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司法試験平成28年最新判例ノート
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令状なしのGPS捜査「違法」 最高裁が初判断
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 肢別本〈3〉民事系民法1〈平成28年版〉
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法曹養成制度関係閣僚会議
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民法の一部を改正する法律案
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2013年03月30日

「司法試験平成24年最新判例ノート(コンパクト版) 」を出版しました

でじたる書房より、「司法試験平成24年最新判例ノート(コンパクト版)」を出版しました。
価格は税込みで、525円です。

本書は、平成24年に出された最高裁判例のうち、司法試験での出題可能性のあるものを掲載しています。
コンパクト版の本書は、主として短答の記憶用の教材です。
短答での出題可能性のある判例を、ポイント部分ごとに箇条書き形式にまとめました。
各ポイント部分ごとに、短答の知識対策上の重要度として、AAからCまでのランクを付しました。
(あくまで短答知識としての重要度なので、詳細版とは重要度が異なる場合もあります。)
総ページ数は42ページで、PDF形式となっています。

体験版は、こちら(PDFでダウンロードできます。)

 

※でじたる書房では、一度購入したデータを繰り返しマイページからダウンロードできます。
 ダウンロードに失敗したり、ダウンロード後にデータが消えてしまっても、再度ダウンロードできます。
 PCを買い換えたりした場合であっても、再度購入する必要はありません。
 ダウンロード期間の制限もありませんので、安心してご利用ください。

 クレジットカードをお持ちでない方には、ゆうちょATM等で購入できるBitCashが便利です。
 (ゆうちょATMでの購入方法はこちら。)
 ネットバンキングを利用されている方は、ウェブマネーが便利です。
 (ネットバンキングを利用した購入方法はこちら。)
 他にも、様々な決済方法があります(詳細はこちら)。

当サイト作成の電子書籍の一覧はこちら

 

【本書からの抜粋】

【 憲 法 】

1:最高裁判所第二小法廷判決平成24年01月13日

重要度:B
 裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権が認められていないことは、憲法32条、37条には違反しない。

2:最高裁判所第一小法廷判決平成24年01月16日

重要度:A
 公務員に対する懲戒処分について、懲戒権者は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の上記行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をすべきかどうか、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定する裁量権を有しており、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となる。

重要度:A
 卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令は、学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義、在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って、地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ、生徒等への配慮を含め、教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであって、このような観点から、その遵守を確保する必要性がある。

重要度:A
 卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令の遵守を確保する必要性に加え、上記職務命令に従わず起立しなかったこと又は伴奏を拒否したことは、その性質、態様が全校の生徒等の出席する重要な学校行事である卒業式等の式典において行われた教職員による職務命令違反であり、当該行為は、その結果、影響として、学校の儀式的行事としての式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらすものであって、それにより式典に参列する生徒への影響も伴うことは否定し難いことからすれば、上記職務命令の違反に対し戒告処分をすることは、学校の規律や秩序の保持等の見地からその相当性が基礎付けられ、法律上、処分それ自体によって教職員の法的地位に直接の職務上ないし給与上の不利益を及ぼすものではないことも併せ考慮すると、将来の昇給等への影響や条例及び規則による勤勉手当への影響を勘案しても、過去の同種の行為による懲戒処分等の処分歴の有無等にかかわらず、基本的に懲戒権者の裁量権の範囲内に属する事柄ということができる。

重要度:B
 卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令に従わず起立しなかったこと又は伴奏を拒否したこと(不起立行為等)の動機、原因は、当該教職員の歴史観ないし世界観等に由来する「君が代」や「日の丸」に対する否定的評価等のゆえに、上記職務命令により求められる行為と自らの歴史観ないし世界観等に由来する外部的行動とが相違することであり、個人の歴史観ないし世界観等に起因するものであること、不起立行為等の性質、態様が、積極的な妨害等の作為ではなく、物理的に式次第の遂行を妨げるものではなく、また、当該行為のこのような性質、態様に鑑み、当該式典の進行に具体的にどの程度の支障や混乱をもたらしたかは客観的な評価の困難な事柄であるといえることは、不起立行為等に対する懲戒において戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについて、事案の性質等を踏まえた慎重な考慮を必要とする事情であるが、このことを勘案しても、戒告処分をすることが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるとは解し難い。

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2013年03月22日

司法試験平成24年最新判例ノート(詳細版)」を出版しました

でじたる書房より、「司法試験平成24年最新判例ノート(詳細版)」を出版しました。
価格は、税込みで、630円です。

本書は、平成24年に出された最高裁判例のうち、司法試験での出題可能性のあるものを掲載しています。
収録判例数は、憲法10、行政法5、民法9、商法4、民訴法4、刑法8、刑訴法7の計47です。
各判例ごとにAAからCまでの重要度ランクを付し、また、「学習上の留意点」の項目を設け、司法試験対策上、当該判例をどのように扱えばよいかという点について、コメントを付しました。
総ページ数は371ページで、PDF形式となっています。

詳細版の本書は、事案の詳細、最高裁の判断、個別意見のほぼ全文を収録しています。
そのため、全体の文量はかなりの量になっています。
いきなり全文に目を通すのは大変です。
そこで、要所に下線部を付し、下線部だけをつないで読めば、概要をつかめるように工夫をしています。
まずは下線部だけをざっと読み、必要に応じて下線部以外にも目を通していくと良いと思います。
詳細版は、主として理解のための教材です。
全部を覚えようとするのではなく、こんな判例があるのか、こんな問題点もあるのか。
そんな発想で、ざっと目を通していくと、それほど苦痛にならないと思います。

体験版は、こちら(PDFでダウンロードできます。)

 

※でじたる書房では、一度購入したデータを繰り返しマイページからダウンロードできます。
 ダウンロードに失敗したり、ダウンロード後にデータが消えてしまっても、再度ダウンロードできます。
 PCを買い換えたりした場合であっても、再度購入する必要はありません。
 ダウンロード期間の制限もありませんので、安心してご利用ください。

 クレジットカードをお持ちでない方には、ゆうちょATM等で購入できるBitCashが便利です。
 (ゆうちょATMでの購入方法はこちら。)
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 他にも、様々な決済方法があります(詳細はこちら)。

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【本書からの抜粋】

【 憲 法 】

1:最高裁判所第二小法廷判決平成24年01月13日
重要度:B

【論点】
 裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権を認めていないことは、憲法32条、37条に違反するか。

【判旨】
 所論は、裁判員法による裁判員制度には、被告人の権利が十分保障されないなど多くの問題点があり、裁判員制度は、同制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権を認めていない点において、憲法32条、37条に違反する旨主張する。
 しかし、憲法は、刑事裁判における国民の司法参加を許容しており、憲法の定める適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り、その内容を立法政策に委ねていると解されるところ、裁判員制度においては、公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が制度的に保障されているなど、上記の諸原則が確保されている。したがって、裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権が認められていないからといって、同制度が憲法32条、37条に違反するものではない。このように解すべきことは、当裁判所の判例(最高裁平成22年(あ)第1196号同23年11月16日大法廷判決・裁判所時報1544号1頁)の趣旨に徴して明らかである。

【学習上の留意点】
 主として短答の知識である。被告人に選択権が認められていないということと、最高裁が明示的に合憲判断を下したという点を覚えておこう。
 なお、引用されている平成23年の大法廷判決は、被告人の選択権については明示的に判断していない。引用に係る部分は、理由付けの「憲法は、刑事裁判における国民の司法参加を許容しており、憲法の定める適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り、その内容を立法政策に委ねていると解されるところ、裁判員制度においては、公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が制度的に保障されているなど、上記の諸原則が確保されている」という部分である。この部分も、肢として出された場合に正誤を判断できるようにしておこう。

posted by studyweb5 at 18:02| 電子書籍紹介 | 更新情報をチェックする

2013年03月18日

政府公表資料等情報

参院法務委員会平成24年07月26日より抜粋(下線は当サイトによる)

○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 この給費制あるいは貸与制という問題、この二、三年、こういった法案の形で何度も出てきておるわけですけれども、私は大変違和感を持って見ております
 といいますのは、やはり、今回、法曹の養成の在り方そのものについて考えなくちゃいけないときに、この給費制、貸与制という意味でいえば、もちろん当事者にとっては大きな問題かもしれませんけれども、ちょっとやはり論点がずれてしまっているんじゃないかなということを常に感じております。
 やはりロースクールという新しい制度ができた中で、まず大臣にお尋ねいたしますけれども、そもそもこういった司法修習という制度を残す意味がどこまであったのか、そこがまず問われなくちゃいけないと思うんですけれども、その辺、大臣、どういうふうにお考えになるでしょうか。

○国務大臣(滝実君) 今委員の御指摘のとおり、法科大学院という問題と司法修習との関係について当時の議論を思い出しますと、それほど密接な関連性を持った詰めた議論というものがあったかどうかというのは、なかなか把握しにくいところがございます。恐らく、文科省は文科省でどうあるべきかという議論はしていたと思います。それから、当時の司法制度改革審議会ですか、そこでも議論はあったと思います。
 ただ、それぞれの部門ごとに議論をしていた、その結果が法曹養成の一つの制度として成り立ってきたわけでございますから、実際に踏み切ったときにそれぞれの部門で議論をしてきたことがかなり優先的に選択をされてきた嫌いがあるんじゃなかろうかなというようなことを今になっては反省材料として持っているところでございます。
 したがって、当時言われていたのが、アメリカのロースクールのような格好でどうだとか、そういうような言葉は飛び交っておりましたけれども、それじゃアメリカのロースクールがどういうようなものであったかということは余り詰めた議論がなかったようにも思いますし、当時はそれぞれの部門で議論してきたことがそれぞれ実施段階でそのまま採用されていった嫌いがなきにしもあらずというのが今の反省材料でございます

○桜内文城君 率直に反省を述べていただきまして、その点は評価したいと思いますけれども、やはり文部科学省と法務省との間でうまく議論の連携がなされていなかったということは否めないかと思います。
 アメリカのロースクールを見てみますと、もちろんその後の修習というのはないわけでして、そもそもこういった司法修習の必要性そのものを本来踏まえた上でロースクールの設計も行うべきであったのではないかということは指摘しておきます。逆に言いますと、そういったそもそも必要性があるのかないのか、存在意義がどうなのかというのを問われなければならないときに、修習生に対する貸与制なのか給費制なのかというところはその次の問題になってくる話ですので、やはり議論の順番としていかがなものかなという違和感は申し述べておきます。
 そして、二つ目ですけれども、これは法務大臣にお聞きしても答えられないことだとは思うんですが、とにかくロースクールに入学する前に一定の試験を行いますよね。これ、日弁連さん等がやっている部分もあるとお聞きしますけれども、今回こうやって問題になりますのは、やはりロースクールにいる間の経済的な負担、恐らくこれが最も大きいことだと思いますし、また、経済的な負担がありながらも、なかなかみんながみんな合格できるわけではない。
 こういった点で、大変リスクをしょいながらロースクールに在籍する学生さんは日々一生懸命勉強していると思うんですけれども、例えばロースクールに入る際の試験を日弁連が実施するというのであれば、例えば将来の法曹を志願する者について日弁連さんが奨学金制度をつくるですとか、いろんな対応の仕方があるかと思います。もちろん政府が対応するというのもありますし、そういった意味で日弁連がもうちょっと自主的にやるべきじゃないかと私は思うんですけれども、大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。

○国務大臣(滝実君) 基本的に、今委員が御指摘のように、それぞれの団体がいろんなことを検討していただけるのは大変有り難いことだろうと思います。
 ただ、法務省の立場から日弁連さんにお願いしますよとか、そういうようなことはなかなか制度として仕組めない話ではないだろうかなという感じがあります。日弁連は日弁連としていろんなことをお考えいただいていると思います。しかし、それを今先生が一つの例として御提案されたような格好で、法務省が今、日弁連の意見も聞かずに、それでどうだろうかということで、その可能性というものについて言及するというのは少し行き過ぎだろうと思いますけれども、いろんな意見が出てきて、そしてこの制度を盛り上げていく、あるいは守っていただく、そういうような方向ができれば有り難い話だと考えております。

○桜内文城君 そういった議論をする前提として、まず確認させていただきたいんですけれども、これまでロースクールで司法試験の受験資格を得た者の累積の数と、その中で実際に合格していった人の数、そしてその割合についてお聞きしたいと思います。──どなたでももちろん。これ、通告しておりますので、昨日のうちに。数、割合、お願いいたします。

○国務大臣(滝実君) 今までの新司法試験の合格者数、現在は二千人台でございますけれども、この二千人台が続いておりますのは平成二十年、二十一年、二十二年、これが三年続けて大体同じような数字が合格者として挙がっております。そして、合格率は、しかし一方では年々下がっていると。例えば、平成二十年は合格率が三三・〇%、二十一年は二七・六%、二十二年は二五・四%と、こういうように合格率そのものは下がってきているというのが現状でございます。

○桜内文城君 受験資格を得た者の累積数も昨日のうちに通告しておるんですが、それは法務省の方で調べていないんでしょうか。──ないならないで結構なんですが、しっかり、これ通告していますので、このぐらい準備してもらわないと困ります。これは言っておきます。
 とにかく、こういった数、なぜお聞きしているかといいますと、ロースクールに進学して法曹を目指しながらもなかなか合格できない、そういったリスクが高い、かつ、その間の経済的負担も非常に大きいという不安に悩む学生さんが多い中、言わば晴れて司法試験に通って修習生になった人に対して、貸与制なのか給与制なのか、これは申し訳ないんですけれども、やはり優先順位からすれば次の問題だと私は感じております。もちろん、修習生の皆さんからすれば自分自身の大きな問題とは思いますけれども、もっと大きな問題が、その前のロースクールの段階でもっと多くの人が悩んでいるということは指摘しておきたいと思います。
 そこで、先ほど、例えばということで、日弁連さんなりが奨学金制度を設けて、後進の経済的負担を軽減させるですとか、負担をなるべく緩和する、そういった仕組みもあろうかという提案をしたわけですけれども、もちろん、常に日弁連さんの話になりますと、法務省あるいは法務大臣としては、弁護士自治という大原則からいってなかなか物が言いにくいということは常におっしゃるところでありますが、私、やはりこの弁護士自治の在り方そして範囲というのも、やはり問い直すべき時期に来ているんじゃないかというふうに思っております。
 元々のこの弁護士自治、弁護士法の趣旨にもあると思うんですけれども、弁護士自治の趣旨に基づいて、その弁護士自治が適用される範囲というのもおのずと決まってくることかと思います。もちろん、解釈いろいろあろうかと思いますけれども、今の法務省のお立場、お考えについて、弁護士自治について、趣旨それから範囲についてお尋ねいたします

○国務大臣(滝実君) 基本的に、弁護士会の存在理由というのは、弁護士法に基づいて設立する団体でございますし、弁護士の業務を行うためにはどこかの地域の弁護士会に加入すると、こういう建前でございますから、そういう意味では、大変、弁護士会の仕事というのはそれなりの公的な側面を持っているということは事実だろうと思います。ただ、そこでやっていただくのは、弁護士の中の言わば倫理規制でありますとか、あるいは研さん、研修の実施主体になってもらうとか、そういうような言わばパブリックに近い仕事を弁護士会はおやりいただいているというのが実態だろうと思います。
 そういう意味では、今委員が仰せのとおり、この法曹養成という中では圧倒的に弁護士さんの数が多いわけですから、弁護士会もそれなりの法曹養成の財政的な負担はどうなのかと、こういう御提案だろうと思いますしかし、そこまで財政問題が深くかかわる問題について私の方から弁護士会にいろんな提案をしていくというのは、それはいささかどうなのかというのが先ほど申し上げたところでございます。
 しかし、今の御提案については、弁護士会にもこの場の雰囲気をお伝えするということはさせていただきたいとは思いますけれども、具体的な財政問題が掛かってくる、しかも金額的にはそれなりの金額、まとまった金額でございますから、そういう意味でも、弁護士会というのは別にどこからもお金が入ってくるわけではございませんで、会員の会費ということが前提でございますから、その辺のところも併せて考えていかなければいけない問題だろうと思います。

○桜内文城君 私は会計士補として日本公認会計士協会の準会員でもあるわけですけれども、もちろん、それぞれの仕事の内容によってその自治の在り方というのは変わってきてしかるべきだと思いますけれども、例えば今回のこの給費制云々の話についても大変なロビー活動を日弁連さん、されておりますそのような自由は謳歌しながら、一方で、例えば過払い金訴訟に関係したような弁護士さんの脱税の事例も大変多く報道されておったりします
 私の考えを述べますと、やはり弁護士自治の元々の趣旨というのはどこにあるかといえば、まさに国家からの自由、国民の自由権を守るために国家と対峙しなければならない、そういった人権、基本的人権を守っていくというその社会正義を実現していくという中で、そのような仕事をされるという意味で政府から干渉を受けないということが私はやっぱり趣旨だと思います。
 しかし、それは何をやってもいいという趣旨ではなくて、特に弁護士の報酬ですとか活動の範囲ですとかというものはおのずとその趣旨に照らして限定されなければならないと思います。例えば、今申し上げました、大変悪い事例ですけれども、脱税の自由なんかありません。ただ、残念ながら、日弁連さんに脱税の事例、金額、一体幾らあるんですかと言っても、開示もしない
 そういった経済的活動に関する部分までも、これ二重の基準で言っているつもりもないですけれども、やはり国民の自由権を守るという大事な仕事の傍ら、一般の多くの弁護士さんはやはりお金もうけに走る場合もあります。それが悪い、お金もうけが悪いとは言いませんけれども、度を越す場合も、もちろんこれはどの職業の人だってあるわけですけれども、そういった方々に一切法務省なり政府が口が出せないという論法は、今の時代、通用するのかなというふうに思っております。
 特にこの給費制に限らず、大変なロビー活動を彼らしております私はそれ苦々しく見ておる次第ですけれども、もちろん重要な仕事とはいえ、やっぱり節度を持って、倫理観を持ってやっていただきたいなということは、まあ法務大臣に言ってもしようがないんですけれども、この場で申し上げておきたいと思います。
 そして、次に法曹養成制度全般についてお尋ねいたしますが、先ほども指摘されましたけれども、修習専念義務、これはいち早く取り外すことが必要かと思います
 先ほど会計士の事例を申しましたけれども、会計士も実務補習というのが合格の後あります。ただ、その間、彼ら、基本的には監査法人なりに勤めて、その補習も夕方から始めるとか土日にやるとか、そういう仕組みで、最後の修了考査というのは、これはその単位を取得したらば受けなさいという形を取っておりまして、修習、仮に続けるとすればですよ、私は修習制度そのものに疑問を感じるものでありますけれども、修習を続けるのであれば、せめて修習専念義務は外してあげるということが必要かと思います。これは意見として述べておきます。
 一方で、就職難ということも言われたりしておりますけれども、それは私は修習生の立場から言うべきことではないと思っております。あるいは、我々が制度を構築していく上で、余り考慮すべきものではないというふうに思っています、ちょっと言い方は厳しいかもしれませんけれども。
 というのは、やはり弁護士にしろ、これは独立資格ですよ。自分でいずれは人を雇って雇用をつくっていくぐらいの気概がない人が、単に、例えば国家公務員試験に受かって役所に行くみたいな話じゃないんですから。これは公認会計士も同じことが言えます。今、就職難と言われていますけれども、そういう若い人が大きな組織に入りたいというのは分からぬでもないですけれども、それで終わっちゃいかぬのですよ。そのための資格であり、試験であり、そして彼らの人生が、そこから切り開いていってもらうということが必要だと思います。
 その上で申し上げますけれども、よく質の確保ということも言われますけれども、やはりもっと私は数を増やすべきだと思います。もちろん最低限の質というのは必要だと思いますけれども、こういうふうに就職難だからって合格者の数を減らすというのは、むしろ今既に法曹資格を持っている人たちの既得権益を守るということにつながりかねないと思っておりまして、それが法曹養成フォーラムの中でも、申し訳ないんですが、また日弁連の名前出しちゃいますけれども、日弁連さんがそういう主張を強くしている。また、それが法務大臣から何も言えないこういった形はいかがなものかと思うんですけれども、質の確保とそして数について、法務大臣、どのようにお考えになるでしょうか。

○国務大臣(滝実君) 基本的に、法曹制度を新しくするときの議論がやっぱり先行したものですから、今のような格好で、数がどうかという議論がやはり前提条件になって付いて回ってきたというのが実態だろうと思いますね。
 従前の司法試験であれば、合格率などということは始めから問題にしていない試験であって、毎年毎年の合格者が、いや二百人から五百人などとか、そういうことはありましたけれども、合格率を幾らにするなんということは、試験でございますから当然なかった。ところが、この新しい制度にするときに、法科大学院のメリットを強調する余り、将来は七割から八割合格者が出るんだというような前提でこの制度が出発したところにこの問題の不幸なところがあるように思います。
 やはり試験制度でございますから、それにふさわしい人をどうやって合格させるかというのが前提条件として考えられた制度でもありますので、その辺のところは、やはりこれは大きな問題として議論の中で、今、反省材料も含めて決着をしていかなければいけない、そんな感じをいたしております。

○桜内文城君 最後に重ねて言っておきますけれども、やはりロースクールの在り方、そして法曹養成の在り方に絡む話でもあります。ですので、先ほども話ありましたが、一年以内にということでもありますので、このロースクールの在り方、修習制度の在り方そのもの、そして法曹の数、私はこれ制限すべきじゃないと思います。会計士の関連資格でいいますと簿記一級とか二級とかありますが、別にあれ、数で制限しているわけじゃないんですね。一定の水準を超えれば皆合格するというものでして、そこから先は、本当にプロフェッションとして仕事をやってみて、出来のいい人は稼ぐ、あるいは稼げる、出来の悪い人は稼げないその新規参入を規制するということが、それも合格者の数で規制するということが日本のこれまでの法曹界の既得権益というのをやはり強めてきた原因じゃないかなと私は感じますので、できるだけ開かれた議論をお願いしたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。

 

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。・・我が党は、二〇〇四年にこの司法修習生の給費制を貸与制に移行する法案については反対をいたしました。公的な役割を担う法曹の養成に受益者負担主義を持ち込むべきでないし、経済的な理由で法曹を断念することになれば、多様な人材を取り込むという司法制度改革の趣旨にも反するという理由からでありました。
 その後、司法修習生の経済的な困難性、弁護士の就職難、それを原因の一つとする法曹志望者の減少などなどの問題が起こる中で、貸与制については一年間延期をして、そして全体の議論をしようじゃないかということになったわけでありますが、結局、設置された法曹養成フォーラムでは、全体の議論がまとまる前に給費制の打切りだけが決められるということになったわけであります。
 法案は貸与制への移行を前提に一定の改正をするものでありますけれども、給費制の打切りという点では変わりませんし、その復活を保証するものではないということで、私どもとしては賛成をできません
 しかしながら、この維持、復活へということで様々な努力がされてきたということがあるわけで、新しくつくられる合議体も生かしながら、その復活のために一緒に力を尽くすという点では共通でありまして、その立場で質問をしたいと思いますが、修正案では、この合議体で、結論として、給費制の復活も排除しないということが先ほども答弁でありました。衆議院で公明党さんが提出された修正案ではこの検討の間は給費制を続けるという中身であったんですが、私どもこれには賛成という立場でした。残念ながら否決をされ、今回の修正になっているわけですが、新たな合議体で給費制の復活も含めて議論をすると、排除されないということであるならば、その間は維持をするべきだったと私は思うんですが、その点、提案者、いかがでしょうか

○衆議院議員(辻惠君) お答えいたします。
 元々、法案の成立の時点で給費制は二〇一〇年まで延長するということに、廃止をそれまで見守るということになっていて、一昨年の改正の時点で昨年十一月まで延長をされたということでありますから、給費制を存続させて議論を深めるというのももちろん選択肢としては十分あり得ただろうというふうに思っておりますし、ただ、全体的な合意が得られない状況の中で、元々貸与制への移行が前提にされていたという現実に踏まえて、適切な経済的措置を早急に抜本的な法曹養成制度全体の見直しの中で図るという、やむを得ない選択として今回修正案を提出させていただいております

○井上哲士君 全体の合意にならなかったということでありますが、大変残念であります。
 その公明党修正案では、法曹になろうとする者が経済的理由から法曹になることを断念することがないよう法曹の養成に対し適切な財政支援を行う観点からと、こういう文言があったわけですが、これは否決をされて、修正されたものでは、司法修習に対する適切な経済的支援を行う観点からということに変わっておりますが、これはどういう違いがあり、どういう理由からこうなったんでしょうか

○衆議院議員(辻惠君) 法曹になろうとする者全体についての経済的理由の支援ということと司法修習生に対する支援ということと対比して、前者を否定するという意味で否決されたものではないというふうに私は理解しておりまして、文言上、裁判所法では、司法修習生、修習について規定するというくだりになっておりますので、それに合わせた表現になっているにすぎないものであって、趣旨は全く変わらないものであるというふうに考えております。

○井上哲士君 趣旨は全く変わらないということであります。
 次に、給費制の復活を排除しないと。先ほどやはり提案者から、その際に、遡って、現在貸与制の方にも給費制が実質的に適用されるという方向について、これも排除されないという答弁がございました。法務大臣からは、全員が貸与を受けているわけでもないのでいろいろ難しい問題があるというような答弁はあったんですが給費制の復活という場合に結果として不公平が生じないようにきちっとした措置がとられるようになると、そういう貸与制を受けた方、受けていない方も含めて、こういうことはきちっと手当てをする必要があると、この点では確認してよろしいでしょうか。法務大臣。

○国務大臣(滝実君) その辺のところは、要するにこれからの、仮に給費制に戻るとした場合の議論の一つのポイント、そんなに大きなポイントというわけにはまいりませんけれども、一つのポイントであることは先ほども御指摘を申し上げたところでございます。

○井上哲士君 きちっとそういうことを議論をしていくということでありますが。
 この修正案では、経済的支援について、司法修習生の修習の位置付けを踏まえて検討するとされております。その趣旨について、衆議院では提案者から、戦前の分離修習ではなく、戦後の法曹養成については、法曹三者はそれぞれ司法の担い手であり、職業としての法曹は一体であるべきとして統一修習がされてきた、この意義を踏まえるべきだという答弁がございました。
 やはり、国の土台とも言える司法権の強化とか人権保障の観点から、法曹三者を統一して国が養成をするということと、その修習に専念する義務を課すということと、そしてその生活を保障する給費制というのは、私は一体だったと思います。
 私は、弁護士会が、会としても個人でも非常に旺盛に公益活動取り組んでこられたと思うんですね。先ほども議論ありました。個々にいろんな問題を起こす方はもちろんいらっしゃいます。しかし、全体として見れば、大変そういう活動取り組んでこられたと思いますが、やはりそれを醸成してきたのが、一つがこの給費制の意味があると思うんです。
 先日の質問でも、例えば日弁連の少年保護事件の付添援助事業を取り上げましたけれども、それぞれ皆さんが基金に拠出をして、こういうことも取り組んでいらっしゃいますし、東日本大震災の復興活動でも重要な役割をしてこられました。
 私は、いわゆるロビー活動という問題も、現場でいろんなやはり立法上の問題があるということを国会にしっかり届けられるということは、この公益活動の一つとして大変重要な役割も果たしてこられたと思っております。
 こういう給費制が法曹の公共心であるとか強い使命感、その醸成に大きな役割を果たしてきたと考えますけれども、この点は法務大臣としてはどう評価をされているでしょうか

○国務大臣(滝実君) その点は、私は実際の経験者じゃありませんから何とも言いようがありませんけれども、そういうような指摘があるとすれば、それはそれなりの役目を果たしてきた、一つの公務員の一形態として自覚をそれによってされた人は、一生涯そういうつもりで法曹として取り組んでくれているというような人があるとすれば、それはもう大きな役割を果たしたということは否定できないと思います。

○井上哲士君 貸与制になった修習生の方のいろんな声なんかも私ども聞くんですが、例えば、大ベテランの先生から、修習のときに国のお世話になって育ててもらったという意識が残っているからいまだに少年事件なんかもやっているんだよなという話を聞いて、自分もそういう弁護士になりたいと強く思ってきたけれども、今現実に貸与制になって、国に育ててもらっているという意識が生まれようがないということを言っているんですね。もちろん、こういう方もいろんなことを通じて公益活動に旺盛に取り組んでいただけるとは私は思っておりますけれども、やはりそういう思いを持たせている、これがいろんな点で今後どういうことになっていくのかなと思いますと、そういう角度から今後議論も深めるべきだと思うんですね。
 同時に、当然経済的な問題があります。衆議院での当時の小川大臣の答弁なんですが、修習中に経済的な支援を受けられるということでは、給費制も貸与制も実質的には同じではないかと、ただ、法曹になったときに、返還できるという経済力を付けた段階ではお返しいただきたいということなんだと、こういう答弁がありましたけれども、私はちょっと現実とは違うと思うんですね。
 現に、先ほどもありましたけれども、貸与制になったということで、司法試験に受かりながら経済的な事情によって修習を辞退をしたという方のお話も直接私は聞く機会もありました。やっぱり実質的に同じではなくて、現に貸与制になったことで法曹の道が遠のいてしまう人がいる、経済的理由でと、こういうことについては大臣はどういう認識でありましょうか

○国務大臣(滝実君) 貸与制と申しましても、国が全く負担をしないわけではございませんで、貸与制としても返還年限は十年という大変長い時間を設定しているということもあるわけでございますから、貸与制は国が全然何もやっていないんだというわけにはいかないと思います。
 私も学生時代、奨学金を数々受けました。その受けた奨学金の主宰者には今でも感謝をいたしております。そんな状況でございまして、別に給費生として給付を受けたわけじゃありません、ちゃんと後返したんでございますけれども、それでもやはり奨学金を受けたという恩恵は、これは残るんですよね。そういうものだろうと私は思っております。
 それがたまたま公務員に準じた格好で給費生として存在したということが一生涯の支えになっているという方がおいでになれば、それは大変良かったなということは評価しなきゃいけないとは思いますけれども、そういうような国の財政の中でどう考えるかということが、この給費制か貸与制かという議論の中では一つの判断材料としてあるんじゃなかろうかな、しかしこれはここで私が言うことじゃなくて、これから新しい体制の中で十分に議論をして決めていくという、改めて議論していく問題だろうと思っています。

○井上哲士君 時間ですので終わりますが、戦後初めて貸与制で修習を受けている人たちがいるわけですね。そういう人たちに実際何が起きているのか、よく、合議体でもそうですし、法務省としても話を聞いて、特に当面の実費負担の問題など直ちに解決すべき問題がありますそういうことも含めてしっかり対応していただきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わります。

 

○委員長(西田実仁君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 裁判所法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

○委員長(西田実仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました

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2013年03月11日

最新最高裁判例

最高裁判所第二小法廷判決平成24年12月07日

【千葉勝美補足意見】

 私は,多数意見の採る法解釈等に関し,以下の点について,私見を補足しておきたい。

1.最高裁昭和49年11月6日大法廷判決・刑集28巻9号393頁(いわゆる猿払事件大法廷判決)との整合性について

(1) 猿払事件大法廷判決の法令解釈の理解等

 猿払事件大法廷判決は,国家公務員の政治的行為に関し本件罰則規定の合憲性と適用の有無を判示した直接の先例となるものである。そこでは,特定の政党を支持する政治的目的を有する文書の掲示又は配布をしたという行為について,本件罰則規定に違反し,これに刑罰を適用することは,たとえその掲示又は配布が,非管理職の現業公務員でその職務内容が機械的労務の提供にとどまるものにより,勤務時間外に,国の施設を利用することなく,職務を利用せず又はその公正を害する意図なく,かつ,労働組合活動の一環として行われた場合であっても憲法に違反しない,としており,本件罰則規定の禁止する「政治的行為」に限定を付さないという法令解釈を示しているようにも読めなくはない。しかしながら,判決による司法判断は,全て具体的な事実を前提にしてそれに法を適用して事件を処理するために,更にはそれに必要な限度で法令解釈を展開するものであり,常に採用する法理論ないし解釈の全体像を示しているとは限らない。上記の政治的行為に関する判示部分も,飽くまでも当該事案を前提とするものである。すなわち,当該事案は,郵便局に勤務する管理職の地位にはない郵政事務官で,地区労働組合協議会事務局長を務めていた者が,衆議院議員選挙に際し,協議会の機関決定に従い,協議会を支持基盤とする特定政党を支持する目的をもって,同党公認候補者の選挙用ポスター6枚を自ら公営掲示場に掲示し,また,その頃4回にわたり,合計184枚のポスターの掲示を他に依頼して配布したというものである。このような行為の性質・態様等については,勤務時間外に国の施設を利用せずに行われた行為が中心であるとはいえ,当該公務員の所属組織による活動の一環として当該組織の機関決定に基づいて行われ,当該地区において公務員が特定の政党の候補者の当選に向けて積極的に支援する行為であることが外形上一般人にも容易に認識されるものであるから,当該公務員の地位・権限や職務内容,勤務時間の内外を問うまでもなく,実質的にみて「公務員の職務の遂行の中立性を損なうおそれがある行為」であると認められるものである。このような事案の特殊性を前提にすれば,当該ポスター掲示等の行為が本件罰則規定の禁止する政治的行為に該当することが明らかであるから,上記のような「おそれ」の有無等を特に吟味するまでもなく(「おそれ」は当然認められるとして)政治的行為該当性を肯定したものとみることができる。猿払事件大法廷判決を登載した最高裁判所刑集28巻9号393頁の判決要旨五においても,「本件の文書の掲示又は配布(判文参照)に」本件罰則規定を適用することは憲法21条,31条に違反しない,とまとめられているが,これは,判決が摘示した具体的な本件文書の掲示又は配布行為を対象にしており,当該事案を前提にした事例判断であることが明確にされているところである。そうすると,猿払事件大法廷判決の上記判示は,本件罰則規定自体の抽象的な法令解釈について述べたものではなく,当該事案に対する具体的な当てはめを述べたものであり,本件とは事案が異なる事件についてのものであって,本件罰則規定の法令解釈において本件多数意見と猿払事件大法廷判決の判示とが矛盾・抵触するようなものではないというべきである。

(2) 猿払事件大法廷判決の合憲性審査基準の評価

 なお,猿払事件大法廷判決は,本件罰則規定の合憲性の審査において,公務員の職種・職務権限,勤務時間の内外,国の施設の利用の有無等を区別せずその政治的行為を規制することについて,規制目的と手段との合理的関連性を認めることができるなどとしてその合憲性を肯定できるとしている。この判示部分の評価については,いわゆる表現の自由の優越的地位を前提とし,当該政治的行為によりいかなる弊害が生ずるかを利益較量するという「厳格な合憲性の審査基準」ではなく,より緩やかな「合理的関連性の基準」によったものであると説くものもある。しかしながら,近年の最高裁大法廷の判例においては,基本的人権を規制する規定等の合憲性を審査するに当たっては,多くの場合,それを明示するかどうかは別にして,一定の利益を確保しようとする目的のために制限が必要とされる程度と,制限される自由の内容及び性質,これに加えられる具体的制限の態様及び程度等を具体的に比較衡量するという「利益較量」の判断手法を採ってきており,その際の判断指標として,事案に応じて一定の厳格な基準(明白かつ現在の危険の原則,不明確ゆえに無効の原則,必要最小限度の原則,LRAの原則,目的・手段における必要かつ合理性の原則など)ないしはその精神を併せ考慮したものがみられる。もっとも,厳格な基準の活用については,アプリオリに,表現の自由の規制措置の合憲性の審査基準としてこれらの全部ないし一部が適用される旨を一般的に宣言するようなことをしないのはもちろん,例えば,「LRA」の原則などといった講学上の用語をそのまま用いることも少ない。また,これらの厳格な基準のどれを採用するかについては,規制される人権の性質,規制措置の内容及び態様等の具体的な事案に応じて,その処理に必要なものを適宜選択して適用するという態度を採っており,さらに,適用された厳格な基準の内容についても,事案に応じて,その内容を変容させあるいはその精神を反映させる限度にとどめるなどしており(例えば,最高裁昭和58年6月22日大法廷判決・民集37巻5号793頁(「よど号乗っ取り事件」新聞記事抹消事件)は,「明白かつ現在の危険」の原則そのものではなく,その基本精神を考慮して,障害発生につき「相当の蓋然性」の限度でこれを要求する判示をしている。),基準を定立して自らこれに縛られることなく,柔軟に対処しているのである(この点の詳細については,最高裁平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁(いわゆる成田新法事件)についての当職[当時は最高裁調査官]の最高裁判例解説民事篇・平成4年度235頁以下参照。)。この見解を踏まえると,猿払事件大法廷判決の上記判示は,当該事案については,公務員組織が党派性を持つに至り,それにより公務員の職務遂行の政治的中立性が損なわれるおそれがあり,これを対象とする本件罰則規定による禁止は,あえて厳格な審査基準を持ち出すまでもなく,その政治的中立性の確保という目的との間に合理的関連性がある以上,必要かつ合理的なものであり合憲であることは明らかであることから,当該事案における当該行為の性質・態様等に即して必要な限度での合憲の理由を説示したにとどめたものと解することができる(なお,判文中には,政治的行為を禁止することにより得られる利益と禁止されることにより失われる利益との均衡を検討することを要するといった利益較量論的な説示や,政治的行為の禁止が表現の自由に対する合理的でやむを得ない制限であると解されるといった説示も見られるなど,厳格な審査基準の採用をうかがわせるものがある。)。ちなみに,最高裁平成10年12月1日大法廷決定・民集52巻9号1761頁(裁判官分限事件)も,裁判所法52条1号の「積極的に政治運動をすること」の意味を十分に限定解釈した上で合憲性の審査をしており,厳格な基準によりそれを肯定したものというべきであるが,判文上は,その目的と禁止との間に合理的関連性があると説示するにとどめている。これも,それで足りることから同様の説示をしたものであろう。
 そうであれば,本件多数意見の判断の枠組み・合憲性の審査基準と猿払事件大法廷判決のそれとは,やはり矛盾・抵触するものでないというべきである。

2.本件罰則規定の限定解釈の意義等

 本件罰則規定をみると,当該規定の文言に該当する国家公務員の政治的行為を文理上は限定することなく禁止する内容となっている。本件多数意見は,ここでいう「政治的行為」とは,当該規定の文言に該当する政治的行為であって,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが,現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指すという限定を付した解釈を示した。これは,いわゆる合憲限定解釈の手法,すなわち,規定の文理のままでは規制範囲が広すぎ,合憲性審査におけるいわゆる「厳格な基準」によれば必要最小限度を超えており,利益較量の結果違憲の疑いがあるため,その範囲を限定した上で結論として合憲とする手法を採用したというものではない。
 そもそも,規制される政治的行為の範囲が広範であるため,これを合憲性が肯定され得るように限定するとしても,その仕方については,様々な内容のものが考えられる。これを,多数意見のような限定の仕方もあるが,そうではなく,より類型的に,「いわゆる管理職の地位を利用する形で行う政治的行為」と限定したり,「勤務時間中,国の施設を利用して行う行為」と限定したり,あるいは,「一定の組織の政治的な運動方針に賛同し,組織の一員としてそれに積極的に参加する形で行う政治的行為」と限定するなど,事柄の性質上様々な限定が考え得るところであろう。しかし,司法部としては,これらのうちどのような限定が適当なのかは基準が明らかでなく判断し難いところであり,また,可能な複数の限定の中から特定の限定を選び出すこと自体,一種の立法的作用であって,立法府の裁量,権限を侵害する面も生じかねない。加えて,次のような問題もある。
 国家公務員法は,専ら憲法73条4号にいう官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものであり(国家公務員法1条2項),我が国の国家組織,統治機構を定める憲法の規定を踏まえ,その国家機構の担い手の在り方を定める基本法の一つである。本法102条1項は,その中にあって,公務員の服務についての定めとして,政治的行為の禁止を規定している。このような国家組織の一部ともいえる国家公務員の服務,権利義務等をどう定めるかは,国の統治システムの在り方を決めることでもあるから,憲法の委任を受けた国権の最高機関である国会としては,国家組織全体をどのようなものにするかについての基本理念を踏まえて対処すべき事柄であって,国家公務員法が基本法の一つであるというのも,その意味においてである。
 このような基本法についての合憲性審査において,その一部に憲法の趣旨にそぐわない面があり,全面的に合憲との判断をし難いと考えた場合に,司法部がそれを合憲とするために考え得る複数の限定方法から特定のものを選び出して限定解釈をすることは,全体を違憲とすることの混乱や影響の大きさを考慮してのことではあっても,やはり司法判断として異質な面があるといえよう。憲法が規定する国家の統治機構を踏まえて,その担い手である公務員の在り方について,一定の方針ないし思想を基に立法府が制定した基本法は,全体的に完結した体系として定められているものであって,服務についても,公務員が全体の奉仕者であることとの関連で,公務員の身分保障の在り方や政治的任用の有無,メリット制の適用等をも総合考慮した上での体系的な立法目的,意図の下に規制が定められているはずである。したがって,その一部だけを取り出して限定することによる悪影響や体系的な整合性の破綻の有無等について,慎重に検討する姿勢が必要とされるところである。
 本件においては,司法部が基本法である国家公務員法の規定をいわばオーバールールとして合憲限定解釈するよりも前に,まず対象となっている本件罰則規定について,憲法の趣旨を十分に踏まえた上で立法府の真に意図しているところは何か,規制の目的はどこにあるか,公務員制度の体系的な理念,思想はどのようなものか,憲法の趣旨に沿った国家公務員の服務の在り方をどう考えるのか等々を踏まえて,国家公務員法自体の条文の丁寧な解釈を試みるべきであり,その作業をした上で,具体的な合憲性の有無等の審査に進むべきものである(もっとも,このことは,司法部の違憲立法審査は常にあるいは本来慎重であるべきであるということを意味するものではない。国家の基本法については,いきなり法文の文理のみを前提に大上段な合憲,違憲の判断をするのではなく,法体系的な理念を踏まえ,当該条文の趣旨,意味,意図をまずよく検討して法解釈を行うべきであるということである。)。
 多数意見が,まず,本件罰則規定について,憲法の趣旨を踏まえ,行政の中立的運営を確保し,これに対する国民の信頼を維持するという規定の目的を考慮した上で,慎重な解釈を行い,それが「公務員の職務遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる行為」を政治的行為として禁止していると解釈したのは,このような考え方に基づくものであり,基本法についての司法判断の基本的な姿勢ともいえる。
 なお,付言すると,多数意見のような解釈適用の仕方は,米国連邦最高裁のブランダイス判事が,1936年のアシュワンダー対テネシー渓谷開発公社事件判決において,補足意見として掲げた憲法問題回避の準則であるいわゆるブランダイス・ルールの第4準則の「最高裁は,事件が処理可能な他の根拠が提出されているならば,訴訟記録によって憲法問題が適正に提出されていても,それの判断を下さないであろう。」,あるいは,第7準則の「連邦議会の制定法の有効性が問題とされたときは,合憲性について重大な疑念が提起されている場合でも,当最高裁は,その問題が回避できる当該法律の解釈が十分に可能か否かをまず確認することが基本的な原則である。」(以上のブランダイス・ルールの内容の記載は,渋谷秀樹「憲法判断の条件」講座憲法学6・141頁以下による。)という考え方とは似て非なるものである。ブランダイス・ルールは,周知のとおり,その後,Rescue Army v.Municipal Court of City of Los Angeles,331 U.S. 549 (1947)の法廷意見において採用され米国連邦最高裁における判例法理となっているが,これは,司法の自己抑制の観点から憲法判断の回避の準則を定めたものである。しかし,本件の多数意見の採る限定的な解釈は,司法の自己抑制の観点からではなく,憲法判断に先立ち,国家の基本法である国家公務員法の解釈を,その文理のみによることなく,国家公務員法の構造,理念及び本件罰則規定の趣旨・目的等を総合考慮した上で行うという通常の法令解釈の手法によるものであるからである。

3.本件における本件罰則規定の構成要件該当性の処理

 本件配布行為は,本件罰則規定に関する上記の法令解釈によれば,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められない以上,それだけで構成要件該当性が否定される。この点について,原審は,本件配布行為の内容等に鑑みて,本件罰則規定を適用することが違憲となるとして,被告人を無罪とすべきであるとしている。これは,本件のような政治的行為についてまで,刑罰による規制を及ぼすことの問題を考慮した上での判断であり,実質的には,本件の多数意見と同様に,当該公務員の職務の遂行の政治的中立性に与える影響が小さいことを実質的な根拠としていると解され,その苦心は理解できるところではある。しかしながら,表現の自由の規制立法の合憲性審査に際し,このような適用違憲の手法を採用することは,個々の事案や判断主体によって,違憲,合憲の結論が変わり得るものであるため,その規制範囲が曖昧となり,恣意的な適用のおそれも生じかねず,この手法では表現の自由に対する威嚇効果がなお大きく残ることになろう。個々の事案ごとの政治的行為の個別的な評価を超えて,本件罰則規定の一般的な法令解釈を行った上で,その構成要件該当性を否定することが必要であると考えるゆえんである。

【須藤正彦意見】

 本件につき,私は,多数意見と結論を同じくするが,一般職の国家公務員の政治的行為の規制に関しその説くところとは異なる見解を有するので,以下この点につき述べておきたい。

1.公務員の政治的行為の解釈について

(1) 私もまた,多数意見と同様に,本法102条1項の政治的行為とは,国民の政治的活動の自由が民主主義社会を基礎付ける重要な権利であること,かつ,同項の規定が本件罰則規定の構成要件となることなどに鑑み,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる(観念的なものにとどまらず,現実的に起こり得るものとして認められる)ものを指すと解するのが相当と考える。

(2) すなわち,まず,公務員の政治的行為とその職務の遂行とは元来次元を異にする性質のものであり,例えば公務員が政党の党員となること自体では無論公務員の職務の遂行の政治的中立性が損なわれるとはいえない。公務員の政治的行為によってその職務の遂行の政治的中立性が損なわれるおそれが生ずるのは,公務員の政治的行為と職務の遂行との間で一定の結び付き(牽連性)があるがゆえであり,しかもそのおそれが観念的なものにとどまらず,現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものとなるのは,公務員の政治的行為からうかがわれるその政治的傾向がその職務の遂行に反映する機序あるいはその蓋然性について合理的に説明できる結び付きが認められるからである。そうすると,公務員の職務の遂行の政治的中立性が損なわれるおそれが実質的に生ずるとは,そのような結び付きが認められる場合を指すことになる。進んで,この点について敷えんして考察するに,以下のとおり,多数意見とはいささか異なるものとなる。

2.勤務外の政治的行為

(1) しかるところ,この「結び付き」について更に立ち入って考察すると,問題は,公務員の政治的行為がその行為や付随事情を通じて勤務外で行われたと評価される場合,つまり,勤務時間外で,国ないし職場の施設を利用せず,公務員の地位から離れて行動しているといえるような場合で,公務員が,いわば一私人,一市民として行動しているとみられるような場合である。その場合は,そこからうかがわれる公務員の政治的傾向が職務の遂行に反映される機序あるいは蓋然性について合理的に説明できる結び付きは認められないというべきである。

(2) 確かに,このように勤務外であるにせよ,公務員が政治的行為を行えば,そのことによってその政治的傾向が顕在化し,それをしないことに比べ,職務の遂行の政治的中立性を損なう潜在的可能性が明らかになるとは一応いえよう。また,職務の遂行の政治的中立性に対する信頼も損なわれ得るであろう。しかしながら,公務員組織における各公務員の自律と自制の下では,公務員の職務権限の行使ないし指揮命令や指導監督等の職務の遂行に当たって,そのような政治的傾向を持ち込むことは通常考えられない。また,稀に,そのような公務員が職務の遂行にその政治的傾向を持ち込もうとすることがあり得るとしても,公務員組織においてそれを受け入れるような土壌があるようにも思われない。そうすると,公務員の政治的行為が勤務外で行われた場合は,職務の遂行の政治的中立性が損なわれるおそれがあるとしても,そのおそれは甚だ漠としたものであり,観念的かつ抽象的なものにとどまるものであるといえる。
 結局,この場合は,当該公務員の管理職的地位の有無,職務の内容や権限における裁量の有無,公務員により組織される団体の活動としての性格の有無,公務員による行為と直接認識され得る態様の有無,行政の中立的運営と直接相反する目的や内容の有無等にかかわらず──それらの事情は,公務員の職務の遂行の政治的中立性に対する国民の信頼を損なうなどの服務規律違反を理由とする懲戒処分の対象となるか否かの判断にとって重要な考慮要素であろうが──その政治的行為からうかがわれる政治的傾向がその職務の遂行に反映する機序あるいはその蓋然性について合理的に説明できる結び付きが認められず,公務員の政治的中立性が損なわれるおそれが実質的に生ずるとは認められないというべきである。この点,勤務外の政治的行為についても,事情によっては職務の遂行の政治的中立性を損なう実質的おそれが生じ得ることを認める多数意見とは見解を異にするところである。

(3) ちなみに,念のためいえば,「勤務外」と「勤務時間外」とは意味を異にする。本規則4項は,本法又は本規則によって禁止又は制限される政治的行為は,「職員が勤務時間外において行う場合においても,適用される」と規定しているところであるが,これは,勤務時間外でも勤務外とは評価されず,上記の結び付きが認められる場合(例えば,勤務時間外に,国又は職場の施設を利用して政治的行為を行うような場合に認められ得よう。)にはその政治的行為が規制されることを規定したものと解される。

3.必要やむを得ない規制について

(1) ところで,本法102条1項が政治的行為の自由を禁止することは,表現の自由の重大な制約となるものである。しかるところ,民主主義に立脚し,個人の尊厳(13条)を基本原理とする憲法は,思想及びその表現は人の人たるのゆえんを表すものであるがゆえに表現の自由を基本的人権の中で最も重要なものとして保障し(21条),かつ,このうち政治的行為の自由を特に保障しているものというべきである。そのことは,必然的に,異なった価値観ないしは政治思想,及びその発現としての政治的行為の共存を保障することを意味しているといってよいと思われる。そのことからすると,憲法は,自分にとって同意できない他人の政治思想に対して寛容で(時には敬意をさえ払う),かつ,それに基づく政治的行為の存在を基本的に認めないしは受忍すること,いわば「異見の尊重」をすることが望ましいとしているともいえよう。当然のことながら,本件で問題となっている一般職の公務員もまた,憲法上,公務員である前に国民の一人として政治に無縁でなく政治的な信念や意識を持ち得る以上,前述の意味での政治的行為の自由を享受してしかるべきであり,したがって,憲法は,公務員が多元的な価値観ないしは政治思想を有すること,及びその発現として政治的行為をすることを基本的に保障しているものというべきである。

(2) 以上の表現の自由を尊重すべきものとする点は多数意見と特に異なるところはないと思われ,また,同意見が述べるとおり,本法102条1項の規制は,公務員の職務の遂行の政治的中立性を保持することによって行政の中立的運営を確保し,これに対する国民の信頼を維持することを目的とするものであるが,公務員の政治的行為の自由が上記のように憲法上重大な性質を有することに照らせば,その目的を達するための公務員の政治的行為の規制は必要やむを得ない限度に限られるというべきである。そうすると,問題は,本法102条1項の政治的行為の解釈が前記のようなものであれば,このような必要やむを得ない規制となるかどうかである。
 そこで更に検討するに,まず,刑罰は国権の作用による最も峻厳な制裁で公務員の政治的行為の自由の規制の程度の最たるものであって,処罰の対象とすることは極力謙抑的,補充的であるべきことが求められることに鑑みれば,この公務員の政治的行為禁止違反という犯罪は,行政の中立的運営を保護法益とし,これに対する信頼自体は独立の保護法益とするものではなく,それのみが損なわれたにすぎない場合は行政内部での服務規律違反による懲戒処分をもって必要にして十分としてこれに委ねることとしたものと解し,加うるに,公務員の職務の遂行の政治的中立性が損なわれるおそれが実質的に認められるときにその法益侵害の危険が生ずるとの考えのもとに,本法102条1項の政治的行為を上記のものと解することによって,処罰の対象は相当に限定されることになるのである。
 のみならず,そのおそれが実質的に生ずるとは,公務員の政治的行為からうかがわれる政治的傾向がその職務の遂行に反映する機序あるいはその蓋然性について合理的に説明できる結び付きが認められる場合を指し,しかも,勤務外の政治的行為にはその結び付きは認められないと解するのであるから,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる場合は一層限定されることになる。
 結局,以上の解釈によれば,本件罰則規定については,政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物の配布は,上記の要件及び範囲の下で大幅に限定されたもののみがその構成要件に該当するのであるから,目的を達するための必要やむを得ない規制であるということが可能であると思われる。

(3) ところで,本法102条1項の政治的行為の上記の解釈は,憲法の趣旨の下での本件罰則規定の趣旨,目的に基づく厳格な構成要件解釈にほかならない。したがって,この解釈は,通常行われている法解釈にすぎないものではあるが,他面では,一つの限定的解釈といえなくもない。しかるところ,第1に,公務員の政治的行為の自由の刑罰の制裁による規制は,公務員の重要な基本的人権の大なる制約である以上,それは職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものを指すと解するのは当然であり,したがって,規制の対象となるものとそうでないものとを明確に区別できないわけではないと思われる。第2に,そのようにおそれが実質的に認められるか否かということは,公務員の政治的行為からうかがわれる政治的傾向が職務の遂行に反映する機序あるいは蓋然性について合理的に説明できる結び付きがあるか否かということを指すのであり,そのような判断は一般の国民からみてさほど困難なことではない上,勤務外の政治的行為はそのような結び付きがないと解されるのであるから,規制の対象となるかどうかの判断を可能ならしめる相当に明確な指標の存在が認められ,したがって,一般の国民にとって具体的な場合に規制の対象となるかどうかを判断する基準を本件罰則規定から読み取ることができるといえる(最高裁昭和57年(行ツ)第156号同59年12月12日大法廷判決・民集38巻12号1308頁(札幌税関検査違憲訴訟事件)参照)。
 以上よりすると,本件罰則規定は,上記の厳格かつ限定的である解釈の限りで,憲法21条,31条に反しないというべきである。

(4) もっとも,上記のような限定的解釈は,率直なところ,文理を相当に絞り込んだという面があることは否定できない。また,本法102条1項及び本規則に対しては,規制の対象たる公務員の政治的行為が文理上広汎かつ不明確であるがゆえに,当該公務員が文書の配布等の政治的行為を行う時点において刑罰による制裁を受けるのか否かを具体的に予測することが困難であるから,犯罪構成要件の明確性による保障機能を損ない,その結果,処罰の対象にならない文書の配布等の政治的行為も処罰の対象になるのではないかとの不安から,必要以上に自己規制するなどいわゆる萎縮的効果が生じるおそれがあるとの批判があるし,本件罰則規定が,懲戒処分を受けるべきものと犯罪として刑罰を科せられるべきものとを区別することなくその内容についての定めを人事院規則に委任していることは,犯罪の構成要件の規定を委任する部分に関する限り,憲法21条,31条等に違反し無効であるとする見解もある(最高裁昭和44年(あ)第1501号同49年11月6日大法廷判決・刑集28巻9号393頁(猿払事件)における裁判官大隅健一郎ほかの4人の裁判官の反対意見参照)。このような批判の存在や,我が国の長い歴史を経ての国民の政治意識の変化に思いを致すと(なお,公務員の政治的行為の規制について,地方公務員法には刑罰規定はない。また,欧米諸国でも調査し得る範囲では刑罰規定は見受けられない。),本法102条1項及び本規則については,更なる明確化やあるべき規制範囲・制裁手段について立法的措置を含めて広く国民の間で一層の議論が行われてよいと思われる。

4.結論

 被告人の本件配布行為は政治的傾向を有する行為ではあることは明らかであるが,勤務時間外である休日に,国ないし職場の施設を利用せず,かつ,公務員としての地位を利用することも,公務員であることを明らかにすることもなく,しかも,無言で郵便受けに文書を配布したにとどまるものであって,被告人は,いわば,一私人,一市民として行動しているとみられるから,それは勤務外のものであると評価される。そうすると,被告人の本件配布行為からうかがわれる政治的傾向が被告人の職務の遂行に反映する機序あるいは蓋然性について合理的に説明できる結び付きは認めることができず,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるとはいえないというべきである。したがって,被告人の管理職的地位の有無,その職務の内容や権限における裁量の有無等を検討するまでもなく,被告人の本件配布行為は本件罰則規定の構成要件に該当しないというべきである。被告人を無罪とした原判決は,以上述べた理由からして,結論において相当である。

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2013年03月04日

政府公表資料等情報

谷垣法相閣議後記者会見平成25年2月22日(金)より抜粋(下線は当サイトによる)

【冒頭大臣発言】
 閣議の後,安倍政権となってからは初めてとなります第二回法曹養成制度関係閣僚会議が開かれました。本日の関係閣僚会議では,法務省から,これまでの検討会議における検討の状況を報告した上で,法曹の養成に関する制度の在り方について,引き続き法曹養成制度検討会議において検討を行うということを確認しました。法曹養成制度について,関係各省一丸となって,早急にその改善に取り組まなければなりませんので,私から関係各省に最大限の協力をお願いしました。

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 法曹養成制度の関係閣僚会議で,これまでの検討状況等の報告があり,更に議論を継続していくというお話だったのですが,大臣として特に注目している点や,更に深く検討を進めてほしいポイントはございますか

【大臣】
 今回は,検討会議で論点を一巡したということと,それからこの検討会議は,民主党政権の下で始まったわけですけれども,政権交代があったので,ここで一度,今の状況をきちんと踏まえて議論を進めていこうということで閣僚会議を開きました。今日の会議では,いろいろな御意見が出まして,司法試験合格者の人数についての議論がありましたし,数の問題も含めて,議論を深めるようにという話もありました。私もそのとおりではないかと思います。

【記者】
 そもそも,政府の方針として3,000人の司法試験合格者を目標とするということが2000年代初頭にあり,現在の合格者は2,000人強というのが現状です。どれぐらいの人数が適当とお考えでしょうか。現状の2,000人というのが多いとお考えか,少ないとお考えかお聞かせください。

【大臣】
 そこについては,もう少し議論を整理していただかなくてはいけないと思っています。いろいろな議論があるところであり,今,検討をお願いしているところですので,私としてはあまり軽々にものを言うのは控えたいと思っています。

【記者】
 合格者数とは別に,合格率が低い地方の大学が,今,70以上あると言われています。それらの大学の今後の存続については,今日の議論では出たのでしょうか。

【大臣】
 今日の議論では出ておりません。

 

下村博文文部科学大臣記者会見録(平成25年2月22日)より抜粋(下線は当サイトによる)

記者)
 法曹養成の関係ですけれども、先ほど各大学の経営が厳しいとおっしゃいましたが、整理・統合が進んでいくと思うんですけれども、大臣としても今、法科大学院がちょっと多すぎて、今の流れでもうちょっと整理を進めた方がいいというふうにお考えになりますでしょうか

大臣)
 これは自民党政権のときですけれども、3,000人養成という、そもそも前提条件がやはり間違っていたのではないかということを、謙虚に、政府側も反省すべきところに来ているのではないかというふうに思います。当時は、司法試験合格者が500人、国家試験だったわけですが、今後の我が国の状況を考えると、アメリカ並みの社会になってくれば、もっと司法関係者が必要であろうと、そのために500人から3,000人程度の合格者を出すことが必要であるということが1点と。それから、そもそも国家試験は受験のみのテクニック的な勉強に終始して、必ずしも司法関係者に、人格的にも人間的にも、より社会の中で望ましい人ばかりではなくなっているのではないかということから、もっと多様な人材を司法界に導入しようということで、国家試験から法科大学院制度にシステムとして変えたわけですね。元々の数にのっとって、各大学が大学院を設置したわけですが、ところが合格者は3,000人ではなくて2,000人。だからといって数を増やせばいいということにもならないですね。今、現実問題として、弁護士になったけれども、なかなか仕事がない。そもそも弁護士として生活していくのが大変だという、社会的な現状もありますから。ですから、これについては、適切に今後の法科大学院の在り方について、ただ厳しくですね、潰していくというようなことではなくて、もっとトータル的に在り方について考えていくべきだと思います。

 

参院法務委員会平成24年07月26日より抜粋(下線は当サイトによる)

○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 この司法修習生に対する給費制また貸与制の話については、もうここ数年ずっとかかわってきているといいますか、やっているなとは思っておりまして、一年一年延ばしながらこの議論を進めてきたというような思いがございます。
 今回の法案についても、衆議院の段階で与野党協議を行って成案を得たということは心から敬意を表したいと思いますが、もちろん我が公明党は、一旦給費制に戻して、そしてしっかり一年間議論をしましょうと、こういうような考え方に立った修正案を出させていただきましたけれども、次善の案として今送られてきた法案という形になっているところでございます。
 ただ、いかんせん、受験生を含めて多方面に影響のあるこの法律案がこんなにものんびりしているといいますか、審議が余りにも遅れていることについて、心から私は遺憾の意を表明したいと思っております。
 これ、衆議院で議論されたのが六月の頭でしたよね。それ自体が随分遅いなとは思いますけれども、そのとき大臣は小川先生だったわけでございますけれども、その後、補充質問でもう大臣が滝先生に替わっていたということもございます。
 ここの委員会で、趣旨説明は会期延長前の六月十九日ですよ。もうあれから一か月たっているわけですよね。一体、政治の責任として、早く決めて、どうやっていくか、そして一年間集中して議論をしようという話になっていて、貴重な二か月じゃありませんか。七月、八月がもう目の前ですよ。これで受験生頑張ってくださいと言えるんですか。政治の責任として、私は与野党共にこの点大いに反省しながらこの問題について対処していきたいと、このように思うところでございます。
 給費制から貸与制になったことも含めてだと思いますけれども、まず給費制廃止の影響等についてちょっとお聞きしたいと思いますが。
 法科大学院への志願者、平成十六年は七万人を超えていたわけですけれども、どんどん減ってきて、今年の二十四年度ですか、もう一万八千人台まで減少しているわけですよね。これは、やっぱり法曹志願者の経済的負担が極めて高くなってきている。あるいは、当初もくろみのような、この司法試験の合格率が推移していないと。あるいは、先ほどもありました就職難だというようなこと。さらには、今も御答弁の中にありましたけれども、任官者の増員あるいは公務員や企業内弁護士等、必ずしも進出が順調に進んでいない。だから、余りにも法曹を目指す、人生懸けて法曹を目指すということは負担と危険が大き過ぎると、そういうふうに感じられているんではないのかなと思っておりますけれども。
 まず、この法科大学院の志願者の減少していることについて、やはりこの給費制の廃止が大きいとは思いますが、法務大臣としてどのようにお考えになっているのか、御見解を承りたいと思います。

○国務大臣(滝実君) 基本的には、実際に、平成十六年からですか、やってみて、法曹を志す若い人たちに対して、やっぱり法曹というのはそれなりのリスクが多い、こういうようなことを自分の問題として感じ取ってきたこの十六年以来のことだったろうと思います。当初は大変バラ色の世界を夢見て志願した人たちが、その後の合格率、あるいは最近特に出てきた就職難の問題、こういうことで年々下がってきた。これについては、やはり社会全体がまだ多くの法曹資格者を受け入れるような基盤が日本ではでき上がっていなかったと、こういうことを反省せざるを得ないと思います。
 しかし、そうはいっても、できるだけ法曹資格者を社会の隅々までやはり拡大をしていくんだという一つの理念というものは、それは大事にしていかなければいけないんでしょうけれども、やはり現実的な解決ということも考えていかなければいけない、これが受験者数のところに表れているというふうに思っております。

○魚住裕一郎君 それで、せっかく新しい司法試験に合格をしながらも、今度、司法修習に行かないで企業に就職するというような方も増えてきているようでございますけれども、これこそもろに、もろにといいますか、給費制の廃止の影響かなというふうにも思うわけでございますが、これは大臣はどういうふうにお考えですか

○国務大臣(滝実君) それも今委員の御指摘のように、そういうこともないわけではないかとは思うんでございますけれども、せっかく司法試験、難関を突破して合格した人たちが法曹資格まではやっぱり持ってもらいたいというのが、この制度を考えた以上は当然の話、それがどこかで途切れてしまっているというのは大変残念なことだろうと思います。
 昔も、司法試験合格者が実際に法曹資格を取る前に公務員になる、あるいは民間企業の法務スタッフとして就職する例はないわけではなかったと思います。今もそれは多少あると思いますけれども、やはり受かった人たちが法曹資格を持つまでに至っていないというのは、非常に社会的には残念だし、もったいない話だというふうには理解をいたしております。

○魚住裕一郎君 どの社会でも優秀な人材は一定数だと思うんですね。この司法制度改革を始めたころは、やはり事前規制型から事後救済に、もっと本当に融通の利く社会にしていこう、そのためには社会生活上の医者、医師としての法律家がどんどん増えなきゃいけないんだと。だから、優秀な人材が企業とか行政官じゃなくて司法の場に来てくださいと。しかも、一発試験じゃなくて、プロセスとしてしっかり教育を受けて、そういう法的素養がある方がいっぱい来ていただきたいというのが出発点のはずなんですね。
 ところが、財政的な観点から給費制をやめてしまうみたいな話になってきて、人材こっちに来てくださいよとやらなきゃいけないのに、いや、金は出せませんよという話になってきちゃったというところが根幹の問題点ではないのかなとは思っておりますけれども、今大臣もおっしゃったように、せっかく合格しながら法曹になっていかないというのは、本当に社会的な人材をうまく活用していけないという、本当に日本にとってはゆゆしき問題だなというふうに思っているところでございますが、結果として、法科大学院、そしてまた司法修習に耐えられるだけの裕福な家庭の子女しか法律家になっていけない実態になってしまうんではないだろうか
 非常にそこを危惧をしておりまして、本来、士業一般そうでございますけれども、本当に困った人をどう手を差し伸べるかというのが、ある意味では専門家の集団ですよね。お医者さんもそうですよね、病気で苦しんでいる人をどう手助けするのかという。まさに法律家もそうだと思っているわけでございますが、そういう社会生活の痛みを本当に分かった人が法律家になっていかなきゃいけない。ある意味では、司法が弁護士を中心にしながら変わってきてしまうんではないのかと非常に危惧をするところでございまして、この点につきまして、大臣の御意見が、御見解があればお伺いをしておきたいと思います。

○国務大臣(滝実君) 委員が御指摘されておりますように、日本の場合には、外国のことはいざ知らず、明治以来、大変苦労をした中で司法試験に合格をして法曹として活躍をする、そういう人たちがかなり日本を支えてきたという歴史がございます。
 そういう中で、今回の司法制度改革の中ではこういう法科大学院というところに集中をしてきたために、多少そういうところに配慮が足りなかったかなという問題がございます。そんなことを考えながら予備試験という格好でそれを補おうとしてきたのが現実の話でございますから、そういった日本のこれまでの法曹が果たしてきた役割、そして、今回の司法制度改革によって新しい法曹養成制度ができた中でも予備試験という格好で補充をせざるを得ない、窓口を開かなければいけない、そんなことを考えると、やはりもう少し現実に即した対応の仕方というものを検討していかなければならないというのは仰せのとおりだと思います。

○魚住裕一郎君 この給費制の問題、先ほど修習専念義務の話がございました。もちろん戦前の裁判官あるいは検察官、個別に修習していたところを、そうじゃないよと、一体で統一修習やる必要があるよと、そして専念義務を掛けて、そして給費を払うという形でずっと維持してきたものですよね。これを本当に変えてしまう、大事な制度だというふうに思っているわけでございますけれども、今も話がありましたように、やはり国としてこの司法分野についてしっかり取り組みますよという、その姿勢を表しているのがこの給費制かどうかということだと思うんですよね。
 だから、敗戦後日本も、立て直すときに、統一修習やりながら司法の分野をしっかり重点を置いていく、さらに、私は、十年前の司法制度改革のときも、本当に司法国家といいますか、そういうふうに日本を変えていくんだという、そういう輝きといいますか、あったと思うんですが、それがどういうわけかこんなような状況になってしまった。だから、やはりもう一度、私はこの修習における給費制、本当に大事なものだと、もうこれは本来は戻す必要があるんではないかと思いますが、大臣の御見解はどうでしょうか

○国務大臣(滝実君) 今委員がおっしゃるように、もう一遍給費制に戻したらどうかと、こういうことでもございます。
 人材養成というのはお金の問題ではないことは分かっておりますけれども、司法制度改革全体を見ると、かなりの大金をこの司法制度改革につぎ込んできたというようなことも事実でございます。そういうことを考えると、どうするかというのは軽々に言えない分野がやっぱり残っていると言わざるを得ないと思うんですね。
 法科大学院をつくることによってその法科大学院のスタッフの給与は国が持っている、負担金、補助金という格好で持っている、それからもう一つは、法テラスのように法律を利用できない人たちにそういう機会をつくっていく、そういうようなことをあれこれ考えますと、かなりの司法制度改革は思い切った国家財政をつぎ込んできたことも事実、そういうことも片や考えながらこれまでの経緯を踏まえた解決策を追求しなければいけないというようなことでもあろうかと思います。
 しかし、人材養成というのはお金の問題には代えられないということも事実でございますから、そういう両方を併せた解決策をどこかでやっていかなければいけないというのは御指摘のとおりかと存じます。

○魚住裕一郎君 では次に、修正におきまして、連携法の一部改正ございますけれども、国民の信頼に足る法曹の養成に関する制度について、学識経験を有する者等により構成される合議制の組織の意見等を踏まえつつ、この法律の施行後一年以内に検討を加えて一定の結論を得た上、速やかに必要な措置を講ずる、こういうふうにされたわけでございますけれども、その合議制の組織、今まさにフォーラムというふうになっていますが、どういう関係にあるというふうに考えたらいいんでしょうか、修正案提出者にお聞きしたいと思います。

○衆議院議員(黒岩宇洋君) 今、魚住先生がおっしゃったように、修正案におきましては、新たなこの合議制の組織の意見を踏まえて検討を加えて、一年、一定の結論を得ることとしているとありますけれども、この合議制の組織については、まずは閣議決定に基づくものといたしまして、今先生がおっしゃられました、現在開催されております法曹の養成に関するフォーラムによる検討体制をより強力にして、そして新たに整備することを想定しているところであります。

○魚住裕一郎君 それで、また、修習資金の貸与について、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律附則第二条の規定による法曹の養成に関する制度についての検討において、司法修習生に対する適切な経済的支援を行う観点から、法曹の養成における司法修習生の修習の位置付けを踏まえつつ、検討が行われるべきものとするということとされておりますが、要するに、検討する中で給費制に戻すということもあり得るというふうに考えていいわけですよね。提案者に確認したいと思います。

○衆議院議員(黒岩宇洋君) 給費制に戻すことを排除はしておらないと考えております。

○魚住裕一郎君 ありがとうございます。是非そんな観点で、この給費制の重要性に鑑みて議論をしてもらいたいものだというふうに思っておりますが。
 仮に給費制に戻すといった場合、既に貸与を受けている修習生についても、これは、既に一方は貸与されて返さなきゃいけないということを考えると、遡及して公平、平等な支援を行うということを検討する必要があるんだと私は思っておりますけれども、この点につきまして、黒岩先生、また法務大臣にも御見解を伺いたいと思います。

○衆議院議員(黒岩宇洋君) 先ほど答弁いたしましたように、この修習資金の貸与制を給費制に戻すことを排除はしておりませんし、また、その場合におきまして、既に実施されている貸与制について遡及的に給費制と同等となるような措置をとることなどについても、これも検討対象から決して排除されるものではないと考えております。

○国務大臣(滝実君) 法務省としてはそういう理念的な排除はしないということでございますけれども、実際にどういう手続をするかというと、それなりの難しさは必ず伴うだろうと思います。
 貸与制を全員が受けていて金額も一緒、同じ金額であれば一律に遡及適用ができるかもしれませんけれども、その辺のところが、実際に貸与を受けていない人、あるいは金額がまちまちだというところを具体的にはどう調整するのかなという問題は最後に残る問題としてあるように思います。そういうことも含めて議論をしていかなければいけないと思います。

○魚住裕一郎君 終わります。

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