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2014年10月31日

2014年10月30日のtweet












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2014年10月30日

平成26年司法試験予備試験論文式刑事実務基礎参考答案

第1.設問1

1.刑訴法316条の5第3号、5号、同規則208条3項に基づき、「被告人は、Bが乗車した際にバットを持っていることを認識していた」とする間接事実の立証趣旨及び共謀成立時につき求釈明を求める。
 なぜなら、「なお」書きの記載ではいかなる犯罪事実と関連する間接事実であるかが明らかでないから、その立証趣旨が明らかにされる必要があり(同規則217条の20、189条1項参照)、仮に、バットの認識を通じて暗黙のうちに強盗の共謀に至ったと主張する趣旨であれば、共謀成立時はBの助手席乗車時となって、証明予定事実と異なることになるからである。

第2.設問2

1.Vの警察官調書

(1) 刑訴法316条の15第2項1号の事項

ア.証拠の類型

 Vは甲4号証の供述者であり、同証不同意の場合にはVの証人尋問が予定されていると考えられるから、同条1項5号ロに該当する。

イ.識別事項

 本件についてVを取り調べて作成した警察官調書のうち、被害状況に関する供述を含むもの。

(2) 同条2項2号の事項

 警察官調書には、事件直後のVの供述が録取されているから、甲4号証の証明力を判断するために重要である。

2.甲1号証の診断に係る診療録(カルテ)

(1) 同項1号の事項

ア.証拠の類型

 診療録(カルテ)は特信文書(同法323条2号)と解されるところ、同法316条の15第1項各号が同法323条の書面を直接規定していないのは、特信文書が捜査過程で作成される書面ではなく、その存在、状態等も証拠資料となる書面であることから、証拠物たる書面として1号類型に含まれるからである。
 よって、同法316条の15第1項1号に該当する。

イ.識別事項

 甲1号証の診断の基礎となった診療録(カルテ)のうち、被害状況に係るVの供述に基づく内容を含むもの。

(2) 同条2項2号の事項

 診療録(カルテ)には、診断に当たった医師がVから聴取した内容が含まれるから、甲4号証の証明力を判断するために重要である。

3.甲3号証に係る鑑定書

(1) 同項1号の事項

ア.証拠の類型

 鑑定受託者の鑑定書には、同法321条4項が準用される(判例)。よって、同項4号に該当する。

イ.識別事項

 甲3号証に係る鑑定書であって、付着物に関するもの。

(2) 同法316条の15第2項2号の事項

 Vがバットで殴られたとすれば、バットにVの皮膚組織等が付着するはずであるから、甲4号証の証明力を判断するために重要である。

第3.設問3

1.実行正犯たるBに強盗致傷罪が成立しないこと

 強盗の実行行為である暴行は、反抗を抑圧するに足りる程度のものでなければならない。甲5号証によれば、Bは、かばんをつかんで後ろに引っ張ったに過ぎず、反抗を抑圧するに足りる暴行を加えていない。従って、Bに強盗致傷罪は成立せず、窃盗罪及び傷害罪が成立するにとどまる。従って、Aに強盗致傷の共同正犯が成立する余地はない。

2.窃盗罪の正犯意思を欠くこと

 共同正犯と幇助の区別は、犯行における役割の重要性、謀議への関与の程度、利益の帰属の程度等を総合考慮して自己の犯罪としてしたと認められるか否かによって判断する。甲5号証によれば、窃盗につき、Aは、車の運転役を引き受けたに過ぎない。どうやってかばんなどを奪うのかという具体的な犯行計画についても、Bから話を聞いていない。奪った現金10万円のうち、Bから受け取ったのは2万円のみである。以上を総合すると、Aが自己の犯罪としてしたとは認められない。従って、Bの犯行を容易にした点について、窃盗幇助となるにとどまる。

3.傷害罪についての共犯が成立しないこと

 本件における暴行ないし傷害に係る共謀又は幇助の故意の有無は、Bのバット所持についてのAの認識の有無による。甲5号証には、「当然気付いていたと思う」旨のBの認識が示されているが、バットについてのAの認識を基礎付ける具体的事実は示されていない。甲5号証によれば、Bはどうやってかばんなどを奪うのかについて、Aに話していない。そうである以上、Aが、Bのバット所持を認識していたとは認められない。従って、傷害罪につき、Aに共犯は成立しない。

4.よって、Aは、窃盗幇助(刑法62条1項、235条)の罪責を負うにとどまる。

第4.設問4

1.Aの公判において、検察官は、Bの証人尋問を請求(刑訴法298条1項)すべきである。これに対し、Aの弁護人は、同法316条の32第1項に違反するとして異議を申し立てる(同法309条1項、同規則205条1項)ことが考えられる。しかし、本件では、公判前整理手続後のBの新供述によって証人尋問の必要を生じたのであるから、同法316条の32第1項の「やむを得ない事由」があり、証人尋問の請求は適法である。よって、裁判所は決定で、異議を棄却する(同規則205条の5)。

2.Bが、証人尋問において証言を拒絶(同法146条)し、又はBの公判供述と異った供述をした場合には、検察官は、Bの公判調書を証拠請求すべきである。これに対し、Aの弁護人は不同意とする(同法326条1項)ことが考えられるが、同法321条1項1号に基づき、裁判所はこれを証拠とすることができる。

以上

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2014年10月27日

平成26年司法試験予備試験論文式民事実務基礎参考答案

第1.設問1

1.小問(1)

 被告は、原告に対し、甲土地について、平成15年12月1日贈与を原因とする所有権移転登記手続をせよ。

2.小問(2)

 請求を理由づける事実(民訴規則53条第1項)、すなわち、広義の請求原因とは、訴訟物である権利又は法律関係を発生させるために必要な最小限の事実をいい、請求を特定するのに必要な事実(同項括弧書、狭義の請求原因)を含む。
 本件で、訴訟物である贈与契約に基づく所有権移転登記請求権を発生させるために必要な最小限の事実は、贈与契約締結の事実である。具体的には、狭義の請求原因として当事者及び契約締結日と、贈与契約の要素として目的物の記載を要するところ、Pはこれらを全て主張している。よって、訴状記載の事実のみで足りる。

第2.設問2

1.小問(1)

(1) アについて

 Xは、平成25年12月1日経過時、甲土地を占有していた。

(2) イについて

 甲土地について、昭和58年12月1日売買を原因とするY名義の所有権移転登記(詳細省略)がある。

2.小問(2)

(1) 時効取得に基づく所有権移転登記請求の請求原因として、Xの甲土地所有及び甲土地についてのY名義登記を主張する必要がある。

(2) Xの甲土地所有権の取得原因として、短期取得時効の要件事実を主張立証することになる。
 短期取得時効の実体法上の要件は、民法162条2項によれば、10年間の占有、所有の意思、平穏公然性、物の他人性及び占有開始時の善意無過失である。もっとも、自己物の時効取得も認められる(判例)から、解釈上、物の他人性は要件ではない。また、時効の効果は援用(同法145条)により確定的に生じる(判例)から、時効援用の意思表示も要件として必要である。
 上記のうち、所有の意思、平穏公然性及び善意は推定される(同法186条1項、暫定真実)。また、前後両時点の占有の証明により、中間の占有が推定される(同条2項、法律上の事実推定)。そして、無過失は規範的要件であるから、その評価根拠事実が主張立証の対象となる。
 以上から、前後両時点の占有、無過失の評価根拠事実及び時効援用の意思表示の各事実の主張が必要であるところ、本件では、@、A、B及びCがこれに当たる。

(3) 所有権に対する妨害があることの主張として、Y名義の登記が必要であるところ、本件では、Dの事実がこれに当たる。

(4) 以上から、@からDまでの事実を主張する必要があり、かつ、これで足りる。

3.小問(3)

 Bの無過失の評価根拠事実の基準時は、占有開始時(平成15年12月1日)である(民法162条2項)。「Xは平成16年から現在まで甲土地の固定資産税等の税金を支払っている」ことは基準時以降の事実であるから、Bの無過失の評価根拠事実として主張することは、それ自体失当である。

第3.設問3

 追加的請求原因(時効取得)に対する他主占有権原の抗弁。

第4.設問4

1.贈与契約書等の書類は存在せず、X供述中の「ただでやる」とのYの発言は存否不明であるし、使用貸借を意味すると解する余地もある以上、贈与を直接証明する証拠は存在しない。

2.そこで、贈与を推認できる間接事実が必要であるところ、以下のとおり、そのような間接事実は存在しない。

(1) 登記済証(権利証)の交付

 親が同居の子に登記済証(権利証)の保管を依頼することは自然なことである以上、贈与を推認できない。

(2) 甲土地の固定資産税等の税金をXが支払ったこと

 親が定年になった等の理由で同居の子が親に代わって税金等の納付をすることは自然なことである以上、贈与を推認できない。

(3) 新建物の建築費用をXが負担したこと

 YがXに甲土地を無償で使用させる見返りに建築費用の負担をXに求めることは自然であるから、贈与を推認できない。

3.かえって、贈与がないことと整合する以下の事実がある。

(1) Xは、固定資産税等の税金はきちんと支払っているのに、贈与税の申告をしないことは、贈与がなく、固定資産税等はYに代わって支払っていると考えて初めて整合的に理解できる。

(2) Y死亡時に相続財産を構成する甲土地を生前に贈与するのであれば、当然X以外の推定相続人であるAとも相談するはずであるが、そのような形跡がない。

(3) 贈与があったのであれば、相続時のAとの紛争を避けるために、Xへの所有権移転登記手続を済ませるのが当然であるのに、これを行っていない。

第5.設問5

1.弁護士職務基本規程(以下「規程」という。)36条に反しないか。同条の趣旨は依頼者意思の尊重(規程22条1項)にあるから、依頼者意思に反するか否かで判断する。
 本件では、打合せ等をAとしたことは、「細かい打合せ等については、Aとやってくれ」とするYの意思に反しない。しかし、和解は確定判決と同一の効力が生じ(民訴法267条)、特別委任事項とされる(同法55条2項2号)以上、上記「打合せ等」には当たらない。従って、和解の意思確認をAにしたことは、Yの意思に反する。よって、規程36条に反する。

2.規程45条に反しないか。同条の趣旨は、依頼者に確実に預り金等が返還されるようにする点にあるから、依頼者以外の者に返還する場合には、やむを得ない理由が必要である。
 本件では、Y名義の銀行口座に送金することが困難である等のやむを得ない理由は何らうかがわれない。よって、規程45条に反する。

以上

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