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2013年08月31日

平成25年司法試験予備試験論文式民訴法参考答案

試験問題は、こちら

第1.設問1(1)ア

1.Bは、Cに対して別訴により乙債権を訴求することはできない。なぜなら、訴訟1の係属を知ったBは乙債権の処分権を失う(非訟事件手続法88条3項参照)から当事者適格を欠くし、訴訟1との審理の重複による訴訟不経済及びCの応訴の煩だけでなく判決内容が区々となれば既判力の矛盾抵触が生じることから、二重起訴(民訴法142条)に当たると考えられるからである。

2.では、Aに対して甲債権不存在確認、Cに対してBに500万円の支払を求めるとの各請求を立てて訴訟1に独立当事者参加(47条1項)をすることはできるか。

(1)独立当事者参加によるためには、統一審判の必要性として、請求の非両立性を要する。訴訟1は、当事者適格の基礎として甲債権の存在を前提とし、金銭債権の代位行使にあっては代位債権者への直接引渡請求が可能であることから、AのCに対する請求は、Aに対して500万円の支払を求めるものである。従って、Bの上記各請求は甲債権の存否及び500万円の支払先において訴訟1の請求と両立しない。よって、非両立性がある。

(2)また、甲債権不存在であれば、Aの代位行使が不適法となって、Bの乙債権の処分権は失われないから、甲債権不存在確認を主張して参加する場合、当事者適格が認められる。

(3)そして、併合審理の上で合一確定が図られる(47条4項、40条)から、審理の重複や既判力の抵触は生じない。従って、二重起訴にも当たらない。

(4)よって、Bは、上記独立当事者参加をすることができる。

第2.設問1(1)イ

1.訴訟1については、甲債権が存在しない以上Aに当事者適格が認められないから、却下すべきである。

2.Bの各請求については、いずれも理由があるから、両請求を認容すべきである。

第3.設問1(2)

1.債権者代位訴訟における既判力は、被代位者に及ぶか。

(1)一般に、債権者代位訴訟における代位債権者は、被代位者のために訴訟当事者となる関係に立つから、訴訟担当である。従って、債権者代位訴訟における判決の既判力は、115条1項2号により被代位者にも及ぶ。

(2)もっとも、同号の趣旨は、代替的手続保障にある。訴訟担当者としての資格を有しない者によって訴訟が追行された場合には、代替的手続保障があったとはいえない。既判力の正当化根拠は、手続保障による自己責任にあるから、上記場合には、既判力拡張の根拠を欠き、被担当者には既判力は及ばない。

(3)以上からすれば、被保全債権を有しない債権者によって追行された債権者代位訴訟における判決の既判力は、被代位者には及ばない。

2.本問で、訴訟2の受訴裁判所において甲債権が存在すると判断したときは、Bに訴訟1の既判力が及び、訴訟1の口頭弁論終結時に乙債権が存在しないことを前提にした判決をすべきである。

3.他方、訴訟2の受訴裁判所において甲債権は存在しないと判断したときは、Bに訴訟1の既判力は及ばないから、乙債権の存否に係る訴訟2の受訴裁判所の認定を基礎とした判決をすべきである。

第4.設問2

1.訴訟1とは別個に、Cに対する債権者代位訴訟を提起することはできない。なぜなら、審理の重複による訴訟不経済やCの応訴の煩に加え、訴訟1と異なる判決となれば、被代位者Bに及ぶ既判力が区々になるから、既判力の矛盾、抵触のおそれがあり、二重起訴に当たると考えられるからである。

2.訴訟1のAへの補助参加(42条)は有効でない。なぜなら、訴訟1で勝訴したAは直接自己への支払を受けた上で、Bに対する不当利得返還債務と甲債権を相殺することができ、Dは自らが弁済を受ける機会を失うからである。

3.訴訟1への共同訴訟参加(52条1項)の余地はない。なぜなら、共にCに乙債権の支払を求める点で共通であっても、Aの請求はAへの金銭支払請求であるのに対し、Dの請求はDへの金銭支払請求となるから、ADは共同訴訟人の地位に立たないからである。

4.上記3のとおり、ADの請求は支払先において両立しないから、独立当事者参加における非両立性の要件を充たす。よって、Dは、Aへの請求を定立せず、Cに対し、Dに500万円を支払えとの請求を立てて訴訟1に片面的独立当事者参加(47条1項)をすることができる。

以上

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2013年08月30日のtweet








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2013年08月30日

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2013年08月29日

平成25年司法試験予備試験論文式商法参考答案

試験問題は、こちら

第1.設問1

1.本件総会におけるAの解任理由についての質問に対し、Bは十分な回答をしておらず、説明義務(314条本文)に違反するのではないか。
 同条の趣旨は、合理的意思決定のための判断材料を提供させる点にあるから、平均的な株主が決議事項につき賛否の判断をなし得る程度の説明を要する。
 本問では、Bは、具体的なAの解任理由について何ら説明していない。従って、平均的な株主がAの解任につき賛否の判断をなし得る程度の説明をしたとはいえない。
 また、正当な理由(314条ただし書、規則71条各号)を認めるに足りる事実もない。
 よって、本件総会の決議の方法には、説明義務違反の違法があり、決議取消事由(831条1項1号)となる。

2.また、取締役解任議案において、解任理由の説明は賛否の判断に不可欠である。従って、Aの解任理由に係るBの説明義務違反が重大でないとはいえない以上、決議に影響を及ぼすか否かにかかわらず、裁量棄却(831条2項)の余地はない。

3.以上から、Aは、決議取消しの訴えにより、解任議案に係る本件総会の決議の効力を争うことができる。

第2.設問2

1.Aは、Y社の発行済株式のうち15%を保有しているから、株式保有要件(433条1項)を充たしている。もっとも、同条2項3号に該当し、Y社はAの請求を拒めるのではないか。

2.Aは、Z社発行済株式の3分の2を超える67%を保有し、同社の取締役はA及びAの親族のみであるから、Z社の経営主体はAであるといえる。
 Z社は、関東地方を中心に住居用の中古不動産の販売等を行っている。一方、Y社の事業は、日本国内において新築マンションの企画及び販売等である。中古と新築であっても、不動産市場において競合しうることから、Z社の経営主体であるAは、Y社との間で、実質的競争関係にある事業を営んでいるといえる。
 なお、Aは本件交換比率の妥当性を検討する目的であるとするが、同号は、1号及び2号のような「目的」を要件としておらず、実質的にも3号該当の事実だけで営業秘密が競業に利用されるおそれがあることから、同号に該当するためには、営業秘密を利用する主観的意図は不要である。従って、上記Aの目的は同号該当性を左右しない。

3.よって、Y社は、433条2項3号により、Aの請求を拒むことができる。

第3.設問3

1.@について

(1)本件総会において本件株式交換契約の承認議案に反対したAは、本件総会に先立って反対する旨をY社に通知していれば、Y社に対し、株式買取請求をすることができる(785条1項、2項1号イ)。この場合の「公正な価格」は、株式交換による企業価値の増加の適切な分配の観点から、公正な株式交換比率であったならばY社株式が有したと認められる価格である。

(2)本件総会において、Xグループ各社は、本件株式交換契約の相手方及びその子会社であるから、特別利害関係株主である。従って、本件株式交換比率が著しく不当である場合には、本件株式交換契約の承認議案に係る本件総会の決議には取消事由(831条1項3号)がある。決議内容に係る瑕疵であるから、裁量棄却の余地はない(同条2項)。
 よって、上記場合には、Aは、本件株式交換契約の承認議案に係る本件総会の決議取消しの訴え及びこれを本案とする株式交換差止めの仮処分(民事保全法23条2項)をすることができる。

2.Aについて

(1)効力発生後は、法的安定性の観点から、効力発生日から6か月以内に訴えをもってのみ株式交換の無効を主張できる(828条1項11号)。

(2)そこで、無効事由を検討する。

ア.株式交換比率の不公正は、無効事由とはならない。なぜなら、株式交換比率の不公正についての株主の保護は株式買取請求によって図られる一方、法的安定性を重視して株式交換の無効主張を限定した828条1項11号の趣旨からすれば、無効事由は限定すべきだからである。

イ.他方、株式交換契約を承認した株主総会決議に取消事由があることは、無効事由となる。なぜなら、組織再編の重大性から特別決議とされた(783条1項、795条1項、309条2項12号)趣旨からすれば、株主総会による承認は、法的安定性を考慮しても株式交換の有効性に係る不可欠の要件と考えざるを得ないからである。
 よって、前記1(2)の取消事由がある場合には、Aは、株式交換無効の訴えをすることができる。

以上

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2013年08月26日

平成25年司法試験予備試験論文式民法参考答案

試験問題は、こちら

第1.設問1

1.小問(1)

(1)契約の有効性

ア.下線部の契約(以下「本件契約」という。)の目的は、将来発生すべきものを含む複数の債権を一括して債権譲渡によって担保とするものであるから、いわゆる集合債権譲渡担保である。そこで、その有効性を検討する。

イ.契約自由の原則から、複数の将来債権を担保のために一括譲渡することも可能である。もっとも、契約の一般的な有効要件として目的物の特定が必要である。集合債権譲渡担保においては、譲渡人が有する他の債権と識別できる程度に目的債権が特定されていることを要する。
 本件契約では、パネルの部品の製造及び販売を発生原因とする代金債権であって、将来発生すべき債権については発生期間が今後1年に限定されているから、Aが有する他の債権と識別できる程度に特定されている。従って、特定性の要件を充たす。

ウ.また、集合債権の包括譲渡は、債権者平等を害し、又は譲渡人の営業活動を不当に害することがあり得ることから、公序良俗違反(90条)とならないか検討を要するところ、本件契約締結時において他の債権者を害する事情はうかがわれず、融資の利息及び返済条件は過酷とはいえず、返済が滞るまではAの取立権が認められていることから、Aの営業活動を不当に害するともいえない。従って、公序良俗違反はない。

エ.よって、本件契約は有効である。

(2)甲債権の取得時期

ア.本件契約には、債権移転時期を留保する特約はないから、既発生債権については契約時に直ちに移転する。他方、いまだ発生していない債権が移転することは観念し難いことから、未発生債権については債権発生時に移転すると解すべきである。

イ.従って、Bが甲債権を取得するのは、同債権の発生原因であるAC間売買の成立した平成25年3月1日である。

2.小問(2)

(1)Cとしては、甲債権は差押え前にBに譲渡されたから、Fの差押えは無効であるとの論拠に基づき、支払を拒絶することが考えられる。そこで、債権譲渡と差押えの優劣を検討する。
 467条が債務者の認識に公示としての機能を認めて通知・承諾を対抗要件とした趣旨からすれば、債権譲渡と差押えの優劣についても、債権譲渡通知と差押命令の送達の到達の先後によって決すべきである。
 本問では、債権譲渡通知は平成25年5月7日到達であるのに対し、差押命令の送達はそれより前の同月2日にされたから、Fの差押えが優先する。
 よって、Cは、甲債権がBに譲渡されたことを理由に支払を拒絶することはできない。

(2)Cとしては、AD間の免責的債務引受によって債務を免れたから、Fの差押えは無効であるとの論拠に基づき、支払を拒絶することが考えられる。そこで、免責的債務引受を差押債権者に対抗できるかを検討する。
 そもそも、免責的債務引受を認める直接の規定はなく、私的自治の下で認められるに過ぎない。そうである以上、免責的債務引受は、当事者間における対内的効力を有するに過ぎず、差押債権者に対抗することはできないと解すべきである。
 従って、AD間の免責的債務引受は、Fに対抗できない。
 よって、Cは、AD間の免責的債務引受によって債務を免れたことを理由に支払を拒絶することはできない。

(3)以上から、Cは、甲債権の支払を拒絶することはできない。

第2.設問2

1.譲渡禁止特約の意義

 債権的効力を有する譲渡禁止特約が可能であるのは契約自由の原則から自明であるにもかかわらず、466条2項が特に規定されたのは、譲渡禁止特約に物権的効力を認める趣旨である。従って、同ただし書の例外を除き、同特約による譲渡の無効を譲受人にも対抗できる。

2.乙債権の取得時期

 前記第1の1(2)アのとおり、Bが乙債権を取得するのは、乙債権の発生原因であるAE間売買成立時である平成25年3月5日である。

3.債権譲渡禁止特約のBへの対抗の可否

(1)Bが、乙債権の譲受けをEに対抗できるのは、譲渡通知のされた平成25年5月7日からである(467条1項)。他方、AE間の譲渡禁止特約は、それ以前の同年3月5日にされたから、乙債権の譲渡は、同特約に違反するものとなる。

(2)では、Bは「善意の第三者」(466条2項ただし書)に当たるか。
 同ただし書の趣旨は、特約を知らずに債権を取得した者を保護する点にあるから、「善意の第三者」とは、債権取得時に善意である者をいう。
 本問では、Bが乙債権を取得する平成25年3月5日と同日に債権譲渡禁止特約がされた旨の通知がBにされたから、Bは債権取得時に悪意である。従って、「善意の第三者」には当たらない。

(3)よって、Eは、譲渡禁止特約をもってBに対抗することができる。

以上

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