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2007年03月15日

刑事訴訟法5

狭義の択一的認定

「A罪またはB罪」という認定は合成的構成要件の設定であり、罪刑法定主義に反し許されない。
もっとも、論理的択一関係にあるか、論理的択一関係になくても第三の可能性がない場合は、
軽い犯罪の成立を認定できると解する。なぜなら、一方の否定が他方の存在を意味する以上、
利益原則に反しないと考えられるからである。

一事不再理効の根拠

二重の危険禁止の法理(憲法39後段)に求めるべきと解する。
なぜなら、訴因を審判対象とする現行法と整合的だからである。

実体裁判の既判力は別事件に及ぶか

否定すべきである。万一誤判の場合を考えると、別事件に波及させるべきでないからである。

偽装による形式裁判に既判力は生じるか

不利益再審が否定されている趣旨からして、既判力が生じ、再起訴はできないと解する。

一事不再理効の客観的範囲

公訴事実の同一性の範囲で生じると解する。
その範囲で訴因変更が認められており(312T)、被告人は有罪の危険を負ったといえるからである。

免訴判決の法的性質

免訴事由があるにもかかわらず実体裁判するのは無益であるから、形式裁判と解する。

免訴判決に一事不再理効は生じるか

形式裁判と解する以上、生じないのが原則であるが、相当程度の実体審理に入った場合は、
その限度で有罪の危険を負担しているから、一時不再理効が生じると解する。

形式裁判に対して無罪を主張して上訴できるか

被告人は手続から解放される点で無罪と変わらず、上訴の利益は認められないから、否定すべきである。

控訴審の構造

原則として控訴趣意事項を調査するのである(392T)から、事後審と解する。
もっとも、原判決を破棄して自判する場合には続審となるというべきである。

控訴審での訴因変更(404・312T)の可否

控訴審を事後審と解する以上、審判対象は原判決であって、訴因ではない。
よって、原則として訴因変更できない。
もっとも、破棄自判の場合は続審となるので、訴因変更できると解する。

原判決以前の新証拠の取調べの可否

393T本文に格別の制限がない以上、許されると解する。

再審における証拠の新規性(435E)

再審の趣旨は誤判救済にあるから、裁判所にとって新たな証拠であればよい。
もっとも、禁反言の法理から、秘匿した当事者からの再審請求は否定される場合があると解する。

証拠の明白性(435E)の程度

利益原則から、有罪認定に対し、合理的疑いを生じさせる程度であれば足りると解する。

明白性の評価方法

証拠は他の証拠との関連で評価されるべきであるから、旧証拠との総合評価により判断すべきである。
その際、事実誤認の救済という趣旨から、確定判決の認定には拘束されないものと解する。

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刑事訴訟法4

「証拠」(317)の意義

法が証拠能力を限定し(319以下)、証拠調べ手続きの方式を定めている(292)趣旨から、
証拠能力があり、適式な証拠調べを経た証拠をいうと解する。

「事実」(317)の意義

事実とは刑罰権発動の根拠となるものであるから、「罪となるべき事実」(335T)すなわち公訴犯罪事実をいうと解する。

厳格な証明が必要な事実の範囲

刑事訴訟は刑罰権の実現のためのものであるから、刑罰権の存否・範囲を定める事実につき必要である。

被告人に有利な証拠も厳格な証明によるべきか

「犯罪の存否」との文言(314V、321TB)と322T本文が被告人に有利な供述書に特信情況を要求していることから、
厳格な証明が必要であると解する。

裁判所に顕著な事実の証明の要否

刑事裁判の公正に対する国民の信頼確保の観点から、証明は必要と解するが、
当事者に争いが無ければ、証明を省略することも可能と解する。裁判官自身が最良の証人といえるからである。

違法性阻却事由・責任阻却事由の実質的挙証責任

利益原則から、被告人に挙証責任を負わせることはできない。
もっとも、犯罪阻却事由は、具体的主張があってはじめて検察官がその不存在を立証できる。
そこで、挙証責任は検察官が負うが、被告人は阻却事由の存在につき、証拠提出責任を負うと解する。

挙証責任の転換を認める立法(刑法207、230の2)の合憲性

利益原則も一切の例外を許さないものではなく、転換を認めるべき必要性・合理性があれば合憲と認めうると解する。
その基準としては、当該事実についての立証の難易、犯罪構成要素としての重要性の程度、刑罰の軽重などを考慮すべきである。

立証趣旨(規則189T)の裁判所拘束力

自由心証主義から、原則として否定すべきであるが、不意打ち防止の観点から、
立証趣旨を限定して同意された伝聞証拠などについては、拘束力を認めるべきである。

被告人の証人適格

法は被告人質問(311)を用意しているし、黙秘権侵害の虞もあるので、否定すべきである。

現場写真の法的性格

その機械的正確性から、供述証拠ではないと解する。

写し(コピー)は証拠として許容されるか

最良証拠の原則(310参照)から、原則として認められないが、証拠としての価値が全く無いわけではないので、
原本が存在し、その提出が不能もしくは困難であって、内容が原本と一致していることが認められれば、
例外的に証拠とできると解する。

科学的証拠の自然的関連性

その原理、分析手法に対する一般的信頼性と、その実施についての具体的信頼性があれば、
最低限の証明力はあるといえるので、自然的関連性を肯定しうる。

余罪を量刑資料とできるか

犯罪に至らない非行を考慮できることとの均衡から、量刑資料としうると解する。

違法収集証拠排除法則

真実発見と適正手続との調和の観点から、令状主義を没却する重大な違法があり、
かつ、証拠として許容すると将来の違法捜査抑止の見地から相当でない場合は、
証拠排除されると解する。

毒樹の果実論

排除法則の実効性確保のために、派生的証拠にも証拠排除が及ぶ。
もっとも、違法性が希釈化され、または、別個の捜査から取得されたものである場合は、
違法捜査との関連性が薄いので、例外的に証拠とできると解する。

違法収集証拠に対する被告人の同意

違法捜査の抑止の要請は被告人の同意によって失われるものではない。
よって、同意によっても証拠とすることは出来ないと解する。

違法収集証拠の申立適格

違法捜査抑止の観点から、申立適格を違法捜査の対象者に限る必要は無い。
よって、違法捜査対象者以外にも申立適格を認めうる。

違法収集証拠の弾劾証拠としての利用の可否

違法捜査抑止の観点から否定すべきである。

私人による違法収集証拠

私人に対しては違法捜査抑止の趣旨は及ばないから、原則として証拠排除されないと解する。
もっとも、捜査機関の指示に従った場合等、公権力によるものと同視できる場合は排除の対象となると解する。

伝聞証拠の意義

伝聞証拠とは反対尋問を経ていない供述証拠をいう。
なぜなら、伝聞法則の趣旨は反対尋問権(憲37U前段)の保障にあるからである。

精神状態の供述の伝聞性

知覚、記憶の過程に誤りの混入する危険がないので、非伝聞と解する。

321TA前段に特信情況を要するか

明文に無い以上不要と解する(判例に同旨)

321T各号の列挙事由は制限列挙か

各号列挙事由は証拠とすべき必要性を列挙したにすぎず、その他の事由を否定する趣旨とは解されない。
よって、例示列挙と解する。

相対的特信情況の判断方法

証拠能力の判断の段階では、出来る限り内容に立ち入るべきではない。
そこで、外部的付随事情によって判断するのを基本とし、
その推認資料とする限度でのみ、供述内容を斟酌できると解する。

実況見分調書の証拠能力

321Vにより証拠能力を肯定できると解する。
なぜなら、検証とは任意処分か強制処分という違いがあるに過ぎず、
捜査活動としての性質は同じだからである。

鑑定受託者の鑑定書の証拠能力

321Wを準用することにより肯定できると解する。
なぜなら、専門的かつ複雑で、書面によるほうが適切である点で、
鑑定人の鑑定書と同様だからである。

証人の国外強制退去は「国外にいる」(321T各号)にあたるか

刑事手続と強制退去手続は別個の手続であるから、原則としてあたるというべきである。
もっとも、検察官が殊更に退去処分を利用する等、手続的正義の観点から、公正さを欠く場合は
該当性を否定されることもありうると考える。

公判期日に証人尋問された者が、検面調書作成後、再度尋問を受け、検面調書と異なる供述をした場合、
「前の供述」(321TA後段)にあたるか。

公判中心主義の観点から否定すべきである。

他事件の検証調書の証拠能力

当事者の立会いがないものの、321U後段の趣旨は検証調書自体の信用性を重視する点にある。
従って、立会いの有無は問題ではない。よって、321U後段により証拠能力を認めてよい。

私人の作成した実況見分調書の証拠能力

私人作成の実況見分調書には定型的信頼性がないので、321Vは準用できない。
よって、321TBの要件を満たさなければ証拠能力を肯定できないと解する。

再伝聞の証拠能力

再伝聞の各過程に伝聞例外の要件が備われば、証拠能力を認めうると解する。
なぜなら、伝聞例外に該当すれば、当該伝聞過程の伝聞性は治癒されると考えられるからである。

弾劾証拠は自己矛盾供述に限られるか

限られると解する。
なぜなら、その存在自体によって、証明力を減弱させるのは、
性質上、自己矛盾供述だからである。

「証明力を争う」(328)の意義

「争う」という文言から、証明力を増強するものは含まないと解する。
また、証明力を減弱するものに加えて、再弾劾も認められるべきであるから、回復する場合も含むと解する。

326条の同意の法的性格

伝聞法則の趣旨は反対尋問権(憲37U前段)を保障する趣旨であるから、
同意の性質は反対尋問権の放棄であると解する。

同意当事者による、証明力を争うための証人尋問請求

反対尋問権を放棄した以上、許されないとも思えるが、同意は証拠の許容性に関するものに過ぎない。
よって、証明力については別個に考えるべきであるから、証人尋問請求は許されると解する。

退廷を命じられた被告人に対する擬制同意(326U)の肯否

退廷を命ぜられたことにより、反対尋問権を喪失したと解されるから、擬制同意を肯定できると解する。

弾劾証拠は弾劾対象となる供述より以前のものでなければならないか

公判中心主義の観点から、以前のものに限られると解する。

自白法則の排除基準

自白の排除は、自白採取過程の手続の適正を担保するためである。
よって、採取過程に違法のある自白が排除されると解する。

反復自白

自白法則を違法排除として捉える以上、毒樹の果実論により解決すべきである。

補強証拠が必要とされる範囲

自白にかかる事実の真実性を保障するものであると解する(実質説)。
事実の真実性が担保されれば、誤判防止という補強証拠の趣旨が果たされるからである。

補強証拠に必要な証明力

事実の真実性が担保されれば、誤判防止という補強証拠の趣旨は果たされるのであるから、
自白とあいまって、犯罪事実を証明できる程度で足りると解する。

共同被告人の公判廷供述の証拠能力

被告人の反対質問権と共同被告人の黙秘権との調和の観点から、
反対質問が十分に行われた場合のみ、証拠能力を肯定すべきである。

共同被告人の証人適格

共同被告人も黙秘権を保障された「被告人」である以上、証人適格を否定すべきである。
もっとも、手続を分離すれば、訴外の第三者となるので、証人とすることができると解する。

共同被告人の公判廷外供述調書の証拠能力

共同被告人も被告人との関係では第三者である以上、321Tの適用により証拠能力を認めうる。

共犯者の自白に補強証拠を要するか

要しないと解する。共犯者に対して反対尋問が可能だからである。

共犯者の自白を被告人の自白の補強証拠とできるか

共犯者の自白は被告人との関係では、第三者の証言と性質上異ならないから、
補強証拠となりうると解する。

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刑事訴訟法3

刑事裁判の遅延に対する救済手段

憲法37Tは具体的権利と解されるから、同条を根拠に手続を打ち切ることができると解する。
その判断にあたっては、遅延の期間、原因と理由、被告人の受けた不利益などを考慮すべきであるが、
被告人に審理促進を要求することは酷であるから、積極的に審理促進を求めないからといって、
迅速な裁判を受ける権利を放棄したとすることは出来ない。
そして、具体的手続としては、公訴時効完成に準じて免訴とすべきである。

権利保釈の許否に余罪を考慮できるか

勾留の効力は事件単位で考えるべきであるから、余罪を考慮することは出来ないと解する。

証拠開示

316の25以下の規定の新設により、問題は実質的には解消されたと考える。

必要的弁護事件における弁護人不出頭

289条で保障される被告人の権利も、その濫用としか見れない場合は内在的制約に服する。
具体的には、裁判所が弁護人出頭に尽力したにも関わらず、被告人がこれを妨害し、出頭確保が極めて困難となった
場合には、289Tの例外を認めうると解する。

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刑事訴訟法2

一罪の一部起訴の可否

全部不起訴も認められる(248起訴便宜主義)以上、一部のみ起訴することも原則として許されると解する。
もっとも、法の趣旨を逸脱するような一部起訴は認められない。

犯罪の嫌疑は起訴の有効要件か

嫌疑の有無の審理が本案と重複することになるので否定すべきである。

起訴猶予相当事件の起訴の有効性(公訴権濫用論)

原則として有効である。なぜなら、検察官にも訴追裁量が認められている(248)からである。
もっとも、公訴提起自体が職務犯罪を構成するような極限的な場合には、例外的に無効となるというべきである。

違法捜査に基く起訴の有効性

原則として、有効である。なぜなら、捜査と公訴は別個の手続だからである。
もっとも、違法が極めて重大で証拠排除では不十分である場合、
憲法31条の適正手続の要請により、例外的に無効となると解する。

被告人の特定

被告人とは検察官から起訴されたものをいうのであるから、起訴状の表示を基本としつつ、
その他の資料をも合理的に解釈して決すべきである(実質的表示説)。

訴因の特定(犯罪日時・場所・方法)

特定は審判対象の限定と防御対象の明示のため必要である。
しかし、日時場所方法は通常罪となるべき事実そのものではない。
そこで、特定を困難にする特殊事情ある場合は、ある程度幅のある記載も許されると解する。

共謀共同正犯における共謀の特定

共謀の事実はその内部性・秘密性という特殊事情がある。
よって、必ずしも具体的な日時場所方法の記載を要しないと解する。

過失犯における過失内容の特定

過失内容は過失の存否の判断に必要であり、また、特定はそれほど困難でない。
よって、過失内容につき特定を要するというべきである。

罰条記載の要否

特別法においては、些細な事実の変化により罰条が変わりうる。捜査の流動性を
考慮すると、罰条の記載は不要である。

犯行文書等の引用は起訴状一本主義に反するか

訴因明示と予断排除の調和の観点から、明示に必要な限度を越える引用は256Yに違反すると解する。

起訴状への被告人の前科記載

予断排除という起訴状一本主義(256Y)の趣旨に反するから、違法である。

審判対象

現行法は当事者主義的訴訟構造を採用しているから、審判対象は検察官の主張する訴因であると解する。

訴因変更はいかなる場合に必要か

訴因は検察官による具体的事実の主張であるから、事実に重要な変化が生じれば訴因変更が必要である。

重要な変化とはいかなる場合か

訴因は被告人の防御の指標となるので、被告人の防御に不利益を及ぼす場合をいうと考える。
基準の明確性から、その判断は抽象的一般的になすべきと解する。

縮小認定の理論

縮小認定には訴因変更を要しない。なぜなら、検察官の訴追意思に反せず、また、被告人の不意打ちにもならないからである。

訴因と罰条の食い違いに罰条変更手続は必要か

不要である。罰条の変更は実質的に被告人の防御に支障を来たすとは言えないからである。

争点逸脱認定

被告人にとって不意打ちとなるから違法である。争点整理により争点の顕在化をはかるべきである。

公訴事実の同一性の判断

訴因は事実の主張であるから、日時場所方法等の基本的事実関係の同一性・近接性があれば同一性を認めてよい。
その判断に際しては、事実の択一関係性も考慮すべきである。

訴因変更の時期的限界

明文上の限界は無いが、訴因変更権の濫用と認められるような場合は許されないと解する。

現訴因では有罪だが、変更すると無罪となる場合の変更の可否

確かに訴因変更は検察官の専権だが、これをそのまま裁判所が認めるのは適正な刑罰権の実現の要請に反する以上、
少なくとも現訴因の維持を勧告しなければならない。

訴因変更命令義務の肯否

訴因の設定変更は検察官の専権であるから、原則として訴因変更命令義務はないと解する。
もっとも、@重大事件につき、A変更すべき訴因が証拠上明らかである場合には、適正な刑罰権実現の観点から、
例外的に、訴因変更命令義務があると解する。

訴因変更命令の形成力の肯否

訴因の設定変更はあくまで検察官の専権である以上、形成力は認められないと解する。

罰条変更命令義務の肯否

法令適用は裁判所の専権であるから、罰条変更命令義務は肯定すべきである。

罰条変更命令の形成力の肯否

法令適用は裁判所の専権であるから、形成力は認められる。

罪数判断に変化が生じた場合に必要な手続

罪数の変化に伴い、一罪一訴因の原則に反し、訴因の記載が不適法となるので、補正が必要である。
この際、事実の変化が伴う場合は訴因変更も必要となるので、訴因変更を含んだ補正をしなければならない。

訴訟条件の判断基準

審判対象を訴因と解する以上、訴因を基準とすべきである。

結果犯における公訴時効の起算点

結果発生時である。結果発生により処罰可能となるからである。

結果的加重犯における公訴時効の起算点

結果的加重犯として処罰可能となるのは加重結果発生時であるから、加重結果発生時を起算点と解する。

観念的競合における公訴時効の起算点

実質上数罪である以上、各個の犯罪事実ごとに時効期間を起算すべきと解する。

牽連犯における公訴時効の起算点

実質上数罪である以上、各個の犯罪事実ごとに時効期間を起算すべきと解する。

公訴時効停止の客観的範囲

公訴事実の同一性の範囲で生じると解する。この範囲で訴因変更でき(312T)、
検察官の訴追意思が及んでいるといえるからである。

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刑事訴訟法1

職務質問における有形力の行使

職務質問は任意処分であるが、その実効性の確保も必要であるから、
必要かつ相当な限度で許される。

所持品検査

所持品検査は職務質問の付随行為として警職法2Tによりなしうるが、
単なる質問行為よりもプライバシー制約の度合いが強いから、
必要性相当性に加えて、緊急性も認められて初めて適法となると解する。

自動車検問

職務質問の一類型と考えられるから、警職法2Tを根拠としうるが、
任意処分としてなす以上、必要性と相当性が認められなければならない。
具体的には、@交通犯罪多発地域であることA運転者の協力に基づくことB短時間であるなど、
運転者に過剰な負担とならない程度であること、が必要である。

告訴無き親告罪の捜査

告訴は公訴の要件であって、捜査の要件ではないから原則として許される。
もっとも、告訴を得る見込みが全く無い場合などは捜査しても公訴できないのであるから認められない。

告訴の追完

告訴なくして公訴提起した瑕疵は重大であるから否定すべきである。

強制処分の意義

人権保障の観点から、同意なく重要な人権が制約する処分をいうと解する。

任意捜査の限界

任意といっても人権制約はできる限り避けるべきであるから、必要性・相当性・緊急性が認められる限度でのみ許される。

任意同行と実質的逮捕の区別

任意同行(198T)が身柄拘束に至れば、無令状逮捕であって違法である。
その判断は@日時、場所A方法B必要性C同行後の状況を個別具体的に考慮して決すべきである。

任意取調べの限界

被疑者の内心は直接感知できないので、@犯罪の重大性A被疑者の態度B取調べの態様等を考慮し、
被疑者が帰宅しようと思えばできるような状況であったかを判断して決すべきである。

おとり捜査

被疑者は自由意志で行動するので、任意捜査であるが、任意捜査も必要かつ相当な範囲でのみ許される。
具体的には、薬物犯罪等、他の有効な手段がなく、おとり捜査の必要性が高く、
予め犯意を有していたものに機会を提供する(機会提供型)にとどまるような、相当と認められる場合のみ許される。
新たに犯意を誘発する(犯意誘発型)のごときは相当性を欠き許されない。

現行犯逮捕に逮捕の必要性は必要か

必要である。不必要な逮捕を認めるべきでないからである。

身柄拘束は事件単位か人単位か

身柄拘束原因の明確化から、事件単位と解する。

付加拘留

事件単位の原則からは、付加事実に付き逮捕前置がないので否定すべきとも思われるが、
被疑者の身柄拘束期間の短縮につながるので、例外的に肯定すべきである。

違法逮捕後の拘留の可否

二重の司法審査という逮捕前置主義の趣旨から否定すべきである。

一罪一逮捕一拘留の原則の「一罪」の範囲

実体法上の一罪と解する。実体法上の一罪につき、一個の刑罰権が発生するからである。
もっとも、これは同時処理可能であることを前提とするから、同時処理不可能の場合は例外と解する。

釈放後の再逮捕再拘留の可否

身柄拘束期間が無意味となるので、原則として許されない。
もっとも、捜査の必要性も無視はできない。明文上も例外の余地を認めている(199V)。
そこで、@重要な新事実の発生A犯罪の重大性B身柄拘束の不当な蒸し返しでないこと、を満たす場合に限り、
例外的に認められると考える。

別件逮捕拘留

実質的には本件についての逮捕であるのに、本件につき令状は無いから、無令状逮捕であり違法である。
もっとも、捜査官の主観は直接感知できないので、@犯罪の軽重A両罪の関連性B取り調べの態様C事前の捜査状況
などを総合的に考慮して決すべきである。

被疑者の取調べ受忍義務

198T但書の反対解釈から、身柄拘束中の被疑者には取調べ受任義務があると解する。
取調べ受任義務を肯定する以上、これは強制処分である。

被疑者の余罪取調べ

禁ずる規定が無いので、原則として許されるが、令状主義の潜脱は許されないので、
@余罪との関連性A罪の軽重B取調べの態様を考慮して、令状主義の潜脱と認められる場合は許されない。

被告人の取調べ

取調べは強制処分であり、被告人取調べを認める規定が無いので、強制処分法定主義(197T但書)からは原則許されない。
もっとも、被告人側から申し出があった場合や、被告人の同意と弁護人の立会いがあるなど、任意処分と認めうる特段の事情があれば例外的に許される。

被告人の余罪取調べ

被告人が余罪につき身柄拘束されていない場合、198T但書により、被疑事件につき取調受任義務を負わないから、
被告人が真に任意に応じたと認められる場合に限り許される。

被告人が余罪につき身柄拘束されている場合、198T但書反対解釈により、取調べできるのが原則であるが、
被告人としての防御権を侵害しないよう、配慮されなければならないと解する。

捜索差押令状の特定性(包括的記載の許容限度)

一般捜索差押禁止(憲法35、法219)による特定性の要請と捜査の流動性による包括的記載の必要性との調和の観点から、
具体的な例示がなされ、その例示に準じるものに限定されていると認められれば許される。

緊急捜索・差押

緊急逮捕のような規定が無いので、強制処分法定主義から、許されない。

別件捜索差押

令状主義の潜脱であるから、違法である。

220条の無令状捜索差押の根拠

逮捕には、被逮捕者の抵抗・逃亡、証拠破壊の危険が伴う。そこで、逮捕者の安全確保、被逮捕者の逃亡・証拠破壊の防止のために無令状で捜索差押が認められたものと解する。

220条の場所的限界(「逮捕の現場」の意義)

被疑者が抵抗・逃亡、証拠破壊を行いうるのはその管理権が及ぶ範囲に限られる。
よって、被疑者の管理権の及ぶ範囲を言うと解する。

220条の時間的限界(逮捕着手前の捜索差押)

逮捕着手前にも被疑者の抵抗・逃亡、証拠破壊の危険はあるので、着手前も含まれると解する。

220条の物的限界

被疑者の抵抗・逃亡、証拠破壊を防ぐため認められるのであるから、武器・逃走具、被疑事件に関わる証拠物件に限られる。

呼気の採取の可否

重大な権利侵害を伴わないから、任意処分である。よって、令状なしでなしうる。
もっとも、必要性・相当性が認められなければならない。

強制採尿の可否

身体への侵襲・下腹部の露出を伴う点で、権利侵害性が大きいから、強制処分というべきであるが、
これを直接認める規定は無い。よって、一切認められないとも思える。
しかし、薬物犯罪等の密航性の高い犯罪において、これを認める必要は非常に大きい。
そこで、@事件の重大性A嫌疑の存在B当該証拠の重要性とその取得の必要性C適切な代替手段の不存在
等を考慮し、真にやむを得ないと認められる場合に限り許されると解する。
その際、捜索差押令状によるべきである。尿は身体の一部ではなく、老廃「物」だからである。
また、218Xを類推して、医師による医学的に相当な手段をもってなされなければならないとの条件を付すべきである。

強制採血の可否

身体への侵襲・出血を伴う点で、権利侵害性が大きいから、強制処分である。
もっとも、強制採尿と比較すると、精神的打撃は少ない。
そこで、令状に基づく限り、許容しうる。
そして、採血行為は鑑定としての性質があるが、直接強制のためには身体検査令状が必要である(222T・139)。
そこで、鑑定処分許可状と身体検査令状を併用し無ければならないと解する。

公道での写真撮影・ビデオ撮影

公道では肖像権に対する期待権が大きく減少するので、任意処分と解する。
もっとも、必要かつ相当な限度でのみ許される。

「捜査のため必要があるとき」(39V)の意義(いかなる場合に接見指定できるか)

接見交通権は弁護人依頼権(憲法37V、法30)の実質化の為に重要であるから、
捜査の中断による支障が顕著な場合に限られると解する。

余罪被疑事実を理由とする被告人に対する接見指定

余罪被疑事実について身柄拘束が無ければ、指定の基礎が無いので認められない。
余罪被疑事実につき身柄拘束がある場合、被疑事実については公訴提起前であるから、接見指定は可能である。
もっとも、被告人としての地位にも考慮し、その防御を不当に制限するものであってはならないと解する。

posted by studyweb5 at 19:40| 刑訴法論証 | 更新情報をチェックする


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