2013年02月26日

最新最高裁判例

最高裁判所第三小法廷決定平成24年10月26日

【事案】

 本件公訴事実の要旨は,「被告人が,平成22年10月,路上で,当時12歳の女児に対し,いきなりその背後から抱きつき,着衣の上から左乳房を右手で触って押さえつけるなどのわいせつな行為をした」というものである。一件記録によれば,被告人には刑訴法89条3号及び4号に該当する事由があると認められ,常習性も強い事案であると考えられるが,被告人は,本件公訴事実について捜査段階から認める供述をしており,弁護人も本件公訴事実を争わない予定であるとしていること,被告人は,本件の起訴に先立ち,平成22年7月から平成24年5月までの本件と同種の5件の強制わいせつ事件(以下「先行事件」という。)でも起訴されているところ,本件は,それらの事件の間に行われた事案であること,被告人は,先行事件の公判で,先行事件全てにつき公訴事実を認めており,検察官請求証拠についても全て同意をして,その取調べが終了していること,本件の原々審が被告人の保釈を許可したのと同日付けで,先行事件の公判裁判所も先行事件につき保証金額を各75万円(合計375万円)と定めて被告人の保釈を許可する決定をしていること(なお,各保釈許可決定に対する検察官の抗告はいずれも棄却され,確定している。),被告人に対する追起訴は今後予定されていないこと,被告人の両親らが被告人の身柄を引き受け,公判期日への出頭確保及び日常生活の監督を誓約していること,被告人は,釈放後は本件犯行場所からは離れた父親の単身赴任先に母親と共に転居し,両親と同居して生活する予定であること,被告人は,現在勾留先で受けている臨床心理士のカウンセリングを釈放後も受け続ける意向を示していること,これまでに前科前歴がないこと等の事情がある。

【判旨】

 本件事案の性質や証拠関係,先行事件の審理経過,被告人の身上等に照らすと,保証金額を75万円とし,本件の被害者及びその関係者との接触禁止などの条件を付した上で被告人の保釈を許可した原々審の裁判は,その裁量の範囲を逸脱したものとはいえず,不当ともいえないから,これを取り消して保釈請求を却下した原決定には,刑訴法90条の解釈適用を誤った違法があり,これが決定に影響を及ぼし,原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。

 

最高裁判所第二小法廷判決平成24年12月07日

【事案】

1.本件の事実関係

(1) 本件公訴事実の要旨は,

「被告人は,社会保険庁東京社会保険事務局目黒社会保険事務所に年金審査官として勤務していた厚生労働事務官であるが,平成15年11月9日施行の第43回衆議院議員総選挙に際し,日本共産党を支持する目的をもって,

第1.同年10月19日午後0時3分頃から同日午後0時33分頃までの間,東京都中央区(以下省略)所在のB不動産ほか12か所に同党の機関紙であるしんぶん赤旗2003年10月号外(『いよいよ総選挙』で始まるもの)及び同党を支持する政治的目的を有する無署名の文書である東京民報2003年10月号外を配布し,

第2.同月25日午前10時11分頃から同日午前10時15分頃までの間,同区(以下省略)所在のC方ほか55か所に前記しんぶん赤旗2003年10月号外及び前記東京民報2003年10月号外を配布し,

第3.同年11月3日午前10時6分頃から同日午前10時18分頃までの間,同区(以下省略)所在のD方ほか56か所に同党の機関紙であるしんぶん赤旗2003年10月号外(『憲法問題特集』で始まるもの)及びしんぶん赤旗2003年11月号外を配布した。」

というものであり,これが国家公務員法(以下「本法」という。)110条1項19号(平成19年法律第108号による改正前のもの),102条1項,人事院規則14-7(政治的行為)(以下「本規則」という。)6項7号,13号(5項3号)(以下,これらの規定を合わせて「本件罰則規定」という。)に当たるとして起訴された。

(参照条文)

国家公務員法
110条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
19号 第百二条第一項に規定する政治的行為の制限に違反した者

102条1項 職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。

人事院規則14-7
5項 法及び規則中政治的目的とは、次に掲げるものをいう。政治的目的をもつてなされる行為であつても、第六項に定める政治的行為に含まれない限り、法第百二条第一項の規定に違反するものではない。
3号 特定の政党その他の政治的団体を支持し又はこれに反対すること。

6項 法第百二条第一項の規定する政治的行為とは、次に掲げるものをいう。
7号 政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること。
13号 政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること。

(2) 被告人が上記公訴事実記載の機関紙等の配布行為(以下「本件配布行為」という。)を行ったことは,証拠上明らかである。

(3) 被告人は,本件当時,目黒社会保険事務所の国民年金の資格に関する事務等を取り扱う国民年金業務課で,相談室付係長として相談業務を担当していた。その具体的な業務は,来庁した1日当たり20人ないし25人程度の利用者からの年金の受給の可否や年金の請求,年金の見込額等に関する相談を受け,これに対し,コンピューターに保管されている当該利用者の年金に関する記録を調査した上,その情報に基づいて回答し,必要な手続をとるよう促すというものであった。そして,社会保険事務所の業務については,全ての部局の業務遂行の要件や手続が法令により詳細に定められていた上,相談業務に対する回答はコンピューターからの情報に基づくものであるため,被告人の担当業務は,全く裁量の余地のないものであった。さらに,被告人には,年金支給の可否を決定したり,支給される年金額等を変更したりする権限はなく,保険料の徴収等の手続に関与することもなく,社会保険の相談に関する業務を統括管理していた副長の指導の下で,専門職として,相談業務を担当していただけで,人事や監督に関する権限も与えられていなかった。

2.第1審判決は,本件罰則規定は憲法21条1項,31条等に違反せず合憲であるとし,本件配布行為は本件罰則規定の構成要件に当たるとして,被告人を有罪と認め,被告人を罰金10万円,執行猶予2年に処した。

3.原判決は,本件配布行為は,裁量の余地のない職務を担当する,地方出先機関の管理職でもない被告人が,休日に,勤務先やその職務と関わりなく,勤務先の所在地や管轄区域から離れた自己の居住地の周辺で,公務員であることを明らかにせず,無言で,他人の居宅や事務所等の郵便受けに政党の機関紙や政治的文書を配布したことにとどまるものであると認定した上で,本件配布行為が本件罰則規定の保護法益である国の行政の中立的運営及びこれに対する国民の信頼の確保を侵害すべき危険性は,抽象的なものを含めて,全く肯認できないから,本件配布行為に対して本件罰則規定を適用することは,国家公務員の政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度を超えた制約を加え,これを処罰の対象とするものといわざるを得ず,憲法21条1項及び31条に違反するとして,第1審判決を破棄し,被告人を無罪とした。

【判旨】

1.所論は,原判決は,憲法21条1項,31条の解釈を誤ったものであると主張する。

(1) そこで検討するに,本法102条1項は,「職員は,政党又は政治的目的のために,寄附金その他の利益を求め,若しくは受領し,又は何らの方法を以てするを問わず,これらの行為に関与し,あるいは選挙権の行使を除く外,人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」と規定しているところ,同項は,行政の中立的運営を確保し,これに対する国民の信頼を維持することをその趣旨とするものと解される。すなわち,憲法15条2項は,「すべて公務員は,全体の奉仕者であって,一部の奉仕者ではない。」と定めており,国民の信託に基づく国政の運営のために行われる公務は,国民の一部でなく,その全体の利益のために行われるべきものであることが要請されている。その中で,国の行政機関における公務は,憲法の定める我が国の統治機構の仕組みの下で,議会制民主主義に基づく政治過程を経て決定された政策を忠実に遂行するため,国民全体に対する奉仕を旨として,政治的に中立に運営されるべきものといえる。そして,このような行政の中立的運営が確保されるためには,公務員が,政治的に公正かつ中立的な立場に立って職務の遂行に当たることが必要となるものである。このように,本法102条1項は,公務員の職務の遂行の政治的中立性を保持することによって行政の中立的運営を確保し,これに対する国民の信頼を維持することを目的とするものと解される。
 他方,国民は,憲法上,表現の自由(21条1項)としての政治活動の自由を保障されており,この精神的自由は立憲民主政の政治過程にとって不可欠の基本的人権であって,民主主義社会を基礎付ける重要な権利であることに鑑みると,上記の目的に基づく法令による公務員に対する政治的行為の禁止は,国民としての政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度にその範囲が画されるべきものである。
 このような本法102条1項の文言,趣旨,目的や規制される政治活動の自由の重要性に加え,同項の規定が刑罰法規の構成要件となることを考慮すると,同項にいう「政治的行為」とは,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが,観念的なものにとどまらず,現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指し,同項はそのような行為の類型の具体的な定めを人事院規則に委任したものと解するのが相当である。そして,その委任に基づいて定められた本規則も,このような同項の委任の範囲内において,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる行為の類型を規定したものと解すべきである。上記のような本法の委任の趣旨及び本規則の性格に照らすと,本件罰則規定に係る本規則6項7号,13号(5項3号)については,それぞれが定める行為類型に文言上該当する行為であって,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものを当該各号の禁止の対象となる政治的行為と規定したものと解するのが相当である。このような行為は,それが一公務員のものであっても,行政の組織的な運営の性質等に鑑みると,当該公務員の職務権限の行使ないし指揮命令や指導監督等を通じてその属する行政組織の職務の遂行や組織の運営に影響が及び,行政の中立的運営に影響を及ぼすものというべきであり,また,こうした影響は,勤務外の行為であっても,事情によってはその政治的傾向が職務内容に現れる蓋然性が高まることなどによって生じ得るものというべきである。
 そして,上記のような規制の目的やその対象となる政治的行為の内容等に鑑みると,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるかどうかは,当該公務員の地位,その職務の内容や権限等,当該公務員がした行為の性質,態様,目的,内容等の諸般の事情を総合して判断するのが相当である。具体的には,当該公務員につき,指揮命令や指導監督等を通じて他の職員の職務の遂行に一定の影響を及ぼし得る地位(管理職的地位)の有無,職務の内容や権限における裁量の有無,当該行為につき,勤務時間の内外,国ないし職場の施設の利用の有無,公務員の地位の利用の有無,公務員により組織される団体の活動としての性格の有無,公務員による行為と直接認識され得る態様の有無,行政の中立的運営と直接相反する目的や内容の有無等が考慮の対象となるものと解される。

(2) そこで,進んで本件罰則規定が憲法21条1項,31条に違反するかを検討する。この点については,本件罰則規定による政治的行為に対する規制が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかによることになるが,これは,本件罰則規定の目的のために規制が必要とされる程度と,規制される自由の内容及び性質,具体的な規制の態様及び程度等を較量して決せられるべきものである(最高裁昭和52年(オ)第927号同58年6月22日大法廷判決・民集37巻5号793頁等)。そこで,まず,本件罰則規定の目的は,前記のとおり,公務員の職務の遂行の政治的中立性を保持することによって行政の中立的運営を確保し,これに対する国民の信頼を維持することにあるところ,これは,議会制民主主義に基づく統治機構の仕組みを定める憲法の要請にかなう国民全体の重要な利益というべきであり,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる政治的行為を禁止することは,国民全体の上記利益の保護のためであって,その規制の目的は合理的であり正当なものといえる。他方,本件罰則規定により禁止されるのは,民主主義社会において重要な意義を有する表現の自由としての政治活動の自由ではあるものの,前記(1)のとおり,禁止の対象とされるものは,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる政治的行為に限られ,このようなおそれが認められない政治的行為や本規則が規定する行為類型以外の政治的行為が禁止されるものではないから,その制限は必要やむを得ない限度にとどまり,前記の目的を達成するために必要かつ合理的な範囲のものというべきである。そして,上記の解釈の下における本件罰則規定は,不明確なものとも,過度に広汎な規制であるともいえないと解される。なお,このような禁止行為に対しては,服務規律違反を理由とする懲戒処分のみではなく,刑罰を科すことをも制度として予定されているが,これは,国民全体の上記利益を損なう影響の重大性等に鑑みて禁止行為の内容,態様等が懲戒処分等では対応しきれない場合も想定されるためであり,あり得べき対応というべきであって,刑罰を含む規制であることをもって直ちに必要かつ合理的なものであることが否定されるものではない。
 以上の諸点に鑑みれば,本件罰則規定は憲法21条1項,31条に違反するものではないというべきであり,このように解することができることは,当裁判所の判例(最高裁昭和44年(あ)第1501号同49年11月6日大法廷判決・刑集28巻9号393頁,最高裁昭和52年(オ)第927号同58年6月22日大法廷判決・民集37巻5号793頁,最高裁昭和57年(行ツ)第156号同59年12月12日大法廷判決・民集38巻12号1308頁最高裁昭和56年(オ)第609号同61年6月11日大法廷判決・民集40巻4号872頁最高裁昭和61年(行ツ)第11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁最高裁平成10年(分ク)第1号同年12月1日大法廷決定・民集52巻9号1761頁)の趣旨に徴して明らかである。

(3) 次に,本件配布行為が本件罰則規定の構成要件に該当するかを検討するに,本件配布行為が本規則6項7号,13号(5項3号)が定める行為類型に文言上該当する行為であることは明らかであるが,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものかどうかについて,前記諸般の事情を総合して判断する。
 前記のとおり,被告人は,社会保険事務所に年金審査官として勤務する事務官であり,管理職的地位にはなく,その職務の内容や権限も,来庁した利用者からの年金の受給の可否や年金の請求,年金の見込額等に関する相談を受け,これに対し,コンピューターに保管されている当該利用者の年金に関する記録を調査した上,その情報に基づいて回答し,必要な手続をとるよう促すという,裁量の余地のないものであった。そして,本件配布行為は,勤務時間外である休日に,国ないし職場の施設を利用せずに,公務員としての地位を利用することなく行われたものである上,公務員により組織される団体の活動としての性格もなく,公務員であることを明らかにすることなく,無言で郵便受けに文書を配布したにとどまるものであって,公務員による行為と認識し得る態様でもなかったものである。これらの事情によれば,本件配布行為は,管理職的地位になく,その職務の内容や権限に裁量の余地のない公務員によって,職務と全く無関係に,公務員により組織される団体の活動としての性格もなく行われたものであり,公務員による行為と認識し得る態様で行われたものでもないから,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものとはいえない。そうすると,本件配布行為は本件罰則規定の構成要件に該当しないというべきである。

(4) 以上のとおりであり,被告人を無罪とした原判決は結論において相当である。なお,原判決は,本件罰則規定を被告人に適用することが憲法21条1項,31条に違反するとしているが,そもそも本件配布行為は本件罰則規定の解釈上その構成要件に該当しないためその適用がないと解すべきであって,上記憲法の各規定によってその適用が制限されるものではないと解されるから,原判決中その旨を説示する部分は相当ではないが,それが判決に影響を及ぼすものでないことは明らかである。論旨は採用することができない。

2.所論引用の判例(前掲最高裁昭和49年11月6日大法廷判決)の事案は,特定の地区の労働組合協議会事務局長である郵便局職員が,同労働組合協議会の決定に従って選挙用ポスターの掲示や配布をしたというものであるところ,これは,上記労働組合協議会の構成員である職員団体の活動の一環として行われ,公務員により組織される団体の活動としての性格を有するものであり,勤務時間外の行為であっても,その行為の態様からみて当該地区において公務員が特定の政党の候補者を国政選挙において積極的に支援する行為であることが一般人に容易に認識され得るようなものであった。これらの事情によれば,当該公務員が管理職的地位になく,その職務の内容や権限に裁量の余地がなく,当該行為が勤務時間外に,国ないし職場の施設を利用せず,公務員の地位を利用することなく行われたことなどの事情を考慮しても,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものであったということができ,行政の中立的運営の確保とこれに対する国民の信頼に影響を及ぼすものであった。
 したがって,上記判例は,このような文書の掲示又は配布の事案についてのものであり,判例違反の主張は,事案を異にする判例を引用するものであって,本件に適切ではなく,所論は刑訴法405条の上告理由に当たらない。

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2013年02月18日

政府公表資料等情報

衆院法務委員会平成24年06月15日より抜粋(下線は当サイトによる)

○中島政希委員 本日は、私ども無所属の委員に、各位の御配慮をいただきまして、質問の機会をいただきまして、感謝申し上げます。
 大臣にお伺いいたしますが、私は、この委員会で滝大臣が委員長をされているとき、千葉法務大臣のときに、判検交流について質問をいたしました。
 判検交流についてちょっとお聞きをしたいと思いますが、小川前大臣が四月に判検交流の中止ということを、これは記者発表されたんですかね、表明されたようでございますが、滝大臣もこの立場を踏襲されるということなんでございましょうか。大臣の判検交流についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○滝実国務大臣 今回の判検交流の修正というのは、全面的に廃止するわけではないんですね。要するに、裁判官になって裁判をする立場の人が、法務省の中で別の、それと対立するような仕事をしている。そういう人たちが判検交流という形でもって判事、検事の間を移行するというのは、裁判の公正性とか、それからその他の問題で、やや批判が出るだろう、これは中島先生がこの委員会でおっしゃったとおりです。
 したがって、そういう立場が入れかわったときにでも、その点が公正さを疑われないような、そういう人たちを、まず判検交流の停止というか中止という格好でやっていこう、これが今回の判検交流の考え方で、全面的にやるんじゃなくて部分的なところに今とどまっているということは、まずお断りをしておきたいと思います。
 したがって、小川前大臣が発表しました、判検交流といっても、ごく部分的、本当に裁判そのものにかかわるような部分の判検交流は、それは停止しておこう、こういうことでございます
 したがって、例えば法務省の中にも、民事局は、裁判官から民事局に来てもらっている人がかなりおりますそういうところまで今直ちに停止をしようというところまで行っているわけではございません

○中島(政)委員 部分的なことだと、民事の訟務検事についてはそのままであるというようなことでございますが、訟務検事についても縮小していくという趣旨のことを前大臣はおっしゃっていたように思うんですけれども、その辺はいかがでございますか。

○滝国務大臣 基本的には、判検交流という制度を見直していかなければいけないという御意見も前々からあるわけでございますから、そういう意味では、縮小の方向は一つの方向として持っていなければいけない、こういうふうに思います

○中島(政)委員 この判検交流の中止ということにつきまして、最高裁の方の御意見を伺いたいと思いますが、いかがでございますか。

○安浪亮介最高裁判所長官代理者 裁判官の法務省への出向につきましては、裁判実務の経験があり、法律に精通している人材の派遣を求める法務省からの要望を踏まえて行ってきたところでございます。
 法務省におかれて、訟務検事に占める裁判官の割合の見直しを行うということでありますので、最高裁としても、これに対応してまいりたいと考えております。
 また、法務省におかれて、裁判官が地方検察庁の検察官を務め、検察官が地方裁判所の裁判官を務めるという、この交流につきましては取りやめるということでありましたので、最高裁といたしましても、これに対応することとした次第でございます。

○中島(政)委員 以前に、千葉大臣の時代だったでしょうかね、当時の大谷人事局長が私にお答えになった中には、判検交流には意義もあるんだと。外部に出して裁判官にいろいろな経験を積ませるのもいいことなんだと、積極的な意義も最高裁として強調されていたように思うんですけれども、今聞いていると、法務省の方からの要請があったのでやめますと。意義の方についての御見解が変わったんですか。最高裁に聞きます。

○安浪最高裁判所長官代理者 裁判官が外部に出て多様な経験を積む、そして幅広い視野を持つということの重要性については、いささかも変わっておりません
 ただ、今申し上げましたとおり、裁判官が地方検察庁の検察官を務め、また一方で、検察官が地方裁判所の裁判官を務めるという、この点につきましては法務省の方で見直しをされるということでありましたので、先ほど申し上げたような対応を私どもの方でもとることにした次第でございます。

○中島(政)委員 この判検交流の問題というのはいろいろありまして、今、人事交流する意義があるとおっしゃいまして、それはわからなくはないんですね。裁判官をやったり検事をやったりして両方の立場を知る、経験する。両方経験した結果、裁判官というのは退屈だというような結論を持った大臣経験者もいらっしゃったんですけれども。交流するのがいいかどうかということは抜きにして、今の、意義があるというお立場はわかりました。
 それで、意義があるんだということですが、この判検交流が問題になっているというのは、問題は幾つかあるんですけれども、一つは、法務省は行政府ですよね。最高裁は司法権。別なんですね。外務省から経産省に出向するというのと話がちょっと違う、ちょっとじゃない、かなり違う。憲法上の三権分立の建前からいかがなものかというのが一つあります
 もう一つは、私はこの委員会で千葉さんにも江田さんにも聞いているんですけれども、これは全然、いつ始まって、どういう根拠法があって始まったのかわからない。文書が全然ないんです、取り決めが。法律はもとより、政令もないですし、覚書もないし、最高裁判所規則にも書いてない。何の文書もないんですよ。口約束です。
 一九七〇年代の中ごろ、口約束で始まって、民事をやる検事が不足しているからちょっと人を出してくれというようなことの要請があって、はいはいと言ったのかどうかわかりませんけれども、根拠になる文書もなく、事務レベルで始まったことが延々と続いてきて、だんだん人数もふえてきた今度は、やめるについても、どういうお話し合いになったか、そういう覚書や文書があってこれはやめたのか、よくわかりませんけれども、曖昧な形で始まっている、文書がない
 これは非常に問題だと思うんですね。将来、法制史を研究する人が出てきたら、この判検交流というのは、何となく始まって、文書もなくて、問題にはなっていたけれども、そのうち何となく縮小してなくなった、こういう結論になっちゃいますよ。これは、中止する、縮小するのはいいけれども、両者で話し合って、しっかりした確認をして、文書で残すということが大事ではないかと私は思っております。これはいつも指摘していることなので、このくらいにしておきます。

 

○横粂勝仁委員 東京地域政党、改革の志士代表、ただ、国政においては無所属にて活動しております横粂勝仁でございます。
 本日は、無所属であるにもかかわらず質問のお時間を賜りまして、各党の皆様に感謝申し上げ、また、豊富な御経験とバランス感覚をお持ちの滝大臣に質疑させていただけることを光栄に存じつつ、質問を始めさせていただきます。ただ、与えられた時間が十五分間という限られた時間でございますので、スピード感を持って進めさせていただきます。
 まず最初に、これまでの委員会の議論を蒸し返すようで恐縮ではございますが、冒頭に、司法修習生に対する貸与制についてお聞きしたいと思います。
 司法修習生に対する給与を貸与制とすることが決まってしまいました目先の予算削減にとらわれて、お金持ちの家庭の子供しか法曹を目指せない社会にする、まさに日本の司法の根幹を揺るがす非常に大きな過ちであると思っております。貸与された修習資金の返還開始までは五年間の据置期間があるところを、新たな法曹養成制度の検討の中で、貸与制の見直しを含めて一年以内に結論を出すことになっております。
 では、この五年間の据置期間の間に、もし、私はもしではなくて必ずではあるんですが、もし給費制に戻すことが決まった場合には、このたび貸与制で修習を受けている六十五期生にも遡及され、返還が免除されることを当然に想定していると理解してよろしいのでしょうか
 なお、貸与額には、基本額の月額二十三万円、減額した十八万円、扶養加算をした二十五万五千円、住居加算をした二十五万五千円、そして両方の加算をした二十八万円の五パターンあり、また、貸与を申請していない方が二割いる中、どのようにバランスのとれた対策を打つ予定でありますでしょうか、教えてください。

○滝国務大臣 今の議論の中に二つあると思うんですね。要するに、今の貸与制をもう一遍給費制に戻すかどうかというこれからの議論の問題が第一点です二点目は、その上で、既に貸与制に切りかえた六十五期生についてどうするか
 それは、そのときの一連の議論の中であわせて決着をする問題だろうと思います。そのまま貸与制が継続されれば、当然六十五期生も貸与制が継続されますし、六十五期生も含めて給費制にするというなら、給費制が六十五期生にも遡及され適用されるということに恐らく推測できるわけですね。別に遡及しなきゃならぬということはありませんけれども、一連の問題という理解をすれば当然遡及されるだろう。そういう二点に分けて議論をしていく問題ではないかと思います。

○横粂委員 御答弁ありがとうございます。
 第六十五期生が制度のはざまの被害者となってしまわぬように、そして、大臣の両肩には、現在及び未来の法曹を目指す意志ある若者の未来、そして日本の司法という大きなものが乗っかっていることを御理解賜り、英断を期待しております

 

参院法務委員会平成24年07月26日より抜粋(下線は当サイトによる)

○古川俊治君 ・・自由民主党、古川俊治の方から質問をさせていただきます。
 大臣に伺いたいんですが、現在のこの法曹養成の在り方、法科大学院からの司法試験の合格率の低迷、あるいは志願者の減少、そして新人の弁護士の大変な就職難、様々な問題点が指摘されていることは十二分に御存じだというふうに思っております。
 この法曹養成全体の在り方について早急に見直さなきゃいけないというのは、これはもう与野党一致した考え方であると思いまして、今検討がされているところだと思います。平成二十二年十一月二十四日、衆議院の法務委員会の附帯決議で、法曹養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずることとされております。ここにおきまして、大臣も前向きに検討するというしっかりとした御発言をされているということであります。
 しかしながら、平成二十二年七月六日、法曹養成制度に関する検討ワーキングチームにおける検討結果というやつで、取りまとめというやつですね、それから本年の五月十日に出ています法曹の養成に関するフォーラム論点整理、取りまとめというやつですねこの二つを比べて、これはもう二年近くたっているんですが、ほとんど同じような意見がただただひたすら羅列してあるだけなんですよ。全くその結論を出そうという向きが見えないんですけれども、私の目からは。これはいつまでに結論を出されるんですか

○国務大臣(滝実君) 現在行われております法曹養成フォーラムの五月十日の論点整理について御紹介がございました。
 これは今まで法曹フォーラムとして議論をしてきたことを論点として網羅的に取りまとめたと、こういうことでございまして、今後の問題としては、衆議院の法務委員会の附帯決議にございますように、新たな体制で合議体制をつくり直して、ここで更に議論を煮詰めると、こういうことでございますので、この附帯決議の趣旨を体して、この参議院の法務委員会におきましても、この裁判所法案との関連で改めて新しい体制を発足させて結論を出していきたい、これが現在の状況でございます。

○古川俊治君 だから、私が言っているのは、いつまでにやるんだと言っているんですよ。いつまでにやるんですか

○国務大臣(滝実君) 示されているのはおおむね一年以内と、こういうことでございますけれども、基本的にはできるだけ早く、既に第一ラウンドの論点整理がまとまったところでございますので、それを踏まえて新しい合議体制で更に煮詰めていくと、こういうことでございますから、できるだけ早くというふうに考えております

○古川俊治君 それは本年度内ということでよろしいですね。一年以内ということですから、もう五月の論点整理ですからね。少なくとも本年度内ということでよろしいですね

○国務大臣(滝実君) 基本的にはそういう方向で認識をさせていただいております

○古川俊治君 昨年にもこの法曹養成については取りまとめをしておられまして、法曹養成に関するフォーラム第一次取りまとめというやつですね、平成二十三年八月三十一日のものでございますけれども
 それを拝見しますと、最後のところに、法曹養成に関する制度の在り方については、この一番最後のところですけれども、いろいろな意見が述べられているって書いてあるんですよ。これらの意見を踏まえ、法曹の養成に関する制度の在り方について今後も更なる検討を続けるというふうに書いてあるわけですね。それが二十四年になってもまだ続いているということだと思うんですけれども。
 私、これを見ていて、実は修習生の給費制か貸与制かの問題ですね、これ実際にいろんな意見が出ているんですよね。貸与制は本人の自己負担である点で奨学金や教育ローンと同種のものであり、貸与制の下で修習専念義務という公務員同様の厳しい規律を課して司法修習への専念を求めることは著しい不正義である、こういう指摘がされていますよね。
 それから、司法制度改革審議会の意見書においては、従来からの司法関連予算の枠にとらわれない措置を求められていることからも、財政負担の増大を理由に給費制が廃止されるべきではない、新たな法曹養成制度の様々な問題点が指摘される中で、司法制度改革において議論済みとして終わる課題ではない、平成二十二年に司法試験合格者三千人にするという政策目標や法科大学院の教育及び定員の在り方などの法曹養成全体についての見直しの議論が本フォーラムにおいて結論を見るまでは、経済的支援の在り方には結論を出さないべきだと、給費制維持しろと言っているわけですね。
 これはいろんな意見が出ているんですよ、まさに。法曹養成の全体の在り方にはいろんな意見が出ているからまだ先延ばしして議論しますよと貸与制か給費制の問題については、これは議論、決着を付けるという話ですよ。これはどういうふうに、それはいろんな意見が出ている中でこの取捨選択はどうやって行ったんですか

○国務大臣(滝実君) 今の貸与制、給費制の問題が急を要すると、こういうことで昨年の八月末に法曹養成フォーラムで貸与制でいくと、こういうような結論が出たことは委員御指摘のとおりでございます。したがって、今の段階では、更にこの裁判所法の改正に関連いたしましてもう一度この問題を国会の中で議論を続けていくと、こういうことに今なっているわけでございまして、したがって、改めて、この貸与制、給費制の問題は次の合議体制の中でも議論を続けていくと、こういうことになろうかと思うんでございます。

○古川俊治君 現に、だけど、この法案は給費制から貸与制にするという法案でしょう。どうなんですか。これは一個、一つの法案としてまとめられているじゃないですか。何でそれだったら法曹養成全体の在り方についての法案が出てこないんですか同じですよ、いろんな意見があるのは。そこを集約されているでしょう。そのことについて言っているんですよ。

○国務大臣(滝実君) そういうことも含めて、昨年の八月三十日に、当面の問題として貸与制どうするかと、こういうことでもあったものですから、法曹養成フォーラムとしてはそういう観点からの結論を出した。したがって、政府としてはその結論に従って現在の法案をお出ししていると、こういうことでもございます。

○古川俊治君 私が言っているのは、両方ともいろんな意見があったわけですよね。片っ方を結論を出して、片っ方を出していないんですよ。だから、おかしいと言っている。なぜかって合理的な説明をしてくださいよ、ちゃんと。

○国務大臣(滝実君) そこのフォーラムでも指摘しているわけでございますけれども、この貸与制の問題は全体の問題とは一応別問題として切り離して議論をすると、こういう前提を取っているものですから、政府としてはその結論に従って法案の用意をしてきたということでございます。

○古川俊治君 これ、政府の審議会だからあなたに答弁する義務があるわけですよね。何で別問題なんですか。ちゃんと説明してください私には全く別問題と思えませんし、別問題じゃないと言っている人はたくさんいますよ、このフォーラムの中でも

○国務大臣(滝実君) 基本的には、繰り返しになりますけれども、衆議院の法務委員会の決議によりまして、昨年の十月のことでございますけれども、必要な措置を講じると、こういうようなこともございますし、そんな中で速やかに検討を行うんだと、こういうようなことが求められてきたものですから現在のような法案を提出させていただいていると、こういうことでございます。

○古川俊治君 説明になっていないんですよ。ここで言っているのは、法曹養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加えろって衆議院言っているんですよね。貸与制か給費制の問題について、とりわけそこだけ結論出せって、何にも言っていないじゃないですか。全体について速やかに結論を出せと言っているんですよ。言っていることが違いますよ。もう一回、説明してください別問題じゃないですよ、これは

○国務大臣(滝実君) 委員の御指摘は、別問題ではないと、こういうことでございますけれども、基本的には、貸与制の問題が緊急の課題として取り上げられてきた、こんな経緯がございまして、政府としてもその要請に従って法案の提出をしてきたと、こういうことでございます。

○古川俊治君 何で貸与制か給費制の問題が、これは緊急の問題なんですか。私には法曹養成全体の在り方だって大変緊急の問題に見えますよ現に司法試験に受かって司法修習終わった人たちの二割が就職できないんですよ。こういう状況にあります。それは緊急じゃないんですか

○国務大臣(滝実君) もちろん、どれが緊急でどれが緊急でないとも言えない問題でございますけれども、とにかく、出発点として十一月から始まる新たな司法修習生に向かっての時期的な議論がございまして、そういうところで貸与制の問題ということで出発をしたということでございます。したがって、全体の話は引き続きその中で議論をしていくということには変わりはないわけでございます。

○古川俊治君 説明になっていないんですよ、全く。
 私が聞いているのは、何で別問題かと言っているんですよ。ちゃんとした説明をしてください。理解できないです、あなたの言っていることは。

○国務大臣(滝実君) 基本的には、昨年の十一月以降は従来の給費制というような問題が切れてしまう、こういうようなことがあってこの貸費制の問題がそこで緊急の課題として浮上してきたと、こういうことでございます。

○古川俊治君 大臣分かっていらっしゃらないんで私は伺いたいんですけれども、この給費制か貸与制の問題って何で出てきたか御理解されていますか。何でこういう話になってきたのか。
 元々裁判所法には司法修習生という、これはまさに司法業務というものに就く特殊性に鑑みてこの給費制というものがまず出されたわけですよね。それはまさに修習専念義務と一体のものとして、専念させる以上、給費を払わなければこれはまずいということで出ているわけですよ。しっかりコンメンタールにも書いてありますよ。何でそれなのに貸与制の問題が出てきたのか。何でですか。

○国務大臣(滝実君) これは委員御指摘のとおり、新しい法曹養成の制度設計をする際に、従来の司法修習ということではなしに、基本的には法科大学院によって基本的なことを更に研さんをしてもらう、そういう中で司法修習制度も併用させていく、これが出発点であったかと存じます。その段階で、司法修習制度を併用するについても、その当時の議論としては給費制から貸与制に切り替えるんだと、こういうような制度をその中に新しい制度として仕組んだものですから、これが十一月段階で緊急性を帯びた問題として、現実の問題として浮上したわけでございます。

○古川俊治君 だから何で、私が聞いているのは、それは、問題が浮上したというのは、あなた分かっていないんですよ。
 何でかというと、財政負担が大きくなるからなんですね、これ。財政負担にもう耐えられないから困ったという話なんですよ。言ってみると、法科大学院をつくるからそこに支援をすると。今、百億円ぐらい支援しているんですよ。人数が増えるんですよ、修習生のだからまた財政負担が増えるんですよ。まさにこれ、この司法改革の一体の中で給費制というものが取り扱われているんですよ。本来は給費制にしなければこの特殊性を維持できないんだけれどもしようがないと、財政負担が大きいからそれはまさに全体の話ですよ、これ。今、司法修習生に出されている給費、こちらの方は総額で年間六十億から八十億ぐらいですよ法科大学院に援助しているのはイーブンかそれより大きいですからね。これ全く切り離して論じられる問題じゃないですよ、どう考えても。そのことについて全く御理解がないというのは今日よく分かりました。
 これは話にならないですから、もっと真剣に考えて、早く一元化をした、全て、司法修習の在り方全体について結論を出して、そのときにもう一度貸与制か給費制の問題をしっかり議論してください。このことについて御答弁お願いします。

○国務大臣(滝実君) 当然、この法曹制度を変えるときに財政的な問題からこういうような制度が仕組まれたということでもございます。今委員御指摘のとおり、当然新しい合議制の中でこの問題は改めて議論をしていく、こういうことでございます。その考え方は十分に考慮してやってまいりたいと思っております。

○古川俊治君 それで、これで貸与制にされるということになりますと、いよいよ司法修習生は一銭も給費を受けないという中で修習しなきゃいけないわけですよね。
 一般的に考えて、給費制を廃止をするという意見の中に、公務員でなく公務に従事しない修習生に対する給費の支給が異例であるというふうに言われていたということがあるんですね。司法修習生は確かに公務員ではないそれに対して給費をなぜ配るのかということになれば、これについて逐条解説によりますと、これは修習専念義務を課しているからだと、まさに一体のものとして考えられているわけですよね。今回、もし貸与制にするのであれば、これ当然修習義務もまた違ったものと考えなきゃいけないわけですけれども、仮にこれ、兼業を禁止したままということになりますと、大変な不正義になると思います、私はね。
 一つちょっと大臣に伺いたいんですが、公務員じゃなく公務に従事しない一般市民に対して一銭の給付もせずに仕事を禁じるというのは、ほかにどういう例がありますか

○国務大臣(滝実君) 特にほかの例としては、私の方は承知をいたしておりません

○古川俊治君 これは質問通告して、恐らくお調べになったんでしょうから。これは、だからないんですよこれ、基本的人権の侵害ですからそれを何でやるんですか
 この場合は、司法修習生、ちゃんとアルバイトもしていいんですね、だって一銭ももらわないんだから答えてください

○国務大臣(滝実君) 制度設計としては、アルバイトも禁止をされているというのは従来の給費制の制度をそのまま踏襲しているわけでございます。その代わり、貸与制度で優遇措置を講じると、こういうことでその辺のところを解決しようとしたのが当初の制度設計でございました。

○古川俊治君 先ほどのフォーラムでも言われていますよね。これ、修習専念義務を付けて、全く仕事をせずに、とにかく借りてずっといろというわけですからね。
 これ、じゃ、伺いますけれども、修習をしっかりやることは、法曹としての資質を身に付けるというのは私も必要だと思いますただ、関係ない時間、土日あるいは時間外、これ何でアルバイトをしちゃいけないんですか。合理的な理由を述べてください。

○国務大臣(滝実君) そこまで制度設計をしたときに議論はいたしておりませんので、その辺の理由を合理的に説明するのは、当時から議論をされたというのは私は承知をいたしませんので存じませんけれども、アルバイトをするだけの時間的余裕がなかったということも恐らく判断の理由ではなかったかというふうに推測はいたしております。

○古川俊治君 アルバイトする時間がないんですか今、司法修習生、何やっているか御存じですか土日あるいは時間外、何やっているか御存じですか、言ってみてください。

○国務大臣(滝実君) 修習生が土日、何をやっているかということは、私も存じておりません

○古川俊治君 就職活動ですよ。だって、すぐ就職できるかどうか分からないんだもの。毎日のように事務所に訪れて、私を採ってくださいとお願いしているんですよ。これ修習ですか、関係ないでしょうそれはまさにこの制度の、劣悪な制度がつくり出した弊害なんですよ。そうしなければ自分たちの職場がないんですよ、将来のそういう環境に置かれているんですよ、修習生は。それで修習専念義務って、アルバイトしちゃいけないってよく言えますね全く修習なんて関係ないじゃないですか、その時間は
 本来、修習専念義務という下に置かれて修習をしっかり、資質をちゃんと身に付けて、そして試験に受かって、そして巣立っていってちゃんとした仕事をすると、法曹として。そのときに、時間外で何をしていようと関係ないんじゃないですか

○国務大臣(滝実君) 委員のそういう御指摘はごもっともだと思いますけれども、基本的にそういうことも含めて兼業禁止というのを従来から踏襲していると、こういうことになっているわけでございまして、そこのところの説明というのはなかなか難しさが残っていると思います。

○古川俊治君 先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、検討していないという話ですね、そこのなぜかということは。いかがですか。

○国務大臣(滝実君) 制度設計するときの議論が特に設定をされていないということもこれあり、その辺のところはその後も検討をしておりません

○古川俊治君 だから、検討してこなかったんだから、これだけ不正義になってしまって、そういう指摘もあると。今、実際土日やっていることというのは全く修習と関係ないことだという実態を踏まえてこれは議論してくださいよ、このフォーラムの中で。いかがですか。

○国務大臣(滝実君) 委員の御指摘でございますから、当然そういうここの委員会で出された議論というものを踏まえた議論はこの中でやっていくということになろうかと思います。

○古川俊治君 そうですね。だから、今後の議論については修習専念義務、この在り方を含めて、これがあるかないかも含めてしっかり議論をしてもらう、これは非常に大事なことだと思うんで、是非指摘しておきたいと思います。
 それで、一つちょっとこの紙を見ていただきたいんですが、私の資料でありますけれども、実は兼業を認めている例が幾つかあるんですよね。報酬あり、これは予備自衛官、これはもう認められています、報酬ありねそれから、不動産の賃貸借、こういうの認められているんですよね。これ、報酬があってまさに兼業やっているんですけれども、何でこれらは認められているんでしょうか。御説明をお願いします。

○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 委員のお求めがございまして、手元にありました資料を取り急ぎおまとめしたのが以上のものでございます。
 先ほど来委員の方からお話がありましたとおり、修習専念義務が課せられている下では、兼業、兼職が認められるというのはごく限られた例外でございますここにありますものは、例えば修習専念義務に違反しない、あるいは実際の修習に支障のない行為につきまして認めてきているものでございまして、例えば不動産の賃貸ということの例で申し上げますと、これは親族や管理会社にその不動産の賃貸業務を任せておりまして、実際、実質的な業務を行っていないというものでございます。それから、会社の役員の例がございますけれども、これはいわゆる同族会社でございまして、当該修習生のほかに役員となる者がいないなど役員の兼職を必要とする切迫したような事情があったというふうな場合でございまして、個別に必要性を吟味した上で、ケース・バイ・ケースで判断しているものでございます。

○古川俊治君 安浪さんは私が修習しているときに大変お世話になったので言い難いんですけど、私はこの例で、報酬なしで医者として研究をやらせてほしいと言ったら禁止されたんですよね。まさに私が手術したがんの患者さんのフォローアップをしたい、経過観察をしたい、自分が責任を持って手術をしたから、そう言ったときに断られたんです。それは土曜日の午前中にやるということだったんですけどねこれを見ると、何か医療法人の理事やっている方までいらっしゃったんですね。
 これは、同族会社とか医療法人の理事なんて、無償報酬って言っていますけど、簡単に、これ同族でやっていますから、将来に給料引き延ばせるんですよ、それだけためておいて後で配付すればいいだけの話ですから報酬なしといったって何の意味もないんです、こんなの。皆さんだって見ていないわけでしょう、別に土日、時間外何やっているか。一生懸命これに精出しているかもしれないじゃないですか。全く合理性がないんですよ、だから、皆さんが言っている、やっていることが。だから、一部の自分たちの目の掛けている生徒には認めてあとの雑魚は要らないと、私は雑魚だったわけですけれども、そういうふうに思うんですよ。だからこれ出してもらったんですよ。
 これ、修習専念義務を掛けている、報酬があっちゃいけないということなら、一部でも報酬があっちゃおかしいんですよ、不動産賃貸だって。ほかのことやっちゃいけないんだったら、無報酬だってこんな理事なんてやる必要ないわけです、理事会出なきゃいけないんですから、理事だったら当然。それから考えれば、どうやったって説明が付かないんですよ、こういう抜け駆けがあるということは
 だから、修習生、禁止しているというのはおかしいですよね。禁止されていないじゃないですか、実際大臣、どうですか

○国務大臣(滝実君) 今、最高裁の方から資料とともに御説明がございましたけれども、この辺のところは当初そういうような具体的な例をもって議論した形跡がないものですから、実際の運用の中で少し開いているのかなと、こういうような感じとして受け取らせていただきました。
 いずれにいたしましても、これは委員の御指摘のとおり、今後の問題として議論は尽くしていかなければいけない、こういうふうに思います。

○古川俊治君 じゃ、しっかり議論して、これも合理的な結論、まさに司法修習生の人権にかかわることですので、法務大臣として責任を持って議論していただきたいと思います。
 もう一つ重要な点を指摘しておきたいんですが、私、法科大学院で現に教鞭を執っております。司法修習の、今の法曹養成の現状について国会議員としては一番理解している一人だというふうに認識しておりますけれども、私が一番懸念しているのは、やはり今司法をつかさどっていく、今後の日本の司法を動かしていく法曹の質の問題であります。やはり、そこでしっかりとした質の高い法曹を生み出してこそ初めて国民の負託に司法界がこたえられると、こう考えておりまして。
 ちょっとこの司法修習生考試に関する資料という方を見ていただきたいんですけれども、この不合格数、この司法修習生考試というのは、ここにもたくさん法曹の先生方いらっしゃいますから御経験あると思うんですけれども、いわゆる二回試験と言っていまして、司法修習所の卒業試験のことであります。これに受からないと司法修習を終了したことにならず、法曹としての資格を得られないわけですよね。
 一般的には、普通にやっているとほとんど受かります、この試験は。見ていただくと、従来そうだったですね、〇、〇、〇、四、一、一五百、六百、七百に対してその程度の数字ですから。よっぽどできないと、私も医者でございますけれども、誤って、薬の名前を間違っちゃって人を傷つけちゃうと、こういうような事例が平気で起こらない限りは大丈夫なんですよ、この試験は。
 ところが、ずっと見ていくと、一番気になったのは、千を超える辺りから、千百八十三ぐらいに応試者がなった辺りから急増しているんですね、これ、どんどんどんどん。この試験に受からないということは、まさに司法試験もフロックで受かってきたんじゃないか、偶然に受かっちゃったと。そういうことも疑われるような方々なんですね、正直言って。これがこんな割合に増えているということに非常にこれは懸念を持っております。
 実際、この考試の不合格者がすごく多いということとともに、司法試験委員の中からは、現に司法試験について、こんな成績で本当に合格させていいのかという意見が出ている。それは法務省が方針で何人受からせるという話にしているからですよ。
 この質の問題について、大臣、どう今御理解されていますか

○国務大臣(滝実君) 私どもは具体的に試験を担当をいたしておりますけれども、今御指摘のように、いわゆる司法修習をして最後の仕上げをする際の第二回の試験、いわゆる二回試験の不合格者がこの新制度になってから数が増えていると、こういうことは大変懸念をしている材料だと思っております。
 しかし、そういうことが出てきているということは、少なくとも司法修習を終えて本当に実務に就く人はそこでもってふるいを掛けられているというような最後のとりでは働いているんだろうと、こういうような理解をいたしてきたわけでございますけれども、少なくともこれだけの数字を見ると、制度のやはり何らかの欠陥ということは十分に認識をした上で対応をしていかなければいけないとは思います。

○古川俊治君 大臣、国会議員でも偶然通っちゃった、風でね、そういう人がいるでしょう。試験もそういうものなんですよ。だから、本来なるべきでない人がなっていると、こういう事例がたくさんあるわけですね。それはやっぱり危険なわけですよ。この合格率が落ちているということは、全体としてやっぱり偶然受かった人がいると、それが法曹に実際出ていって弁護をやるわけですよね。そのことを実際思いを致してください。これは政府の責任ですから。これはふるいが掛かっているなんていって、そういう御発言はやっぱり認識不足ですよ、正直言ってね。
 現在、就職難の状況があるという中で、まさに就職できないから、都会においては、しようがないから修習終わった瞬間に地方に行って独立開業しようという人が出ていますこれは即独というんですけれども。そういう人たちが出ていって、まさに地方で求められているのは広い領域の法務なんですねだから、全く経験のない、実務経験をまだやったことがない、自分で責任を持って、そういう人が出ていってやっているのが現状なんですよ
 法務省にすれば、それは地方に新しい弁護士が来て開いてくれたんだから、これでニーズにこたえられるというふうに考えているかもしれませんけれども、こういった場合の質の問題というのを大臣考えたことがありますか

○国務大臣(滝実君) 今、実際の実態の御指摘がございました。少なくとも司法修習のコースの中で、それぞれ裁判所で修習を受ける、あるいは検察庁で修習を受ける、弁護士事務所で修習を受ける、こういうことを経てきた人たちですからそれなりの最低の条件はクリアしていると、こういうことだろうと思いますけれども、今の御指摘の中でありましたように、すぐに単独の事務所を開くということになれば、それはそれなりの長短はあるんだろうというふうに思います。そういうことも含めて、やはり課題として検討をしていくべき話ではないかと思います。

○古川俊治君 弁護士の業務というのを一年とか二年で、それでできると思わないでいただきたい。これも大きな認識不足ですよ。どこでもそうですけれども、専門家というのはやっぱり五年、十年しっかりそこで実務を学んで、まさにトレーニングを仕事をしながらやっていくと、その環境がなきゃ駄目なんですよ。だから、元々法曹界の持っていた教育環境を超えた、これを超えた新人たちをつくり出した、これが元々大きな失敗なんですよ。このことについて全く御認識がないというのは非常に問題ですよ。だから、今の現状として、非常に質の十分でない方々がかなり独立開業しなきゃいけないと、これは大きなやっぱり国民に対しての問題を生じかねない、そういう状況になっている。これは政府がつくり出した本当に大きな失敗の元々なんですよ
 私は、司法界、確かに、合格率の不十分等あります、法科大学院の人数の問題、不合格者が増えている、いろいろ指摘されています。だけれども、一番本当に重要なのは、我々にとって、質の高い法曹をつくり出していくことなんです。これが国民にこたえる前提ですからそれを崩されちゃったことが一番大きいんですよ、皆さんによってですね
 結局のところ、今この二千人という数字をずっと変えていません、法務省は、ここのところ。これでも就職できない方がずっと出ているんですね。昨年度は修習終了の二割の方々が結局弁護士になる、法曹になるのを諦めたわけですよね。ずっと、長くても三年、四年、五年ぐらいはいますよね。だって、未修から入ってきて、そしてそのまま受かったってあと一年半修習するわけですからねそういう方々がそこまでずっとやってきて、これずっと給料なしですよね、基本的には。まあ、修習生のころはアルバイトやったかもしれませんけれども。それでしているわけですよ、一応。
 これ、大臣として、この就職難ということについて今後どうやって対応していくつもりですか。それがどうして効果があると思っていらっしゃるのか、ちゃんと答えていただきたい。

○国務大臣(滝実君) 基本的には、この制度設計するときに法曹人口を増やす一つの条件として、単なる従来の法曹界にとどまらず、社会一般に法曹の資格を持つ人がそれぞれ仕事を拡大していってもらう、これが前提条件であったわけでございますから、そこのところが必ずしも予定どおり迅速に社会全体が法曹を、資格を持っている人たちを受け入れるというところまではまだ成長していなかったと、こういうことだろうと思います。
 しかし、当初の考え方はそれなりの考え方があったわけでございますから、こういうような経験をどういうふうに当面生かしていくかということに精力を注いで、当面のあるべき姿、今後のあるべき姿、こういうものについての方向性をきちんと定めていくと、こういうことが今求められているところだろうと思います。

○古川俊治君 具体的に何をやるのかという話をしたんですけれども、全く答えになっていないんですよ。要するに、今の現状はもうしようがないという今お話ですよね、このままほっとくしかないんだとそういうことなんですか

○国務大臣(滝実君) 数としてそんなに多くありませんけれども、例えば国家公務員においても、あるいは地方公務員においても、期限限定付きの任用ではございますけれども、少しずつ法曹資格者を受け入れるという方向には出ております。それから、従来、企業におけるスタッフとしても、今まではどちらかというと、当然のことながら大企業に偏っていた状況が、少しずつ中小企業の中にも法曹資格者を入れると、こういうような動きもあるやに見ておるわけでございまして、やはりそれなりに時間が掛かっていく、こういうことを側面で援助しながらやっていくということが当面の問題だろうと思います。

○古川俊治君 いずれにしても、企業で今社内弁護士を持とうなんていう企業はほとんどないんですよ。調査やっても、もう五%以下ですね。ほとんどニーズがないです。
 元々公務員になろうと思って法曹になりたいと思うわけじゃないですから。我々が欲しいのは、本当に国民の司法ニーズにこたえていきたいと、そういう正義感を持った法曹ですよ役人に取りあえずなればいいなんて、申し訳ありませんけれども、そういう方々を私たちは教育したくないです、正直言って。しっかりとしたやっぱり法の考え方に基づいた、そういった本当に志望を持った役人になるんだったらいいですけれどもね。それと、やっぱり最初からそこで少し採用することになると話が違います。
 これはしっかりフォーラムで、今日お約束しました、年内に結論を出していただく。速やかに策を講じていただく。そして、その中で司法修習生の兼業の在り方もしっかりと議論をして、もう一度考えていくこのことだけはお約束していただけましたので、大臣、もう一度答弁をして、私の質問を終わりたいと思います。お願いします。

○国務大臣(滝実君) とにかく、新しい法曹が誕生してから、その今までの経緯を踏まえて、その上で今委員も御指摘されたような数々の問題にこたえていく、これが現在の課題ではないかというふうに受け止めさせていただいております

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2013年02月11日

最新最高裁判例

最高裁判所第三小法廷判決平成24年11月27日

【事案】

1.被上告人らが,上告人をいわゆるアレンジャーとするシンジケートローンへの招へいを受けて上告人と共にAに対し合計9億円のシンジケートローンを実行したところ,程なくして同社の経営が破綻して損害を被ったことにつき,この損害は,上告人がアレンジャーとしての情報提供義務を怠ったために生じたものであるなどと主張し,上告人に対し,不法行為に基づく損害賠償を求める事案。

2.事実関係の概要

(1) Aは,石油製品の卸売等を目的とする株式会社であり,平成19年当時の代表取締役は,Bであった。

(2) 上告人は,平成17年2月頃からAと銀行取引を行っていたが,平成19年8月29日,Aの委託を受けて,総額10億円を予定するシンジケートローンのアレンジャーとなって,被上告人らを含む合計10の金融機関に対しその参加を招へいし,被上告人らについては,同月30日又は31日に上告人の担当者が各店舗を訪問して上記シンジケートローンの説明をするなどした。この際,上告人は,招へい先金融機関に対し,Aの同年3月期決算書のほか,上記シンジケートローンの条件の概要等を記載した参加案内資料及び上記シンジケートローンの必要性,返済見込み等を記載した補足資料を交付したが,このうち参加案内資料には,留意事項として,資料に含まれる情報の正確性・真実性について上告人は一切の責任を負わないこと,資料は必要な情報を全て包含しているわけではなく,招へい先金融機関で独自にAの信用力等の審査を行う必要があることなどが記載されていた。

(3) 他方,AのいわゆるメインバンクであったCは,平成19年3月,他の11の金融機関と共に,Aに対し総額約30億円のシンジケートローン(以下「別件シ・ローン」という。)を組成し,実行するとともに,別件シ・ローンにおいて他の参加金融機関の代理人(いわゆるエージェント)となっていたところ,同年8月28日又は29日頃,Bに対し,Aの同年3月期決算書において不適切な処理がされている疑いがある旨を指摘し,同決算書に関して専門家による財務調査を行う必要があり,これを行わなければ,同年9月末以降の別件シ・ローンの継続ができない旨を告げた。
 Bは,上記財務調査の実施を承諾し,別件シ・ローンの各参加金融機関に対し,上記決算書において一部不適切な処理がされている可能性があるため,Dに同決算書の精査を依頼する予定である旨を記載したA名義の平成19年9月10日付けの書面(以下「本件書面」という。)を送付した。

(4) 上告人による上記(2)の参加招へいに対し,被上告人らは,それぞれ,Aの決算書等を検討し,上告人に質問するなどして,平成19年9月20日頃までに参加の意向を示したことから,上告人及び被上告人らによる総額9億円のシンジケートローン(以下「本件シ・ローン」という。)が組成され,実行されることとなった。そして,上告人岡崎支店の行員で本件シ・ローンの担当者であったEは,本件シ・ローンの契約書調印手続のため,同月21日,Aに赴いた。

(5) ところが,上記調印手続に先立ち,Bは,Eに対し,本件書面を示し,CがAの平成19年3月期決算書に不適切な処理がある旨の疑念を有しており,別件シ・ローンの参加金融機関に本件書面を送付した旨の情報(以下「本件情報」という。)を告げた。これは,Bとしては,本件シ・ローンのアレンジャーである上告人ないしその担当者であるEに,本件シ・ローンの組成・実行手続の継続の是非について判断を委ねる趣旨であった。
 これに対し,上告人ないしEは,本件情報を被上告人らに一切告げることなく,本件シ・ローンの組成・実行手続を継続した。

(6) 上告人及び被上告人らは,平成19年9月28日,Aに対し,本件シ・ローンの実行として,上告人が4億円,被上告人X1及び同X2が各2億円,同X3が1億円の合計9億円を,平成20年3月28日を第1回返済日とし,半年ごとに9000万円ずつ10回払で返済し,各回の返済額は本件シ・ローンの参加割合に応じて案分するなどとの条件で貸し付けた。もっとも,上記9億円のうち3億円は,上告人のA及びその関連会社に対する貸付金の返済に回された。
 そして,本件シ・ローンの実行に伴い,平成19年9月28日,上告人は,Aからアレンジャーフィーないしエージェントフィーとして3780万円の支払を受け,被上告人らは,参加手数料(パーティシペーションフィー)として,被上告人X1及び同X2が各210万円,同X3が105万円(いずれも上記個別貸付額の1%及び消費税相当額)を受領した。

(7) 平成19年10月29日まで行われたDによる財務調査の結果,Aの同年3月期決算書には,実在しない売掛金や前渡金の計上等があり,純資産額が約40億円過大となる粉飾のあることが判明した。このため,Cは,Aに対し,同年10月31日,別件シ・ローンの継続はできない旨及び自行単独融資分につき期限の利益喪失を通知した。
 結局,Aは,平成20年4月11日,自らの申立てに基づき名古屋地方裁判所から再生手続開始の決定を受けた。

【判旨】

1.所論は,被上告人らは金融機関として貸付取引に精通しており,上告人が本件シ・ローンのアレンジャーであるからといって,被上告人らに対する情報提供義務を負うものではないと解すべきであり,上告人の情報提供義務違反に基づく不法行為責任を認めた原審の判断は,民法709条の解釈適用を誤っているというものである。

2.前記事実関係によれば,本件情報は,AのメインバンクであるCが,Aの平成19年3月期決算書の内容に単に疑念を抱いたというにとどまらず,Aに対し,外部専門業者による決算書の精査を強く指示した上,その旨を別件シ・ローンの参加金融機関にも周知させたというものである。このような本件情報は,Aの信用力についての判断に重大な影響を与えるものであって,本来,借主となるA自身が貸主となる被上告人らに対して明らかにすべきであり,被上告人らが本件シ・ローン参加前にこれを知れば,その参加を取り止めるか,少なくとも上記精査の結果を待つことにするのが通常の対応であるということができ,その対応をとっていたならば,本件シ・ローンを実行したことによる損害を被ることもなかったものと解される。他方,本件情報は,別件シ・ローンに関与していない被上告人らが自ら知ることは通常期待し得ないものであるところ,前記事実関係によれば,Bは,本件シ・ローンのアレンジャーである上告人ないしその担当者のEに本件シ・ローンの組成・実行手続の継続に係る判断を委ねる趣旨で,本件情報をEに告げたというのである。
 これらの事実に照らせば,アレンジャーである上告人から本件シ・ローンの説明と参加の招へいを受けた被上告人らとしては,上告人から交付された資料の中に,資料に含まれる情報の正確性・真実性について上告人は一切の責任を負わず,招へい先金融機関で独自にAの信用力等の審査を行う必要があることなどが記載されていたものがあるとしても,上告人がアレンジャー業務の遂行過程で入手した本件情報については,これが被上告人らに提供されるように対応することを期待するのが当然といえ,被上告人らに対し本件シ・ローンへの参加を招へいした上告人としても,そのような対応が必要であることに容易に思い至るべきものといえる。また,この場合において,上告人が被上告人らに直接本件情報を提供したとしても,本件の事実関係の下では,上告人のAに対する守秘義務違反が問題となるものとはいえず,他に上告人による本件情報の提供に何らかの支障があることもうかがわれない。
 そうすると,本件シ・ローンのアレンジャーである上告人は,本件シ・ローンへの参加を招へいした被上告人らに対し,信義則上,本件シ・ローン組成・実行前に本件情報を提供すべき注意義務を負うものと解するのが相当である。そして,上告人は,この義務に違反して本件情報を被上告人らに提供しなかったのであるから,被上告人らに対する不法行為責任が認められるというべきである。

3.以上によれば,所論の点に関する原審の判断は,結論において是認することができる。論旨は採用することができない。

【田原睦夫補足意見】

 本件は,シンジケート・ローンにおけるアレンジャーの不法行為責任が問われた初めての事案であり,原審判決を巡って種々の論議がなされていることに鑑み,以下のとおり補足意見を述べる。

1.Aの被上告人らに対する情報提供義務について

 一般に,金融機関に融資を申し込む者は,その申込みに際して誠実に対応すべき義務を信義則上負っているものといえ,融資の可否の判断に大きな影響を与え得る情報を秘匿して融資の申込みを行い,その結果融資した金融機関に損害を与えた場合には,不法行為責任を負うものというべきである。
 本件においては,Aのメインバンクが,同社の平成19年3月期決算書において不適切な処理が行われている疑がある旨を指摘し,同決算書に関して専門家による財務調査を行う必要があり,これを行わなければ,同年9月末以降の別件シンジケート・ローンの継続ができない旨告げたというのであるところ,その事実は同社の信用の根幹に関わる重要な情報であるから,同社が金融機関に融資を申し込むに際して信義則上当該金融機関に提供すべき情報に該当するものであり,また,融資申込み後その融資実行前に判明した場合においても,同様に提供すべき情報であるといえる。
 殊に,Aが上告人に対して本件シンジケート・ローンの組成を委託するに際して提出したいわゆるインフォメーション・メモランダムにおいて,同社が提供する資料について「その内容が真実かつ正確であることを保証」しているところ,そこで提供される決算資料の正確性について,メインバンクが疑念を抱き,専門家による財務調査を求めているとの事実は,シンジケート・ローンへの参加を招聘されている金融機関にとって,その参加の可否を決する上での重要な情報である。
 従って上記の事実は,Aにおいて,本件シンジケート・ローンへの参加の呼び掛けに応じようとしている金融機関に対して信義則上開示すべき重要な情報であるといえる。

2.アレンジャーとしての上告人の被上告人らに対する本件情報提供義務について

(1) アレンジャーと借受人との関係は,一般に準委任と解されているところ,シンジケート・ローンへの招聘を受けた金融機関において参加の可否の判断に重大な影響を与えるべき事実を借受人が秘匿していることをアレンジャーが知った場合に,敢えてその事実を秘匿したままアレンジャーの業務を遂行し,その結果シンジケート・ローンの参加者が損害を被った場合には,アレンジャーは借受人の情報提供義務違反に加担したものとして,共同不法行為責任が問われ得るといえる(アレンジャーがかかる事実を知った場合には,受託者としての善管注意義務の一環として,借受人に対して,その情報を参加を招聘する金融機関に開示するよう助言すべきであり,借受人がその助言に応じない場合には,アレンジャーとしての受任契約を解約することが検討されて然るべきであろう。)。

(2) 次にアレンジャーとシンジケート・ローンへの参加を希望する金融機関との間には,契約関係は存しないが,アレンジャーはシンジケート・ローンへの参加を呼び掛けるに当っては,一般にアレンジャーとしてその相手方に対して提供が求められる範囲内において,誠実に情報を開示すべき信義則上の義務を負うものというべきであり,殊にアレンジャーがその業務の遂行過程で得た情報のうち,相手方が参加の可否を判断する上において影響を及ぼすと認められる一般的に重要な情報は,相手方に提供すべきものであり,それを怠った場合には,参加希望者を招聘する者としての信義則上の誠実義務に違反するものとして,不法行為責任が問われ得ると言える。

(3) 上告人の本件情報提供義務

 本件情報は,前記のとおり本件のインフォメーション・メモランダムにて確約されたAの提供した資料の真実性,正確性を揺るがす情報であって,被上告人らの本件シンジケート・ローンにかかる融資契約の締結前に明らかになったものであり,被上告人らが融資契約締結の可否を判断するうえで重要な影響を及ぼし得る情報である。また,上告人は本件情報をアレンジャー業務の遂行過程で入手したものであるから,上告人は上記(1),(2)の何れの点からしても,被上告人らに直ちに本件情報を開示すべき信義則上の義務を負っていたものということができるのであり,その違反に対しては不法行為責任が問われて然るべきである。

3.上告人の守秘義務について

 一般に金融機関は,取引先から入手した情報については第三者に対する守秘義務を負っていると言える。しかし借受人が金融機関にシンジケート・ローンのアレンジャー業務を委託した場合において,その業務の遂行に必要な情報は,借受人とアレンジャーとの間で別段の合意がない限り,当然に招聘先に開示されるべきものであり,借受人はアレンジャーに対し,守秘を求める利益を有しないものというべきである。
 そして,本件情報は,前記のとおりAとして,当然に被上告人ら参加金融機関に対して開示すべきものであり,また,本件記録上Aと上告人間で本件情報の秘匿に関する特段の合意がなされたことは窺えないのであるから,本件情報の提供に関し,上告人の守秘義務が問題となる余地はないものというべきである。

4.追って,上告受理決定の論旨外であるが,上告人は,上告受理申立理由書において,本件においては,過失相殺がなされるべき旨縷々主張しているので,その点について補足的に以下に触れておく。
 確かに本件記録によれば,参加金融機関に開示されたAの過去3期の決算書を瞥見するだけでも幾つかの計数上の問題点が浮び上るのであり,事実審において過失相殺の有無が問われても然るべき事案であることが窺える。しかし,上告人は,原審迄に過失相殺の主張をしていない以上,当審で採り上げるべき論点でないことは言う迄もない。

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