2013年03月30日

「司法試験平成24年最新判例ノート(コンパクト版) 」を出版しました

でじたる書房より、「司法試験平成24年最新判例ノート(コンパクト版)」を出版しました。
価格は税込みで、525円です。

本書は、平成24年に出された最高裁判例のうち、司法試験での出題可能性のあるものを掲載しています。
コンパクト版の本書は、主として短答の記憶用の教材です。
短答での出題可能性のある判例を、ポイント部分ごとに箇条書き形式にまとめました。
各ポイント部分ごとに、短答の知識対策上の重要度として、AAからCまでのランクを付しました。
(あくまで短答知識としての重要度なので、詳細版とは重要度が異なる場合もあります。)
総ページ数は42ページで、PDF形式となっています。

体験版は、こちら(PDFでダウンロードできます。)

 

※でじたる書房では、一度購入したデータを繰り返しマイページからダウンロードできます。
 ダウンロードに失敗したり、ダウンロード後にデータが消えてしまっても、再度ダウンロードできます。
 PCを買い換えたりした場合であっても、再度購入する必要はありません。
 ダウンロード期間の制限もありませんので、安心してご利用ください。

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【本書からの抜粋】

【 憲 法 】

1:最高裁判所第二小法廷判決平成24年01月13日

重要度:B
 裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権が認められていないことは、憲法32条、37条には違反しない。

2:最高裁判所第一小法廷判決平成24年01月16日

重要度:A
 公務員に対する懲戒処分について、懲戒権者は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の上記行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をすべきかどうか、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定する裁量権を有しており、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となる。

重要度:A
 卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令は、学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義、在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って、地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ、生徒等への配慮を含め、教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであって、このような観点から、その遵守を確保する必要性がある。

重要度:A
 卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令の遵守を確保する必要性に加え、上記職務命令に従わず起立しなかったこと又は伴奏を拒否したことは、その性質、態様が全校の生徒等の出席する重要な学校行事である卒業式等の式典において行われた教職員による職務命令違反であり、当該行為は、その結果、影響として、学校の儀式的行事としての式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらすものであって、それにより式典に参列する生徒への影響も伴うことは否定し難いことからすれば、上記職務命令の違反に対し戒告処分をすることは、学校の規律や秩序の保持等の見地からその相当性が基礎付けられ、法律上、処分それ自体によって教職員の法的地位に直接の職務上ないし給与上の不利益を及ぼすものではないことも併せ考慮すると、将来の昇給等への影響や条例及び規則による勤勉手当への影響を勘案しても、過去の同種の行為による懲戒処分等の処分歴の有無等にかかわらず、基本的に懲戒権者の裁量権の範囲内に属する事柄ということができる。

重要度:B
 卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令に従わず起立しなかったこと又は伴奏を拒否したこと(不起立行為等)の動機、原因は、当該教職員の歴史観ないし世界観等に由来する「君が代」や「日の丸」に対する否定的評価等のゆえに、上記職務命令により求められる行為と自らの歴史観ないし世界観等に由来する外部的行動とが相違することであり、個人の歴史観ないし世界観等に起因するものであること、不起立行為等の性質、態様が、積極的な妨害等の作為ではなく、物理的に式次第の遂行を妨げるものではなく、また、当該行為のこのような性質、態様に鑑み、当該式典の進行に具体的にどの程度の支障や混乱をもたらしたかは客観的な評価の困難な事柄であるといえることは、不起立行為等に対する懲戒において戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについて、事案の性質等を踏まえた慎重な考慮を必要とする事情であるが、このことを勘案しても、戒告処分をすることが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるとは解し難い。

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2013年03月22日

司法試験平成24年最新判例ノート(詳細版)」を出版しました

でじたる書房より、「司法試験平成24年最新判例ノート(詳細版)」を出版しました。
価格は、税込みで、630円です。

本書は、平成24年に出された最高裁判例のうち、司法試験での出題可能性のあるものを掲載しています。
収録判例数は、憲法10、行政法5、民法9、商法4、民訴法4、刑法8、刑訴法7の計47です。
各判例ごとにAAからCまでの重要度ランクを付し、また、「学習上の留意点」の項目を設け、司法試験対策上、当該判例をどのように扱えばよいかという点について、コメントを付しました。
総ページ数は371ページで、PDF形式となっています。

詳細版の本書は、事案の詳細、最高裁の判断、個別意見のほぼ全文を収録しています。
そのため、全体の文量はかなりの量になっています。
いきなり全文に目を通すのは大変です。
そこで、要所に下線部を付し、下線部だけをつないで読めば、概要をつかめるように工夫をしています。
まずは下線部だけをざっと読み、必要に応じて下線部以外にも目を通していくと良いと思います。
詳細版は、主として理解のための教材です。
全部を覚えようとするのではなく、こんな判例があるのか、こんな問題点もあるのか。
そんな発想で、ざっと目を通していくと、それほど苦痛にならないと思います。

体験版は、こちら(PDFでダウンロードできます。)

 

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【本書からの抜粋】

【 憲 法 】

1:最高裁判所第二小法廷判決平成24年01月13日
重要度:B

【論点】
 裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権を認めていないことは、憲法32条、37条に違反するか。

【判旨】
 所論は、裁判員法による裁判員制度には、被告人の権利が十分保障されないなど多くの問題点があり、裁判員制度は、同制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権を認めていない点において、憲法32条、37条に違反する旨主張する。
 しかし、憲法は、刑事裁判における国民の司法参加を許容しており、憲法の定める適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り、その内容を立法政策に委ねていると解されるところ、裁判員制度においては、公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が制度的に保障されているなど、上記の諸原則が確保されている。したがって、裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権が認められていないからといって、同制度が憲法32条、37条に違反するものではない。このように解すべきことは、当裁判所の判例(最高裁平成22年(あ)第1196号同23年11月16日大法廷判決・裁判所時報1544号1頁)の趣旨に徴して明らかである。

【学習上の留意点】
 主として短答の知識である。被告人に選択権が認められていないということと、最高裁が明示的に合憲判断を下したという点を覚えておこう。
 なお、引用されている平成23年の大法廷判決は、被告人の選択権については明示的に判断していない。引用に係る部分は、理由付けの「憲法は、刑事裁判における国民の司法参加を許容しており、憲法の定める適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り、その内容を立法政策に委ねていると解されるところ、裁判員制度においては、公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が制度的に保障されているなど、上記の諸原則が確保されている」という部分である。この部分も、肢として出された場合に正誤を判断できるようにしておこう。

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2013年03月18日

政府公表資料等情報

参院法務委員会平成24年07月26日より抜粋(下線は当サイトによる)

○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 この給費制あるいは貸与制という問題、この二、三年、こういった法案の形で何度も出てきておるわけですけれども、私は大変違和感を持って見ております
 といいますのは、やはり、今回、法曹の養成の在り方そのものについて考えなくちゃいけないときに、この給費制、貸与制という意味でいえば、もちろん当事者にとっては大きな問題かもしれませんけれども、ちょっとやはり論点がずれてしまっているんじゃないかなということを常に感じております。
 やはりロースクールという新しい制度ができた中で、まず大臣にお尋ねいたしますけれども、そもそもこういった司法修習という制度を残す意味がどこまであったのか、そこがまず問われなくちゃいけないと思うんですけれども、その辺、大臣、どういうふうにお考えになるでしょうか。

○国務大臣(滝実君) 今委員の御指摘のとおり、法科大学院という問題と司法修習との関係について当時の議論を思い出しますと、それほど密接な関連性を持った詰めた議論というものがあったかどうかというのは、なかなか把握しにくいところがございます。恐らく、文科省は文科省でどうあるべきかという議論はしていたと思います。それから、当時の司法制度改革審議会ですか、そこでも議論はあったと思います。
 ただ、それぞれの部門ごとに議論をしていた、その結果が法曹養成の一つの制度として成り立ってきたわけでございますから、実際に踏み切ったときにそれぞれの部門で議論をしてきたことがかなり優先的に選択をされてきた嫌いがあるんじゃなかろうかなというようなことを今になっては反省材料として持っているところでございます。
 したがって、当時言われていたのが、アメリカのロースクールのような格好でどうだとか、そういうような言葉は飛び交っておりましたけれども、それじゃアメリカのロースクールがどういうようなものであったかということは余り詰めた議論がなかったようにも思いますし、当時はそれぞれの部門で議論してきたことがそれぞれ実施段階でそのまま採用されていった嫌いがなきにしもあらずというのが今の反省材料でございます

○桜内文城君 率直に反省を述べていただきまして、その点は評価したいと思いますけれども、やはり文部科学省と法務省との間でうまく議論の連携がなされていなかったということは否めないかと思います。
 アメリカのロースクールを見てみますと、もちろんその後の修習というのはないわけでして、そもそもこういった司法修習の必要性そのものを本来踏まえた上でロースクールの設計も行うべきであったのではないかということは指摘しておきます。逆に言いますと、そういったそもそも必要性があるのかないのか、存在意義がどうなのかというのを問われなければならないときに、修習生に対する貸与制なのか給費制なのかというところはその次の問題になってくる話ですので、やはり議論の順番としていかがなものかなという違和感は申し述べておきます。
 そして、二つ目ですけれども、これは法務大臣にお聞きしても答えられないことだとは思うんですが、とにかくロースクールに入学する前に一定の試験を行いますよね。これ、日弁連さん等がやっている部分もあるとお聞きしますけれども、今回こうやって問題になりますのは、やはりロースクールにいる間の経済的な負担、恐らくこれが最も大きいことだと思いますし、また、経済的な負担がありながらも、なかなかみんながみんな合格できるわけではない。
 こういった点で、大変リスクをしょいながらロースクールに在籍する学生さんは日々一生懸命勉強していると思うんですけれども、例えばロースクールに入る際の試験を日弁連が実施するというのであれば、例えば将来の法曹を志願する者について日弁連さんが奨学金制度をつくるですとか、いろんな対応の仕方があるかと思います。もちろん政府が対応するというのもありますし、そういった意味で日弁連がもうちょっと自主的にやるべきじゃないかと私は思うんですけれども、大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。

○国務大臣(滝実君) 基本的に、今委員が御指摘のように、それぞれの団体がいろんなことを検討していただけるのは大変有り難いことだろうと思います。
 ただ、法務省の立場から日弁連さんにお願いしますよとか、そういうようなことはなかなか制度として仕組めない話ではないだろうかなという感じがあります。日弁連は日弁連としていろんなことをお考えいただいていると思います。しかし、それを今先生が一つの例として御提案されたような格好で、法務省が今、日弁連の意見も聞かずに、それでどうだろうかということで、その可能性というものについて言及するというのは少し行き過ぎだろうと思いますけれども、いろんな意見が出てきて、そしてこの制度を盛り上げていく、あるいは守っていただく、そういうような方向ができれば有り難い話だと考えております。

○桜内文城君 そういった議論をする前提として、まず確認させていただきたいんですけれども、これまでロースクールで司法試験の受験資格を得た者の累積の数と、その中で実際に合格していった人の数、そしてその割合についてお聞きしたいと思います。──どなたでももちろん。これ、通告しておりますので、昨日のうちに。数、割合、お願いいたします。

○国務大臣(滝実君) 今までの新司法試験の合格者数、現在は二千人台でございますけれども、この二千人台が続いておりますのは平成二十年、二十一年、二十二年、これが三年続けて大体同じような数字が合格者として挙がっております。そして、合格率は、しかし一方では年々下がっていると。例えば、平成二十年は合格率が三三・〇%、二十一年は二七・六%、二十二年は二五・四%と、こういうように合格率そのものは下がってきているというのが現状でございます。

○桜内文城君 受験資格を得た者の累積数も昨日のうちに通告しておるんですが、それは法務省の方で調べていないんでしょうか。──ないならないで結構なんですが、しっかり、これ通告していますので、このぐらい準備してもらわないと困ります。これは言っておきます。
 とにかく、こういった数、なぜお聞きしているかといいますと、ロースクールに進学して法曹を目指しながらもなかなか合格できない、そういったリスクが高い、かつ、その間の経済的負担も非常に大きいという不安に悩む学生さんが多い中、言わば晴れて司法試験に通って修習生になった人に対して、貸与制なのか給与制なのか、これは申し訳ないんですけれども、やはり優先順位からすれば次の問題だと私は感じております。もちろん、修習生の皆さんからすれば自分自身の大きな問題とは思いますけれども、もっと大きな問題が、その前のロースクールの段階でもっと多くの人が悩んでいるということは指摘しておきたいと思います。
 そこで、先ほど、例えばということで、日弁連さんなりが奨学金制度を設けて、後進の経済的負担を軽減させるですとか、負担をなるべく緩和する、そういった仕組みもあろうかという提案をしたわけですけれども、もちろん、常に日弁連さんの話になりますと、法務省あるいは法務大臣としては、弁護士自治という大原則からいってなかなか物が言いにくいということは常におっしゃるところでありますが、私、やはりこの弁護士自治の在り方そして範囲というのも、やはり問い直すべき時期に来ているんじゃないかというふうに思っております。
 元々のこの弁護士自治、弁護士法の趣旨にもあると思うんですけれども、弁護士自治の趣旨に基づいて、その弁護士自治が適用される範囲というのもおのずと決まってくることかと思います。もちろん、解釈いろいろあろうかと思いますけれども、今の法務省のお立場、お考えについて、弁護士自治について、趣旨それから範囲についてお尋ねいたします

○国務大臣(滝実君) 基本的に、弁護士会の存在理由というのは、弁護士法に基づいて設立する団体でございますし、弁護士の業務を行うためにはどこかの地域の弁護士会に加入すると、こういう建前でございますから、そういう意味では、大変、弁護士会の仕事というのはそれなりの公的な側面を持っているということは事実だろうと思います。ただ、そこでやっていただくのは、弁護士の中の言わば倫理規制でありますとか、あるいは研さん、研修の実施主体になってもらうとか、そういうような言わばパブリックに近い仕事を弁護士会はおやりいただいているというのが実態だろうと思います。
 そういう意味では、今委員が仰せのとおり、この法曹養成という中では圧倒的に弁護士さんの数が多いわけですから、弁護士会もそれなりの法曹養成の財政的な負担はどうなのかと、こういう御提案だろうと思いますしかし、そこまで財政問題が深くかかわる問題について私の方から弁護士会にいろんな提案をしていくというのは、それはいささかどうなのかというのが先ほど申し上げたところでございます。
 しかし、今の御提案については、弁護士会にもこの場の雰囲気をお伝えするということはさせていただきたいとは思いますけれども、具体的な財政問題が掛かってくる、しかも金額的にはそれなりの金額、まとまった金額でございますから、そういう意味でも、弁護士会というのは別にどこからもお金が入ってくるわけではございませんで、会員の会費ということが前提でございますから、その辺のところも併せて考えていかなければいけない問題だろうと思います。

○桜内文城君 私は会計士補として日本公認会計士協会の準会員でもあるわけですけれども、もちろん、それぞれの仕事の内容によってその自治の在り方というのは変わってきてしかるべきだと思いますけれども、例えば今回のこの給費制云々の話についても大変なロビー活動を日弁連さん、されておりますそのような自由は謳歌しながら、一方で、例えば過払い金訴訟に関係したような弁護士さんの脱税の事例も大変多く報道されておったりします
 私の考えを述べますと、やはり弁護士自治の元々の趣旨というのはどこにあるかといえば、まさに国家からの自由、国民の自由権を守るために国家と対峙しなければならない、そういった人権、基本的人権を守っていくというその社会正義を実現していくという中で、そのような仕事をされるという意味で政府から干渉を受けないということが私はやっぱり趣旨だと思います。
 しかし、それは何をやってもいいという趣旨ではなくて、特に弁護士の報酬ですとか活動の範囲ですとかというものはおのずとその趣旨に照らして限定されなければならないと思います。例えば、今申し上げました、大変悪い事例ですけれども、脱税の自由なんかありません。ただ、残念ながら、日弁連さんに脱税の事例、金額、一体幾らあるんですかと言っても、開示もしない
 そういった経済的活動に関する部分までも、これ二重の基準で言っているつもりもないですけれども、やはり国民の自由権を守るという大事な仕事の傍ら、一般の多くの弁護士さんはやはりお金もうけに走る場合もあります。それが悪い、お金もうけが悪いとは言いませんけれども、度を越す場合も、もちろんこれはどの職業の人だってあるわけですけれども、そういった方々に一切法務省なり政府が口が出せないという論法は、今の時代、通用するのかなというふうに思っております。
 特にこの給費制に限らず、大変なロビー活動を彼らしております私はそれ苦々しく見ておる次第ですけれども、もちろん重要な仕事とはいえ、やっぱり節度を持って、倫理観を持ってやっていただきたいなということは、まあ法務大臣に言ってもしようがないんですけれども、この場で申し上げておきたいと思います。
 そして、次に法曹養成制度全般についてお尋ねいたしますが、先ほども指摘されましたけれども、修習専念義務、これはいち早く取り外すことが必要かと思います
 先ほど会計士の事例を申しましたけれども、会計士も実務補習というのが合格の後あります。ただ、その間、彼ら、基本的には監査法人なりに勤めて、その補習も夕方から始めるとか土日にやるとか、そういう仕組みで、最後の修了考査というのは、これはその単位を取得したらば受けなさいという形を取っておりまして、修習、仮に続けるとすればですよ、私は修習制度そのものに疑問を感じるものでありますけれども、修習を続けるのであれば、せめて修習専念義務は外してあげるということが必要かと思います。これは意見として述べておきます。
 一方で、就職難ということも言われたりしておりますけれども、それは私は修習生の立場から言うべきことではないと思っております。あるいは、我々が制度を構築していく上で、余り考慮すべきものではないというふうに思っています、ちょっと言い方は厳しいかもしれませんけれども。
 というのは、やはり弁護士にしろ、これは独立資格ですよ。自分でいずれは人を雇って雇用をつくっていくぐらいの気概がない人が、単に、例えば国家公務員試験に受かって役所に行くみたいな話じゃないんですから。これは公認会計士も同じことが言えます。今、就職難と言われていますけれども、そういう若い人が大きな組織に入りたいというのは分からぬでもないですけれども、それで終わっちゃいかぬのですよ。そのための資格であり、試験であり、そして彼らの人生が、そこから切り開いていってもらうということが必要だと思います。
 その上で申し上げますけれども、よく質の確保ということも言われますけれども、やはりもっと私は数を増やすべきだと思います。もちろん最低限の質というのは必要だと思いますけれども、こういうふうに就職難だからって合格者の数を減らすというのは、むしろ今既に法曹資格を持っている人たちの既得権益を守るということにつながりかねないと思っておりまして、それが法曹養成フォーラムの中でも、申し訳ないんですが、また日弁連の名前出しちゃいますけれども、日弁連さんがそういう主張を強くしている。また、それが法務大臣から何も言えないこういった形はいかがなものかと思うんですけれども、質の確保とそして数について、法務大臣、どのようにお考えになるでしょうか。

○国務大臣(滝実君) 基本的に、法曹制度を新しくするときの議論がやっぱり先行したものですから、今のような格好で、数がどうかという議論がやはり前提条件になって付いて回ってきたというのが実態だろうと思いますね。
 従前の司法試験であれば、合格率などということは始めから問題にしていない試験であって、毎年毎年の合格者が、いや二百人から五百人などとか、そういうことはありましたけれども、合格率を幾らにするなんということは、試験でございますから当然なかった。ところが、この新しい制度にするときに、法科大学院のメリットを強調する余り、将来は七割から八割合格者が出るんだというような前提でこの制度が出発したところにこの問題の不幸なところがあるように思います。
 やはり試験制度でございますから、それにふさわしい人をどうやって合格させるかというのが前提条件として考えられた制度でもありますので、その辺のところは、やはりこれは大きな問題として議論の中で、今、反省材料も含めて決着をしていかなければいけない、そんな感じをいたしております。

○桜内文城君 最後に重ねて言っておきますけれども、やはりロースクールの在り方、そして法曹養成の在り方に絡む話でもあります。ですので、先ほども話ありましたが、一年以内にということでもありますので、このロースクールの在り方、修習制度の在り方そのもの、そして法曹の数、私はこれ制限すべきじゃないと思います。会計士の関連資格でいいますと簿記一級とか二級とかありますが、別にあれ、数で制限しているわけじゃないんですね。一定の水準を超えれば皆合格するというものでして、そこから先は、本当にプロフェッションとして仕事をやってみて、出来のいい人は稼ぐ、あるいは稼げる、出来の悪い人は稼げないその新規参入を規制するということが、それも合格者の数で規制するということが日本のこれまでの法曹界の既得権益というのをやはり強めてきた原因じゃないかなと私は感じますので、できるだけ開かれた議論をお願いしたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。

 

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。・・我が党は、二〇〇四年にこの司法修習生の給費制を貸与制に移行する法案については反対をいたしました。公的な役割を担う法曹の養成に受益者負担主義を持ち込むべきでないし、経済的な理由で法曹を断念することになれば、多様な人材を取り込むという司法制度改革の趣旨にも反するという理由からでありました。
 その後、司法修習生の経済的な困難性、弁護士の就職難、それを原因の一つとする法曹志望者の減少などなどの問題が起こる中で、貸与制については一年間延期をして、そして全体の議論をしようじゃないかということになったわけでありますが、結局、設置された法曹養成フォーラムでは、全体の議論がまとまる前に給費制の打切りだけが決められるということになったわけであります。
 法案は貸与制への移行を前提に一定の改正をするものでありますけれども、給費制の打切りという点では変わりませんし、その復活を保証するものではないということで、私どもとしては賛成をできません
 しかしながら、この維持、復活へということで様々な努力がされてきたということがあるわけで、新しくつくられる合議体も生かしながら、その復活のために一緒に力を尽くすという点では共通でありまして、その立場で質問をしたいと思いますが、修正案では、この合議体で、結論として、給費制の復活も排除しないということが先ほども答弁でありました。衆議院で公明党さんが提出された修正案ではこの検討の間は給費制を続けるという中身であったんですが、私どもこれには賛成という立場でした。残念ながら否決をされ、今回の修正になっているわけですが、新たな合議体で給費制の復活も含めて議論をすると、排除されないということであるならば、その間は維持をするべきだったと私は思うんですが、その点、提案者、いかがでしょうか

○衆議院議員(辻惠君) お答えいたします。
 元々、法案の成立の時点で給費制は二〇一〇年まで延長するということに、廃止をそれまで見守るということになっていて、一昨年の改正の時点で昨年十一月まで延長をされたということでありますから、給費制を存続させて議論を深めるというのももちろん選択肢としては十分あり得ただろうというふうに思っておりますし、ただ、全体的な合意が得られない状況の中で、元々貸与制への移行が前提にされていたという現実に踏まえて、適切な経済的措置を早急に抜本的な法曹養成制度全体の見直しの中で図るという、やむを得ない選択として今回修正案を提出させていただいております

○井上哲士君 全体の合意にならなかったということでありますが、大変残念であります。
 その公明党修正案では、法曹になろうとする者が経済的理由から法曹になることを断念することがないよう法曹の養成に対し適切な財政支援を行う観点からと、こういう文言があったわけですが、これは否決をされて、修正されたものでは、司法修習に対する適切な経済的支援を行う観点からということに変わっておりますが、これはどういう違いがあり、どういう理由からこうなったんでしょうか

○衆議院議員(辻惠君) 法曹になろうとする者全体についての経済的理由の支援ということと司法修習生に対する支援ということと対比して、前者を否定するという意味で否決されたものではないというふうに私は理解しておりまして、文言上、裁判所法では、司法修習生、修習について規定するというくだりになっておりますので、それに合わせた表現になっているにすぎないものであって、趣旨は全く変わらないものであるというふうに考えております。

○井上哲士君 趣旨は全く変わらないということであります。
 次に、給費制の復活を排除しないと。先ほどやはり提案者から、その際に、遡って、現在貸与制の方にも給費制が実質的に適用されるという方向について、これも排除されないという答弁がございました。法務大臣からは、全員が貸与を受けているわけでもないのでいろいろ難しい問題があるというような答弁はあったんですが給費制の復活という場合に結果として不公平が生じないようにきちっとした措置がとられるようになると、そういう貸与制を受けた方、受けていない方も含めて、こういうことはきちっと手当てをする必要があると、この点では確認してよろしいでしょうか。法務大臣。

○国務大臣(滝実君) その辺のところは、要するにこれからの、仮に給費制に戻るとした場合の議論の一つのポイント、そんなに大きなポイントというわけにはまいりませんけれども、一つのポイントであることは先ほども御指摘を申し上げたところでございます。

○井上哲士君 きちっとそういうことを議論をしていくということでありますが。
 この修正案では、経済的支援について、司法修習生の修習の位置付けを踏まえて検討するとされております。その趣旨について、衆議院では提案者から、戦前の分離修習ではなく、戦後の法曹養成については、法曹三者はそれぞれ司法の担い手であり、職業としての法曹は一体であるべきとして統一修習がされてきた、この意義を踏まえるべきだという答弁がございました。
 やはり、国の土台とも言える司法権の強化とか人権保障の観点から、法曹三者を統一して国が養成をするということと、その修習に専念する義務を課すということと、そしてその生活を保障する給費制というのは、私は一体だったと思います。
 私は、弁護士会が、会としても個人でも非常に旺盛に公益活動取り組んでこられたと思うんですね。先ほども議論ありました。個々にいろんな問題を起こす方はもちろんいらっしゃいます。しかし、全体として見れば、大変そういう活動取り組んでこられたと思いますが、やはりそれを醸成してきたのが、一つがこの給費制の意味があると思うんです。
 先日の質問でも、例えば日弁連の少年保護事件の付添援助事業を取り上げましたけれども、それぞれ皆さんが基金に拠出をして、こういうことも取り組んでいらっしゃいますし、東日本大震災の復興活動でも重要な役割をしてこられました。
 私は、いわゆるロビー活動という問題も、現場でいろんなやはり立法上の問題があるということを国会にしっかり届けられるということは、この公益活動の一つとして大変重要な役割も果たしてこられたと思っております。
 こういう給費制が法曹の公共心であるとか強い使命感、その醸成に大きな役割を果たしてきたと考えますけれども、この点は法務大臣としてはどう評価をされているでしょうか

○国務大臣(滝実君) その点は、私は実際の経験者じゃありませんから何とも言いようがありませんけれども、そういうような指摘があるとすれば、それはそれなりの役目を果たしてきた、一つの公務員の一形態として自覚をそれによってされた人は、一生涯そういうつもりで法曹として取り組んでくれているというような人があるとすれば、それはもう大きな役割を果たしたということは否定できないと思います。

○井上哲士君 貸与制になった修習生の方のいろんな声なんかも私ども聞くんですが、例えば、大ベテランの先生から、修習のときに国のお世話になって育ててもらったという意識が残っているからいまだに少年事件なんかもやっているんだよなという話を聞いて、自分もそういう弁護士になりたいと強く思ってきたけれども、今現実に貸与制になって、国に育ててもらっているという意識が生まれようがないということを言っているんですね。もちろん、こういう方もいろんなことを通じて公益活動に旺盛に取り組んでいただけるとは私は思っておりますけれども、やはりそういう思いを持たせている、これがいろんな点で今後どういうことになっていくのかなと思いますと、そういう角度から今後議論も深めるべきだと思うんですね。
 同時に、当然経済的な問題があります。衆議院での当時の小川大臣の答弁なんですが、修習中に経済的な支援を受けられるということでは、給費制も貸与制も実質的には同じではないかと、ただ、法曹になったときに、返還できるという経済力を付けた段階ではお返しいただきたいということなんだと、こういう答弁がありましたけれども、私はちょっと現実とは違うと思うんですね。
 現に、先ほどもありましたけれども、貸与制になったということで、司法試験に受かりながら経済的な事情によって修習を辞退をしたという方のお話も直接私は聞く機会もありました。やっぱり実質的に同じではなくて、現に貸与制になったことで法曹の道が遠のいてしまう人がいる、経済的理由でと、こういうことについては大臣はどういう認識でありましょうか

○国務大臣(滝実君) 貸与制と申しましても、国が全く負担をしないわけではございませんで、貸与制としても返還年限は十年という大変長い時間を設定しているということもあるわけでございますから、貸与制は国が全然何もやっていないんだというわけにはいかないと思います。
 私も学生時代、奨学金を数々受けました。その受けた奨学金の主宰者には今でも感謝をいたしております。そんな状況でございまして、別に給費生として給付を受けたわけじゃありません、ちゃんと後返したんでございますけれども、それでもやはり奨学金を受けたという恩恵は、これは残るんですよね。そういうものだろうと私は思っております。
 それがたまたま公務員に準じた格好で給費生として存在したということが一生涯の支えになっているという方がおいでになれば、それは大変良かったなということは評価しなきゃいけないとは思いますけれども、そういうような国の財政の中でどう考えるかということが、この給費制か貸与制かという議論の中では一つの判断材料としてあるんじゃなかろうかな、しかしこれはここで私が言うことじゃなくて、これから新しい体制の中で十分に議論をして決めていくという、改めて議論していく問題だろうと思っています。

○井上哲士君 時間ですので終わりますが、戦後初めて貸与制で修習を受けている人たちがいるわけですね。そういう人たちに実際何が起きているのか、よく、合議体でもそうですし、法務省としても話を聞いて、特に当面の実費負担の問題など直ちに解決すべき問題がありますそういうことも含めてしっかり対応していただきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わります。

 

○委員長(西田実仁君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 裁判所法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

○委員長(西田実仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました

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