2018年08月27日

平成30年予備試験論文式刑事実務基礎参考答案

【答案のコンセプトについて】

1.当サイトでは、一般的な合格答案の傾向として、以下の3つの特徴を示しています。

(1)基本論点を抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範を明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを明示できている。

  もっとも、上記のことが言えるのは、ほとんどの科目が、規範→当てはめの連続で処理できる事例処理型であるためです。近時の刑事実務基礎は、民事実務基礎と同様の出題傾向となっており、事例処理型の問題ではありません。設問の数が多く、(知識さえあれば)それぞれの設問に対する「正解」が比較的明確で、一問一答式の問題に近い。そのため、上記(1)から(3)までを守るというような「書き方」によって合否が分かれる、というようなものではありません。端的に、「正解」を書いたかどうか単純に、それだけで差が付くのです。ですから、刑事実務基礎に関しても、民事実務基礎と同様、成績が悪かったのであれば、それは単純に勉強不足(知識不足)であったと考えてよいでしょう。実務基礎は、民事・刑事に共通して、論文試験の特徴である、「がむしゃらに勉強量を増やしても成績が伸びない。」という現象は、生じにくく、勉強量が素直に成績に反映されやすい科目といえます。

 ただし、民事実務基礎に関しては、主として要件事実を学習すればよいのに対し、刑事実務基礎は、学習しようとしても、なかなかその対象を絞りにくい刑事手続から事実認定まで、対象が幅広いからです。この点が、民事と刑事の重要な差であると思います。そのため、民事のように重点的に勉強しようとしても、なかなか効率的な学習が難しいのです。とはいえ、刑法・刑訴の基本的な知識(ただし、刑訴に関しては、規則等の細かい条文も把握しておく必要があります。)と、刑事事実認定の基本的な考え方(間接事実による推認の仕方、直接証拠型と間接事実型の推認構造の違いなど)を把握していれば、十分合格ラインに達します。ですから、刑事実務基礎に関しては、普段の刑訴の学習の際に、手続の条文を規則まできちんと引くようにする。そして、事実認定に関しては、過去問に出題されたようなものは、しっかりマスターするその程度の対策で、十分なのだろうと思います。

3  以上のようなことから、参考答案は、他の科目ほど特徴的なものとはなっていませんほぼ模範解答のイメージに近いものとなっています。その関係で、被害弁償は犯情となるか一般情状となるかというようなマイナーな論点にも触れています。

 

【参考答案】

第1 設問1

1 「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」(89条4号)の有無は、隠滅の対象・態様、隠滅の客観的・主観的可能性を考慮して判断すべきである。

2 隠滅の対象、態様としては、被害品である鞄・現金の隠匿、W2に対する威迫、Bとの口裏合わせが考えられる。
 被害品である鞄・現金は捜査機関によって押収されておらず、W2はAと1秒ほど目が合い、K駐車場の直ぐ隣の一軒家に住んでおり、BはAの友人であるから、隠滅の客観的可能性がある。Aは犯行を否認しており、主観的可能性がある。

3 以上から、「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」がある。

第2 設問2

1 ①は、316条の15第1項3号の類型に当たる。甲8号証はW2の犯行直後の目撃証言であり、W2が説明する目撃時の人物等の位置関係、現場の照度などを明らかにして客観的状況との符合の程度や視認可能性を吟味することがその証明力を判断するために重要であるから、被告人の防御の準備のために①の開示が必要である。

2 ②は、同項5号ロの類型に当たる。甲8号証は検察官による取調べの時点におけるW2の供述であり、その供述内容が警察官による取調べの時点におけるものとの関係で一貫性を有するかがその証明力を判断するために重要であるから、被告人の防御の準備のために②の開示が必要である。

3 ③は、同項6号の類型に当たる。甲8号証は検察官が取調べ請求した唯一の目撃証言であり、他の目撃者の有無やその供述との整合性がその証明力を判断するために重要であるから、被告人の防御の準備のために③の開示が必要である。

第3 設問3

 現訴因中、「氏名不詳者」を「B」に、「現金200万円在中」を「現金200万円及び本件CD在中」に、それぞれ変更する旨の訴因変更(316条の5第2号、312条1項)、それに対応する証明予定事実の追加・変更(316条の21第1項)、証拠調べ請求の追加(同条2項)である。

第4 設問4

1 小問(1)

 直接証拠とは、犯罪事実を直接推認させる証拠をいい、間接証拠とは、犯罪事実を推認させる事実(間接事実)を推認させる証拠をいう。
 W2の供述は、犯行直後の事実を推認させる証拠である。犯行直後の事実は、犯行当時の犯罪事実を推認させる事実であるから、間接事実である。
 よって、W2の供述は、間接証拠である。

2 小問(2)

 証拠調べ請求をするに当たっては、必要な証拠を厳選することを要する(規則189条の2)ところ、Bの供述は犯罪事実のすべてにわたる直接証拠となり得るのに対し、W2の供述は犯行直後の状況についての間接証拠となり得るにすぎず、また、嫌がらせなどされないか不安である旨を供述しているため、W2を尋問するには、相応の必要性がなければならないからである。

3 小問(3)

 AはBに頼まれて本件カーナビを売却したにすぎないとして犯行を否認しており、BはAと利害の対立する共犯者として、その供述の信用性が争点となることが想定される。そのため、Bの供述の信用性を補強する補助証拠が必要となる。W2は利害関係のない目撃者であるから、Bの供述の信用性は、W2の供述との一致によって補強される。
 よって、W2を尋問する必要がある。

第5 設問5

1 刑事訴訟法上の問題

(1)公判前整理手続終了後に新たに証拠調べ請求をするためには、やむを得ない事由があることを要する(316条の32第1項)。
 領収証がVからBに交付されたのは公判前整理手続終結後であるから、やむを得ない事由がある。

(2)領収証はVの供述書である。その写しについて伝聞法則(320条1項)や最良証拠の法則(310条ただし書参照)の適用はあるか。
 犯情は犯罪事実と密接に関連するから、厳格な証明を要するが、一般情状は非類型的で厳格な証明になじまないから、自由な証明で足りる。
 被害弁償は犯罪事実を構成しない以上、一般情状に属する。したがって、自由な証明で足りる。よって、伝聞法則や最良証拠の法則の適用はない。

2 弁護士倫理上の問題

 Aは犯人性を否認しているから、弁護人が一般情状に力点を置いた防御活動をすることは、依頼者の意思の尊重を定める弁護士職務基本規程22条や、最善の弁護活動に務めるべきことを定める同規程46条に抵触するおそれがある。

以上

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2018年08月25日

平成30年予備試験論文式民事実務基礎参考答案

【答案のコンセプトについて】

1.当サイトでは、一般的な合格答案の傾向として、以下の3つの特徴を示しています。

(1)基本論点を抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範を明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを明示できている。

 もっとも、上記のことが言えるのは、ほとんどの科目が、規範→当てはめの連続で処理できる事例処理型であるためです。民事実務基礎は、そのような事例処理型の問題ではありません。民事実務基礎の特徴は、設問の数が多く、それぞれの設問に対する「正解」が比較的明確で、一問一答式の問題に近いという点にあります。そのため、上記(1)から(3)までを守るというような「書き方」によって合否が分かれる、というようなものにはなっていません。端的に、「正解」を書いたかどうか単純に、それだけで差が付くのです。ですから、民事実務基礎に関しては、成績が悪かったのであれば、それは単純に勉強不足であったと考えてよいでしょう。その意味では、論文試験の特徴である、「がむしゃらに勉強量を増やしても成績が伸びない。」という現象は、民事実務基礎に関しては、生じにくい。逆に言えば、勉強量が素直に成績に反映されやすい科目ということができるでしょう。

2  以上のようなことから、参考答案は、他の科目のような特徴的なものとはなっていませんほぼ模範解答のイメージに近いものとなっています。

 

【参考答案】

第1 設問1

1 小問(1)

(1)法的手段

 XのYに対する貸金返還請求権を被保全債権とするYのAに対する代金債権の仮差押命令の申立て(民保2条1項、20条1項)

(2)講じなかった場合の問題

 仮差押命令がAに送達されると、Yに対する処分禁止効とAに対する弁済禁止効が生じる(民保50条1項、5項、民執145条4項、民法481条1項)。これを講じなかった場合には、YがAに対する代金債権を譲渡したり、AがYに弁済したときに、Xはその債権から回収することができない。

2 小問(2)

 消費貸借契約に基づく貸金返還請求権及び履行遅滞に基づく損害賠償請求権

3 小問(3)

 被告は、原告に対し、100万円及びこれに対する平成28年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

4 小問(4)

 Xは、Yに対し、平成27年9月15日、100万円を、平成28年9月30日を支払期日として、貸し付けた。
 平成28年9月30日は経過した。

第2 設問2

1 小問(1)

 平成28年9月30日、請求原因の貸金債務の履行として、100万円を支払った。

2 小問(2)

(1)(i)

 アの売買契約に基づく代金債権をもって、請求原因の貸金債権とその対当額について相殺する旨の意思表示をした。

(2)(ii)

 必要である。アの主張によって同時履行の抗弁権の存在が明らかとなることから、その存在効果を障害・消滅させる事実を抗弁において主張する必要があるからである。

第3 設問3

 本件カメラの売買代金についての消滅時効は平成29年10月1日に完成する(民法166条1項、167条1項)ところ、それ以前の平成28年9月30日に相殺適状(同法505条1項)となっており、相殺の効果の発生を障害することができない(同法508条)からである。

第4 設問4

1(1)預金通帳は、第三者である銀行が業務として作成し、入出金があるごとに機械的に記載されるから、その記載内容は信用できる。本件通帳の成立に争いはない。したがって、Yが、平成28年9月28日と同月29日にそれぞれ現金50万円を引き出した事実を認定できる。
 また、同月30日にXYが会って食事をした事実につき、XY供述が一致するから、これを認定できる。
 以上の各事実は、「平成28年9月30日に、Xと会って、レストランで食事をおごるとともに、前々日と前日に銀行預金口座から引き出しておいた合計100万円をXに渡しました。」とするY供述と整合する。

(2)住民票は公文書である以上、その記載内容は信用できる。本件住民票の成立に争いはない。したがって、Yが、平成29年8月31日に現在の住所に移転した事実を認定できる。
 上記事実は、「私は、平成29年8月31日に現在の住所に引っ越したのですが…その引っ越しの際に…領収書を処分してしまった」とするY供述と整合する。

(3)平成29年9月半ば頃、同窓会の経理につき、Xが他の幹事たちの面前でYから指摘を受けた事実につき、XY供述は一致するから、これを認定できる。
 上記事実は、「Xは、私を恨みに思っているようでした。そのようなこともあって、同年10月に…請求し始めたのだと思います。」とするY供述と整合する。

2 Xは、「色々と忙しかったので、私が初めてYにお金の返済を求めたのは、平成29年10月だったと思います。」と供述する。しかし、前記1(1)のとおり、返済期日である平成28年9月30日にXYが食事をした事実が認められるところ、この時にYに返済を求めなかった理由が何ら示されていない。

3 以上のとおり、Y供述は他の認定事実と整合し、矛盾がないのに対し、X供述は返済期日にYに会ったのに返済を求めていない点で不合理である。

4 よって、弁済の抗弁事実が認められる。

以上

posted by studyweb5 at 20:39| 予備試験論文式過去問関係 | 更新情報をチェックする

2018年08月22日

平成30年予備試験論文文刑訴法参考答案

【答案のコンセプトについて】

1 予備試験の論文式試験において、合格ラインに達するための要件は、司法試験と同様、概ね

(1)基本論点抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを摘示できている。

という3つです。とりわけ、(2)と(3)に、異常な配点がある。(1)は、これができないと必然的に(2)と(3)を落とすことになるので、必要になってくるという関係にあります。応用論点を拾ったり、趣旨や本質論からの論述、当てはめの事実に対する評価というようなものは、上記の配点をすべて取ったという前提の下で、上位合格者のレベルに達するために必要となる程度の配点があるに過ぎません。

2 ところが、法科大学院や予備校では、「応用論点に食らいつくのが大事ですよ。」、「必ず趣旨・本質に遡ってください。」、「事実は単に書き写すだけじゃダメですよ。必ず自分の言葉で評価してください。」などと指導されます。これは、必ずしも間違った指導ではありません。上記の(1)から(3)までを当然にクリアできる人が、さらなる上位の得点を取るためには、必要なことだからです。現に、よく受験生の間に出回る超上位の再現答案には、応用、趣旨・本質、事実の評価まで幅広く書いてあります。しかし、これを真似しようとするとき、自分が書くことのできる文字数というものを考える必要があるのです。
 上記の(1)から(3)までを書くだけでも、通常は3頁程度の紙幅を要します。ほとんどの人は、これで精一杯です。これ以上は、物理的に書けない。さらに上位の得点を取るために、応用論点に触れ、趣旨・本質に遡って論証し、事実に評価を付そうとすると、必然的に4頁後半まで書くことが必要になります。上位の点を取る合格者は、正常な人からみると常軌を逸したような文字の書き方、日本語の崩し方によって、驚異的な速度を実現し、1行35文字以上のペースで4頁を書きますが、普通の考え方・発想に立つ限り、なかなか真似はできないことです。
 文字を書く速度が普通の人が、上記の指導や上位答案を参考にして、応用論点を書こうとしたり、趣旨・本質に遡ったり、いちいち事実に評価を付していたりしたら、どうなるか。必然的に、時間不足に陥ってしまいます。とりわけ、上記の指導や上位答案を参考にし過ぎるあまり、これらの点こそが合格に必要であり、その他のことは重要ではない、と誤解してしまうと、上記の(1)から(3)まで、とりわけ(2)と(3)を省略して、応用、趣旨・本質、事実の評価を書きにいってしまう。これは、配点が極端に高いところを書かずに、配点の低いところを書こうとすることを意味しますから、当然極めて受かりにくくなるというわけです。

3 上記のことを理解した上で、上記(1)から(3)までに絞って答案を書こうとする場合、困ることが1つあります。それは、純粋に上記(1)から(3)までに絞って書いた答案というものが、ほとんど公表されていないということです。上位答案はあまりにも全部書けていて参考にならないし、合否ギリギリの答案には上記2で示したとおりの状況に陥ってしまった答案が多く、無理に応用、趣旨・本質、事実の評価を書きにいって得点を落としたとみられる部分を含んでいるので、これも参考になりにくいのです。そこで、純粋に上記(1)から(3)だけを記述したような参考答案を作れば、それはとても参考になるのではないか、ということを考えました。下記の参考答案は、このようなコンセプトに基づいています。

4 参考答案中の太字強調部分は、「司法試験定義趣旨論証集刑訴法」及び「司法試験平成29年最新判例ノート」の付録の論証集に準拠した部分です。

 

【参考答案】

第1 設問1

1 ①②は、職務質問に付随してされた。職務質問をするには、不審事由(警職法2条1項)を要する。
 午前3時頃、凶器を使用した強盗等犯罪が多発しているH県I市J町において、路地にたたずんでいた甲が、Pと目が合うや、急に慌てた様子で走り出した。したがって、不審事由がある。

2 所持品検査は、口頭による質問と密接に関連し、かつ、職務質問の効果をあげる上で必要性、有効性の認められる行為であるから、同項による職務質問に付随してこれを行うことができる場合がある(米子強盗事件判例参照)。もっとも、職務質問は任意の手段のみ許される(同条3項参照)。強制処分としての捜索(218条1項)に当たる行為をすることは許されない。強制処分とは、個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものをいう(GPS捜査事件判例参照)

(1)①は、立ち去ろうとした甲に対し、「服の上から触らせてもらうよ。」と言った上で、そのシャツの上からへそ付近を右手で触った程度であり、甲の明示の拒絶はない。そうである以上、甲の意思を制圧したとはいえず、憲法の保障する重要な法的利益を侵害するともいえない。したがって、強制処分としての捜索とはいえない。

(2)他方、②は、甲が「嫌だ。」と言って、腹部を両手で押さえたにもかかわらず、Qが、背後から甲を羽交い締めにして甲の両腕を腹部から引き離すとともに、Pが、甲のシャツの中に手を差し入れて、ズボンのウエスト部分に挟まれていた物を取り出したもので、明示の拒絶をした甲の意思を制圧し、「所持品について…捜索及び押収を受けることのない権利」(憲法35条1項)を侵害するものといえる。したがって、強制処分としての捜索に当たり、違法である。

3 ①につき、甲の明示の承諾はない。所持品検査は、任意手段である職務質問の付随行為として許容されるのであるから、所持人の承諾を得て行うのが原則であるが、承諾がない場合であっても、所持品検査の必要性、緊急性、これによって害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況の下で相当と認められる限度で許容される(米子強盗事件判例参照)
 ①がされたのは午前3時頃であり、その場所では凶器を使用した強盗等犯罪が多発していた。甲のシャツのへそ付近が不自然に膨らんでいた。甲は、Pの質問に何も答えずにPらを押しのけて歩き出した。そのとき、Pは、右手に何か固い物が触れた感覚があったことから、甲が服の下に凶器等の危険物を隠している可能性があると考えた。以上のような必要性、緊急性を考慮すると、甲のシャツの上からへそ付近を右手で触った程度の行為は、具体的状況の下で相当と認められる。
 以上から、①は適法な所持品検査である。

4 よって、①は適法であるが、②は違法である。

第2 設問2

1 本件覚せい剤は現行犯逮捕に伴って差し押さえられた(220条1項2号)が、直接には②により収集されたものであり、②は違法である。証拠の収集手続に、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり(違法の重大性)、これを証拠として許容することが将来における違法捜査の抑制の見地から相当でない(排除相当性)と認められる場合には、その証拠能力は否定される(大阪天王寺覚醒剤所持事件判例参照)

2 前記第1の2(2)のとおり、②は強制処分としての捜索に当たるものとして違法とされた以上、令状主義の精神を没却するような重大な違法がある。
 確かに、Pは規制薬物等犯罪に関わる物を隠し持っている可能性があると考えた。しかし、①②は午前3時頃に、凶器を使用した強盗等犯罪が多発している場所においてされた職務質問に付随するものであるが、①がされた時には、Pは、甲が服の下に凶器等の危険物を隠している可能性があると考えていたが、②がされた時には、①の際の感触から、凶器の可能性は低いと考えていた。②は、甲が「嫌だ。」と言って腹部を両手で押さえ、明示の拒絶の意思を示したにもかかわらず、これを無視して行われた。そうである以上、本件覚せい剤を証拠として許容することは将来における違法捜査の抑制の見地から相当でない。

3 よって、本件覚せい剤の証拠能力は認められない。

以上

posted by studyweb5 at 13:20| 予備試験論文式過去問関係 | 更新情報をチェックする


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