2019年02月04日

「司法試験平成30年最新判例ノート」を発売しました

 Amazonより、「司法試験平成30年最新判例ノート」を発売しました。
 本書はKindle用電子書籍ですが、Kindle以外の端末やPCからも、下記の無料アプリを使って利用できます。

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【本書の概要】

 本書は、平成30年に出された最高裁判例のうち、司法試験対策上重要と考えられるものを掲載したものです。

1 最新判例を学習する意味は、概ね以下の2つです。
 1つは、短答の知識としての意味です。最新判例の判示内容を問う肢が出題された場合には、その場で考えて正解できることもないわけではありませんが、基本的には知っているかどうかで差が付きます。もっとも、短答試験は問題数が多いため、1つの肢が分からない程度で合否に大きく影響することはありません。ですから、短答対策として最新判例を学習する必要性は、それほど高くないといえるでしょう。とはいえ、一度軽く目を通しておけば、それだけで正誤の判断が容易になる場合もありますから、軽く一読する程度の学習は、費用対効果という面で、それなりに意味のあることだろうと思います。
 もう1つの意味は、論文における問題の所在を把握するヒントとしての意味です。論文試験では、最新判例の事案と類似していたり、共通の問題意識が背景となっているような出題がされることがあります。例えば、平成28年司法試験の刑事系第2問では、最決平27・5・25と類似の事案が出題され、同判例が判示した論点が直接に問われています。

 

(最決平27・5・25より引用。太字強調は筆者。)

 「公判前整理手続は、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため、事件の争点及び証拠を整理する手続であり、訴訟関係人は、その実施に関して協力する義務を負う上、被告人又は弁護人は、刑訴法316条の17第1項所定の主張明示義務を負うのであるから、公判期日においてすることを予定している主張があるにもかかわらず、これを明示しないということは許されない。こうしてみると、公判前整理手続終了後の新たな主張を制限する規定はなく、公判期日で新たな主張に沿った被告人の供述を当然に制限できるとは解し得ないものの、公判前整理手続における被告人又は弁護人の予定主張の明示状況(裁判所の求釈明に対する釈明の状況を含む。)、新たな主張がされるに至った経緯、新たな主張の内容等の諸般の事情を総合的に考慮し、前記主張明示義務に違反したものと認められ、かつ、公判前整理手続で明示されなかった主張に関して被告人の供述を求める行為(質問)やこれに応じた被告人の供述を許すことが、公判前整理手続を行った意味を失わせるものと認められる場合(例えば、公判前整理手続において、裁判所の求釈明にもかかわらず、「アリバイの主張をする予定である。具体的内容は被告人質問において明らかにする。」という限度でしか主張を明示しなかったような場合)には、新たな主張に係る事項の重要性等も踏まえた上で、公判期日でその具体的内容に関する質問や被告人の供述が、刑訴法295条1項により制限されることがあり得るというべきである。」

(引用終わり)

(平成28年司法試験論文式試験出題の趣旨より引用。太字強調は筆者。)

 「本設問に関連し、公判前整理手続で明示されたアリバイ主張に関し、その内容を更に具体化する被告人質問等を刑事訴訟法第295条第1項により制限することの可否について判示した最高裁判所決定がある(最二決平成27年5月25日刑集69巻4号636頁)。本設問の解答に当たっては、同決定を踏まえた論述まで求めるものではないが、被告人及び弁護人には、公判前整理手続終了後における主張制限の規定が置かれておらず、新たな主張に沿った被告人の供述を当然に制限することはできないことに留意しつつ、公判前整理手続の趣旨に遡り、被告人質問を制限できる場合に関する自説を論じた上、本設問における公判前整理手続の経過及び結果並びに乙が公判期日で供述しようとした内容を抽出・指摘しながら、当てはめを行う必要がある。」

 (引用終わり)

 

 上記の出題の趣旨では、「同決定を踏まえた論述まで求めるものではないが」とされていますが、その後に続く内容は、判例の判示内容と重なっています。事前に判例を一読していたか、そうでなかったかというだけで、どのような観点から規範を定立すべきなのか、どの事実に着目すべきなのか等の点について、現場での把握の容易さが大きく違うでしょう。
 最新判例と類似の事案が出題された場合、既存の知識を使って適切な解答にたどり着くことは不可能ではありませんが、判例を知らないと問題の所在を的確に把握できず、的外れな論述になってしまうおそれがあります。上記の例でいえば、現場で確認可能な情報は、刑訴法295条1項ですが、これは以下のような条文です。

(刑訴法295条1項)
 裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても同様である。

 上記の判例を知らないと、普通はこの条文の文言に素直に当てはめようとするでしょう。そうなると、「訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき」に当たるか、「事件に関係のない事項にわたるとき」に当たるか、「その他相当でないとき」に当たるか、「訴訟関係人の本質的な権利を害しない」といえるか、等を羅列的に当てはめるような答案になってしまいます。これでは、出題の趣旨に沿った解答にはなりません。判例を知っているか、知らないかということは、とても大きいのです。
 注意したいのは、平成28年の司法試験で、平成27年の判例が出題されている、ということです。これは、本書に収録した平成30年の判例との関係でいえば、平成31年の司法試験で出題されてもおかしくない、ということを示しています。論文は設問の数が少ないですから、ある設問で問題意識を大きく外してしまうと、予定された配点を丸々落としてしまい、合否に大きく影響することになります。入り口の問題把握を誤って、出題意図と全く関係のない論述に終始してしまうというのは、不合格答案の典型例です。これを避けるために、最新判例を学習するのです。この意味において、最新判例を学習する必要性はそれなりに高い、ということができると思います。他方で、最新判例については、ほとんどの場合、既存の重要判例とは異なり、厳密に規範を覚えたり、射程範囲を理解するところまでは必要ではありません。重要なことは、上記のような論述の入り口を把握できずに、問題意識を大きく外して的外れな論述になるという事態を避けるということです。その程度のレベルであれば、一度軽く目を通し、一応の理解をする程度で足ります。この程度のことをやっているだけでも、問題の所在の把握の容易さは大きく変わります。このことは、本試験の現場で、限られた時間の中において答案構成をするときに、大きな差となって表れてくるでしょう。
 本書では、上記のような観点から、試験前に一度は目を通しておくとよいだろうと思われる判例に絞って収録しました。
 憲法3、行政法2、民法5、民訴法1、刑法5、刑訴法2の合計18の判例を収録しています。商法については、収録すべき判例がありませんでした。
 各判例には、重要度に応じてAAからCまでのランクを付しました。ただし、今年はAAに該当するものはありません。

2 司法試験対策として判例を学習する場合には、原文に当たるのが基本です。特に最新判例については、何よりもまず、どのような事案でどのような判示がされたのか、ということ自体を把握することが重要です。それが従来の学説の理解との関係でどのように位置付けられるか、射程範囲はどうか、等については、学者の間で議論がまとまるまで、一定の時間を要するからです。すなわち、「とにかくそんな判例がある。」ことを知っておくことが重要だ、ということです。最新判例を出題する側の立場になって考えてみればわかることですが、短答で正誤を問うにしても、学説の理解が定まっていない状況では、原文と照らし合わせて容易に正誤が分かるものしか出せません。論文で出題するにしても、その判例の射程について学説の理解が定まっていない状況では、出せる事案の幅に限界があるのです。ですから、学者の評釈などはあまり気にせずに、原文を軽く一読しておく、というのが、前記の最新判例を学習する意義との関係でも有益です。その意味では、市販の判例集は、学者の評釈部分が長すぎる反面で、肝心の判旨部分が短すぎる傾向があるように感じます。
 そこで、本書では、原文を要約することなく、そのまま掲載することを基本としています。もっとも、Kindle用書籍ということを考慮し、できる限りコンパクトにまとめるよう努力しました。その関係で、収録するのは多数意見の重要部分に限るものとし、個別意見の収録は見送りました。事案についても、判旨の理解に不要な場合は、掲載を省いたり、簡略化したものを掲載しました。 

3 市販の判例集を読んで挫折する要因の1つに、細部に目が行ってしまうということがあります。判例の事案や判旨には、「被上告人は、○県○市○町(○年に行われた合併により、現在は○市)の…であり、…であったところ、○年○月○日に…(なお、…は…であり、…とされたものである。)」など、判旨の本質的理解に必ずしも必要のない細かい部分の記述が含まれています。これは、内容の正確性、特定性を確保するために必要な記述です。しかし、そのような記述があるために、何度読んでも事案の概要や判旨が頭に入って来ず、挫折してしまう、ということが起きるのです。しかし、だからといって、安易に要約をしてしまうのは、原文を学習するという前記の意義が薄れてしまいますし、詳細が気になった場合には、かえって困ることになります。そこで、本書では、骨格読み(スケルトンリーディング)の手法を用い、基本的に原文をそのまま掲載しつつ、本質的理解に必要な部分を太字とし、太字部分だけを繋いで目を通せば、概要をつかめるようにしています。まずは太字部分だけに目を通し、詳細が気になった場合に、前後を注意して読み直すと、効率良く理解できるでしょう。

4 判例を学習する際、ただ漫然と目を通しても頭に入ってこない、という人が多いと思います。与えられた文字を読む場合には、どうしても脳は受動的となり、活発に働かなくなるからです。これに対し、質問に対する答えを考える場合には、脳は解答を探そうと活発に働きます。そのため、急に理解が進むようになるのです。
 そこで、本書では、各判例の理解のポイントとなる部分について、末尾に一問一答形式のチェックテストを付けています。スマホやタブレット端末での操作になじむよう、問題の次のページに解答に対応する判示部分を再掲しています。直前に見たばかりの判旨でも、チェックテストで指摘されたポイントを意識していないと、頭に入っていないことに気が付くと思います。同時に、特定のポイントを意識して解答を考えてから同じ判旨をみると、見え方が違うことにも気が付くでしょう。

5 論文対策として、多くの人が準備しているのが、論証です。論文試験は、時間との戦いです。論証は、試験の現場で表現ぶり等に悩むことなく書けるように事前に準備しておくことによって、貴重な時間を節約するためのものです。最新判例の論証は、必須とまではいえませんが、あると便利であることも確かです。そこで、本書の末尾には、付録として、論証化して整理しておくと論文で役に立つと思われる判例について、判旨を論証化した論証例集を収録しました。 

6 なお、本書では、判決・決定のいずれにおいても、「判旨」と表記しています。「裁判所の判断の要旨」ないしは「裁判要旨」の略称と考えておけばよいでしょう。市販されている判例集の中には、決定の場合に「決旨」と表記するものがあります。これは、「判旨」とは判決の要旨を、「決旨」とは決定の要旨を指すと理解しているからです。しかし、そのような使い分けに意味があるとは思われません。決定のときに限って、判例を「決例」としたり、判示を「決示」などとしないのと同様です。最高裁のHPでも、「裁判要旨」の表記が用いられています。 

7 本書が、受験生の方々の最新判例の学習に少しでも役立てば幸いです。

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明らかに憲法違反の検閲ではないか 三重・伊勢市展、慰安婦像含む作品が展示不許可に
物権 -- エッセンシャル民法2 第2版 (有斐閣ブックス)
辺野古関与取り消し訴訟 沖縄県、最高裁へ上告
在日コリアン弁護士の勝訴確定=ネット呼応、大量の懲戒請求-最高裁
「懲戒請求は差別」確定 在日コリアン弁護士勝訴 最高裁
面白いほど理解できる民法 第4版 (W(WASEDA)セミナー)
【京アニ放火】中津川女子中学生殺害事件の遺族「真実を伝えることが名誉回復」
神戸・加害教員の給与差し止めは「世論に流されすぎ」 悪しき先例となる恐れ
スタートアップ民法・民法総則 (伊藤真試験対策講座 1)
支援者ら「多重債務 被害根絶を」 「秩父事件」の椋神社で決起
N国の危険な戦術、その先にあるもの
新注釈民法(19) -- 相続(1) 882条~959条
「ガラケー女」デマ拡散、提訴した女性側が和解拒否
ウィンカー出さない「名古屋走り」、そもそも違法じゃないの?
家事法の理論・実務・判例3
【話の肖像画】元厚生労働事務次官・村木厚子(63)
娘に性行為、一審無罪の父親に検察側は事実誤認主張
物権変動の法的構造
バイト先店長と不倫、女子大生の深い後悔「お金がなくて慰謝料を支払えません」
警察官が道交法を誤解し誤認逮捕 検察の問い合わせで判明 愛知
債権各論 下巻 民法講義Ⅴ4 (岩波オンデマンドブックス)
目黒虐待、父の実刑確定 検察と弁護側控訴せず
森友学園事件、籠池夫妻にいずれも懲役7年求刑 検察「大幅に工事費水増し」 大阪地裁
改正相続法と家庭裁判所の実務
名神玉突き事故 検察側、トラック運転手に禁固6年求刑 大津地裁
元KAT-TUN田口淳之介・大麻ガサ入れ動画流出
第4版 要件事実民法 (8)相続<補訂版>
座間9遺体、初公判めど立たず=白石被告、責任能力争点か-30日で発覚から2年
習近平首席がブロックチェーン注力を呼びかけ、「監視強化」批判も
コア・ゼミナール民法 2 物権法・担保物権法 (ライブラリ民法コア・ゼミナール 2)
韓国初のラブドール批判学術論文「女性の身体を掌握する意志」
政局展望「首都特別地域政府のマリファナ「解禁」」 (豪州)
民法Ⅱ -- 物権 第4版補訂 (有斐閣Sシリーズ)
徴用工判決から1年 被害者たちが、韓国政府に対して“反撃”を始めた
元徴用工ら、判決履行を要求=釜山に「抗日通り」看板-韓国
星野英一 パリ大学日記―1956年10月~1958年9月
反民主的な「取材封鎖」訓令、直ちに廃止し謝罪すべきだ
「検察記者は書き取ることだけせよ」…これが民主政府なのか=韓国
18歳からはじめる民法〔第4版〕 (From18)
会社法の一部を改正する法律案
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案
民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

刑事訴訟法等の一部を改正する法律について
法曹養成制度関係閣僚会議
法曹養成制度改革の推進について(PDF)
法曹養成制度改革推進会議
法曹養成制度改革顧問会議
令和元年司法試験予備試験の結果について
令和元年司法試験の結果について
司法試験考査委員の不適切行為に関する通報窓口

  【司法研修所教材・講義案・調査官解説等】
事件記録教材 法科大学院教材
調査官解説
事例で考える民事事実認定
プラクティス刑事裁判 平成30年版
プロシーディングス刑事裁判 平成30年版
検察講義案 平成27年版
新問題研究要件事実
紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂
刑事第一審公判手続の概要
刑事判決書起案の手引
民事判決起案の手引
民事訴訟第一審手続の解説
情況証拠の観点から見た事実認定
民事訴訟における要件事実 第2巻
民事訴訟における要件事実 増補 第1巻
書記官研修講義案等