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2016年05月28日

平成28年司法試験論文式民事系第2問参考答案

【答案のコンセプトについて】

1.司法試験の論文式試験において、現在の合格ラインである「一応の水準の真ん中」に達するための要件は概ね

(1)基本論点を抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範を明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを明示できている。

という3つです。応用論点を拾ったり、趣旨や本質論からの論述、当てはめの事実に対する評価というようなものは、上記が当然にできているという前提の下で、優秀・良好のレベルに達するために必要となる場合があるに過ぎないのです。
 にもかかわらず、多くの人が、上記優秀・良好レベルの事柄を過度に重視しているように思います。現場思考で応用論点を拾いに行ったり、趣旨や本質から論じようとしたり、事実に丁寧に評価を付そうと努力するあまり、基本論点を落としてしまったり、規範を正確に示すことを怠っていきなり当てはめようとしたり、問題文中の事実をきちんと摘示することを怠ってしまい、結果として不良の水準に落ちてしまっているというのが現状です。

2.その原因としては、多くの人が参考にする出題趣旨や採点実感等に関する意見の多くの記述が、実は優秀・良好レベルの話であって、一応の水準のレベルは当たり前過ぎるので省略されてしまっていること、あまりにも上位過ぎる再現答案を参考にしようとしてしまっていることがあると思います。
 とはいえ、合格ラインギリギリの人の再現答案には、解答に不要なことや誤った記述などが散見されるため、参考にすることが難しいというのも事実です。そこで、純粋に上記(1)から(3)だけを記述したような参考答案を作ってみてはどうか、ということを考えました。

3.今回、掲載する参考答案は、上記のようなコンセプトに基づいています。「本問で基本論点はどれですか」と問えば、多くの人が指摘できるでしょう。「その論点について解決するための規範は何ですか」と問えば、事前にきちんと準備している人であれば、多くの人が答えられるでしょう。「その規範に当てはまる事実は問題文中のどこですか、マーカーを引いてみてください」と問えば、多くの人が正確に示すことができるものです。下記の参考答案は、いわば、それを繋ぎ合わせただけの答案です。
 それなりの実力のある人が見ると、「何だ肝心なことが書いてないじゃないか」、「一言評価を足せば良い答案になるのに」と思うでしょう。優秀・良好レベルの答案を書いて合格できる人は、それでよいのです。しかし、合格答案を書けない人は、むしろ、「肝心なこと」を書こうとするあまり、最低限必要な基本論点、規範、事実の摘示を怠ってしまっているという点に気付くべきでしょう。普段の勉強で規範を覚えるのは、ある意味つまらない作業です。本試験の現場で、事実を問題文から丁寧に引用して答案に書き写すのは、バカバカしいとも思える作業です。しかし、そういう一見するとどうでもよさそうなことが、合否を分けているのが現実なのです。規範が正確でないと、明らかに損をしています。また、事実を引いているつもりでも、雑に要約してしまっているために、問題文のどの事実を拾っているのか不明であったり、事実を基礎にしないでいきなり評価から入っているように読める答案が多いのです。そういう答案を書いている人は、自分はきちんと書いたつもりになっているのに、点が伸びない。そういう結果になってしまっています。
 今回の参考答案は、やや極端な形で、大前提として抑えなければならない水準を示しています。合格するには、この程度なら確実に書ける、という実力をつけなければなりません。そのためには、規範を正確に覚える必要があるとともに、当てはめの事実を丁寧に摘示する筆力を身につける必要があるでしょう。これは、普段の学習で鍛えていくことになります。
 この水準をクリアした上で、さらに問題文の引用を上手に要約しつつ、応用論点にコンパクトに触れたり、趣旨・本質に遡って論述したり、当てはめの評価を足すことができれば、さらに優秀・良好のレベルが狙えるでしょう。

4.商法は、これまでの傾向どおり、多論点型でした。ただ、従来よりも論点の数が多いという印象です。商法(会社法)の特徴は、多くの論点が既知の論点であり、事前準備が可能だということです。たくさんの論点の規範を知っているだけで、単純に有利になる。当サイト作成の「司法試験定義趣旨論証集(会社法)」において、幅広い論点を収録したのは、そのような趣旨によるものです。今回は、そのことを示すため、上記(1)にかかわらず、「司法試験定義趣旨論証集(会社法)」に収録した論点については、幅広く拾うこととしました。参考答案中の太字強調部分が、「司法試験定義趣旨論証集(会社法)」に準拠した部分です。

 

【参考答案】

第1.設問1

1.小問(1)

(1) 招集通知に議題が記載されていなかった点は適法か。
 会社法上、取締役会の招集通知に議題の記載は要求されていない(368条1項、299条4項、298条1項2号対照)。また、取締役会では迅速かつ柔軟な意思決定が必要かつ可能であるから、招集通知記載の議題以外の事項を議決することができる
 従って、招集通知に議題が記載されていなかった点は適法である。

(2)Aに対する招集通知を欠くことにより、決議は無効とならないか。
 一部の取締役に対する招集通知を欠く取締役会決議は、その取締役が出席してもなお決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情がある場合を除き、無効である(小河内観光開発事件判例参照)
 本件では、賛成3名、反対2名の賛成多数により可決されたが、Aが出席してもなお決議の結果に影響がないといえるか。Aが特別利害関係取締役(369条2項)に当たるかを検討する。

ア.特別利害関係取締役とは、忠実義務違反をもたらすおそれのある会社利益と衝突する個人的利害関係を有する取締役をいう代表取締役解職の議案は、当該代表取締役の職務執行が会社利益を害するとして提出されるのが一般であるから、当該代表取締役は、忠実義務違反をもたらすおそれのある会社利益と衝突する個人的利害関係を有するといえる。従って、当該代表取締役は特別利害関係取締役に当たる(日東澱粉化学事件判例参照)
 本件で、決議はAを代表取締役から解職する旨の議案に係るものであるから、Aは特別利害関係取締役に当たる。

イ.また、369条2項の趣旨は不当な影響力の行使を排除する点にあるから、特別利害関係取締役は、取締役会が特に許した場合を除き、当該議案の審議に参加することは許されない

ウ.そうである以上、Aが出席してもなお決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情がある。

(3)よって、臨時取締役会決議は、有効である。

2.小問(2)

 Aの報酬の額を減額する旨の定例取締役会決議は有効か。

(1)取締役の報酬額が具体的に定められた場合には、その報酬額は、会社と取締役間の契約内容となり、契約当事者である会社と取締役の双方を拘束するから、その後株主総会決議によって報酬額を変更する決議をしたとしても、当該取締役は、これに同意しない限り、報酬請求権を失わない。このことは、取締役の職務内容に著しい変更があり、それを前提に株主総会決議がされた場合であっても異ならない(協立倉庫事件判例参照)。上記判例の趣旨は、株主総会の委任により取締役会が具体的報酬額を決定する場合にも妥当する。
 もっとも、役職が報酬額決定の基準となっており、役職の変更に連動して報酬額が変更される場合には、当該取締役の黙示の同意があったといえるから、報酬額が具体的に定められた後であっても、会社は、役職の変更を理由に当該取締役の報酬を減額することができる(三越事件参照)

(2)本件で、甲社においては、取締役の報酬等の額について、役職ごとに一定額が定められ、これに従った運用がされていたから、役職が報酬額決定の基準となっており、役職の変更に連動して報酬額が変更される場合といえる。そして、上記運用に従えば、Aの報酬の額は月額50万円となるから、甲社は、Aの報酬の額を月額50万円まで減額することができる。
 以上から、Aの報酬の額を月額20万円に減額する旨の定例取締役会決議は、月額50万円に減額する限度で有効である。

(3)よって、Aは、甲社に対し、月額50万円の報酬を請求することができる。

第2.設問2

1.小問(1)

(1)株主総会の決議によって解任された取締役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる(339条2項)。
 本件で、解任の理由は海外事業の失敗とされている。確かに、Aが事業の拡大のために海外展開を行う旨を主張し、甲社は事業の海外展開をしたが、この海外事業は売上げが伸びずに低迷し、甲社は3年余りでこの海外事業から撤退した。しかし、Aは、事業の海外展開を行うために必要かつ十分な調査を行い、その調査結果に基づき、事業の海外展開を行うリスクも適切に評価して、取締役会において、事業の拡大のために海外展開を行う旨の議案を提出し、賛成多数による可決を得ている。甲社は、この取締役会の決定に基づき事業の海外展開をしたものである。そうである以上、Aの解任について正当な理由があるとはいえない。

(2)正当な理由のない解任による損害賠償請求は、故意・過失を必要としない法定責任であり、賠償の対象となる損害は、解任されなければ任期満了時までに得られたであろう所得の喪失である(裁判例)
 本件で、Aの取締役としての任期は8年残っていたから、賠償の対象となる損害は、任期満了時までの月額50万円の報酬の8年分である4800万円である。

(3)よって、甲社は、Aに対し、4800万円の損害について損害賠償責任を負う。

2.小問(2)

(1)@について

 Bは、甲社の発行済株式及び総株主の議決権の20%を保有している(854条1項1号、2号、同条2項)から、定時株主総会の日から30日以内(同条1項柱書)に、甲社及びAを被告(855条)として、甲社の本店の所在地を管轄する地方裁判所(856条)に訴え(854条1項柱書)を提起すべきである。

(2)Aについて

ア.「職務の執行に関し」(854条1項柱書)とは、職務執行及びその遂行に直接・間接に関連するものをいう
 本件で、Aが多額の会社資金を流用していたことは、職務執行の遂行に間接に関連するから、「職務の執行に関し」に当たる。

イ.「不正の行為」(同柱書)とは、役員の義務に違反して会社に損害を生じさせる故意の行為をいう
 本件で、Aが多額の会社資金を流用していたことは、取締役の義務に違反して会社に損害を生じさせる故意の行為であるから、「不正の行為」に当たる。

ウ.「あったにもかかわらず」(同柱書)とされた趣旨は、解任事由の存在を前提に株主総会で解任の是非を審議する機会を与える点にあると考えられるから、解任を否決する株主総会の後に発生又は判明した事由は解任事由には当たらない
 本件で、定時株主総会の招集通知が発せられた後、Aが多額の会社資金を流用していたことが明らかとなったから、解任を否決する株主総会の後に発生又は判明した事由ではない。従って、「あったにもかかわらず」に当たる。

エ.株主総会での審議の機会は一応与えられたといえること、対象役員が自派の株主らを欠席させて流会させる場合があり得ることからすれば、定足数未達流会の場合も「否決されたとき」に当たる
 本件で、定時株主総会が定足数を満たさず、流会となったことは、「否決されたとき」に当たる。

オ.よって、Bの解任請求は、認められる。

第3.設問3

1.@について

 Cは、甲社に対して任務懈怠責任(423条1項)を負うか。

(1)任務懈怠責任が発生するためには、任務懈怠、故意・過失(428条1項反対解釈)、損害の発生、損害との因果関係が必要である

(2)「任務を怠った」(423条1項)とは、法令又は定款に違反したことをいう。本件で、Cは、善管注意義務(330条、民法644条)の内容としてリスク管理体制構築義務を負うところ、Eの不正行為を防止できなかった点にリスク管理体制構築義務違反は認められるか。
 従業員による不正行為がなされた場合において、通常想定される不正行為を防止し得る程度の管理体制が整えられており、当該不正行為が通常容易に想定し難い方法によるものであったときは、代表取締役において当該不正行為の発生を予見すべきであったという特別な事情がない限り、リスク管理体制構築義務違反があるとはいえない(日本システム技術事件判例参照)
 本件で、甲社の取締役会は「内部統制システム構築の基本方針」を決定しており(362条4項6号、同条5項参照)、甲社は、これに従い、法務・コンプライアンス部門を設け、内部通報制度を設けたり、役員及び従業員向けのコンプライアンス研修を定期的に実施するなどして、法令遵守に向けた取組を実施し、下請業者との癒着を防止するため、同規模かつ同業種の上場会社と同等の社内規則を制定しており、これに従った体制を整備し、運用していたから、通常想定される不正行為を防止し得る程度の管理体制が整えられていた。また、Eは、形式上、工事を3つに分割して見積書を3通作成し、甲社の関係部署を巧妙に欺き、3通の見積書がそれぞれ別工事に関わるものであると誤信させ、Fに対し、回答書面にEが指定した金額を記載して返送するように指示をするなど、不正が発覚することを防止するための偽装工作も行っていたから、Eの不正行為は、通常容易に想定し難い方法によるものであったといえる。さらに、Dは、本件下請工事や本件通報をCを含む他の取締役及び監査役にも知らせなかったから、CにおいてEの不正行為の発生を予見すべきであったという特別な事情があったとはいえない。
 以上から、Cにはリスク管理体制構築義務違反がなく、任務懈怠は認められない。

(3)よって、Cは、甲社に対して損害賠償責任を負わない。

2.Aについて

 Dは、甲社に対して任務懈怠責任を負うか。

(1)Dが、本件下請工事や本件通報について、法務・コンプライアンス部門に対して調査を指示せず、Cを含む他の取締役及び監査役にも知らせなかったことは、善管注意義務違反といえるか。
 取締役は、特段の不審事由のない限り、下部機関の行った情報収集、分析、検討の内容に依拠して意思決定を行えば足りる(ヤクルト事件参照)
 本件で、確かに、これまで、甲社において、そのような不正行為が生じたことがなかったこと、会計監査人からもそのような不正行為をうかがわせる指摘を受けたことがなかったこと、EがDの後任の営業部長であり、かつて直属の部下であったEに信頼を置いていたことから、Dは、本件通報には信ぴょう性がないと考えたという事情がある。しかし、本件通報は、本件下請工事の代金の一部を着服しようとしているとの甲社の従業員の実名による通報であったから、特段の不審事由があった。
 従って、Dには、善管注意義務違反による任務懈怠がある。

(2)Dは、本件通報を認識しながら、法務・コンプライアンス部門に対して調査を指示せず、Cを含む他の取締役及び監査役にも知らせなかったから、上記任務懈怠につき故意がある。

(3)本件下請工事の代金が5000万円水増しされたことによって、甲社に5000万円の損害が発生した。

(4)もっとも、本件通報がされたのは平成27年3月末であり、その後に甲社が乙社に支払ったのは3000万円であったから、上記(3)の損害のうち、Dの善管注意義務違反と因果関係のある損害は、上記3000万円にとどまる。

(5)よって、Dは、甲社に対し、3000万円の損害について損害賠償責任を負う。

以上

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2016年05月25日

平成28年司法試験論文式民事系第1問参考答案

【答案のコンセプトについて】

1.司法試験の論文式試験において、現在の合格ラインである「一応の水準の真ん中」に達するための要件は概ね

(1)基本論点を抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範を明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを明示できている。

という3つです。応用論点を拾ったり、趣旨や本質論からの論述、当てはめの事実に対する評価というようなものは、上記が当然にできているという前提の下で、優秀・良好のレベルに達するために必要となる場合があるに過ぎないのです。
 にもかかわらず、多くの人が、上記優秀・良好レベルの事柄を過度に重視しているように思います。現場思考で応用論点を拾いに行ったり、趣旨や本質から論じようとしたり、事実に丁寧に評価を付そうと努力するあまり、基本論点を落としてしまったり、規範を正確に示すことを怠っていきなり当てはめようとしたり、問題文中の事実をきちんと摘示することを怠ってしまい、結果として不良の水準に落ちてしまっているというのが現状です。

2.その原因としては、多くの人が参考にする出題趣旨や採点実感等に関する意見の多くの記述が、実は優秀・良好レベルの話であって、一応の水準のレベルは当たり前過ぎるので省略されてしまっていること、あまりにも上位過ぎる再現答案を参考にしようとしてしまっていることがあると思います。
 とはいえ、合格ラインギリギリの人の再現答案には、解答に不要なことや誤った記述などが散見されるため、参考にすることが難しいというのも事実です。そこで、純粋に上記(1)から(3)だけを記述したような参考答案を作ってみてはどうか、ということを考えました。

3.今回、掲載する参考答案は、上記のようなコンセプトに基づいています。「本問で基本論点はどれですか」と問えば、多くの人が指摘できるでしょう。「その論点について解決するための規範は何ですか」と問えば、事前にきちんと準備している人であれば、多くの人が答えられるでしょう。「その規範に当てはまる事実は問題文中のどこですか、マーカーを引いてみてください」と問えば、多くの人が正確に示すことができるものです。下記の参考答案は、いわば、それを繋ぎ合わせただけの答案です。
 それなりの実力のある人が見ると、「何だ肝心なことが書いてないじゃないか」、「一言評価を足せば良い答案になるのに」と思うでしょう。優秀・良好レベルの答案を書いて合格できる人は、それでよいのです。しかし、合格答案を書けない人は、むしろ、「肝心なこと」を書こうとするあまり、最低限必要な基本論点、規範、事実の摘示を怠ってしまっているという点に気付くべきでしょう。普段の勉強で規範を覚えるのは、ある意味つまらない作業です。本試験の現場で、事実を問題文から丁寧に引用して答案に書き写すのは、バカバカしいとも思える作業です。しかし、そういう一見するとどうでもよさそうなことが、合否を分けているのが現実なのです。規範が正確でないと、明らかに損をしています。また、事実を引いているつもりでも、雑に要約してしまっているために、問題文のどの事実を拾っているのか不明であったり、事実を基礎にしないでいきなり評価から入っているように読める答案が多いのです。そういう答案を書いている人は、自分はきちんと書いたつもりになっているのに、点が伸びない。そういう結果になってしまっています。
 今回の参考答案は、やや極端な形で、大前提として抑えなければならない水準を示しています。合格するには、この程度なら確実に書ける、という実力をつけなければなりません。そのためには、規範を正確に覚える必要があるとともに、当てはめの事実を丁寧に摘示する筆力を身につける必要があるでしょう。これは、普段の学習で鍛えていくことになります。
 この水準をクリアした上で、さらに問題文の引用を上手に要約しつつ、応用論点にコンパクトに触れたり、趣旨・本質に遡って論述したり、当てはめの評価を足すことができれば、さらに優秀・良好のレベルが狙えるでしょう。

4.今年の民法は、非常に論点の多い問題でした。このような問題の場合には、基本論点の規範と事実を書くだけでも、時間内に書き切るのは相当難しい。参考答案も、かなりの文量になっています。これだけの量を書き切れれば、良好の上位か、場合によっては優秀レベルになってしまうかもしれません。上記(1)から(3)までを守るだけで、そのくらいのレベルに達してしまうのです。そうである以上、応用論点を拾ったり、趣旨に遡って論述したり、事実に対して自分の言葉で評価したりする余裕はないし、その必要もないのです。本問では、94条2項類推適用に積極的な外観への信頼を要するか(Fは折込チラシと現地しか見ておらず、登記を信頼したという事実がない。)、過半数の持分権を有する共有者が共有物を占有する他の共有者から共有物の引渡しを受けるための手続、動機の不法による無効の抗弁と無留保承諾(最判平9・11・11の趣旨は動機の不法にも妥当するか。同判例の「特段の事情」はあるか。)、設問2小問(3)で468条1項を類推適用できるか(保証債務の履行による求償権の取得及び原債権についての代位(500条)が原債権の債権譲渡に類似することから、Eの説明を無留保承諾と同視できるのではないか。)、などの応用論点もありますが、これらに触れる必要は、全くないといってよいでしょう。
 なお、参考答案中の太字強調部分は、「司法試験定義趣旨論証集(民法総則)」、「司法試験定義趣旨論証集(物権)」に準拠した部分です。

 

【参考答案】

第1.設問1

1.小問(1)

(1)請求の根拠

 Eの請求の根拠は、C代理人Aとの売買契約に基づく債権的登記請求権である。

(2)請求の当否

 Eの請求が認められるためには、C代理人Aとの売買契約の効果が有効にCに帰属することを要する。

ア.Aは、Cの親権者であるから、Cの財産に関する法律行為について代理権を有する(824条本文)。もっとも、Aは代金を自己の借金の返済に充てようと考えていたから、利益相反行為(826条1項)とならないか。
 利益相反行為に当たるか否かは、外形的・客観的に判断すべきであり、親権者の動機、意図を考慮すべきでない(判例)。
 本件で、Aは、Cの代理人として、Eとの間で、甲土地を売却する契約を締結したに過ぎず、外形的・客観的にAとCの利益が相反するとはいえない。
 したがって、利益相反行為には当たらない。

イ.そうであるとしても、代理権の濫用として無効とならないか。
 代理権が濫用された場合には、93条ただし書を類推適用すべきであるが、親権者による代理権の濫用があるというためには、親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情があることを要する(判例)。
 本件で、Aは、自らの遊興を原因とする借金の返済に窮していたことから、C所有の甲土地及び乙土地を自らが管理していることを奇貨として、甲土地及び乙土地をCの承諾を得ずに売却し、その代金を自己の借金の返済に充てようと考えたというのであるから、上記特段の事情がある。
 したがって、93条ただし書が類推適用され、相手方が濫用の意図を知り、又は知ることができたときは、代理人のした法律行為は無効となる。
 本件で、Eは、C代理人Aとの売買契約を締結した時点で、Aが遊興を原因として多額の借金を抱えており、Aが乙土地の代金600万円をAの借金に充当するつもりであることを知っていた。したがって、Eは、Aの濫用の意図を知っていた。
 以上から、Eが、C代理人Aと締結した売買契約は、無効である。

ウ.よって、Eの請求は認められない。

2.小問(2)

(1)請求の根拠及び内容

 前記1のとおり、EがC代理人Aと締結した売買契約は無効であるから、C死亡時に乙土地の所有権はCに帰属していた。したがって、Cの死亡により、乙土地はA及びDの遺産共有となる(889条1項1号、890条、896条本文、898条)。
 よって、DのFに対する請求の根拠は、乙土地の共有持分権に基づく物権的請求権としての妨害排除請求権であり、その内容は、丙建物収去乙土地明渡しである。

(2)請求の当否

ア.Fは、Eと乙土地売買契約を締結したが、Eは乙土地について無権利者であったから、Fは乙土地の所有権を承継取得することはできない。もっとも、EF間の乙土地売買契約締結時には、CからEへの乙土地の所有権移転登記がされていたから、Eが乙土地の所有者であるという虚偽の外観がある。94条2項類推適用により、Fは乙土地の所有権又は共有持分権を取得しないか。

(ア)通謀虚偽表示によらない場合であっても、自ら虚偽の外観作出に積極的に関与し、又は既に生じた虚偽の外観を知りながら敢えて放置していたときは、94条2項の類推適用により、善意の第三者に対して、外観どおりの権利関係の不存在を対抗できない(判例)
 本件で、Dは、弁護士の報告により、【事実】2から11までを知ったのであるから、自ら虚偽の外観作出に積極的に関与したとも、既に生じた虚偽の外観を知りながら敢えて放置していたともいえない。他方、Aは、Cの代理人としてEと乙土地の売買契約を締結し、CからEへの乙土地の所有権移転登記をしたから、自ら虚偽の外観作出に積極的に関与したといえる。
 したがって、Dとの関係では94条2項は類推適用されないが、Aとの関係では94条2項が類推適用される。

(イ)同項の「善意」というためには、無過失は不要である。本件で、Fは、購読している新聞の折り込みチラシに乙土地が紹介されていたことから仲介業者に問い合わせたこと、Eと面識はなかったことから、乙土地につきEが無権利であることを知らなかったといえるから、善意であったと認められる。

(ウ)以上から、94条2項類推適用により、Fは、乙土地について、Aの共有持分権を取得することができる。

イ.協議を経ずに共有地を占有する共有者であっても、自己の持分の限度で共有地を占有する権原を有するから、他の各共有者は、共有地を占有する共有者に対し、当然にはその明渡しを請求することはできない(判例)
 本件で、FがAの共有持分権を取得することにより、乙土地の共有者となるから、Dは、たとえFが協議を経ずに乙土地を占有しているとしても、当然には明渡しを請求できない。

ウ.よって、Dは、Fに対し、当然には丙建物収去乙土地明渡請求をすることはできない。

第2.設問2

1.小問(1)

(1)請求の根拠及び内容

 Mの請求の根拠は、HのEに対する貸金返還請求権を譲り受けたことであり、その内容は、575万円及びうち500万円に対する平成27年4月1日から支払済みまで年21.9%の割合による金員の支払である。

(2)請求の当否

ア.Mの請求が認められるためには、HのEに対する貸金返還請求権が発生していること、すなわち、EH間の消費貸借契約が有効であることを要する。
 Eは賭博に使うつもりであったから、動機に不法がある。不法な動機が表示された場合には、不法な動機が法律行為の内容となるから、法律行為は無効(90条)となる
 本件で、Eは、Hに賭博に使うつもりであることを打ち明けているから、不法な動機が表示されたといえる。したがって、EH間の消費貸借契約は無効となる。

イ.もっとも、Eの無留保承諾(468条1項)により、上記無効の抗弁は切断されないか。

(ア)無留保承諾とは、留保を付すことなく譲渡の事実の認識を表明する観念の通知をいう。
 本件で、Eは、Hから「あなたに対する債権をMに譲渡しました。承諾書を同封したのでそれに署名押印して返送してください。」と書かれた手紙を受け取ったので、Hの指示に従い、「私は、平成26年4月1日付消費貸借契約に基づくHの私に対する債権を、平成26年8月1日付譲渡契約によってHがMに対して譲渡したことを承諾します。」と記載された書面に署名押印し、内容証明郵便でそれをHに返送したというのであり、その書面は、Hに配達された後、HからMに交付されたから、Eは、Mに対し、留保を付すことなく譲渡の事実の認識を表明する観念の通知をしたといえる。
 したがって、Eは、Mに対し、無留保承諾をした。

(イ)もっとも、譲受人が無留保承諾による抗弁切断の利益を得るためには、抗弁について善意無過失であることを要する(判例)。
 本件では、HはMに対して、「Eの事業のための融資金債権」と説明し、Mもその説明を信じたから、Mは善意といえる。
 では、無過失といえるか。無過失とは、調査義務を怠らなかったことをいう。本件で、Eによる借金の使途にKが疑問を抱いていたこと、承諾書はHからMに交付されたこと、債権額が元本だけでも500万円であることからすれば、Mは、抗弁の存否につきEに問い合わせをするなどの調査をすべき義務があった。にもかかわらず、Mは上記義務を怠った。したがって、Mには過失がある。

(ウ)以上から、上記アの無効の抗弁は切断されない。

ウ.よって、Mの請求は認められない。

2.小問(2)

(1)請求の根拠及び内容

 Mの請求の根拠は、HのEに対する不当利得返還請求権をHから譲り受けたことであり、その内容は、500万円及びこれに対する平成26年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払である。

(2)請求の当否

ア.EH間の消費貸借契約が無効であるとすると、Eは法律上の原因なくHから500万円の交付を受けたことになる(給付利得)。そして、Eは消費貸借契約の無効原因である賭博の動機について悪意であるから、受領の日からの利息を付して、Hに上記利得を返還する義務を負う(703条、704条)。上記利息の割合は、年5分である(404条)。

イ.もっとも、EH間の消費貸借契約の無効原因は動機の不法による公序良俗違反(90条)であることから、500万円の交付は不法原因給付(708条本文)に当たる。では、「不法な原因が受益者についてのみ存したとき」(同条ただし書)に当たるか。
 「不法な原因が受益者についてのみ存したとき」とは、給付者の不法性が受益者のそれと比較してはるかに微弱である場合をいう。
 本件では、賭博に使うつもりであったのはEであり、Hはそれを打ち明けられたに過ぎないから、Hの不法性はEのそれと比較してはるかに微弱である。
 したがって、「不法な原因が受益者についてのみ存したとき」(同条ただし書)に当たり、返還請求権は否定されない。

ウ.Mは、Hから、EH間の消費貸借契約に関する債権を譲り受けているが、EH間の消費貸借契約が無効である場合には、Eに対する上記アの不当利得返還請求権を譲渡するものと考えることができる。

エ.よって、Mの請求は認められる。

3.小問(3)

(1)請求の根拠

 Lの請求の根拠は、受託保証人の事後求償権である。

(2)請求の当否

ア.受託保証人の事後求償権が認められるためには、「債務を消滅させるべき行為をした」ことを要する(459条1項)。債務を消滅させるべき行為というためには、その行為をする時に、対象となる債務が発生していなければならない。そして、消費貸借契約は要物契約である(「受け取ることによって、その効力を生ずる」(587条))から、貸金返還債務が発生するためには、貸金の交付が必要である。

イ.本件では、LがKに584万円を支払った時までに、Kは、Eに500万円を交付していなかった以上、Lの支払時に貸金返還債務は発生していない。したがって、「債務を消滅させるべき行為をした」とはいえない。

ウ.もっとも、自己の表示により他人にある事実を誤信させた者は、その誤信に基づき、その事実を前提として行動した他人に対し、上記表示と矛盾した事実を主張することは許されない(禁反言の法理、1条2項)。
 本件で、Lが支払の前にEに照会したところ、Eは、「Kに対する債務は利息を含め1円も支払っていない。」と説明した。上記説明と貸金返還債務の不発生の主張は矛盾する。したがって、貸金返還債務が発生したと誤信してKに支払をしたLに対し、Eが貸金返還債務の不発生を主張して求償を拒むことは許されない。

エ.よって、Lの請求は認められる。

以上

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