとし,関係業者に対し,同通知に基づく取扱いについて改めて周知するとともに,遺漏のないよう監視指導の徹底を図るよう依頼する旨の内容がある。

(2) 一般用医薬品の販売状況・副作用等に関する調査結果等

ア.厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課が調査した平成9年度ないし平成14年度における薬局等における薬剤師等の不在率は,一般販売業の店舗においては18.7%ないし23.12%であり,平成12年度ないし平成14年度における調査実施時に薬剤師等が不在であり,かつ,薬剤師等不在時に医薬品を販売する等不在時の対応が不適切であった施設の割合は,一般販売業の店舗においては14.6%ないし17.1%であった。

イ.P6協会が行った「日本のドラッグストア実態調査」によれば,ドラッグストアの店舗数は,平成12年に1万1787だったものが,平成15年には1万4103へと増加し,ドラッグストアにおける医薬品の売上高の推計値も平成12年に8234億円だったものが平成15年には1兆1992億円へと増加した。

ウ.製薬企業や医薬関係者から厚生労働大臣に対してされた副作用報告に基づく一般用医薬品によるものと疑われる副作用事例(副作用報告の対象となっている重篤な症例及び中等度の症例)は,平成10年度から平成14年度までに約950件に上り,死亡事例は,平成12年4月から平成15年5月までの間に,アナフィラキシー・ショック(血圧低下,呼吸困難等のショック症状)関連やスティーブンス・ジョンソン症候群(発熱,発疹,粘膜のただれ,眼球の充血等の症状を特徴とし,予後が悪い場合,失明や致命的になることもあるもの)関連によるものなど10件となっている。
 また,平成14年度の一般用医薬品の副作用報告265件の中には,風邪薬を長期間にわたり多量に服用して肝機能障害を起こした例,併用禁止薬を併用したため間質性肺炎を発症した例,解熱鎮痛剤によるアレルギー歴があり投与禁忌であった者が再度解熱鎮痛剤を服用したためアナフィラキシーショックを発症した例,授乳中の母親が風邪薬を服用した結果乳児に発赤が発症した例など,薬剤師等から十分な情報提供が行われていれば副作用の発生を防止することが可能であったものが,約30件含まれている。
 その後,平成16年度から平成19年度までの一般用医薬品の副作用報告数は,合計1052件である。
 厚生労働大臣に対する副作用報告書の様式には,当該医薬品をどのように入手したかを記入する欄がないことから,インターネット販売により入手した医薬品の使用による副作用の件数を把握することはできないが,他の欄の記入内容からインターネット販売により入手した医薬品の使用による副作用と判明したものとして,生薬成分であるカシュウを含む滋養強壮剤を購入して服用したところ,肝障害の副作用を発症し,20日間程度の入院の後軽快した事例が1件あった。この副作用がインターネット販売により入手したという販売方法に起因するものかどうかについて,当該報告書の記載中には言及されていない。

エ.平成14年度の薬局及び一般販売業の店舗に対する指導状況は,各都道府県が,全国に約4万9000ある薬局のうち五十数%の施設に立入検査をしており,悪質なところには年に二,三回これを行うこともあり,一般販売業に対しては,一万二千余の施設に対して,延べ約1万回の立入検査が行われている。

オ.検討部会での検討のため,平成17年1月に行われたアンケート調査によると,市販薬を購入する際の最も多い買い方を回答する質問に対しては,店舗で症状や目的を言って勧めてもらうとするものが42.1%,パッケージや店頭の案内などを見て自分で選ぶとするものが38.9%,名前を指定して買うとするものが16.9%であり,市販薬に対する意識につき,医師が処方する医薬品と比較して,市販薬では副作用を生ずることはほとんどないと思うかとの質問についてそう思うとの回答が約18%,医師が処方する医薬品と比較して,市販薬では服用する量や時期を守らなくても危険はないと思うかとの質問についてそう思うとの回答が約13%あった。

カ(ア) 平成18年2月に,P7新聞社が同紙に掲載された広告上のアンケートに応募した1491人の回答の中から1000人の回答(うち354人がウェブにより回答を寄せている。)を抽出して集計した結果によれば,一般用医薬品の添付文書について,分かりやすいとの回答が44.1%,分かりにくいとの回答が21.2%,どちらでもないとの回答が34.7%であって,分かりにくいと回答した者に対する分かりにくい点を複数回答で尋ねる質問に対する回答は,198人の回答者のうち,122人が文字が小さく読みづらい旨,44人が説明が長い旨,28人が専門用語が多く,分かりにくい旨,11人が副作用についての説明が不十分である旨の回答をしている。

(イ) 平成21年5月に,P7新聞社が上記(ア)と同様に広告上のアンケートに応募した2150人の回答の中から1000人の回答(うち380人がウェブにより回答を寄せている。)を抽出して集計した結果によれば,1000人のうち,一般用医薬品についての意見を求める自由回答欄に記入した者が651人おり,そのうち,薬局・薬品・ドラッグストアに対する意見・要望として,薬剤師に詳しく薬の説明ををしてほしい,相談に乗ってほしい,どの店舗にも常駐してほしいとする旨の意見の数が43,薬の勉強をしてほしい,きちんと説明してほしいとする旨の意見の数が35であった。

キ.平成18年ころの研究者らの調査によれば,薬局の名称を使用して一般用医薬品のインターネット販売を行っていたインターネットサイトの24%で,第一類医薬品の販売が行われていた。

ク.財団法人P8が平成19年1月から同年12月までに受信した中毒症状の発症件数3万3932件のうち,一般用医薬品を起因物質とするものは3293件であった。また,自殺企図をもって使用したことを原因とするもの1851件のうち,一般用医薬品を起因物質とするものは405件であった。

ケ.厚生労働省が平成16年9月に取りまとめた「2003~2004年海外情勢報告」には,2003年(平成15年)9月に成立したドイツの医療保険近代化法の内容として,医薬品の通信販売を認めるとの記載がある。また,ドイツ連邦憲法裁判所の判決として,ワクチンの医師への配送及びその宣伝行為を法律によって禁じることは薬剤師の基本法12条1項に基づく基本的権利を侵害する旨の2003年(平成15年)2月11日の判決があり,当該判決には,当該規定が薬剤師に医師へのワクチン配送及びその宣伝行為を禁じる限り,基本法に違反して無効である旨の判示がある。さらに,EU司法裁判所の判決として,医薬品の通信販売のドイツ国家による禁止は,ドイツにおいて発売承認を得た非処方せん医薬品に適用される場合,EU法に反する旨の2003年(平成15年)12月11日の判決があり,当該判決の被告はオランダの薬局及びその代表者の1人である。同判決は,医薬品の輸入に対して制限的な効果を持ち得る規制は,それが人類の健康と生命を効果的に保護するために必要な限度でのみ,EC条約と両立するとし,非処方せん医薬品の場合,その禁止は正当化されないと判示している。

(3) 厚生科学審議会(検討部会)における審議の経過等

ア.厚生労働大臣の諮問機関である厚生科学審議会は,平成16年4月,厚生労働大臣から,医薬品のリスク等の程度に応じて,専門家が関与し,適切な情報提供等がされる実効性のある制度を構築するための医薬品販売の在り方全般の見直しについて諮問を受け,その調査審議を行うため,同審議会の下に,関係各界の専門家・有識者等を委員とする検討部会を設置した。検討部会の検討事項は,①医薬品のリスク等の程度に応じた区分,②医薬品販売に当たっての情報提供の在り方((ア)必要な情報提供の内容,(イ)医薬品販売に従事する者の資質とその確保,(ウ)情報提供の手法(情報通信技術の活用等),③販売後の副作用発生時等への対応,④上記①ないし③の法令上の位置付け及びその実効の確保方策,⑤その他(特例販売業の在り方等)であった。

イ.平成16年5月14日,第1回検討部会が開催された。第1回検討部会では,厚生労働省の医薬食品局長から,一般用医薬品の販売の実態と法律の建前との間に乖離があるという指摘があり,そのような乖離をどのように埋めていくかが課題であり,医薬品の販売時における実効性ある情報提供の方法を議論し,その成果を制度改正につなげるという検討課題等の説明がされ,P9大学名誉教授(以下,役職はすべて当時のものである。)のP10委員(以下「P10部会長」という。)が部会長として選出され,事務局から医薬品販売制度の現状と課題等について説明がされた後,各委員が意見を述べた。P11協議会のP12委員からは,医薬品は普通の商品と違って健康を損なって初めてその商品の欠陥が分かるという品物であることを今一度確認して,今後検討の中で情報提供がどうあるべきか,あるいは一般用医薬品の販売の在り方がどうあるべきかということを悲惨な薬害が発生したことを踏まえて審議する必要がある旨の発言があった。また,P13大学医学部教授・薬剤部長のP14委員からは,医薬品は生体に作用するなにがしかの薬理作用があるので,副作用が絶対にない医薬品はあり得ず,薬剤師が関与していようがいまいが副作用がある確率で起こることは避けられないものの,早期に発見して軽微な状態で処置をすれば大事に至らないことがあり,もし起こったときにどのような形で使用者を守れるかという仕組みが大事であって,そこに薬剤師の情報提供の必要性があると考える旨の発言があり,社団法人P15副会長のP16委員からは,医薬品の有効性と安全性をどのように担保しながら供給していくかが重要であり,消費者・国民にとっての医薬品の供給の利便性というものの本当の意味について,商業主義ではなく真の国民の視点に立った観点から議論する必要がある旨の発言があった。

ウ.平成16年6月8日,第2回検討部会が開催された。第2回検討部会では,諸外国における医薬品販売制度の現況等についての事務局からの報告,報告に対する意見交換,意見陳述人からのヒアリング,意見陳述人に対する質疑が行われた。
 第2回検討部会の資料である「諸外国における一般用医薬品販売規制等について」には,ドイツの状況について,すべての医薬品を取り扱うことができる薬局においては,薬剤師の監督下による一定の知識経験を有する者による対面販売が必要であり,自動販売機及び郵送による販売は禁止されている旨,具体的な効能や明白な治療効果がない自由販売医薬品を取り扱う薬店(ドロゲリー)においては,インターネットを使用した郵送販売は可能である旨の記載がある。
 ヒアリングにおいては,P17連盟の意見陳述人からは,薬害は未来永劫にわたる重大な課題であって,国やメーカーが責任を問われてきた薬害の歴史を繰り返さないためには安全対策を基本原則とすべきで薬事法の規制は強化すべきであり,医薬品の規制緩和については非常に慎重な議論が必要である旨,薬害を防止して医療の質を高めて,適切な医薬品を適切に使用することが本当に必要であると考えており,医薬品の安全確保に関しては規制強化を辞さない姿勢で臨む必要がある旨,現在の日本の状況はセルフメディケーションを進めるような環境にはなく,一般用医薬品を一般店で販売するための条件整備は現状では不備である旨,安易な規制緩和には消費者としては非常に危ぐを抱いている旨,医療・医薬品の専門家がいない会議で決めたのでは,国民の命と健康にかかわることについて消費者不在のまま決められることとなってしまう旨,消費者と薬剤師との間での情報のきちんとした提供と対話が必要であり,特に添付文書の提示の上で分かりやすい説明を受けられることが必要である旨,薬害の被害者団体が各政党に対して行ったアンケートによれば,薬剤師が適切にかつ親切に情報提供することが必要だとすべての政党が回答した旨の意見等が述べられた。国民生活センターの意見陳述人からは,同センターに寄せられる医薬品に関する相談の中で,件数の多いものは,配置薬に関するもののほか,漢方薬に関するもの,薬が効かなかったり服用して具合が悪くなったというもの,同じ症状について販売店によって勧められる医薬品が違うというもの,薬剤師の不在に関するもの等がある旨の説明がされた。
 さらに,医薬品を販売する各業態の意見陳述人から,各業態の実情の説明があったところ,P12委員からは,意見陳述人に対する質問に当たって,深夜の販売の利便性ということが言われるが,深夜に薬が欲しい場合には緊急医療に掛かるべきであり,一般用医薬品で対応するというのは望ましくないと考えている旨の発言があった。

エ.平成16年6月23日,第3回検討部会が開催された。第3回検討部会では,委員及び事務局から医薬品販売制度の現状についての報告,報告に関する質疑応答,事務局の作成した論点整理案の説明及び論点整理案に対する質疑が行われた。論点整理案には,「インターネット販売及びカタログ販売について,専門家による情報提供の観点から,どう考えるか」という項目が明記されていた。

オ.平成16年7月21日,第4回検討部会が開催された。第4回検討部会では,論点整理を基にした議論が行われた。その議論においては,P12委員から,添付文書をきちんと理解しなくても飲む人がいるということも含めた上で医薬品は扱われなければならず,そのために厳格な規制をしていると思う旨の発言があった。

カ.平成16年9月6日,第5回検討部会が開催された。第5回検討部会では,厚生労働省室長から上記(1)カの通知について説明があり,その後,論点整理を基にした議論が行われた。その議論においては,P12委員から,インターネット販売やカタログ販売において本当に情報提供されているといえるかどうかは非常に疑問である旨の発言があった。また,第5回検討部会では,検討部会の下に,医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等について検討する専門委員会を置くことが決められた。

キ.平成16年9月27日,第6回検討部会が開催された。第6回検討部会では,医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等についての議論が行われた。その議論においては,P16委員から,一般用医薬品には,自分の疾患をよく分からずに自己の判断で薬を選ぶことにより疾患が悪化するというリスクや,自己の判断で定められた用法・用量を守らずに服用することにより副作用が発生するというリスク等があり,特に後者はアメリカにおいては非常に問題となっており,こういった一般用医薬品の使用環境におけるリスクに注意する必要がある旨の発言があり,社団法人P19常任理事のP20委員から,医師からは考えられない薬の飲み方をする患者も多く,町の診療所の患者の場合,いくら口で言っても分からず,ましてや注意書を読まない者も多い旨の発言があった。

ク.平成16年11月22日,第7回検討部会が開催された。第7回検討部会では,一橋大学大学院法学研究科教授で検討部会の部会長代理のP21委員の「一般用医薬品の販売におけるリスクと販売活動の規制についての考え方」に関する講義,それに対する質疑,専門委員会での医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等についての検討状況の報告,それに対する質疑が行われた。専門委員会の検討状況の報告に対する質疑において,社団法人P22常務理事のP23委員から,店頭において消費者から情報提供を受ける場合に,「アレルギーがありますか。」,「いいえ。」,「胃腸は弱いですか。」,「はい。」という単純なことだけで済むものではなく,知識と経験を基にして,機械ではできない人と人との会話を通じて正しい情報がつかめるように努力をしている旨の発言があった。

ケ.平成16年12月22日,第8回検討部会が開催された。第8回検討部会では,専門委員会での医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等についての検討状況の報告,P11協議会の副代表世話人によるこれまで発生した薬害の概要についての講義,東京工業大学フロンティア創造共同研究センター教授のP24委員による情報通信技術の活用についての講義が行われた。P11協議会の副代表世話人からは,講義の中で,インターネット等の医薬品の販売では実際に売っている人が資格のある人なのかどうなのか分からず,また,実際にその薬が自分にとって適切なものなのかどうなのかを判断する人がいない状態で買って使用しているのは問題なのではないかという問題意識でフォーラムを開催した旨,今後被害者を出さないこと,専門家に加害者になってほしくないことが自分たちの願いである旨の発言があった。また,P24委員の講義には,テレビ電話等で顔色や血液の色を正しく伝送するためには,カメラ,照明,表示装置の調整等が必要となる旨の内容があり,その具体的内容は,現在のテレビは,より美しく見えるように工夫されているため,色を正しく表示することができず,また,被写体と見ている人のいる場所とで照明の条件が違う場合には人間の色に対する感じ方の特性からも正しい色の認識はできないため,①デジタルカメラに通常組み込まれている画像処理機能を外した上で,色票を撮影してカメラの特性を計測すること,②被写体のある場所と見る人のいる場所の照明環境を測定すること,③受像器の調整をすることが必要になるというものであった。

コ.平成17年2月10日,第9回検討部会が開催された。第9回検討部会では,事務局による諸外国の医薬品販売制度の調査結果についての報告,それに対する質疑,専門委員会での医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等についての検討状況の報告,それに対する質疑等が行われた。諸外国の医薬販売制度の調査結果についての報告に対する質疑において,P12委員からインターネット販売及びカタログ販売についての質問があり,それに対して,事務局が,インターネット販売及びカタログ販売は,現地調査の調査項目には入っていたが,確認したところ一部不正確なところがあったので,第9回検討部会の資料では提示しなかった旨の回答があった。その後,P16委員から,P15でも外国の調査を行ったので,その内容と第9回検討部会の資料とを照らし合わせた結果を申し上げたい旨発言し,インターネットによる販売については,「ここに書かれていますように,まず不正確とはいいながら,ドイツ,フランス,イギリスでは何らかの制限を持っているというのがここに書いています。」との発言があった。

サ.平成17年2月28日,第10回検討部会が開催された。第10回検討部会では,専門委員会での医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等についての検討状況の報告,それに対する質疑,消費者及び薬局・医薬品販売業者等に対するアンケート調査の結果の報告,それに対する質疑,事務局による特例販売業に関する調査の結果の報告,それに対する質疑が行われた。特例販売業について,事務局から,制度が設けられた昭和35年当時には10万店舗程度あったものが平成15年3月末には約9900店舗になっている旨の報告があった。

シ.平成17年3月24日,第11回検討部会が開催された。第11回検討部会では,医薬品の販売に当たっての必要な情報提供等について議論が行われた。

ス.平成17年4月15日,第12回検討部会が開催された。第12回検討部会では,医薬品販売業務の内容・方法等についての議論が行われ,また,上記サのアンケート調査の結果に関する追加報告が行われた。

セ.平成17年4月28日,第13回検討部会が開催された。第13回検討部会では,医薬品販売に従事する者の資質と責務について及び医薬品販売における情報通信技術の活用等についての議論が行われた。その議論において,P6協会事務総長のP25委員からは,P12委員からの質問に答えて,例えば真っ白い顔をしているなどの相手の状態を見て,薬を勧めたり医師のところへ行くことを勧めたりするのは医療行為とはいえないのではないかと思う旨の発言があり,この点の医師法との関係について当初に言及した疑問の趣旨をこの考え方に沿って説明する発言がされ,この点に関し,P16委員からも,受診勧告は診断ではないので医療行為ではない旨,リスクを伴う医薬品を取り扱う以上,供給者側にも責任があることは明確にしなければならないし,販売店としてはそのような認識を持って業務を行うべきである旨の発言があった。また,P13大学医学部教授(小児科学)のP26委員からは,医師として仕事をしていても,基本的な知識とか経験に基づいて分かりやすく患者に伝えるということが一番難しく,添付文書を単純に整備しただけでは,自動的に消費者に伝わるとは思われず,説明の実効性に限界がある旨,販売側は半分近くの人が説明したと思っていても買う側では10人に1人もそうは思っていないということを示すアンケート結果があった点からしても説明の実効性の問題があることに留意する必要がある旨の発言があり,P27協会副会長のP28委員からは,添付文書の中だけで説明をするということになるとインターネットで販売するのと何ら変わらないことになるところ,リスクの程度に応じて実効性のある情報を会話によっていろいろと提供することは対面販売でなければできない内容であると思う旨の発言があったほか,専門委員会の委員でP29大学薬学部教授のP30専門委員から,これからの時代はセルフメディケーション時代,自己責任の時代であることは明らかであるから,添付文書に書いてあることをきちんと理解すれば問題ないが,現実問題として,添付文書を各消費者がきちんと自分のこととしてかみ砕いて理解して読むかどうかは別問題であり,個々の消費者によっても全く環境は異なるのであるから,原則として,薬に対するきちんとした知識を持った者が,対面販売で,例えば運転手のような環境にある消費者には眠くならない薬を勧めるといったことを指導することが必要である旨の発言があった。第13回検討部会の資料には,情報通信技術の活用に関する論点として,消費者への対面による情報提供や医薬品の実地における管理と,情報通信技術を活用した情報のやりとりとの違いは何か等の内容,インターネット販売及びカタログ販売に関する論点として,「①インターネット販売及びカタログ販売と対面販売との違いは何か。特に,消費者の状況の把握とそれに伴う情報提供が困難である可能性があることについて,どう考えるか,②①を踏まえ,インターネット販売及びカタログ販売についてどう考えるか」という内容が記載されていた。

ソ.平成17年5月20日,第14回検討部会が開催された。第14回検討部会では,医薬品販売における情報通信技術の活用等について議論が行われた。その議論において,P16委員からは,消費者の個別のいろいろな細かい情報を正確に吸収して集め,そこから正確な個別の情報提供ができるという流れの中で,細かく個別の正確な情報を収集することは,経験上インターネットでは無理であると思われ,人と人との会話,顔の色,表情,行動といったものの総合的な中で収集することになり,それを踏まえて専門家の立場で正しく情報提供することが必要で,それを支えるものとして情報通信技術を用いるのが適当である旨の発言があった。また,P31大学経営学部教授のP32委員からは,インターネットは,医薬品の販売に関しては,対面に代わるというものではないが,それをうまく組み込む工夫をすることによって,消費者に対しての情報量は相当に増えるし,全体としてはリスクを吸収していくことがある旨の発言があり,P24委員からは,情報通信技術を用いることについては,消費者にとって必ず利便性が向上するのは明らかであり,ビジネスの観点は別にして,消費者と販売者がお互いに納得できる安全基準を作って,実証実験のようなことを行ってみる意味もあるのではないかという旨,そのようにした場合に5年後,10年後には普及しているということになるかもしれないし,安全性のレベルを上げなければならないということになるかもしれない旨,便利さとセキュリティのレベルを両方成り立たせることは可能であり,ある程度のレベルをまず要求した上で仕組みを作っていくべきではないかという旨の発言があったが,他方で,P25委員からは,電子メールやインターネットでの健康情報の提供には,内容については自己判断であり責任は負えない旨の免責条項を入れることが常識となっており,限界がある旨の発言があり,P30専門委員からは,インターネットやメールといった新しい技術の情報をユーザーのどれくらいの割合の人が理解できて使いこなせるかはかなり疑問であり,本当に必要な人たちが使う場合には,基本的には対面で説明をきちんとする方法が重要になると思うので,方法論が広がることは否定しないものの,それがすべてのように考えることには非常に疑問がある旨の発言があり,P20委員からは,インターネットや添付文書による情報提供では提供される情報の正確性には問題がないものの,インターネットや添付文書を実際に読む人の誤解や思い違いという問題も大きく,その面では対面販売にもかなり長所がある旨の発言があった。

タ.平成17年6月17日,第15回検討部会が開催された。第15回検討部会では,医薬品販売における情報通信技術の活用等について,意見陳述人からのヒアリングとそれに対する質疑応答が行われた。P33会の意見陳述人からは,医薬品は医薬品としてカウンター越しに買うのが当然だと思う旨,薬剤師が,薬のプロとして利用者からの症状や他に飲んでいる薬の情報などを会話によって得て,より的確なアドバイスをすることによって,症状にあった薬を選べると考える旨,P33会の会員で一般薬で発症した者はほとんど添付文書を読んでいなかった旨,日本では薬を安易に飲む傾向があるので,国民の薬に対する知識レベルを徐々に上げていってほしい旨の意見が陳述された。また,大阪府健康福祉部薬務課の意見陳述人は,使用後の安全問題の取組などの医薬品の特性から,その供給は原則として有資格者による対面販売にこだわるべきであり,消費者の利便性のために供給体制を変更するというのは本末転倒である旨の意見が陳述された。質疑において,P33会の意見陳述人からは,医薬品の性質を分かっていない人が多いと思われ,P33会の会員にも薬店で売っているからそれほど強い薬ではないだろうと思っていた者がおり,そのような間違った考えを元に戻すために規制を強化してもらうのがよい旨の発言があったほか,P12委員からは,もともと医薬品というものは利便性を追求する商品とは異なる性格のものではないかということが検討部会の中でずいぶん議論された旨の発言があった。さらに,第15回検討部会では,インターネット販売,カタログ販売及び個人輸入の問題について議論が行われた。この議論において,東京都福祉保険局健康安全室薬務課長のP34委員からは,違法サイト的なインターネットの問題とは別に,医薬品製造業者,薬局及び一般販売業者がインターネット上で医薬品を販売することの適否について議論すべきであるとした上で,このような販売方法は,国から発出されている通知に定められた品目に限られているかどうかが確認しにくく,また,店舗における対面販売が原則であるという意見が多い中で,双方向性をどのように保っていくのかが問題であり,インターネット上で広く宣伝をして注文を集めるという形の販売は店舗による販売ではないと思う旨の発言があった。

チ.平成17年7月8日,第16回検討部会が開催された。第16回検討部会では,第11回検討部会から第15回検討部会までの議論の取りまとめが行われた。事務局が上記各部会における意見の取りまとめとして作成した資料には,情報通信技術の活用の仕方について,「情報通信技術は,消費者のメリットになる場合等,活用できるところは活用すべきであるが,消費者の誤解の防止等には対面での販売にメリットがあることや,情報通信技術に親しみのない世代がいること等を踏まえ,情報通信技術に過度に偏った仕組みを作るべきではなく,補助的・補完的な選択肢として使用するべきである」との内容,「インターネット販売やカタログ販売,個人輸入については,対面販売,情報提供,適正使用の観点から,対策を講じるべき」との内容がある。同部会の議論において,P13大学大学院経営管理研究科委員長兼教授のP35委員からは,情報通信技術というのは非常に広い意味があり,医薬品販売との関係では,どちらかというと対面販売をしないでテレビ電話を活用するといった方向に流れがちになるが,情報通信技術は薬剤師が顧客をサポートする際に非常に効果を発揮すべきものである旨,既存のネットワークやIT(情報通信技術。以下同じ。)を活用した一般用医薬品の販売はどうあるべきかという議論は,検討部会以後にいずれ出てくる旨の発言があり,P10部会長から,インターネット販売,カタログ販売,個人輸入に関し,何らかの対策を講ずるべきであるという意見が圧倒的に多かったとのまとめでよいか各委員に確認され,了承された。

ツ.平成17年9月14日,第17回検討部会が開催された。第17回検討部会では,第11回検討部会から第15回検討部会において出された意見の取りまとめに関する議論が行われた。その議論において,P21委員からは,インターネットでは,相談に対応している専門家と称する者が本当に専門家であるかどうかというリスクがあり,実際の店舗で実地に営業している者が嘘をつくケースは余り考えられないので,その方が安全であろうという発言があった。

テ.平成17年9月29日,第18回検討部会が開催された。第18回検討部会では,医薬品販売に際しての情報提供について議論された。事務局の作成した論点整理の資料には,対面販売の意義・必要性について,①現在,医薬品販売に当たっては,「適切な情報提供」及び「適切な相談対応」が行われるよう,薬剤師等の専門家の関与が求められていること,②この「適切な情報提供」及び「適切な相談対応」が全うされるためには,消費者と専門家との間で円滑な意思疎通が行われること及び専門家において消費者側の状態を的確に把握できることが必要であること,③これらが確実に行われるためには,消費者と専門家がその場で直接やりとりを行うことができ,例えば,消費者側の顔色等も含めた全体の様子を見ることができる「対面販売」が必要であり,これを医薬品販売に当たっての原則とすべきではないかとの内容があった。この「対面販売」について,P25委員の質問への回答として,厚生労働省担当官から,消費者が直接医薬品を手に取ることができないような陳列をして専門家が医薬品を手渡しするいわゆるオーバー・ザ・カウンターの場合に限らず,消費者が自由に医薬品を手に取れる場合を含めて,最終的な販売までのいずれかの時点で消費者が専門家と対面することを「対面販売」であると考えている旨の説明があった。

ト.平成17年10月12日,第19回検討部会が開催された。第19回検討部会では,医薬品販売に従事する者の資質等について議論が行われた。

ナ.平成17年10月31日,第20回検討部会が開催された。第20回検討部会では,適切な情報提供や相談対応のための環境整備等について議論が行われた。事務局が作成した資料には,ITの活用について,「医薬品販売に関するITの活用については,大きく分けて,①ITを活用した一般的な情報提供,普及啓発,②ITを活用した販売方法(対面販売に代替する手段としての活用)の2つが考えられ,①については,ITの積極的活用について異論はないと考えられるため,②について検討するとした上,販売時に行われるべきものとして「リスクの程度に応じた情報提供」と「相談対応」があるが,ITを活用した販売方法に関して検討する際には,この2つを分けて,それぞれについて考察すべきではないか,「リスクの程度に応じた情報提供」については,販売側からいわば一方的に働きかけるものであることから,ITを活用してこれを行おうとしても,消費者側の注意を引きつけ,情報を確実に伝達するのは難しい場合があるのではないか,これに対し,「相談対応」の場合には,消費者側からの働きかけが端緒となっているため,消費者側も注意を払って意思疎通を図ろうとすることから,ITの活用になじみやすい部分もあるのではないか」という内容及び「現在,薬局,一般販売業等の許可を得ている者が,一定の範囲内の医薬品(リスクの程度が低いものが中心となっている)について,インターネット等を活用した通信販売を行っているが,これについてどう考えるか,現在,取締りの法的根拠はないとして,通知の範囲を超えた医薬品についても取り扱う通信販売業者が存在しているが,今後こうした業者についてはどのような対応を行うことがが適切か」という内容がある。同部会の議論において,P16委員からは,店舗販売でさえも非常に指導の限界があるといわれており,ましてやインターネットの販売における規制は必ずしもできないというのが現状である旨の発言があり,P26委員からは,将来安全が担保される時代がすぐそこに来ているとしても,まだそれが目に見えない時点で,安全性を確保しながらの運用というのを議論するのは空虚な気がするので,消極的な意見である旨の発言があり,また,P9大学薬学部教授のP36委員からは,インターネット販売や通信販売は,フェース・トゥ・フェースではないという定義になり,これからのリスク分類での情報提供の在り方がフェース・トゥ・フェースでなければならないものは取扱商品の範囲から除外しなければならず,それ以外のものが真にインターネット販売や通信販売に適しているかどうかもまた議論を要する旨発言があった。これに対し,P24委員からは,対面販売の実効性が本当に担保されるかは疑問である一方,購入の際は急いでいて説明を受けられなかったが後から説明を受けたい場合にはITは大変有効であり,一つの型にはめるのではなく,実際に本来の目的にあった効果を残しておく方がよいのではないかという発言もあったが,P10部会長からは,インターネット販売については,対面販売に準ずるか又は対面販売より優れているという考え方もあり得るものの,委員らが現状で認識されているところでは,対面販売に勝っているとはいえないようであり,インターネット販売について規制を考える必要があるというのが検討部会の意見の大勢であったというまとめでよいかとの確認がされ,各委員からこれに異論を呈する発言はなかった。

ニ.平成17年11月18日,第21回検討部会が開催された。第21回検討部会ではリスク分類と販売時における対応等について議論された。事務局の作成した資料には,一般用医薬品を,A(第一類医薬品に相当),B(第二類医薬品に相当),C(第三類医薬品に相当),D(平成11年及び平成16年に医薬品から医薬部外品に移行されたもので,現在は医薬品に該当しないもの)に分類した上,①積極的な情報提供の要否,②文書の使用の要否,③専門家の関与の要否,④オーバー・ザ・カウンターとすることの要否,⑤販売時におけるIT(情報通信技術)の活用の可否について,(a)Aについては,積極的な情報提供及び文書の使用を必須の義務とし,薬剤師の関与を必要とし,オーバー・ザ・カウンターを必須の義務とし,ITの活用については,対面販売の原則を徹底すべきであり,認められないとし,(b)Bについては,積極的な情報提供及び文書の使用を努力義務とし,薬剤師又は新制度下において資質の確認を受けた者の関与を必要とし,オーバー・ザ・カウンターを努力義務とし,ITの活用については,対面販売を原則とすべきではあるが,消費者の利便性に配慮し,販売方法によっては,限定的に認めることも検討する余地はあるとし,(c)Cについては,積極的な情報提供を努力義務として法令上規定するほどではなく(ただし,相談応需義務はある。),文書の使用は必要ではないが,薬剤師又は新制度下において資質の確認を受けた者の関与を必要とし,オーバー・ザ・カウンターは不要とし,ITの活用については,対面販売を原則とすべきではあるが,消費者の利便性に配慮し,販売方法によっては,限定的に認めることも検討する余地はあるとし(リスクの程度や消費者の利便性,現状ある程度認めてきた経緯にかんがみると,薬局,一般販売業等の許可を得ている者が通信販売を行うことについても認めざるを得ないと考えられるが,どのように考えられるかと注記されている。),(d)Dについては,積極的な情報提供,文書の使用,専門家の関与及びオーバー・ザ・カウンターはいずれも不要とし,ITの種類を問わず,これを活用した販売方法も認められるとされている。同部会の議論においては,P10部会長及び事務局から,上記資料におけるITの活用とは基本的にはテレビ電話に限定したものを想定しており,インターネット販売は,Cについて場合によっては認めるとされている「通信販売」に含まれると考えているとの説明があった。また,P24委員から,販売時に情報提供するのが非常に重要であることはよく分かるが,買った人が服用するとは限らないし,また,常備薬として家庭に置いておく場合などの現状を考えると,最も重要なことは医薬品の危険性が消費者にとってよく分かるようにすることであり,消費者が後からでも必要に応じて情報を得ることができるようにすることが重要ではないか,そうすると,医薬品のインターネット販売を規制する必要もないのではないかという旨の指摘があり,これに対し,厚生労働省担当官から,情報を適切に伝達する最大の機会は販売の際であり,家族が使用する場合でも家族の状況が一応分かることを前提に情報を伝えることができる機会として,対面販売を重視すべきであり,検討部会の従来の議論でも対面販売を原則とすることで意見がまとまりつつあるのではないかとの回答がされ,これを受けて,P24委員から,多くの意見がそのようなものであることは大体分かるしある程度は納得でき,その判断はそれで結構であると思うが,時代とともに状況は変わるので,この状態が今後何十年も固定化されることがないようにしてほしいとの発言があった。これらのやり取りを含む委員全体の議論の結果,上記AないしDの各医薬品に係る上記①,②,③及び⑤の各項目については上記資料の内容が基本的に了承された。

ヌ.平成17年11月25日,第22回検討部会が開催された。第22回検討部会では,従来の議論の結果を取りまとめた報告書案について議論が行われた。

ネ.平成17年12月15日,第23回検討部会が開催された。第23回検討部会では,修正された報告書案について議論が行われ,報告書として了承された。報告書には,(a)薬事法においては,医薬品販売について,薬剤師等の店舗への配置により情報提供を行うことを求めているが,現実には薬剤師等が不在であったり,薬剤師等がいても情報提供が必ずしも十分に行われていないなどの実態に対応するため,医薬品のリスクの程度に応じて,専門家が関与し,適切な情報提供等が行われる実効性のある制度を構築するため医薬品販売の在り方全般について見直しを行うこととし,(b)国民の健康意識の高まりを始め,一般用医薬品を取り巻く環境の変化を踏まえ,セルフメディケーションを支援する観点から,安全性の確保を前提とし,利便性にも配慮しつつ,国民による医薬品の適切な選択,適正な使用に資するよう,薬局,薬店等において,専門家による相談応需及びリスクの程度に応じて情報提供等が行われる体制を整備するという改正の理念の下に,(c)医薬品の販売時の適切な情報提供及び購入者の疑問や要望を受けた場合の適切な相談応需が必要であるという観点から,専門家において購入者側の状態を的確に把握でき,購入者と専門家の間で円滑な意思疎通が行われるよう,購入者と専門家がその場で直接やりとりを行うことができる「対面販売」を医薬品販売に当たっての原則とし,(d)情報通信技術の活用については,行政,製造業者等による啓発や情報提供については積極的に進めるべきである一方,医薬品の販売については,対面販売が原則であることから情報通信技術を活用することについては慎重に検討すべきであって,①第一類医薬品については,対面販売とすべきであり,情報通信技術を活用した販売を認めることは適当でないと考えられ,②第二類及び第三類医薬品については,対面販売を原則とすべきであるが,購入者の利便性に配慮すると,深夜早朝に限り,一定の条件の下で,テレビ電話を活用して販売することについては,引き続き認めることも検討する余地はあると考えられ,③第三類医薬品については,リスクの程度や購入者の利便性,現状ある程度認めてきた経緯にかんがみると,薬局・店舗販売業の許可を得ている者が,電話での相談窓口を設置する等の一定の要件の下で通信販売を行うことについても認めざるを得ないと考えられるという内容があり,同報告書は,上記(a)ないし(d)の内容を含め,検討部会の検討結果を取りまとめた内容として了承された。なお,同部会の議論の中で,P10部会長からは,検討部会の議論の前提になったのは,医薬品供給の安全性の確保ということであり,これは委員の中でも異論がないことであると認識しており,今後の法制化に当たっては,その点が遺漏なく法案に盛り込まれるようにしてほしい旨の発言があった。

ノ.平成17年12月15日,検討部会の検討結果として取りまとめられた検討部会報告書は,厚生労働大臣に報告され,公表された。

(4) 原告P1らの国に対する要望の提出状況等

ア.原告P1らは,平成16年11月,「(仮称)P37協議会」として,国の規制改革・民間開放推進会議に対し,上記(1)カの通知による医薬品のインターネット販売の規制の緩和又は撤廃を求める要望を提出した。厚生労働省からは,インターネット販売の在り方については今後検討部会で議論する予定であり,必要な事項を平成18年通常国会提出予定の法案に盛り込む予定である旨の回答があった。

イ.原告P1は,平成17年6月,規制改革・民間開放推進会議に対し,上記アと同様の要望を提出し,検討部会では適切な審議結果が期待できない旨を指摘した。これに対し,厚生労働省は,上記アと同様の回答をした。

ウ.原告P1は,平成17年,厚生労働省医薬食品局総務課の担当官からのヒアリングを受けた。

エ.原告P1は,平成17年11月,規制改革・民間開放推進会議に対し,上記アと同様の要望とともに,医薬品販売の免許を有する薬店がインターネット販売を行う際に,適切な販売を行っている旨を消費者に証明する仕組みとして,オンラインマーク制度の導入の検討を求める要望を提出した。厚生労働省は,検討部会の報告書の趣旨等を踏まえて必要な制度改正を行う旨及び同報告書の該当部分を紹介する内容の回答をした。

オ.原告P1は,平成18年1月ころ,自社の医薬品販売サイトにおいて,医薬品の購入の際,①注意事項のチェック欄を設け,チェックに応じた薬剤師のアドバイスを表示し,禁忌事項にチェックされた場合には,販売しないようにすること,②販売前に必要な注意事項の画面を必ず表示し,当該画面を確認した旨のボタンを押して注文を受けること,③注文者に対し,注文した医薬品の使用時の注意事項を記載した電子メールを送信することを開始した。

カ.原告P1らは,平成18年1月19日,「P38の会」として,厚生労働大臣に対し,要望書を提出した。

キ.P4は,平成18年4月,厚生労働省に対し,医薬品のオンライン販売に関する自主規制案を提出したところ,この経緯は次のとおりである。原告P1の担当者は,同年3月13日,自主規制案の原案を添付した電子メールを厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課の担当官に送付して意見を求め,その後,同年4月21日,改訂した自主規制案を添付した電子メールを送付して,自主規制案について説明し,また,完成後の自主規制案についてニュースリリースをする時期,内容,方法等について相談するため,厚生労働省担当官との面会を申し込んだ。この電子メールには,改正法案が国会審議中であるため無用な刺激を避けるためにも第一類ないし第三類医薬品の分類についてはあえて言及しなかった旨記載されている。そして,同月25日,原告P1の担当者は,厚生労働省担当者あてに電子メールを送付して,自主規制案への意見を求めるとともに,その対外発表について是非を含めた感触を知りたいとして面会を求めたところ,返信の電子メールの文面には,面会可能な日程の連絡とともに,国会審議等においてインターネット販売については厳しい意見しか出ていない状況であり公表には慎重になられた方がよろしいかと思われ,この点については,面会時によく意見交換したい旨の回答があった。

(次回へ続く)

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リクナビによる「内定辞退率」データ提供の問題点はどこにあったか 法的観点から弁護士が解説
刑事政策の新たな潮流
リクナビ問題が大炎上した真相 “利用者不在”の人材ビジネスに潜む「構造的歪み」とは
知財は経営に寄り添うべき 翌日から世界が変わるダイナミクスがそこにある
大コンメンタール刑法〈第5巻〉第60条~第72条
N国・立花党首のマツコ・デラックス突撃に弁護士「喧嘩の仕方が上手い」
舞鶴女子高生殺人で無罪判決の「中勝美」、再び殺人未遂で逮捕、“獄死“の数奇な人生
刑事法の理論と実務1
第2次大戦中、日系人のふりをして進んで収容所に入ったアメリカ人がいた
<米国民として 日系人と戦争>(3)抵抗 強制収容 分断生んだ
[笑うケースメソッドIII]現代日本刑事法の基礎を問う
ジブラルタル、イランのタンカー解放命令 米国の要請に反し
ゴーン被告は「掃除係」…? 待ち受ける「刑務所生活」の厳しい現実
刑事法実務の基礎知識:特別刑法入門 2
21分内に12件の犯行、男に有罪評決 米オハイオ州
アマゾンが日本で法人税を納めずに済む仕掛け
Facebook「リブラ」公聴会に参加した法律専門家の見解
刑事法判例の最前線
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案
民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

刑事訴訟法等の一部を改正する法律について
法曹養成制度関係閣僚会議
法曹養成制度改革の推進について(PDF)
法曹養成制度改革推進会議
法曹養成制度改革顧問会議
平成31年司法試験予備試験の実施について
令和元年司法試験の結果について
司法試験考査委員の不適切行為に関する通報窓口

  【司法研修所教材・講義案・調査官解説等】
事件記録教材 法科大学院教材
調査官解説
事例で考える民事事実認定
プラクティス刑事裁判 平成30年版
プロシーディングス刑事裁判 平成30年版
検察講義案 平成27年版
新問題研究要件事実
紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂
刑事第一審公判手続の概要
刑事判決書起案の手引
民事判決起案の手引
民事訴訟第一審手続の解説
情況証拠の観点から見た事実認定
民事訴訟における要件事実 第2巻
民事訴訟における要件事実 増補 第1巻
書記官研修講義案等